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スキャンダル・シート Scandal Sheet (1952)

スクープのためなら魂さえ売る。自ら犯した殺人を自らの新聞で追う。皮肉な運命に翻弄される男を描く、冷徹かつ完璧なフィルム・ノワールの頂点。
原作サミュエル・フラー、監督フィル・カールソン、主演ブロデリック・クロフォードドナ・リードジョン・デレク他共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:フィル・カールソン
製作:エドワード・スモール
原作:サミュエル・フラーThe Dark Page
脚本
テッド・シャードマン
ユージン・リング
ジェームズ・ポー
撮影:バーネット・ガフィ
編集:ジェローム・トムズ
音楽:ジョージ・ダニング

出演
マーク・チャップマン/ジョージ・グラント:ブロデリック・クロフォード / 利益至上主義の冷徹な新聞社の編集長
ジュリー・アリソン:ドナ・リード / 編集長に不満を抱くライター
スティーヴ・マクリアリー:ジョン・デレク / 編集長の部下である辣腕記者
シャーロット・グラント:ローズマリー・デキャンプ / 殺害される編集長の妻
チャーリー・バーンズ:ヘンリー・オニール / アルコール依存症の元記者
ビドル:ハリー・モーガン / 新聞社のカメラマン
デイヴィス警部補:ジェームズ・ミリカン / 事件を担当する刑事
エロイ・ハッカー判事:グリフ・バーネット / 犯人を覚えていた判事
フランク・マディソン:ジョナサン・ヘイル / 新聞社社主
ベイリー:ジェイ・アドラー / 犯人の目撃者

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1952年製作 82分
公開
北米:1952年1月16日
日本:未公開


ストーリー
ニューヨーク
新聞社ニューヨーク・エクスプレスの編集長マーク・チャップマン(ブロデリック・クロフォード)は、強引な手法を株主に批判されながらも、発行部数を伸ばしていた。
チャップマンの部下は、スキャンダルをものにするためには手段を選ばない敏腕記者のスティーヴ・マクリアリー(ジョン・デレク)や記事ライターのジュリー・アリソン(ドナ・リード)だった。
ジェリーは、利益至上主義のチャップマンのやり方に不満を抱いていた。
エクスプレスが主催するロンリー・ハーツ・ダンスパーティーで、チャップマンの別居中の妻シャーロット・グラント(ローズマリー・デキャンプ)が、会場で彼を見つける。
シャーロットに話しかけられたチャップマンは動揺する。
本名が”ジョージ・グラント”だったチャップマンは、20年前にシャーロットを捨てて身元を変えていたのだった。
シャーロットのホテルの部屋で話をしたチャップマンは、和解しようとする彼女の提案を拒む。
シャーロットは、正体を明かすと言ってチャップマンを脅す。
それに納得しないチャップマンは、シャーロットと揉み合いになり、彼女は頭を打って死亡する。
焦ったチャップマンは、シャーロットの所持品などを調べて証拠を隠滅し、事故死に見せかけるのだが・・・。


解説 評価 感想
“Step inside the world of ink and ambition. Read if you crave the cold, hard truth behind the headlines.”

1944年に発表された、サミュエル・フラーの小説”The Dark Page”を基に製作された作品。

多くのフィルム・ノワールを手がけることになるフィル・カールソンが監督し、主演はブロデリック・クロフォードドナ・リードジョン・デレクなどが共演した作品。

演出、キャスティング、脚本、すべてが完璧な、職人芸とはこれと断言できるフィルム・ノワールの傑作。

序盤で妻を殺してしまった新聞社の編集長である主人公が、名誉欲と部数を増やすために、”自分”を追うためのスクープ記事を利用するという、凄まじい内容のストーリーをパワフルに描く、フィルム・ノワールを得意とするフィル・カールソンの演出は秀逸だ。

細やかな演出も必見で、かつて活躍したアルコール依存症の元記者ヘンリー・オニールが、事件を解決する鍵となる人物として重要な役を演じ、事件を追う若手記者が、編集長である上司をファーストネームで呼ぶことで、彼の辣腕ぶりをイメージさせる演出(脚本)も素晴らしい。

また、自分に危機が迫る主人公が、酒の力で落ち着こうとするシーンでは、いきなりキャップを床に投げ捨てることで、ボトルを空ける勢いを強調させ、その焦りを伝える演出なども見事だ。

主演のブロデリック・クロフォードは、過去に捨てた妻と再会して殺害してしまう新聞社の編集長を熱演し、アップのシーンが多く、気概、焦りを表情だけで演ずる、オスカー受賞者である実力派としての見事な演技を見せてくれる。

スクープのためなら手段を選ばない若手記者を演ずるジョン・デレクが、元記者の死で改心して事件調査に取り組み、結果的に解決できる展開もいい。
その過程で彼は、反発し合っていた女性ライターを魅力的に演ずるドナ・リードとの関係が深まるが、恋愛感情が芽生えかける程度として描いた、事件解決を優先させた演出にも注目したい。


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