ライバル同士のバンドマンが巻き起こす騒動と同じ女性に惹かれた2人の恋の争奪戦を描く、監督H・C・ポッター、主演フレッド・アステア、ポーレット・ゴダード、アーティ・ショウ、バージェス・メレディス他共演のミュージカル・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:H・C・ポッター
製作:ボリス・モロス
原案:フランク・キャヴェット
脚本
イアン・マクレラン・ハンター
エレイン・ライアン
ジョニー・マーサー
ベン・ヘクト(クレジットなし)
撮影:セオドア・スパークル
編集:ジャック・デニス
音楽:アーティ・ショウ
出演
ダニー・オニール:フレッド・アステア
エレン・ミラー:ポーレット・ゴダード
本人:アーティ・ショウ
ハンク・テイラー:バージェス・メレディス
J・レスター・チザム:チャールズ・バターワース
ステュー:フランク・メルトン
ダン:ジミー・コンリン
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1940年製作 84分
公開
北米:1940年12月3日
日本:未公開
■ アカデミー賞 ■
第13回アカデミー賞
・ノミネート
音楽・歌曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
大学バンドのトランペッター、ダニー・オニール(フレッド・アステア)とライバルのハンク・テイラー(バージェス・メレディス)は、知人のステュー(フランク・メルトン)と一緒にいたエレン・ミラー(ポーレット・ゴダード)に惹かれてしまう。
エレンのテーブルに向いハンクを追い払ったダニーは、彼女から何かを渡されて喜びながらステージに戻る。
ところが、エレンから渡されたものは呼び出し状で、それを知ったハンクにダニーは笑われてしまう。
翌日、集金代理店の秘書エレンの元に向かったダニーは、その場にいたハンクと共に、7年前に買った百科事典の代金を払わないことを彼女に追及される。
エレンの上司ダン(ジミー・コンリン)に呼ばれた二人は、翌日までに払わない場合は牢屋行きだと言われる。 その件は別として、とにかくエレンが気に入ったダニーは、自分達のバンドに彼女が必要だと考える。 ダンにたった2ドルの賄賂を渡し、そのことにエレンが絡んでいると見せかけたダニーは、ダンを怒らせることに成功する。 憤慨したダンは、ダニーとハンクを牢屋に入れると言って、エレンも解雇してしまう。 思い通りになったダニーとハンクは、エレンに今の2倍の報酬を払うと言って納得させ、ダンへの賄賂には10ドル必要だと彼女から教えてもらう。 ダニーはハンクに金を渡してダンのことは任せ、エレンと共にその場を去る。 その後、ダニーとハンクは、エレンをオフィスに連れて行き仕事の内容を教える。 エレンは、二人から無理だと言われながらもバンドを各方面に売り込み、次々と仕事を決める。 人気クラリネット奏者アーティ・ショウは、ダニーのバンドの評判を聞き、偵察が必要だと考える。 順調に活動を続けるダニーのバンドだったが、ハンクが卒業できることになり、彼はバンドを去らねばならず焦る。 学長に会ったハンクから様子を聞いたダニーは、自分も退学させられると聞いて困惑する。 そこに現れたエレンからアーティ・ショウが来ることを知らされたダニーとハンクは、そのための準備を始める。 アーティ・ショウが現れたことを知ったダニーとハンクは、気にいられようとして互いに演奏を始める。 ところが、アーティ・ショウの目的はエレンを秘書にすることで、彼女が引き抜かれたことを知ったダニーとハンクはショックを受ける。 旅立つエレンを見送ったダニーとハンクは、これきりだということを確認して別れる。 ニューヨーク。 既にエレンに会いに来ていたダニーとハンクはエレベーターで出くわし、アーティ・ショウのオフィスに向かう。 エレンが送ろうとしていた電報をその場で確認したダニーとハンクは、見下されてただ働きさせられることを心配し、アーティ・ショウに会い彼を牽制する。 待つことになった二人は、エレンとの再会を喜ぶ。 オーディション会場に向かったダニーは、ハンクが来ない間にエレンに言い寄る。 現れたハンクは、いつも自分を出し抜くダニーの行動を批判するが、エレンが彼をなだめる。 音楽愛好家の富豪J・レスター・チザム(チャールズ・バターワース)に挨拶したアーティ・ショウは、彼にエレンを紹介する。 アーティ・ショウに声をかけられたダニーとハンクは、オーディションの準備を始める。 ダニーがエレンにプロポーズしたと聞いたハンクは、それを信じた振りをして、彼の楽譜に細工をする。 ステージに呼ばれたダニーだったが、まともな演奏ができず、アーティ・ショウに他の仕事を探した方がいいと言われる。 ハンクが演奏を始め、彼が楽譜を書き換えたことに気づいたダニーは仕返しをする。 アーティ・ショウは二人を会場から連れ出すよう指示し、エレンも騒ぎを起こした彼らを見限る。 ダニーとハンクはそれぞれ仕事を探すが、アーティ・ショウの紹介だと言っても通用せず追い払われる。 チザムを後援者とすることをアーティ・ショウに提案したエレンは、それを進めるよう彼から指示される。 