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サヨナラ Sayonara (1957)

トコリの橋」(1955)や「南太平洋」(1958)なども映画化されたピューリッツァー賞作家ジェームズ・A・ミッチェナーの、1954年発表の同名小説を基に製作された作品。
当時(1950年代初頭)はタブーとされていたアメリカ軍人と日本人女性の結婚をテーマにした、監督ジョシュア・ローガン、主演マーロン・ブランドレッド・バトンズ美代志”ナンシー”梅木ジェームズ・ガーナー高美以子共演によるラブロマンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)

マーロン・ブランド / Marlon Brando / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョシュア・ローガン

製作:ウィリアム・ゲッツ
原作:ジェームズ・A・ミッチェナー
脚本:ポール・オズボーン
撮影:エルスワース・フレデリクス
編集
フィリップ・W・アンダーソン

アーサー・P・シュミット
美術・装置
テッド・ハワース

ロバート・プリーストリー
音楽
アーヴィング・バーリン(主題歌)
フランツ・ワックスマン

出演
ロイド・グルーヴァー:マーロン・ブランド

ジョー・ケリー:レッド・バトンズ
カツミ:美代志”ナンシー”梅木
マイク・ベイリー:ジェームズ・ガーナー
ハナオギ:高美以子
アイリーン・ウェブスター:パトリシア・オーエンズ
ナカムラ:リカルド・モンタルバン
ウェブスター夫人:マーサ・スコット
マーク・ウェブスター中将:ケント・スミス
フミコ:レイコ・クバ
MP:デニス・ホッパー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1957年製作 146分
公開
北米:1957年12月5日
日本:1957年12月
北米興行収入 $26,300,000


アカデミー賞 ■
第30回アカデミー賞

・受賞
助演男優(レッド・バトンズ
助演女優((美代志”ナンシー”梅木
録音・美術賞
・ノミネート
作品・監督
主演男優(マーロン・ブランド
脚色・撮影・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1951年、韓国
朝鮮戦争での撃墜王、アメリカ空軍パイロットのロイド・グルーヴァー少佐(マーロン・ブランド)は、休養のために日本で内勤を命令ぜられる。

グルーヴァーの日本勤務は、婚約者アイリーン(パトリシア・オーエンズ)の父、ウェブスター中将(ケント・スミス)の計らいによるものだった。

そんなグルーヴァーは、部下ジョー・ケリー(レッド・バトンズ)が、日本人女性カツミ(美代志”ナンシー”梅木)と結婚することを聞く。

ケリーの行動を、軍規に反し不幸になると忠告するグルーヴァーだったが、ケリーの決意は固かった。

神戸に到着したグルーヴァーは、一旦ケリーと別れ、その後、ウェブスター将軍と妻(マーサ・スコット)に出迎えられる。

そしてグルーヴァーは、将軍が呼び寄せていたアイリーンと再会する。

ホテルに着いた一行は、入り口で揉めている海兵隊大尉マイクベイリー(ジェームズ・ガーナー)に気づく。
...全てを見る(結末あり)

ベイリーは、恋人でマツバヤシ歌劇団の日本人女性フミコ(レイコ・クバ)を、クラブに同伴することを拒まれていたのだが、ウェブスター将軍に説得されて仕方なく引き下がる。

