SF作家マイケル・クライトンが脚本兼監督を担当した意欲作。 極悪非道の犯人に対抗する警官の戦いを描く、主演トム・セレック、シンシア・ローズ、ジーン・シモンズ他共演のSFサスペンス・アクション。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・クライトン
製作総指揮:カート・ヴィラドセン
製作:マイケル・ラクミル
脚本:マイケル・クライトン
撮影:ジョン・A・アロンゾ
編集
グレン・ファー
ジェームズ・コブレンツ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス
出演
ジャック・R・ラムジー:トム・セレック
カレン・トンプソン:シンシア・ローズ
チャールズ・ルーサー:ジーン・シモンズ
ジャッキー・ロジャース:カースティ・アレイ
マーヴィン・ジェームズ:スタン・ショー
警察署長:G・W・ベイリー
デヴィッド・ジョンソン:クリス・マルキー
ボビー・ラムジー:ジョーイ・クラマー
アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1984年製作 100分
公開
北米:1984年12月14日
日本:1985年7月
北米興行収入 $6,770,590
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロボットのトラブル処理班”ランナウェイ”を率いるジャック・R・ラムジー巡査部長(トム・セレック)の元に、女性巡査カレン・トンプソン(シンシア・ローズ)が配属される。
ラムジーは、早速トンプソンを連れてトウモロコシ畑に向かい、農業用ロボットのトラブルを処置する。
トンプソンは、高所恐怖症だというラムジーの現場からの転属理由に興味を持ち、同じ班のマーヴィン・ジェームズ(スタン・ショー)にそれを尋ねる。
ラムジーは、ある男を追って建設中のビルで立ちすくみ犯人を取り逃がし、その後、男が一家惨殺を引き起こしたのが自分の責任だと思い込み転属したのだった。 その後、ラムジーは家事用ロボットが主婦を襲った殺人現場にトンプソンと向かう。 家族は惨殺され、家の中には赤ん坊が取り残されていたため、ラムジーが電磁波スーツを着て家の中に侵入する。 取材を強行するテレビ・カメラマンが、ラムジーの制止を無視して家に入り、拳銃を持ったロボットに射殺されてしまう。 ラムジーはロボットを見つけ制御不能にし、子供を無事に保護する。 その後ラムジーは、ロボットを改造した可能性がある子供の父親デヴィッド・ジョンソン(クリス・マルキー)が、姿を消したことを不審に思う。 妻を2年前に交通事故で亡くし、息子ボビー(ジョーイ・クラマー)と暮らすラムジーは、現場の帰りにトンプソンを自宅に招き息子を彼女に紹介する。 翌日、ジョンソンのロボットを調べたラムジーらは、特殊な回路が取り付けられているのに気づく。 その直後にロボットが発火し、それが放火犯が使う自爆回路だということがわかる。 昨夜の殺人現場に向かったラムジーは、監視カメラに不審な人物が移っているのを確認する。 ジョンソンを追い、彼を見つけたラムジーとトンプソンだったが、現れた不審な男チャールズ・ルーサー(ジーン・シモンズ)の誘導ミサイル銃で、ジョンソンは抹殺されてしまう。 コンピューター・エンジニアのジョンソンの経歴などを調べたラムジーは、彼が特殊任務に就いていたことを知る。 その後、社内のロボットに異変があったとの連絡が入り、ラムジーは重役秘書のジャッキー・ロジャース(カースティ・アレイ)の元に向かいロボットを壊す。 そしてラムジーは、ジャッキーがルーサーの命令で自爆回路を持ち出そうとしたことを知る。 ジャッキーから、ルーサーの居場所のホテルを聞き出し、現場に向かったラムジーらは部屋に踏み込む。 しかし、トンプソンがルーサーに撃たれてしまう。 ラムジーは、その隙に姿を消したルーサーを追うが、彼は屋上からヘリコプターで逃亡してしまう。 トンプソンはミサイル弾をその場で摘出することになり、ルーサーといた死んだ科学者の身元確認で、現場で先端技術の取引が行われていたことが分かる。 