ジョン・ウェインがアカデミー主演賞を受賞した「勇気ある追跡」(1969)の主人公”ルースター・コグバーン”が登場する続編。 製作ハル・B・ウォリス、監督スチュアート・ミラー、主演ジョン・ウェイン、そして大女優キャサリン・ヘプバーンが共演した西部劇。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:スチュアート・ミラー
製作:ハル・B・ウォリス
脚本:マーティン・ジュリアン
撮影:ハリー・ストラドリングJr.
編集:ロバート・スウィンク
衣装デザイン:イデス・ヘッド
音楽:ローレンス・ローゼンタール
出演
ジョン・ウェイン:ルーベン・J“ルースター”コグバーン
キャサリン・ヘプバーン:ユーラ・グッドナイト
リチャード・ジョーダン:ホーク
アンソニー・ザーブ:ブリード
ジョン・マッキンタイア:パーカー判事
ストローザー・マーティン:シャンハイ・マッコイ
ポール・コスロ:ルーク
リチャード・ロマンチート:ウルフ
ジャック・コーヴィン:レッド
レイン・スミス:リロイ
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1975年製作 107分
公開
北米:1975年10月17日
日本:1976年10月30日
北米興行収入 $8,022,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
連邦保安官ルーベン・J“ルースター”コグバーン(ジョン・ウェイン)の行き過ぎた行動を非難するパーカー判事(ジョン・マッキンタイア)は、彼からバッジを取りあげてしまう。
同じ頃、無法者ホーク(リチャード・ジョーダン)は、道案内役のブリード(アンソニー・ザーブ)ら仲間と共謀して、軍のニトログリセリンを奪い金と交換する計画を実行する。
その事件の知らせを受け、パーカー判事は、手のひらを返したように、犯人一味のブリードと、かつて親交のあったルースターに、ホークらの追跡逮捕を依頼する。
報奨金2000ドルと、倍額の退職金や終身保安官の地位保証を条件に、ルースターはそれを快諾する。
ホークは、休息のために、伝道活動をする牧師親子の元を訪ねる。
牧師の娘ユーラ(キャサリン・ヘプバーン)を脅すホークだったが、彼女は動ずることなく毅然とした態度で対応する。 しかしホークらは、その夜、先住民やユーラの父を撃ち殺してしまう。 ホーク一味の追跡を、単独で始めたルースターは、フォート・ルビーに向かい、被害にあったユーラの元にたどり着く。 ルースターは、手短にホークの犯行を説明し、ユーラの身を案じ、安全な場所に連れて行くことにする。 父を殺された、先住民の少年ウルフ(リチャード・ロマンチート)も同行することになる。 途中で、ユーラ達を交易所の知合いに預け、ホーク一味の追跡に向かったルースターだったが、彼女らも銃を手に入れて後を追う。 岩場で荷馬車の車輪が壊れたホークは、ブリードを連れて金の受け渡し場所の町の様子を見に行く。 説教じみた話ばかりするユーラに梃子摺りながらも、ルースターは、立ち往生する荷馬車を見つける。 ユーラとウルフの協力で、ルースターは加勢がいると見せ掛けて一味を脅し、馬車を奪うことに成功する。 しかし、政府に経費を水増し請求しようとして、食料のパンを射撃練習に使い、なにより大酒のみのルースターの愚かさに、ユーラは呆れてしまう。 そんなルースターだったが、ウルフに拳銃を預け、ユーラの身を危険から守ろうとする。 ホークに追いついた手下のルーク(ポール・コスロ)は、馬車をルースターに奪われたことを知らせる。 ルースターの手強さを知るブリードは、彼にはかなわないことをホークに伝えるが、彼はそれを聞き入れずに、馬車を奪い返そうとする。 馬車を奪われた場所に戻ったホークは、足跡を確認して、ルースターらが数人で仕掛けてきたことに気づく。 野営をしたルースターは、かつての武勇伝などをユーラとウルフに聞かせる。 やがてルースターは、女性とは思えない気骨なユーラと打ち解けるようになる。 そして、粗暴だが飾り気のないルースターとユーラに、ほのかな友情が芽生え始める。 ルースターとウルフは、ホークらの襲撃に備えて、積荷のガトリング銃をセットし、敵を迎え撃つ準備を始める。 ウルフは、逞しいルースターに憧れ、先住民でありながら保安官になりたいことを彼に告げ、ルースターも、それに協力すると答える。 その後、見張りのウルフがホークらに捕まってしまうが、彼は隙を見て敵の手を逃れ、ユーラがガトリング銃で敵を威嚇する。 ウルフが、密かにホーク一味の馬を逃がしてしまい、その隙にルースターらは逃げ去る。 