第二次大戦下、実業家のオスカー・シンドラーがナチス・ドイツによるユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)から1100人もの人々を救った実話の映画化。 監督スティーヴン・スピルバーグ、主演リーアム・ニーソン、ベン・キングスレー、レイフ・ファインズ共演によるドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作:キャスリーン・ケネディ
原作:トーマス・キニーリー”Schindler’s Ark/Schindler’s List”
脚本:スティーブン・ザイリアン
撮影:ヤヌス・カミンスキー
編集:マイケル・カーン
美術装置
アラン・スタルスキー
イワ・ブラウン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
ヴァイオリン・ソロ:イツァーク・パールマン
出演
オスカー・シンドラー:リーアム・ニーソン
イザック・シュターン:ベン・キングスレー
アーモン・ゲート大尉:レイフ・ファインズ
エミリエ・シンドラー:キャロライン・グッドオール
ポルデク・ベファーベルグ:ジョナサン・サガール
ヘレン・ヒルシュ:エンベス・デイヴィッツ
ヴィクトリア・クロノーシュカ:マルゴーシュ・ガベル
ウィレック・チロビッツ:シュムリク・レヴィ
ユリアン・シェルナー:アンジェイ・セヴェリン
ロルフ・ズーダ:フリードリッヒ・フォン・サン
アルバート・ヒュージャー:ノーバート・ウェイサー
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1993年製作 195分
公開
北米:1993年12月15日
日本:1994年2月26日
制作費 $25,000,000
北米興行収入 $96,067,180
世界 $317,100,000
■ アカデミー賞 ■
第66回アカデミー賞
・受賞
作品・監督・脚色・編集・撮影・美術・作曲賞
・ノミネート
主演男優(リーアム・ニーソン)
助演男優(レイフ・ファインズ)
録音・衣装デザイン・メイクアップ賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1939年9月1日。
ナチス・ドイツは、ポーランドに侵攻して2週間で制圧、第二次大戦が始まる。
ドイツ人実業家オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)は、商才を生かし、クラクフで戦争を利用して一儲けしようと考える。
シンドラーは、資金力に物を言わせて、ユダヤ人の工場を買い上げ、ユダヤ人会計士イザック・シュターン(ベン・キングスレー)を側近にして、軍隊用のホーロー容器の製造事業を始める。
その後、シンドラーは、闇市から物資を調達できる青年ポルデク・ベファーベルグ(ジョナサン・サガール)に接触して、物資を手に入れナチスの幹部達を買収する。
1941年3月20日。
ユダヤ人達は、強制的にゲットーに移されるが、シュターンの働きで、彼らの多くはシンドラーの工場に労働者として雇われる。
シンドラーの事業は順調に伸び、彼はシュターンの有能さを認めるが、同胞を利用しているだけである、彼の気持ちは晴れなかった。 女好きのシンドラーは、浮気の現場を別居中の妻エミリエ(キャロライン・グッドオール)に目撃されてしまい、彼女は早々にシンドラーの元を去っていく。 シンドラーは、障害者の熟練工に、仕事を与えられたことへの感謝を述べられ、戸惑ってしまう。 利益追求のことしか頭にないシンドラーだったが、情が移ったその熟練工が、ナチスに無造作に殺されたのを知り、さすがにナチス幹部を非難する。 そんな中、シュターンが移送されそうになり、 シンドラーは、会社の運営のために彼を救い出し連れ戻す。 1942年冬クラクフのゲットー。 ゲートは、怯えるユダヤ人の女の中から、ヘレン・ヒルシュ(エンベス・デイヴィッツ)をメイドに選ぶ。 その直後に、ゲートは、作業がはかどらずにわめき散らす、ユダヤ人の女性建設主任を、ヘレンの目の前で射殺させる。 1943年3月13日。 親衛隊は、抵抗するユダヤ人を容赦なく射殺し、財産を没収した。 その日、親衛隊がユダヤ人を追いたてて虐殺する中で、一人歩いている赤いコートを着た少女を、シンドラーは丘の上から目撃する。 この光景にシンドラーは心を動かされ、工場の労働者を大量に受け入れ、ユダヤ人を救うことを考える。 その後収容所では、ゲートが、ユダヤ人達を何の感情もなく射殺していた。 ゲットー解体で労働力を失っていたシンドラーは、 ゲートに会い、賄賂を要求する彼の条件を呑んで、収容所のユダヤ人を次々と工場に送り込んでいく。 シンドラーは、ゲートに優遇された、シュターンが選ぶユダヤ人のために、賄賂に使う金目の物を彼に渡す。 自分の役目以上のことを要求されるのに戸惑いを見せ、全てのユダヤ人を救うことは出来ないと、シュターンにその考えを話すシンドラーだった。 しかし、シュターンは、ユダヤ人の置かれた悲惨な現実を語るだけで、結局、シンドラーは彼らを救う手助けを続ける。 シンドラーは、ゲートの恐怖に怯えるメイドのヘレンにも希望を与える。 そして、許すことこそ権力者の”力”だと言って、シンドラーはゲートの残虐な行動を牽制する。 翌日、その言葉に従ったゲートだったが、バスタブの汚れを落とせない少年を射殺し、ヘレンに優しい言葉をかけながら、彼女を痛めつけてしまう。 その後、収容所では、突然、ユダヤ人の移送作業が始められ、まず子供達が親から引き離される。 シンドラーは、列車で移送されるユダヤ人達を見て、渇きを癒すために、消火ホースで車両に水をかけさせる。 