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カンサス騎兵隊 Santa Fe Trail (1940)

奴隷制度廃止派とそれに対抗する軍部との戦いを描く、製作ハル・B・ウォリス、監督マイケル・カーティス、主演エロール・フリンオリヴィア・デ・ハヴィランドレイモンド・マッセイロナルド・レーガンヴァン・ヘフリン他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇


スタッフ キャスト
監督:マイケル・カーティス

製作総指揮:ハル・B・ウォリス
脚本:ロバート・バックナー
撮影:ソル・ポリト
編集:ジョージ・エイミー
音楽:マックス・スタイナー

出演
ジェイムズ・イーウェル・ブラウン”ジェブ”スチュアートエロール・フリン
キット・カーソン・ホリデイ:オリヴィア・デ・ハヴィランド
ジョン・ブラウンレイモンド・マッセイ
ジョージ・アームストロング・カスターロナルド・レーガン
テックス・ベル:アラン・ヘイル
ボブ・ホリデイ:ウィリアム・ランディガン
カール・レイダー:ヴァン・ヘフリン
ジェイソン・ブラウン:ジーン・レイノルズ
サイラス・K・ホリデイヘンリー・オニール
ウィンディ・ブロディ:グイン・ウィリアムズ
オリヴァー・ブラウン:アラン・バクスター
ロバート・E・リーモロニ・オルセン
タウンリー:ウォード・ボンド
ジェファーソン・デイヴィスアーヴィル・アルダーソン
フィル・シェリダンデヴィッド・ブルース
司令官:スペンサー・チャーターズ
電信員:クライトン・ヘイル
測量士:ジャック・マウワー
シューベル・モーガン:ラッセル・シンプソン
シャーロット:スーザン・ピータース(スーザン・カルナハン)

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1940年製作 110分
公開
北米:1940年12月13日
日本:1948年10月18日
製作費 $1,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1854年、ウエストポイント/陸軍士官学校
士官候補生のジェイムズ・イーウェル・ブラウン”ジェブ”スチュアートエロール・フリン)、ジョージ・アームストロング・カスターロナルド・レーガン)、ボブ・ホリデイ(ウィリアム・ランディガン)、カール・レイダー(ヴァン・ヘフリン)、フィル・シェリダンデヴィッド・ブルース)らは、卒業を1週間後に控えていた。

奴隷制度廃止運動ジョン・ブラウンレイモンド・マッセイ)の考えに同調するレイダーは、南部出身のスチュアートと意見が合わない。

スチュアートは、単に暴力に訴えるブラウンを国賊呼ばわりし、レイダーと殴り合いになり騒ぎを起こす。

校長のロバート・E・リーモロニ・オルセン)に呼ばれたスチュアートら7人は、破壊分子と首謀者は判明したが除隊処分に値すると言われ、最も危険な駐屯地であるカンザス準州レブンワース砦の第2騎兵隊に配属されることになる。

一方、構内で活動を続けていたレイダーはリーに厳しく非難され、不名誉除隊となる。

卒業式が行われ、ボブの妹キット(オリヴィア・デ・ハヴィランド)は、兄が卒業証書を受け取った瞬間に声を上げてしまう。

キットの父でカンザスに向かうサンタフェへの鉄道建設を行うサイラス・K・ホリデイヘンリー・オニール)は、娘の態度に呆れてしまう。
...全てを見る(結末あり)

陸軍長官ジェファーソン・デイヴィスアーヴィル・アルダーソン)が紹介されてスピーチし、与えられた任務はアメリカを守ることだであり、命を懸けてそれを全うすることを望み、国防は我々の権利だと語る。

スチュアートらと共に汽車でカンザスに向かうホリデイは、奴隷州か自由州になるかで揉めている、同州の複雑な政治情勢などを話す。

南部出身者とブラウン一派との暴力沙汰は絶えないということだった。

美しいキットに惹かれたスチュアートカスターは、彼女と楽しい時間を過ごす。

黒人の家族を連れたオリヴァー・ブラウン(アラン・バクスター)は、男たちに因縁をつけられ、汽車から降ろされそうになる。

1人を射殺したオリヴァーは、汽車から飛び降りて逃げる。

もう一人の男から話を聞いたスチュアートは、オリヴァーがブラウンの息子であり、このような事は日常茶飯事だということをホリデイから知らされる。

レブンワース砦
スチュアートカスターは、最初の任務で荷馬車の護衛をすることになる。

ホリデイを手伝い荷物の管理をするキットと話したスチュアートは、彼女を口説こうとするものの、カスターに邪魔される。

キットは、テックス・ベル(アラン・ヘイル)とウィンディ・ブロディ(グイン・ウィリアムズ)の荷馬車を護衛して出発するスチュアートカスターを見送りながら、父ホリデイと、どちらが自分を射止めるかで賭けをする。