その後、グルーヴァーとアイリーンは、日本の伝統芸能の歌舞伎を、役者のナカムラ(リカルド・モンタルバン)に招待されて観に行く。

歌舞伎を観終えたグルーヴァーとアイリーンは、食事の後の一時を楽しむ。

しかしグルーヴァーは、戦闘での精神的な疲労や、長い間アイリーンと離れて暮らしていたせいか、愛に積極的になれない。

数日後、グルーヴァーは、周囲の反対を押し切り結婚式を挙げる、ケリーの付添人をすることになる。

今回の付添人の件で、グルーヴァーはウェブスターに問い詰められ、結局は話がアイリーンのことになり、二人の間が、これ以上は発展しないことが明らかになる。

その後グルーヴァーは、バーでベイリーに出くわし、初対面では、互いに印象の悪かった二人は意気投合して語り合う。

二人で外出した先で、グルーヴァーは、歌劇団の花形スター、ハナオギ(高美以子)に一目惚れしてしまう。

ベイリーと歌劇団のショーを見に行ったグルーヴァーは、ハナオギに魅了され、なんとか彼女に近づこうする。

ケリーの妻カツミが、ハナオギの知り合いということで、彼女はグルーヴァーの気持ちをハナオギに伝える。

しかし、ハナオギは空襲で父と兄を亡くし、アメリカ人を憎んでいたために、カツミの頼みを拒む。

グルーヴァーは、ベイリーの恋人で歌劇団のフミコにも、そのことで念を押されるが、彼は諦めずに毎日ハナオギの前に現れる。

そして、ハナオギが、グルーヴァーを意識し始めた頃、ケリーが彼を自宅に招待し、二人は会えることになる。

ケリーの家に向かったグルーヴァーは、日本の文化と清楚で優しいカツミの心に触れ心も和む。

そして、ハナオギと対面したグルーヴァーは、沈黙する彼女に戸惑ってしまう。

やがて、口を開いたハナオギは、アメリカ人を家族の仇と思い続けていたことを正直に話す。

そして、グルーヴァーの誠実さと優しさを知り、ハナオギは、自分のとった態度を謝罪する。

生涯を、マツバヤシに捧げることを決めていたハナオギは恋を諦めていたが、グルーヴァーの愛を受け入れることを彼に告げる。

グルーヴァーは、ハナオギの言葉に心打たれ、言葉を失ってしまう。

一方、アイリーンは、歌舞伎役者の中村との友好を深め、日本文化に理解をしめすが、グルーヴァーが日本人女性と交際を始めたことを耳にする。

その後、グルーヴァーはハナオギとの愛を深め、同時に日本文化にも親しんでいく。

そんな時、ケリーの家にいたグルーヴァーを、アイリーンが訪ねる。

アイリーンは、ケリーの行動が軍の中で大きな問題になり始めていることをグルーヴァーに伝え、それが彼自身の問題でもあることを告げる。

グルーヴァーはそれを気にせず、警戒し始めたベイリーの忠告も聞かずに、ハナオギとの時を楽しむ。

軍は、強行手段としてケリーの本国送還を考えるが、グルーヴァーはそれを阻止しようとする。

グルーヴァーの軍との交渉は難航し、ケリーは、カツミの妊娠を理由にそれを拒否しようとするのだが、認められなかった。

ウエブスター将軍に相談したグルーヴァーだったが願いは叶わず、彼は、自分も日本人と結婚すると宣言してしまう。

その場にいたアイリーンは動揺するが、彼女も助言を求めようとする人物は、日本人(ナカムラ)だった。

グルーヴァーは、将軍との話し合いの内容をケリーにも伝え、その後、ハナオギに結婚の話を切り出す。

しかし、それを受け入れられないハナオギは、貧しい家庭を助けるために身売りされ、歌劇団に救われたことで義理があり、グルーヴァーの理想に従える自信がないことを彼に伝える。

思い余ったカツミは、整形手術をして少しでもアメリカ人に近づこうとするが、それを知ったケリーは激怒する。

カツミの気持ちを察したグルーヴァーは、ケリーをなだめ、ハナオギと4人で人形浄瑠璃を見に行く。

しかし、ハナオギの身の上を知ったグルーヴァーは、それが気になり楽しむことが出来ない。

帰宅しようとしたケリーは、自宅が軍に差し押さえられて立入禁止になってしまう。

グルーヴァーもハナオギと別れさせられ、ウェブスター将軍に、本国送還を命ぜられる。

翌日、ケリーが行方不明になり、グルーヴァーは立入禁止の彼の家にベイリーと向かう。

すると、ケリーとカツミは拳銃自殺を計り、寄り添うように倒れていた。

ハナオギも裏手からその場に現れ、物陰からケリー、カツミ、そしてグルーヴァーに別れを告げて寂しく去って行く。

グルーヴァーとベイリーは、アメリカ兵を恨む日本人に襲われるが、ケリーやカツミに親しみを感じていた住民がそれに割って入る。

ベイリーと別れ、歌劇団に向かったグルーヴァーは、フミコから、ハナオギが東京に旅立ったことを知らされる。
グルーヴァーは、ウェブスター将軍に昔の生活に戻るよう説得され、法改正で、アメリカ兵が日本人妻を本国に連れて行ける日が近いことも知らされる。