その後、シャンハイ・マッコイ(ストローザー・マーティン)を脅して、いかだを借り受けたルースターらは、ニトログリセリンを積み込み川を下り始める。 ルースター達の行動を知った一味だったが、ホークの横暴さに嫌気がさしていたルークは、ブリードに自分達だけでいかだの積荷を奪うことを提案する。 二人は水中にロープを張りいかだを止めるが、ルースターを狙い撃ちしようとしたルークを、ブリードが射殺する。 ルースターに恩のあるブリードは、ホークらが待ち伏せしていることを知らせるが、ホークはブリードの裏切りに気づき彼を殺す。 ルースターのいかだとホーク一味との銃撃戦が始まるが、いかだが激流に巻き込まれ、頼みのガトリング銃が川に落ちてしまう。 敵を欺くために、ルースターはニトログリセリンを川に流し、ユーラが助けを乞いながらいかだを進ませる、最後の手段にでる。 ニトログリセリンがホークらまで流れ着いたころで、ルースターはそれを狙い撃ちして一味を倒す。 町に戻ったルースターは、決戦には勝ったものの職を失ってしまう。 必死に弁護するユーラのあまりの迫力に、パーカー判事は折れ、ルースターの復職を認めてしまう。 その後、ユーラとウルフは、フォート・ルビーに戻ることになり、ルースターは多くを語らず、ユーラの禁ずる酒を彼女と酌み交わして別れる。 しかし、ルースターの勇気を称えずにいられないユーラは、彼の元に引き返す。 そしてユーラは、ルースターが男の鑑だと賞賛し、知り会えたことに感謝して去って行く。 褒められたのかけなされたのか疑問に思いながらも、ルースターは微笑みながら彼女らを見送る。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
軍のニトログリセリンが、無法者ホーク一味に奪われる事件が起きる。
行過ぎた行動でパーカー判事にバッジを奪われていた連邦保安官ルースター・コグバーンは、一味を追うため復職を許される。
ホークに父を殺された伝道師ユーラと先住民ウルフを保護したルースターは、ホーク一味の追跡に単独で向かう。
しかし、無法者を許せないユーラは、ウルフを連れてルースターに同行しようとする。
ルースターは、ユーラの説教じみた言動に梃子摺りながらも、ニトログリセリンを奪い返す。
しかし、ホークらは、執拗にルースターらを追う・・・。
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同じ1907年5月生まれの大スターの2人、ジョン・ウェインとキャサリン・ヘプバーンが共演した痛快西部劇。
*キャサリン・ヘプバーンが2週間年上。
既に正統派西部劇が作られなくなっていた1970年代半ばに、これだけの雰囲気の西部劇を世に出せたのは、やはりジョン・ウェインの長年のキャリアの賜物だろう。
翌年の遺作「ラスト・シューティスト」(1976)では、痛々しくて見るに耐えないシーンが多かったウェインだが、本作では、傍若無人で豪放磊落な主人公を豪快に演じ、実にウェインらしい作品になっている。
キャサリン・ヘプバーンの細身で華奢な体とウェインの巨体の対比、自分の主張を通そうと、一歩も引かない二人のやり取りがコミカルに描かれ、両者共に楽しそうに演じているのが感じ取れる。
既に3回のアカデミー主演を受賞していたキャサリン・ヘプバーンは、6年後に「黄昏」(1981)で4度目の受賞を果たすことになり、70歳手前にして、その”マシンガン・トーク”も冴え渡り、説得力ある見事な演技を見せてくれる。
聖職者でありながら、イデス・ヘッドの衣装をお洒落に着こなす姿も注目だ。
疲れた彼女をウェインがマッサージする、ほのぼのしたシーンも印象に残る。
ウェインの勇気や愛すべき人柄を、称えながら去っていくラストもなかなかいい。
「ラスト・シューティスト」(1976)は未公開になりかけて、ウェイン死亡と同時に公開された経緯があったが、本作も日本公開が危ぶまれ、北米公開から1年遅れの公開になった。
当時、その劇場公開を心待ちにしていた私は、オープニングで、スクリーンに”JOHN WAYNE”と映し出されるクレジットを見ただけで、涙が溢れ出たことを、今でも鮮明に覚えている。
ローレンス・ローゼンタールの軽快かつ勇ましい音楽も心に残る。
無法者のリーダー、リチャード・ジョーダン、その一味だがルースターに恩があり、彼らを助けるアンソニー・ザーブ、判事ジョン・マッキンタイア、ルースターにいかだを強引に持っていかれる「勇気ある追跡」(1969)でも違う役で登場したストローザー・マーティン、悪党一味のポール・コスロ、ルースターに憧れる先住民の少年リチャード・ロマンチート、そしてまだ若いレイン・スミスも、悪党一味の端役で登場する。