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血闘/スカラムーシュ Scaramouche (1952)

1921年に発表された、ラファエル・サバティーニの小説”Scaramouche”を基に製作された作品。
親友を貴族に殺された青年の復讐と恋を描く、監督ジョージ・シドニー、主演スチュワート・グレンジャーエリノア・パーカージャネット・リーメル・ファーラー他共演のロマンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト
監督:ジョージ・シドニー

製作:ケイリー・ウィルソン
原作:ラファエル・サバティーニScaramouche
脚本
ロナルド・ミラー
ジョージ・フローシェル
撮影:チャールズ・ロッシャー
編集:ジェームズ・E・ニューカム
音楽:ヴィクター・ヤング

出演
アンドレ・モロー:スチュワート・グレンジャー
レノア:エリノア・パーカー
アリーヌ・ド・ガヴリヤック:ジャネット・リー
ノエル/ド・メイン侯爵:メル・ファーラー
シャブリライン:ヘンリー・ウィルコクソン
マリー・アントワネットニナ・フォック
フィリップ・ド・ヴァルモラン:リチャード・アンダーソン
ジョルジュ・ド・ヴァルモラン:ルイス・ストーン
イザベル・ド・ヴァルモラン:エリザベス・リスドン
ガストン・ビネ:ロバート・クート
マイケル・ヴァンノー:ハワード・フリーマン
ファビアン弁護士:カーティス・クックシー
ドゥトレヴァル:ジョン・デナー
ペリゴール:リチャード・ヘイル
スカラムーシュ:ヘンリー・コーデン
ドュビュック医師:ジョン・リテル
パンチネロ:オーウェン・マクギベニー

アメリカ 映画
配給 MGM
1952年製作 115分
公開
北米:1952年6月27日
日本:1953年1月4日
製作費 $3,500,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
フランス革命前のフランス王国
ノエル・ド・メイン侯爵(メル・ファーラー)は、いとこである王妃マリー・アントワネットニナ・フォック)に呼ばれる。

剣の達人であるド・メインは、決闘で貴族を傷つけていることをマリー・アントワネットに非難される。

”マルクス・ブル-タス”が書いた”自由 平等 友愛”という書物を見せられたド・メインは、個人的に方をつけることをマリー・アントワネットに伝える。

ド・メインに結婚を勧めるマリー・アントワネットは、彼にガヴァリヤック伯爵令嬢アリーヌ(ジャネット・リー)を紹介する。

ガストン・ビネ(ロバート・クート)の旅芸人一座がいる森に向かったアンドレ・モロー(スチュワート・グレンジャー)は、看板女優のレノア(エリノア・パーカー)の元に向かう。

姿が見えないレノアが、パリで結婚することをビネから知らされたモローは驚く。
...全てを見る(結末あり)

パリに向かい、金持ちの商人と結婚しようとしていたレノアの邪魔をしたモローは、彼女との愛を確かめ、親友フィリップ・ヴァルモラン(リチャード・アンダーソン)の元に向かう。

フィリップが問題に巻き込まれたことを知ったモローは、レノアを乗せたまま馬車で彼の家に向かい、両親ジョルジュとイザベル(ルイス・ストーン/エリザベス・リスドン)に歓迎される。

隠れていたフィリップから、自分が”マルクス・ブル-タス”で、本は庶民から王室にまで広まったと言われたモローは、彼が、圧政を続ける貴族そして暴君と戦うつもりであることを知る。

