ニューヨークのダンスホール”ローズランド”に集う3組の人々の人生模様を描く、監督ジェームズ・アイヴォリー、出演テレサ・ライト、ジェラルディン・チャップリン、クリストファー・ウォーケン、リリア・スカラ他共演のオムニバス映画。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・アイヴォリー
製作:イスマイル・マーチャント
脚本:ルース・プラワー・ジャブヴァーラ
撮影:アーネスト・ヴィンツ
編集
ハンフリー・ディクソン
リチャード・シュミチェン
音楽:マイケル・ギブソン
出演
●ワルツ
テレサ・ライト:メイ
ルー・ジャコビー:スタン
ドン・デ・ナテイル:エムシー
●ハッスル
ジェラルディン・チャップリン:マリリン
クリストファー・ウォーケン:ラッセル
ヘレン・ギャラガー:クリオ
ジョーン・コープランド:ポーリーヌ
コンラッド・ジャニス:ジョージ
ドン・デ・ナテイル:エムシー
●ピーバディ
リリア・スカラ:ローザ
デヴィッド・トーマス:アーサー
ドン・デ・ナテイル:MC
アメリカ 映画
配給 Merchant Ivory Productions
1977年製作 103分
公開
北米:1977年10月16日
日本:1990年4月7日
● ワルツ
夫との思い出にふけりながら、ニューヨークのダンスホール”ローズランド”で踊るメイ(テレサ・ライト)は、ダンスの名手として男性から引く手あまただった。
そんなメイは、初老の男性スタン(ルー・ジャコビー)から、ダンスを申し込まれる。
しかし、メイはスタンのことは上の空で、自分の世界に入り込む。
そんなメイは不思議なことに、スタンと踊っている時だけ、鏡の中に、夫と踊っている若かりし頃の自分の姿が見えてしまう。
メイは気が進まなかったが、鏡に見える幻を見たさにスタンを誘いダンスを踊る。
その後も、メイは執拗にスタンを誘い、ワルツのコンテストの最中まで彼と踊ろうとするが、彼には鏡には老いた自分達しか見えなかった。 スタンも次第にメイに好意を持つようになるが、同時に鏡にばかり気を取られる彼女には奇妙な噂が流れる。 ある日スタンは、自分がたった2年の結婚生活で妻を亡くし、感傷に浸る日々を送り、それを克服したことをメイに話す。 そしてメイは、鏡を見るのを止め、心の中の夫に別れを告げる。 ● ハッスル ローズランドで、未亡人ポーリーヌ(ジョーン・コープランド)の誕生会が開かれる。 集まったのは、ポーリーヌの若い愛人ラッセル(クリストファー・ウォーケン)、ダンス教師クリオ(ヘレン・ギャラガー)、そして、夫に捨てられた女性マリリン(ジェラルディン・チャップリン)らだった。 マリリンは、先に帰宅しようとするが、彼女に好意を持ち始めたラッセルは、巧みな話術で誘う。 ラッセルと愛人関係のポーリーヌは、夫に捨てられ、自立しようとしているマリリンにも優しく接するよう彼に伝える。 ある日、ローズランドにマリリンを誘ったラッセルは、そこでポーリーヌとで出くわしダンスを踊るが、彼女の気分が悪くなり帰宅する。 その後、入院してしまったポーリーヌの様態を心配するラッセルに、クリオは、ダンスパートナーとして鍛え上げ、一流にするという提案をする。 ラッセルの気持ちを受け入れたマリリンは、次第に彼に惹かれていく。 マリリンは、ポーリーヌに奪われたくない気持ちをラッセルに伝える。 しかし、ラッセルは、身寄りのないポーリーンを見捨てるわけにもいかなかった。 やがてポーリーヌは退院し、全快祝いにローズランドに仲間が集まる。 ラッセルに、マリリンと踊るよう促したポーリーヌだったが、2人の姿が見えなくなり動揺する。 マリリンは、ラッセルがクリオに授業料を払わないことを責め、自分と暮らすべきだと、彼の私生活に過ぎた干渉をし始めるようになる。 マリリンは、自らポーリーヌにラッセルとの同居を話そうとするが、彼はそれを制止する。 そしてマリリンは、ポーリーヌが、寒いニューヨークを脱出して、ラッセルと旅行に行く計画を立てているのを知り、独りローズランドから立ち去る。 ● ピーバディ ローズランドの、ピーバディ・コンテストで優勝を狙うローザ(リリア・スカラ)は、いつになっても上達しないパートナーのアーサー(デヴィッド・トーマス)に苛立つ。 コンテストの優勝者が死亡し、ピーバディは老人には無理だと言われたローザは、ホールで死ねるなら本望だと言い放ち、次に向け特訓を始める。 しかし、勝つことに執着するローザと、踊ることを楽しみたいアーサーの歯車は、一向に噛み合わず そして、コンテストの日、勝てる自信がなかったアーサーは、わざと遅刻した上に、呆れるローザにプロポーズしてしまう。 その後もアーサーは、何度もローザにプロポーズして、今日こそはと迎えたコンテスト直前に、めまいを起こしてしまう。 アーサーを気遣ったローザは、出場を取り止めてしまう。 踊る気でいたアーサーだったが、優勝者を見た2人は、出場していれば勝てたと思いながら、アーサーはローザにキスして、ローズランドを後にする。 帰宅途中、アーサーは電車内で倒れて病院に運ばれてしまい、その後、死亡する。 ショックを受けたローザは、ホールに立てなくなってしまっていたが、それを気遣うコンテストの進行役のMC(ドン・デ・ナテイル)が、彼女のパートナーに志願する。 そしてローザも、見事なダンスを踊るイメージの中で、ホールで踊りながら意識を失う。
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*(簡略ストー リー)
・ワルツ
ニューヨーク。
夫との思い出にふけりながら、ダンスホール”ローズランド”で踊るメイは、初老のスタンからダンスを申し込まれるが、彼女は自分の世界に入り込む・・・。
・ハッスル
未亡人ポーリーヌの誕生会が開かれ、若い愛人ラッセルも出席するが、彼は、夫に捨てられた女性マリリンに惹かれてしまい、巧みな話術で彼女を誘う・・・。
・ピーバディ
コンテストでの優勝に執着するローザは、踊ることを楽しみたい、パートナーのアーサーとの歯車は噛み合わない・・・。
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ニューヨークのダンスホール”ローズランド”に集う3組の人々の人生模様を、ワルツ、ハッスル、ピーバディと3話に分けて描く。
何気ない人間の喜びや悲しみ、そして新たな発見などを、後に芸術的な作品を多く発表するジェームズ・アイヴォリーが、興味深い視点で描く異色のヒューマン・ドラマ。
老女のような雰囲気で登場するものの、まだ50代だったテレサ・ライトは、活躍した1940年代の面影を残していて実に懐かしい。
彼女に夫の想い出のために誘われる、初老の男性ルー・ジャコビー、夫に捨てられた後、掴みかけた愛も放棄してしまうジェラルディン・チャップリン、彼女に惹かれるものの、愛人も見捨てられない、翌年、「ディア・ハンター」(1978)でアカデミー助演賞を獲得する、若き、と言っても実は30代半ばだったクリストファー・ウォーケン、その愛人ジョーン・コープランド、ダンス教師ヘレン・ギャラガー、コンテスト優勝に懸けるリリア・スカラとパートナーのデヴィッド・トーマスなどが共演している。