しかし、グルーヴァーはそれを聞き入れず、単身ハナオギのいる東京に向かう。

東京に着いたグルーヴァーは劇場に向かい、公演中のハナオギの楽屋で、彼女の愛を確かめて求婚し部屋を出る。

ハナオギは、劇場の裏口で待つ、グルーヴァーの元に寄り添った報道陣の前で、彼に求婚され、それを承諾したことを発表する。

そして、グルーヴァーは、上層部への伝言を軍広報から尋ねられ、”サヨナラ”と言い残し、ハナオギとその場を立ち去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
朝鮮戦争の撃墜王ロイド・グルーヴァー少佐は、休暇をとる名目で、婚約者であるアイリーンの父親ウェブスター将軍に日本に呼ばれる。
日本人女性カツミと結婚するという部下ケリーと共に、神戸に向かったグルーヴァーだったが、戦闘の疲れと、アイリーンとは長い間離れていたことで、愛に積極的になれない。
そんな時グルーヴァーは、マツバヤシ歌劇団員の女性と付き合う海兵隊のベイリー大尉と知り合い、その後、歌劇団の花形スター、ハナオギに一目惚れしてしまう。
ケリーの結婚式に立ち会ったグルーヴァーだったが、それが問題になり、軍の圧力がかかり始める。
ガードの固いハナオギに、ケリーとカツミの協力で会うことが出来たグルーヴァーは、暗い過去のある、彼女との交際を始めることが出来るのだが・・・。
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数ある日本を舞台にした作品の中では突出した出来で、日本の文化やを情景を忠実にスクリーン上で表現させたジョシュア・ローガンの演出は、日本人の目から見ても、その素晴らしさを堪能できる。

主題歌はアーヴィング・バーリンが、楽曲はフランツ・ワックスマンが担当している。

第30回アカデミー賞では作品賞以下、最多の10部門でノミネートされ、助演男優(レッド・バトンズ)、助演女優(美代志”ナンシー”梅木)、録音、美術賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督
主演男優(マーロン・ブランド
脚色・撮影・編集賞

主演のマーロン・ブランドは、前作「八月十五夜の茶屋」(1956)に続く日本絡みの出演となり、恋と友情の狭間で苦悩する、ナイーヴなエリート将校を見事に演じている。

彼の、顔の表情だけで感情を表現するところなどは、いつもながら見事で、ユーモアもまじえた、自在な演技はとにかく素晴らしい。

コミカルな演技を封じ込め、シリアスな演技に徹したレッド・バトンズと、日本人の奥床しさ、そして可愛らしくもあるナンシー梅木の好演も光る。

彼女の、日本人で唯一のアカデミー演技賞受賞者ということについては、半世紀以上経った現在でも後が続かない寂しさもあるが、もちろんその偉業は賞賛に値する。

二人の夢がかなわず、寂しく命を絶つシーンは涙を誘う。

主人公と日本で意気投合する、長身でいかにもアメリカ人らしい海兵隊将校ジェームズ・ガーナーの、気のいい軍人も印象に残る。

歌舞伎役者に扮したリカルド・モンタルバンは、違和感はあるものの、日本人の誇りや文化について淡々と語る場面など、説得力ある演技は注目だ。

オードリー・ヘプバーンが出演を断ったために起用が決まった、マーロン・ブランドを相手にやや硬い雰囲気のヒロイン高美以子、主人公を諦める恋人パトリシア・オーエンズ、父親の将軍ケント・スミス、その妻役マーサ・スコット、歌劇団員レイコ・クバ、そして、既に活躍していたデニス・ホッパーが、殆ど彼とは分からない程度のMP役で出演している。


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