彼らが殺されると知りながらも、シンドラーはユダヤ人達に最後の希望を与えようとする。 1944年4月。 シンドラーは、死体焼却現場で、かつて目撃した赤いコートの少女の死体を見て愕然とする。 そして、ユダヤ人達は、最終抹殺施設アウシュヴィッツに移送されることになる。 覚悟を決めたシュターンに、シンドラーは感謝の言葉を述べて、いつの日か戦争が終わった後に、酒を酌み交わすことを約束する。 シュターンは、 シンドラーのユダヤ人を思う心を肌に感じ、それまで断り続けていた彼の差し出す酒を、友人として受ける。 ゲートに大金を渡したシンドラーは、 チェコに新工場を作るという理由で、ユダヤ人労働者1100人をリストアップし、それにヘレンを加えることに成功する。 生まれ故郷チェコのブリンリッツで、ユダヤ人を迎えたシンドラーだったが、 女と子供がアウシュヴィッツに移送されたことを知る。 シンドラーは、所長のルドルフ・ヘスに賄賂を渡し、彼女達を助けてブリンリッツに戻る。 シンドラーは妻エミリエと寄りを戻し、工場で武器や弾薬の製造に不良品を出してナチスに抵抗する。 そしてシンドラーは、 ユダヤ人達の生活を尊重し、安息日の儀式なども自由にさせる。 全く生産性が上がらない工場で、シンドラーは賄賂とユダヤ人達の生活を支えるために、7ヶ月で数百万マルクを使う。 さらにしシンドラーは、他の事業経営者にも同様に声をかけて、協力を呼びかける。 1945年5月7日。 シンドラーは、ユダヤ人と親衛隊を集め、ナチス党員である自らを戦犯として批判し、犠牲者のために黙祷を捧げる。 ユダヤ人達は、シンドラーへの感謝の気持ちに、 自分達の金歯で作った指輪と手紙を渡す。 シンドラーは、ユダヤ人を救うための努力が足りなかったと、シュターンに告げて泣き崩れてしまい、彼や、人々に抱きかかえられる。 その後、ユダヤ人に扮したシンドラーとエミリエは、人々の感謝の眼差しを受けながら工場を去って行く。 やがて、ソ連兵が工場に現れ、ユダヤ人達は自由を求めて旅立つ。 アーモン・ゲートは、人道に背く罪を犯したとして、クラクフで絞首刑に処される。 オスカー・シンドラーは、戦後、結婚や事業に失敗する。
...全てを見る(結末あり)
3万人が収容できる建設中のプワシュフ収容所に、親衛隊のアーモン・ゲート大尉(レイフ・ファインズ)が所長として着任する。
ゲットーは解体され、約3万人のユダヤ人がプワシュフ収容所に送られる。
戦況不利のナチス・ドイツは、プワシュフ収容所とゲットーで殺された、1万人余りの死体の焼却を始める。
ナチス・ドイツは降伏し、ユダヤ人は解放されることになる。
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*(簡略ストー リー)
第二次大戦が勃発し、それを利用して利益を得ようと考えた、強かな実業家のオスカー・シンドラーは、資金力に物を言わせユダヤ人の工場を手に入れる。
シンドラーは、ユダヤ人の会計士シュターンを側近にして、ナチスの幹部を買収し、強制的にゲットーに移されたユダヤ人を労働力にして、巨額の利益を得て事業は順調に伸びる。
そんな中、地元に建設されたユダヤ人収容施設の所長に、アーモン・ゲートが赴任する。
その後シンドラーは、ゲートの残虐な行動やナチスによる非人道的なユダヤ人迫害を目の当たりにして心は動く。
そして、シンドラーは、私財を投じ、一人でも多くの尊い”命”を救おうとする・・・。
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自らもユダヤ系であるスティーヴン・スピルバーグの、ライフワーク的な作品でもある。
ナチス党員でありながら、ナチスの非人道行為やホロコーストに接した、オスカー・シンドラーの心の葛藤や、 アーモン・ゲートの異常なまでの残虐性を生々しく描いたスピルバーグの演出、そして映像、美術などの完成度が非常に高い作品。
2004年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
第66回アカデミー賞では12部門にノミネートされ、作品、監督、脚色、編集、撮影、美術、作曲賞を受賞した。
・ノミネート
主演男優(リーアム・ニーソン)
助演男優(レイフ・ファインズ)
録音・衣装デザイン、メイクアップ賞
北米興行収入は約9600万ドル、全世界では約3億1700万ドルという大ヒットとなった。
中盤過ぎまでは、目を被いたくなるような映像の連続で、3時間強の本作を観るには、かなりの覚悟がいる。
人間の命を示すロウソクの炎と、犠牲者の象徴として登場する、少女の赤いコートだけがカラーという手法が効果的で、一部のカメラワークは、ドキュメンタリー及び実写フィルムと見間違えるほどのリアルさがある。
もの悲しさの中に、希望も感じるジョン・ウィリアムズの音楽は、いつもながら印象に残る。
主演のリーアム・ニーソンは、既に多数の映画出演はあったものの、本作の好演により、世界的な知名度となり、以後の大活躍につながっている。
大柄なのでスクリーンで見栄えがして、また、優しさも感じさせる繊細な演技も光る。
その彼をも凌ぐ名演を見せたレイフ・ファインズは、それまでのイメージを一新し、強欲な悪魔のような殺人将校に成りきっている。
彼も、本作をきっかけに、ハリウッド及び世界的活躍をすることになる。
またベン・キングスレーの、実直なユダヤ人会計士役も素晴らしく、控えめでありながら、ドラマを支える重要な役を演技派らしく見事に演じている。
シンドラーの妻エミリエ役のキャロライン・グッドオール、闇市の物資調達屋ポルデク・ベファーベルグ役のジョナサン・サガール、アーモン・ゲートのメイドとなるヘレン・ヒルシュのエンベス・デイヴィッツなどが共演している。