その場に現れた警察署長(G・W・ベイリー)は、騒ぎを起したラムジーを非難するが、彼はトンプソンを救うために署長達を追い払う。 そしてラムジーは、自分の手でトンプソンの腕からミサイル弾を抜き取り彼女を救う。 その後、ジェームズが誘導弾を調べ、それが熱で反応する熱誘導ミサイルだということと、ルーサーが極悪非道な悪党だということが分かる。 回路のチップが、普通の工場で量産されていることもわかり、どこかに原版があることにラムジーは気づく。 そんな時、ラムジーにルーサーから電話が入り、裏切ったジャッキーを引き渡すよう要求される。 ラムジーはジャッキーを移送させるため、彼女の衣服に仕掛けられた発信機を外しパトカーで移動する。 ルーサーの攻撃ロボットに襲われながらも、ラムジーとトンプソンはジャッキーを連れてそれを振り切り、彼女から原版のチップを手に入れる。 人ごみに出たラムジーらだったが、トンプソンがルーサーに捕らえられてしまう。 ルーサーはジャッキーとチップを渡すようラムジーに伝え、彼女はチップの半分を持ちルーサーの元に向かう。 チップが半分だと分かったルーサーは、ジャッキーを殺害し逃亡する。 その後、チップに超小型発信機を付けていたため、ルーサーの居場所が分かる。 しかし、ルーサーはラムジーらの裏をかき、警察に侵入してラムジーの家族や住所を突き止める。 それを知ったラムジーは自宅に戻り、息子ボビーを誘拐したとの、ルーサーからの電話を受ける。 ラムジーは、チップとボビーの取引のため、独りで現場に向かう。 高層ビルの建設現場に着いたラムジーは、高所恐怖症に耐えながら、エレベーターで階上に上がる。 ボビーは解放されるが、ルーサーは彼も殺す気だった。 しかし、そこにトンプソンが現れボビーを救い、ルーサーの攻撃を逃れたラムジーは、エレベーターで屋上に上がる。 ラムジーは攻撃ロボットに襲われ、高所の恐怖に怯えながらも何とかロボットを倒し、エレベーターを降下させる。 ルーサーがラムジーを待ち構えるが、エレベーターから落とされ、自ら放った攻撃ロボットの餌食になる。 地上に降りたラムジーは、ルーサーの死を確認して、トンプソンに高所恐怖症を克服したことを伝える。 そして、いつしか惹かれ合うようになっていた、ラムジーとトンプソンは固く抱き合う。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ロボットが日常生活の雑務などをこなす時代、犯罪者ルーサーは、エンジニアに自爆回路を開発させて、それを大量に生産し、世の中を恐怖に陥れることを企む。
警察のロボット・トラブル処理班の巡査部長ジャック・R・ラムジーは、それを知り、自分の下に配属された女性巡査トンプソンと共に、犯人と原版チップを捜し出すが、凶悪犯であるルーサーの執拗な攻撃に遭う・・・。
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ややB級作品風に感じてしまうのは、ぎこちないマイケル・クライトンの演出のせいかもしれないが、彼らしい最新、それ以上の、未来を見据えたテクノロジーがふんだんに盛り込まれ、小道具などもなかなか興味深い、当時としてはかなり凝ったシーンも多く見られる作品。
いつもとは違った雰囲気のジェリー・ゴールドスミスの音楽は、印象深いというほどではないが、未来風のイメージは出ている。
当時は、映画よりもテレビで活躍し、彼の代表作となる、「私立探偵マグナム」(1980-1988)で人気だったトム・セレックが、長身のタフガイながら高所恐怖症という弱さも感じさせる警官を好演している。
なんと言っても注目は、ロックバンド”キッス”のベーシストでありボーカルの、ジーン・シモンズの素顔の悪役ぶりだ。
多くを語らずも、異様な雰囲気を漂わせる彼のキャラクターは、作品に大きなインパクトを与えている。
今回はダンスもなく、警官役に徹するシンシア・ローズ、悪党ルーサー(G・シモンズ)の愛人役カースティ・アレイ、特殊班である主人公の同僚スタン・ショー、警察署長G・W・ベイリー、自爆回路の開発者クリス・マルキー、主人公の息子ジョーイ・クラマーなどが共演している。