1975年に発表された、S・E・ヒントンのヤングアダルト小説”Rumble Fish”を基に製作された作品。 地域を仕切る不良のリーダーの生き様と彼を慕う弟の成長を描く、製作総指揮、監督、脚本フランシス・フォード・コッポラ、主演マット・ディロン、ミッキー・ローク、ダイアン・レイン、デニス・ホッパー、ニコラス・ケイジ他共演のドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:フランシス・フォード・コッポラ
製作
フレッド・ルース
ダグ・クレイボーン
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラ
原作:S・E・ヒントン”Rumble Fish”
脚本
S・E・ヒントン
フランシス・フォード・コッポラ
撮影:スティーヴン・H・ブラム
編集:バリー・マルキン
音楽:スチュワート・コープランド
出演
ラスティ・ジェームズ:マット・ディロン
モーターサイクル・ボーイ:ミッキー・ローク
パティ:ダイアン・レイン
父:デニス・ホッパー
カサンドラ:ダイアナ・スカーウィッド
スティーヴ:ヴィンセント・スパーノ
スモーキー:ニコラス・ケイジ
B.J.ジャクソン:クリス・ペン
ビフ・ウィルコックス:グレン・ウィスロー
ベニー:トム・ウェイツ
ドナ:ソフィア・コッポラ
ミジェット:ローレンス・フィッシュバーン
パターソン:ウィリアム・スミス
暴漢:トレーシー・ウォルター
売春婦:S・E・ヒントン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1983年製作 94分
公開
北米:1983年10月8日
日本:1984年7月21日
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $2,494,480
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
オクラホマ州、タルサ。
高校に登校もしない不良少年ラスティ・ジェームズ(マット・ディロン)は、ベニー(トム・ウェイツ)のビリヤード店にたむろしていた。
そんなラスティは、ライバル・グループのリーダー、ビフ・ウィルコックス(グレン・ウィスロー)が捜していることをミジェット(ローレンス・フィッシュバーン)から知らされる。
夜10時にある場所で待つと言われたラスティは、仲間のスモーキー(ニコラス・ケイジ)、スティーヴ(ヴィンセント・スパーノ)、B.J.ジャクソン(クリス・ペン)らと対抗策を考える。
ラスティは、地域を仕切るリーダーの兄モーターサイクル・ボーイ(ミッキー・ローク)に喧嘩を止められていたが、2か月も行方が分からない彼の話をする気になれない。
スモーキーは、現場には行くが喧嘩は二人だけでやれとラスティに伝える。
その後ラスティは、スクールバスに乗ろうとしていたガールフレンドのパティ(ダイアン・レイン)に話しかける。 夜になり、パティの家を訪ねたラスティだったが、彼女の妹ドナ(ソフィア・コッポラ)が邪魔をする。 パティは、ドナを部屋に行かせてラスティと愛し合おうとするが、彼は眠ってしまう。 ビフとの約束の時間に遅れそうだと気づいたラスティだったが、パティはなぜ喧嘩を好み兄と同じようになりたいのかを彼に問う。 それが”クール”だと言うラスティは、パティに愛を告げて約束の場所に向かう。 現場に着いたラスティは、スティーヴが来ないままスモーキーとB.J.他の仲間達、そしてミジェットと共にビフを捜す。 そこにスティーヴが加わり、その後ビフのグループが現れる。 ラスティは相手を挑発し、ナイフを手にしたビフとの戦いが始まる。 ビフを叩きのめしたラスティは、現れた兄モーターサイクル・ボーイの姿を見て驚く。 隙を見せたラスティは、ビフに腹部をガラス片で傷つけられる。 それを見て憤慨したモーターサイクル・ボーイは、バイクをビフに激突させて痛めつける。 ラスティを介抱したモーターサイクル・ボーイの前に警官のパターソン(ウィリアム・スミス)が現れ、彼は、なぜ戻ったかを聞き牽制する。 家に運ばれたラスティは、兄に酒で傷を消毒される。 歩けるようになったラスティは、兄の恋でヤク中のカサンドラ(ダイアナ・スカーウィッド)に出くわし、兄が帰って来たことが彼女のためでなく別の目的があると伝える。 家に戻ったラスティは、なぜいつも悩んでいるのかを兄に聞かれる。 そこに、元弁護士で今では落ちぶれた生活保護を受けるアル中の父親(デニス・ホッパー)が戻り、カリフォルニアに行っていたことを伝えたモーターサイクル・ボーイは、父親をからかい酒を取り上げようとする。 数日後、スモーキーや少女達と湖に向かったラスティは、乱交パーティーを楽しむ。 高校に向かったラスティは校長に呼ばれ、来週から隣の高校に行くよう指示される。 それまでは停学だと言われたラスティは、暴言を吐いてその場を去る。 下校したパティを待っていたラスティは、パーティーのことを追及される。 パティは、弁解するラスティを罵倒して彼を見限る。 モーターサイクル・ボーイは、旅行中に写真を撮られて雑誌に載ったことを知り、彼はそれが人々に知られることを嫌う。 二人を見かけたパターソンは、なぜモーターサイクル・ボーイが戻ったのかをラスティに問う。 ここに住んでいるからだと言うラスティは、兄を嫌う理由をパターソンに尋ねる。 パターソンは、モーターサイクル・ボーイの虚像を少年達が英雄のように崇敬するからだと答える。 スティーヴを誘い兄と橋を渡ったラスティは、その場にいたカサンドラと兄が楽しむ姿を見て理解できない。 その後、三人は盛り場に向かい、モーターサイクル・ボーイは、カリフォルニアで母親に会ったことをラスティに伝える。 