チザムと競馬場に向かったエレンは、ハンクがファンファーレ係となっていたため驚いてしまう。 ロシアン・レストランのバンド・メンバーとなっていたダニーは、チザムと同席するエレンに気づき彼女のために歌う。 思わず笑ってしまいダニーの歌を聴いていられないエレンは、チザムと共に店を出る。 アーティ・ショウのオフィスに向かったチザムは、有能なエレンを気に入り援助を約束する。 チザムと共に音楽を楽しもうとしていたエレンは、電話をしてきたダニーに誘われるもののそれを断る。 部屋に忍び込んだダニーはベッドの下に隠れ、その場にハンクがいたため、エレンといるのは誰なのかと不思議に思う。 チザムをロシアン・レストランと競馬場で見かけていたダニーとハンクは、彼を追い払おうとする。 ダニーがエレンを誘い出し、ハンクが奥から現れて夫を装う。 混乱したチザムは帰ると言い出し、援助の話はなかったとことにしてほしいとエレンに伝えてその場を去る。 ダニーとハンクは喜ぶが、憤慨するエレンから、チザムがコンサートの後援者だったことを知り驚く。 翌日、アーティ・ショウに全てを打ち明けて去ろうとしていたエレンを引き留めたダニーは、チザムを1時間で連れ戻すと言って彼女に約束する。 チザムの部屋に向い誤解を解いたダニーとハンクは、彼をおだててコンサート会場に向かう。 約束通りダニーとハンクがチザムを連れてきたため、エレンは喜ぶ。 アーティ・ショウにフォークソングをコンサートに取り入れることを提案したチザムは、演奏者としてダニーとハンクを紹介しようとする。 チザムに余計なことを言わせないために、ハンクは彼を連れてロビーに向う。 現れたダニーを信用できないアーティ・ショウだったが、エレンに説得されて仕方なく彼のピアノと歌を聴く。 まずまず気に入ったアーティ・ショウは、ダニーを使うことを決める。 ダニーとエレンはそれをハンクとチザムに伝え、4人は祝杯を挙げる。 チザムがマンドリンを演奏することを知ったエレンは驚くが、それが条件だったとダニーとハンクに言われる。 ハンクにチザムを任せたダニーとエレンはリハーサルに向い、アーティ・ショウに曲の構成を渡す。 トランぺッターとしてハンクを推薦するダニーだったが、アーティ・ショウはそれを承知しなかった。 マンドリンのレッスンを受けるチザムは、基礎練習を続けさせられてうんざりしてしまう。 何とか演奏できることになったと電話でダニーから知らされたハンクは、チザムを睡眠薬で眠らせようとする。 チザムも同じことを考えていたため、ハンクと彼はお互いの酒に睡眠薬を入れてそれを飲んでしまう。 コンサートは始まるがダニーはハンクの居場所が分からず、それをエレンに知らせる。 アーティ・ショウに紹介されたダニーは、タクトを渡されて演奏を始める。 華麗なタップを踏みながら演奏を終えたダニーは喝采を受け、ステージ脇のエレンに祝福される。 アーティ・ショウからバンドに迎えられたダニーは、エレンと共に劇場を出る。 その頃、ホテルではハンクとチザムは気持よく眠っていた。 タクシーに乗ったダニーとエレンは、愛を確かめ合う。
...全てを見る(結末あり)
有能なエレンは仕事をこなし、ダニーとハンクをオーディションに出すことをアーティ・ショウに了承させ、二人に電報を送る。
*(簡略ストー リー)
大学バンドのトランペッター、ダニー・オニールとライバルのハンクは、パーティーに現れた美しいエレンに惹かれてしまう。
実は集金代理店の秘書だったエレンをバンドのマネージャーにしたダニーとハンクは、彼女のお蔭で順調なバンド活動を続ける。
人気クラリネット奏者アーティ・ショウが来るという情報に喜ぶダニーとハンクだったが、彼の目的が有能なエレンを引き抜くことだったことを知りショックを受ける。
お互いを牽制しながらエレンに別れを告げたダニーとハンクだったが、二人は彼女を追ってニューヨークに向かう。
その後、訪ねて来たダニーとハンクをアーティ・ショウに紹介し、仕事を与えようとするエレンだったが・・・。
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フレッド・アステアがダンサーではなくトランぺッターという役柄が何んとも興味深い作品ではあるが、もちろん、彼は随所で見事なダンスや歌を披露してくれる。
フレッド・アステアとしては、RKOを支えたジンジャー・ロジャースとの黄金コンビを解消した翌年の作品で、彼女は同年、「恋愛手帖」(1940)でアカデミー主演女優賞を受賞している。
RKOやMGMとはまた雰囲気の違うパラマウント・ミュージカルであり、前者に比べるとやや小ぢんまりしているシンプルな仕上がりの作品でもある。
また、ビッグバンドのリーダーとして絶大な人気を誇っていたアーティ・ショウが本人役で出演しているのも注目で、彼の人気ぶりが窺える映像と演奏が存分に楽しめる。
第13回アカデミー賞では、音楽、歌曲賞にノミネートされた。
騒ぎを起こす主人公らの行動に呆れる反面、彼らを支える有能な女性を演ずるポーレット・ゴダード(当時のチャールズ・チャップリン夫人)、彼女とは4年後に結婚する、主人公のライバルを愉快に演ずるバージェス・メレディス、アーティ・ショウのバンドの支援者チャールズ・バターワース、集金代理人のジミー・コンリンなどが共演している。