貧しいが自分たちも貴族であり、反逆罪だと父から言われたフィリップは、何も理解していないと反論する。

本を読んでもピンとこないモローだったが、とりあえずフィリップを逃がすことにして、レノアの馬車で森に向かうよう指示し、夜、待ち合わせすることにする。

ジョルジュから剣を渡されたフィリップは、父に感謝してその場を去る。

両親からフィリップのことを頼まれたモローは、それを約束してファビアン弁護士(カーティス・クックシー)の元に向かう。

ファビアンに、支給される生活費の前払いを要求したモローは、十分な金を受け取れるのは自分が隠し子だからだと言って彼を脅し、父親の名を知ろうとする。

父がノルマンディーに住むガヴァリヤック伯爵だと知ったモローは、森に向かいフィリップと合流する。

レノアが逃げたことを知ったモローは、彼女のことは諦めてフィリップと共にノルマンディーに向かう。

途中、馬車の車輪の修理を待っていたアリーヌに出会ったモローは、彼女に惹かれてしまう。

修理が終わり出発したアリーヌの馬車に乗り込んだモローは、彼女に愛を伝える。

アリーヌがガヴリヤック伯爵の娘だと知ったモローは驚き、妹を口説くわけにはいかないと思いながら屋敷に到着する。

ところが、伯爵は死去した後で、モローはフィリップと共にその場を去り、途中、酒場に立ち寄る。

その場にいたド・メインと側近のシャブリライン(ヘンリー・ウィルコクソン)は、兵士たちが反逆者のフィリップを捕えようとしていることに気づく。

シャブリラインから、フィリップが”ブルータス”だと言われたド・メインは、人違いだと言って兵士たちを下がらせる。

”自由 平等 友愛”を否定し、特権階級の貴族を脅かす者は剣で黙らせると言うド・メインは、”ブルータス”を捕えてそれを教えてやるとフィリップに伝える。

挑発されたフィリップはド・メインと剣を交えることになり、モローに父への伝言を残す。

実力差が明らかであることを知りながら、ド・メインに立ち向かったフィリップは腹部を剣で突かれる。

相手になったモローはド・メインに剣をはじかれ、銃を手にし、いずれ自分が剣で敵を討つと伝えて、馬に乗りその場から逃げる。

アリーヌの元に向かったモローは彼女を励ますものの、ド・メインを慕っていることを知り戸惑う。

兵を従えたシャブリラインが来たことに気づいたモローは、神の導きと救いがあることをアリーヌに伝えてその場から逃げる。

ある町でビネの一座が公演中の劇場に向かったモローは、スカラムーシュ役の役者(ヘンリー・コーデン)が酔い潰れたために、その仮面を被り舞台に向かう。

モローを追うシャブリラインらは劇場を調べるが、レノアと演技をするスカラムーシュがモローだとは気づかない。

キスしたスカラムーシュがモローだと気づいたレノアは演技を続け、観客を喜ばせて幕が下りる。

舞台裏に向かったシャブリラインはモローを捜していることを団員に伝え、スカラムーシュの仮面を取らせようとする。

レノアの助けでモローは床下に落下し、地下に向かったシャブリラインは、酔い潰れている醜い顔のスカラムーシュを見つける。

シャブリラインらが去った後、隠れていたモローはレノアとの愛を確かめる。

レノアは舞台に戻り、モローは、ド・メインの剣の師匠であるドゥトレヴァル(ジョン・デナー)のことを知っているスカラムーシュが、フィリップの本を持っていたために驚く。