その頃レイダーは、タウンリー(ウォード・ボンド)らと共にブラウンのアジトに到着する。

ブラウンは、黒人一家を見捨てて戻ったオリヴァーを非難して、荷馬車を襲撃するために出発する。

息子のジェイソン(ジーン・レイノルズ)から、暴力的な計画はやめるべきだと意見されたブラウンは、神が決めたことだと言って考えを変えない。

牧師に扮したブラウンはテックスらに近づき、証明書を見せて聖書を受け取る。

聖書の箱のが落ち、銃が入っていることに気づいたスチュアートは、それを調べようとするものの、ブラウンらに銃を向けられる。

仲間を呼んだブラウンは、荷馬車の荷物を奪うよう指示する。

レイダーに気づいたカスターは、それをスチュアートに知らせる。

牧師がブラウンだと気づいたスチュアートは、レイダーに銃を向けられるものの、テックスが鞭でそれを弾き飛ばす。

無益な争いを避けようとするブラウンは、銃と弾薬などを奪ってその場を去る。

ブラウンらに発砲したスチュアートらは、逃げる彼らを追撃する。

荷馬車のジェイソンはレイダーの銃弾を受けてしまい、スチュアートがそれに飛び乗る。

悪路で荷馬車は横転し、ジェイソンと話したスチュアートは、父の指示に従っていただけだと言う彼を助ける。

砦に戻ったスチュアートは、キットが看病するジェイソンから情報を得られない。

キットは、ある事件をきっかけにして、殺人者のようになったブラウンの話をジェイソンから聞く。

その後スチュアートらは、ブラウンを生け捕りにしてとらえるよう、指令官(スペンサー・チャーターズ)に命ぜられる。

責任を感じるジェイソンは、パルマイラのシューベル・モーガン(ラッセル・シンプソン)の家に父が隠れていることをキットに話す。

それをスチュアートに伝えたキットは、話し合いで解決するべきだと意見する。

ブラウンを許す気にはなれないと言いながら、スチュアートはキットにキスする。

そこにカスターが現れ、彼もキットに別れのキスをして出撃準備をする。

キットに愛を伝えたスチュアートは、返事を考えておいてほしいと伝えて出発しようとする。

テックスとウィンディも同行しようとするが、スチュアートはそれを許可しなかった。

ジェイソンが亡くなり、それをスチュアートに知らせたキットは、ブラウンに伝えてもらおうとする。

パルマイラ、モーガン家。
レイダーは、3か月無報酬であることを不満に思い、それをブラウンに訴える。

不満なら出て行けと言うブラウンは、いつかは払うと伝えて、捕らわれたジェイソンの身を案ずる。

スチュアートは、ついてきてしまったテックスとウィンディを仕方なく同行させる。

デラウェア・クロッシング。
ブラウンらに襲われた町の惨状に驚くスチュアートは、住人が戦い続けるつもりだということを確認して先を急ぐ。

軍が近づくことを知ったブラウンは、その場を離れようとしながら、黒人たちに自由の身だと伝えて別れを告げる。

スチュアートは変装してパルマイラに向かうことを考え、テックスとウィンディに協力させる。

町に着いたスチュアートは床屋に向かい、乗ってきた軍馬で正体がバレてしまい、レイダーに捕らえられる。

ブラウンと話をしたスチュアートは、武力ではなく法廷で争うべきであり、奴隷制を廃止させる方法は他にもあると伝える。

国はいつの時代も裏切ると言うブラウンは、武力行使は仕方なくしていることで、戦うしかないとスチュアートに伝える。

ジェイソンが父を恐れながら死んだとことを知らせたスチュアートは、社会の犠牲者の死を無駄にしないと言うブラウンに、自分を殺しても軍が来ると伝える。

床屋を脅したテックスとウィンディは、スチュアートの居場所を知り、部隊に知らせて彼を助け出そうとする。

吊るされるスチュアートは、隙を見て銃を奪い納屋に逃げ込み抵抗する。

ランプに弾が当たり火が点き、スチュアートはその場にいた黒人家族と共にそれを消そうとする。

そこに部隊が現れて銃撃戦が始まり、撃たれたブラウンの息子オリヴァーは死亡する。

納屋から脱出したスチュアートカスターらに救われ、ブラウンらは逃亡する。

山に逃げたブラウンは、神に祈りを捧げて戦い抜くことを誓う。

ブラウンを撃退したことで鉄道工事が始まり、ホリデイサンタフェを目指しす。

スチュアートカスターの送別会が開かれ、昇進した2人はワシントンD.C.に向かうことになる。

占い師の話を信じたカスターは、ブロンドの女性と結ばれると言われていたため、キットとは違うので、その場では彼女をスチュアートに譲る。

スチュアートら士官たちは、キットと共に占い師の話に耳を傾け、東部である男が松明に火をともし始めるという、不吉な予言を聞く。

その頃、戦いを諦めていなかったブラウンは、ウェストバージニア州のハーパーズ・フェリーの武器庫を襲い、奴隷を解放して南下する計画を立てて、支援者への協力を求める。

メリーランド州。
計画の実行を目前に控えるブラウンは、報酬を要求するレイダーを殴り倒す。

ワシントンD.C.
舞踏会が開かれ、スチュアートと共にキットを迎えたカスターは、彼女から、占い師が予言したブロンドの親友のシャーロット(スーザン・ピータース)を紹介される。