モーターサイクル・ボーイは、母親が映画プロデューサーと暮らしていたことなどをラスティに話す。 ラスティは、幼い頃、母親に連れられて家を出た話などを兄から聞く。 酔ったラスティは、兄が母親と会った話をしなかったことでスティーヴに八つ当たりする。 プール・バーに向かった三人だったが、モーターサイクル・ボーイが姿を消す。 裏通りで暴漢(トレーシー・ウォルター)に襲われたラスティとスティーヴは痛めつけられるが、現れたモーターサイクル・ボーイに救われる。 三人は橋の下で夜を明かし、モーターサイクル・ボーイは、かつて暴れまくった自分の行動などを語り、グループを再編したいラスティに、時期が来ればそれが叶うことを伝える。 町に戻りベニーの店にいたラスティは、現れたパティと親しげに話すスモーキーの態度に驚く。 表に出たラスティは、スモーキーがパティをものにするために、湖のパーティーに自分を誘ったことを知りショックを受ける。 グループがあっても自分がリーダーだと言うスモーキーは、ラスティにはその資質がないと伝える。 スモーキーがパティに気があることを確認したラスティは、何も言葉を返せない。 その後、兄がペットショップで魚を見ているとミジェットから知らされたラスティはその場に向かう。 モーターサイクル・ボーイは、鏡を当てると自分の姿に向かって戦おうとするという、タイ産の闘魚”ランブルフィッシュ”をラスティに見せる。 そこに現れたパターソンに、モーターサイクル・ボーイは、ランブルフィッシュを川に戻せば戦わなくなると伝える。 ペットショップは閉店し、その様子を見ていたモーターサイクル・ボーイはその場を立ち去る。 兄を追ったラスティは、様子がおかしかったので後をつけたことを伝えて、父親がいるはずのバーに入る。 ラスティは、母親が出て行った理由が精神異常が理由かを父親に尋ねる。 それを否定した父親は、兄は何にでもなれる素質があるにも拘わらず、その道を誤ったことをラスティに伝える。 自分も兄のようになれるかを問うラスティに、そうならないことを祈れと言い残し、父親はその場を去る。 モーターサイクル・ボーイは、店の前にあったバイクにラスティを乗せて走り始める。 ペットショップの前でバイクを止めたモーターサイクル・ボーイは、ラスティの制止も聞かずに裏口のドアを破り動物達を逃がしてしまう。 良い兄になりたかったものの、どうすることもできないとラスティに伝えたモーターサイクル・ボーイは、自分が魚を川に逃がした後、バイクで町を出るように指示する。 川沿いに進み海に向かえと兄に言われたラスティは戸惑う。 モーターサイクル・ボーイは、ランブルフィッシュの水槽を抱えて川に向かい、それを知ったパターソンは彼を追う。 店を出たラスティは銃声を聞き、パターソンに撃たれた兄の死を確認する。 魚を拾ったラスティは、それを水槽に入れて川に向い逃がしてしまう。 ラスティは逮捕されそうになるが、パターソンに見逃される。 その場に現れたB.J.は、モーターサイクル・ボーイの死を知りうなだれる。 人々は集まり、パティはラスティのことを心配するが、スモーキーは、気にする必要がないと言って彼女と立ち去る。 父親も、息子の死を知る。 スティーヴは、いつものように起きたことをメモ帳に書き留める。 その後ラスティは、兄の指示に従いバイクを走らせて太平洋に向かい、そして海岸に到着する。
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*(簡略ストー リー)
オクラホマ州、タルサ。
高校に登校もしない不良少年ラスティ・ジェームズは、ライバル・グループのリーダー、ビフに呼び出される。
地域は、ラスティの兄モーターサイクル・ボーイがリーダーとして仕切っていたが、彼は2か月前に姿を消していた。
仲間のスモーキーらとビフとの戦いに挑んだラスティは、相手を叩きのめす。
その場に兄が戻ったために驚いたラスティは、その隙を見て襲ってきたビフに傷つけられる。
モーターサイクル・ボーイはビフを痛めつけ、ラスティを介抱する。
回復したラスティは、妻に捨てられ落ちぶれたアル中の父親ことなども考えながら、母親に会った兄の心の変化に気づく・・・。
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S・E・ヒントンの原作”アウトサイダー”(1967)は、同じフランシス・フォード・コッポラにより映画化され、同年(1983年)、本作の7か月前に公開された。
映画「アウトサイダー」(1983)に続きマット・ディロンとトム・ウェイツが、ダイアン・レインは翌年の「コットンクラブ」(1984)を含め三作のフランシス・フォード・コッポラ作品に出演した。
パートカラーによるモノクロ作品であり、前衛的且つフィルム・ノワール・タッチで描かれる、フランシス・フォード・コッポラのスタイリッシュ、そしてファンタジックでもある斬新な映像感覚に注目したい。
エンドロールで表記されるように、コッポラは本作を兄オーガスト・コッポラ(ニコラス・ケイジの父)に捧げている。
地域を仕切る兄の心の変化の理解に苦しみながら成長する少年を熱演するマット・ディロン、その兄を深い演技で好演するミッキー・ローク、主人公のガールフレンドを魅力的に演ずるダイアン・レイン、主人公兄弟の父親デニス・ホッパー、兄のヤク中の恋人ダイアナ・スカーウィッド、主人公の仲間ヴィンセント・スパーノ、ニコラス・ケイジ、クリス・ペン、ライバル・グループのリーダー、グレン・ウィスロー、ビリヤード店店主トム・ウェイツ、ヒロインの妹ソフィア・コッポラ、中立的な立場の青年ローレンス・フィッシュバーン、警官ウィリアム・スミス、暴漢トレーシー・ウォルター、そして売春婦役で原作者のS・E・ヒントンが端役出演している。