スカラムーシュがそれをドゥトレヴァルから受け取ったことを知ったモローは、ド・メインの屋敷に向かう。

ド・メインの稽古を終えたドゥトレヴァルと話したモローは、剣術を教えてほしいと言いながら、フィリップの本を見せて信用させる。

その後、スカラムーシュとして一座に残ることになったモローは、レノアの馬車に向かい愛し合う。

ドゥトルバルの指導を受けながらスカラムーシュとして舞台に立つモローは人気者となり、パリに招かれるもののそれを拒む。

剣の腕を上げたモローは、稽古のことをド・メインに知られる。

ドゥトレヴァルは自分に指導しているだけだと言うモローは彼に金を渡し、納得したド・メインは彼と剣を交えようとする。

上達はしたことを認めたド・メインはモローを追い詰めるが、そこに現れたアリーヌが彼のことを知っていたために驚く。

捕えられそうになったモローは、ドゥトレヴァルに助けられてその場から逃れる。

ド・メインからモローのことを訊かれたアリーヌは、彼を慕い好意を抱いていることを伝える。

王妃の指示で交際を始めたことを認めたド・メインは、今は愛していることをアリーヌに伝える。

ドゥトルバルに感謝したモローは、感情を押さえればさらに上達すると言われ、彼の師であるペリゴール(リチャード・ヘイル)の存在を知りパリに元に向かうことを考える。

その後、夜な夜な出かけているモローの相手はアリーヌだと思うレノアは、空から剣術を習っていると言われる。

パリの劇場に出演するのが夢であるレノアは、一座と共に向かうと言うモローに寄り添い喜ぶ。

パリ公演も成功させたモローは、楽屋に現れたシャブリラインから、ド・メインがアリーヌと結婚することを知らされる。

仇が妹と結婚する状況に複雑な思いのモローは、自分が彼女に惹かれていると思っているレノアに、真実を話すことができない。

モローに剣術を指導するペリゴールは一目置き、国民評議会議員のドュビュック医師(ジョン・リテル)に彼のことを伝える。

その後モローは、心配してくれるレノアにフィリップのことを話す。

親友のフィリップを殺したド・メインと決闘することをレノアに伝えたモローは、幸運を祈ってほしいと言って森に向かう。

アリーヌに会ったレノアは、婚約者のド・メインが決闘でモローを殺すことを伝える。

レノアは、アリーヌがモローを愛していることを確認する。

現れたアリーヌから、”ド・メインは来ない、愛したのはあなただけ”と言われたモローは、自分たちはただの友達であり、今後も何も起こらないと伝える。

何か隠し本当のこと話してくれないモローに、それでも愛は変わらないと伝えたアリーヌはその場を去る。

ド・メインに気づいたアリーヌは馬を走らせ、追ってきた彼と共に屋敷に戻る。

部屋に戻ったモローは、レノアにド・メインが来なかったことを伝える。

その場にいたドュビュック医師から、新設された国民評議会の議員だと言われたモローは、貴族が議員の数を減らそうとしていることを知る。

議員になることを勧められたモローは、その気はなかったものの、ド・メインも議員だということを知る。

食事を持ってきたレノアにドュビュックを紹介したモローは、政治に興味がある自分は、国民評議会議員になると伝える。

議会に出席したモローは、その場にいたシャブリラインに捕えられそうになるが、議員の不逮捕特権を主張して認められる。

ド・メインを捜すモローだったが、アリーナが手を回して彼は欠席していたため、それを知ったレノアは喜ぶ。

ある議員に侮辱されたモローは決闘を申し込まれ、相手を倒す。

議会に向かい再びド・メインを捜すモローは、彼が欠席していることを知る。

レノアは、今回もアリーヌが手を回していることを知り、彼女に感謝する。

他の議員からも決闘を申し込まれて重傷を負わせたモローは、次の議会でもド・メインが欠席していることを確認する。

モローと決闘したシャブリラインが傷つけられたことを知ったド・メインは、その夜、決着をつけようとする。

それを知ったアリーヌは、オペラ観賞の約束をしたはずだとド・メインに伝える。

仕方なくそれに従うド・メインは、シャブリラインから、オペラではなくスカラムーシュの演劇を勧められる。

劇場に向かい、レノアと共に舞台に立っているスカラムーシュがモローだと気づいたアリーヌは驚く。

ド・メインが桟敷席にいることを知ったモローは、アリーヌから気分が悪いと言われて帰ろうとする彼の元に向かう。

仮面を外したモローは、ド・メインと剣を交える。

レノアとアリーヌは心配し、劇場内にいたフィリップの両親も二人の対決を見守る。

ド・メインを傷つけ追い詰めたモローは、止めを刺すことができず、剣を捨ててその場を去る。

その後、フィリップの父ジョルジュと話したモローは、憎きド・メインの目を見た瞬間に刺せなくなった理由を考える。

父親代わりだったジョルジュから、ガヴァリヤック伯爵は父親のフリをしていただけだと言われたモローは、ド・メインの父親が実父だということを知らされる。

ド・メインに止めを刺せなかったのは兄だからだと言われたモローは驚き、アリーヌが妹ではないことに気づく。

その場にいたレノアは、素直な気持ちになるべきであり、あなたを愛しているアリーヌは結婚に向いている、自分は向いていないので大切にしてあげてほしいとモローに伝える。

レノアにキスしたモローは、アリーナの元に向かうようにと言う彼女の気持ちに感謝する。

その後、結婚式に向かうために馬車に乗るモローとアリーヌに、レノアは花束を投げる。

花束から墨が噴出したモローは、レノア流の祝福に感謝してアリーヌと抱き合う。

レノアは、待っていた”コルシカの将校”(ナポレオン)と共に出かける。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
フランス革命前のフランス王国
青年アンドレ・モローは、親友のフィリップが、圧政を続ける貴族そして暴君と戦うつもりであることを知る。
身寄りのないモローは、ガヴァリヤック伯爵が実父であることを知り彼の屋敷に向かう途中、美しい女性アリーヌと出会い惹かれてしまう。
ところが、アリーヌが伯爵令嬢で妹であることを知ったモローは、それを彼女には知らせないままにしておく。
貴族ド・メイン侯爵は、反逆者であるフィリップを挑発し、剣による決闘で彼をモローの前で殺害する。
剣の達人であるド・メインにかなわないことを知ったモローは、剣術を習い復讐することを誓う。
旅芸人一座の花形女優レノアと恋仲だったモローは、ド・メインの側近シャブリラインに追われていたため、喜劇役者である仮面のスカラムーシュに扮して身を隠し、密かに剣術を習うのだが・・・。
__________

ラファエル・サバティーニの原作を元に、ジョージ・シドニーが監督した剣戟映画の名作。

親友を貴族に殺された青年の復讐と恋を描き、ロマンスと活劇を見事にマッチングさせた見応えある内容に仕上がっている。

剣の達人である侯爵を演ずるメル・ファーラーと、当初は素人だった主人公スチュワート・グレンジャーが、名のある師からの教えを受けて腕を上げて敵討ちを果たそうとする戦いは、映画史上に残る剣術シーンと言っても過言ではない。

また、ドラマに華を添える旅芸人一座の看板女優を好演するエリノア・パーカーの輝く美貌、気品ある伯爵令嬢を演ずるジャネット・リーの美しさも印象に残る。

主人公を追う侯爵の側近ヘンリー・ウィルコクソンマリー・アントワネット役のニナ・フォック、革命前夜の活動家である主人公の親友リチャード・アンダーソン、その両親ルイス・ストーン1923年のサイレント作品では悪役を演じた)とエリザベス・リスドン、旅芸人一座の座長ロバート・クート、主人公の弁護士カーティス・クックシー、主人公に剣術を教える師匠のジョン・デナー、その師であるリチャード・ヘイル、スカラムーシュのヘンリー・コーデン、国民評議会議員の医師ジョン・リテル、他ハワード・フリーマンなどが共演している。


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