シャーロットとダンスを楽しんだカスターは、デイヴィスリーに再会する。

キットと踊っていたスチュアートは、ボブからレイダーが来ていることを知らされる。

ブラウンとは縁を切ったと言うレイダーは、ハーパーズ・フェリーが襲われることをスチュアートに伝える。

デイヴィスリーにもその件を話したレイダーは、国を分断させるブラウンを倒すために協力することを伝える。

怪しまれのでブラウン側に一旦、戻ると言うレイダーを信じたデイヴィスは、リーに出撃を命じてスチュアートら準備を始める。

ハーパーズ・フェリー
ブラウンは、戻ったレイダーから情報を得て、町に向かい人質を取り襲撃に備える。

町の住人の攻撃を受けたブラウンは、人質のブルワーに指示して、武器庫を明け渡すよう説得させる。

住人から逃げるようにと言われたブルワーはそれに従おうとするが、ブラウンに射殺される。

ブラウンは住人を皆殺しにするよう命じ、激しい戦いが始まる。

市民に多くの死傷者が出たことがワシントンD.C.に伝わり、リーの部隊が現地に向かう。

部隊は町に到着し、ブラウンは、この場で待機することを勧めたレイダーが裏切り者だと気づく。

スチュアートが白旗を持って話し合いに向かい、ブラウンが降伏する気がないことを確認した彼は、部隊に合図する。

部隊は突撃を開始し、反撃するブラウンは裏切り者のレイダーを射殺する。

建物内に突入したスチュアートは、ブラウンを追い詰めて捕らえる。

1959年12月2日、バージニア州(現ウェストバージニア)、チャールズタウン
ブラウンは、最後まで信念を曲げないまま処刑される。

その後、サンタフェへの鉄道が開通し、スチュアートとキットは列車内で結婚式を挙げる。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
1854年、ウエストポイント/陸軍士官学校
士官候補生のジェイムズ・イーウェル・ブラウン”ジェブ”スチュアートは、奴隷制度廃止運動ジョン・ブラウンの考えに同調するレイダーと騒ぎを起こす。
ロバート・E・リー校長に非難されたスチュアートカスターは、卒業後に最も危険な駐屯地であるカンザス準州レブンワース砦に赴任し、レイダーは不名誉除隊となる。
現地に着いたスチュアートカスターは、サンタフェへの鉄道建設を控えるサイラス・K・ホリデイの娘キットに惹かれ、恋敵となる。
ブラウンらに襲われたスチュアートカスターは、暴力ですべてを解決しようとする彼の行動を許せず、対抗策を考えるのだが・・・。
__________

ハル・B・ウォリスが製作総指揮を担当し、マイケル・カーティスが監督した作品。

奴隷制度廃止運動ジョン・ブラウンの暴挙を阻止ししようとする軍部の戦いを描く西部劇。

血を流すカンザス”と言われた、奴隷制度廃止運動側と制度擁護派の市民を巻き込んだ激しい対立に介入した軍部の戦いが展開する中で、歴史に名を残した軍人ジェイムズ・イーウェル・ブラウン”ジェブ”スチュアートジョージ・アームストロング・カスターの若き日の活躍が描かれた作品。

奴隷制度廃止運動自体には賛同の声が多くあったものの、あくまで武力で解決しようとして信念を曲げなかった、ジョン・ブラウンの強烈な個性が印象に残る内容で、そのため、主演のエロール・フリンらの存在感が薄いのが気になる。

主演のエロール・フリンは、奴隷制度廃止運動に反対する立場ではなく、それを扇動し暴力に訴える方法に疑問を抱きながら戦う軍人ジェイムズ・イーウェル・ブラウン”ジェブ”スチュアートを熱演している。

主人公と惹かれ合うようになる美しいオリヴィア・デ・ハヴィランド、信念を曲げない奴隷制度廃止運動ジョン・ブラウンを好演するレイモンド・マッセイ、主人公の友人であるジョージ・アームストロング・カスターロナルド・レーガン、鉄道会社の作業員を愉快に演ずるアラン・ヘイルグイン・ウィリアムズ、ヒロインの兄ウィリアム・ランディガン、その父親で鉄道会社社長サイラス・K・ホリデイヘンリー・オニールジョン・ブラウンと行動を共にする主人公の同期生ヴァン・ヘフリンブラウンの次男ジーン・レイノルズ、長男のアラン・バクスター、主人公の上官であるウエストポイント校長ロバート・E・リーモロニ・オルセンブラウンの協力者ウォード・ボンド陸軍長官ジェファーソン・デイヴィスアーヴィル・アルダーソン、主人公の同期生フィル・シェリダンデヴィッド・ブルースレブンワース砦の司令官スペンサー・チャーターズ、電信員のクライトン・ヘイル、測量士のジャック・マウワーブラウンの協力者ラッセル・シンプソンカスターと親交を深める女性スーザン・ピータース(スーザン・カルナハン)などが共演している。


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