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ロミオとジュリエット Romeo and Juliet (1968)

1597年に上演されたウィリアム・シェイクスピア同名戯曲を基にして製作された作品。
対立する名家の争いに巻き込まれる両家の男女の愛とその後に訪れる悲劇を描く、監督、脚本フランコ・ゼフィレッリ、主演レナード・ホワイティングオリヴィア・ハッセーマイケル・ヨーク他共演によるラブ・ロマンスの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)


スタッフ キャスト ■
監督:フランコ・ゼフィレッリ

製作
ジョン・ブレイボーン

アンソニー・ヘイヴロック=アラン
原作:ウィリアム・シェイクスピアロミオとジュリエット
脚本
フランコ・ゼフィレッリ

フランコ・ブルサーティ
マソリーノ・ダミコ
撮影:パスクァリーノ・デ・サンティス
編集:レジナルド・ミルズ
衣装デザイン:ダニーロ・ドナッティ
音楽:ニーノ・ロータ

出演
ロミオ:レナード・ホワイティング

ジュリエット:オリヴィア・ハッセー
ティボルト:マイケル・ヨーク
マキューシオ:ジョン・マケナリー
ローレンス神父:ミロ・オーシャ
乳母:パット・ヘイウッド
ヴェローナ公:ロバート・スティーヴンス
ベンヴォーリオ:ブルース・ロビンソン
キャピュレット:ポール・ハードウィック
キャピュレット夫人:ナターシャ・パリー
モンタギュー:アントニオ・ピエルフェデリチ
モンタギュー夫人:エスメラルダ・ルスポーリ
パリス:ロベルト・ビサッコ
バルサザー:キース・スキナー
ナレーション:ローレンス・オリヴィエ

イギリス/イタリア 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

1968年製作 138分
公開
イギリス:1968年3月4日
イタリア:1968年10月19日
北米:1968年10月8日
日本:1968年11月23日
製作費 $850,000
北米興行収入 $38,901,220


アカデミー賞 ■
第41回アカデミー賞

・受賞
撮影・衣装デザイン賞
・ノミネート
作品・監督賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ヴェローナ
モンタギューとキャピュレット二つの名家は、血で血を洗う争いを続けていた。

領主であるヴェローナ公(ロバート・スティーヴンス)は、これ以上の騒ぎを起こした者は死罪だということを通達する。

そんな争いとは無縁の、モンタギュー家の一人息子ロミオ(レナード・ホワイティング)は、恋の悩みで苦しんでいた。

キャピュレット(ポール・ハードウィック)の妻(ナターシャ・パリー)は、一人娘ジュリエット(オリヴィア・ハッセー)に、貴族のパリス(ロベルト・ビサッコ)との結婚を勧める。

ジュリエットは、母親に従いパリスを愛す努力をすることを伝える。

親友マキューシオ(ジョン・マケナリー)らと共にキャピュレット家の仮面舞踏会に忍び込んだロミオは、そこでジュリエットに一目で惹かれてしまう。

ジュリエットの従兄ティボルト(マイケル・ヨーク)がロミオに気づき、それをキャピュレットに知らせる。

キャピュレットは、礼儀正しいロミオを見てほっておくようにティボルトに伝え、騒ぎを起こすなと警告する。
...全てを見る(結末あり)

仮面をつけたロミオと踊ったジュリエットも彼が気になり、二人は物陰で愛を語り口づけをする。

ジュリエットは乳母(パット・ヘイウッド)に呼ばれ、ロミオは彼女がキャピュレット家の娘だということを知る。

そしてジュリエットも、踊り愛を語り口づけをした相手が、モンタギュー家の息子ロミオだと乳母に知らされ、運命のいたずらに動揺する。

宴が終わり家路についたロミオだったが、ジュリエットのことが頭から離れず彼女の屋敷に戻る。

木陰から、バルコニーで物思いに耽るジュリエットを見ていたロミオは、彼女も自分のことを考えていることを知る。

気持ちを抑えられなくなったロミオはジュリエットに話しかけ、彼女は、暗闇の青年の声でロミオだと分かり驚く。

愛を確かめ合った二人は結婚を決めてしまい、ジュリエットは翌日に使いを向かわせることを約束する。

夜が明けて、ジュリエットと別れたロミオはローレンス神父(ミロ・オーシャ)の元に向かう。

ロミオから、キャピュレット家の娘ジュリエットと結婚すると言われたロレンスは驚くが、それが対立する両家の和解につながる可能性を信じ手を貸すことにする。

その後、ジュリエットの使いで現れた乳母は、彼女を騙すことは許されないとロミオに忠告する。

ロミオは、愛は真実であることと、ローレンス神父の協力が得られることを乳母に伝える。

ようやく戻った乳母から、神父の元で結婚できることを知らされたジュリエットは喜ぶ。

教会で再会したロミオとジュリエットは、神父に祝福されながら二人だけの結婚式を挙げる。

その頃、ロミオの行動を根に持つティボルトはマキューシオを挑発する。

ロミオの従兄ベンヴォーリオ(ブルース・ロビンソン)が二人の間に入る。

そこにロミオが現れ、ティボルトは彼を悪党呼ばわりする。

ティボルトに近づいたロミオは、自分達が敵ではないことを伝え、彼が好きであるとまで言って、その理由が暫くすれば分かると握手までする。

その後のティボルトの行動を、ロミオへの侮辱と捉え憤慨したマキューシオは、彼に剣を向ける。

勝負はつかず、ロミオが仲裁に入った瞬間、ティボルトの剣はマキューシオ胸を突き刺す。

焦ったティボルトはその場を去り、かすり傷だと言ったマキューシオはその場に倒れこみ息を引き取る。

親友を殺されたロミオはティボルトを追い、戦いを挑み彼を殺害してしまう。

それを乳母から知らされたジュリエットは嘆き悲しみ、若者の死により両家の対立の激化は避けられなくなる。

ヴェローナ公はロミオの追放を決めて、この地で捕えられた場合は死罪をと通達する。

教会に身を隠していたロミオは、追放されることで生きてはいけぬと涙するだけだった。

現れた乳母は、ジュリエットも同じように泣いていると伝え、ローレンス神父は、男らしく振る舞うようにとロミオに説教をする。

神父は、殺されるはずが追放で済んだことを喜ぶべきだと言って、ロミオにジュリエットの元に向かうよう説得し、一旦マントヴァに逃れ時期を待ち、放免になった時にヴェローナに戻ることを提案する。

神父に感謝したロミオはジュリエットの元に向かい、彼女と愛し合い一夜を過ごす。

ロミオは、ジュリエットとの別れを惜しみながら旅立つ。

パリスとの結婚が決まったジュリエットはそれを拒むのだが、激怒した父親に、従わなければ勘当すると言われる。

母親にも話を聞いてもらえないジュリエットは、乳母からもパリスと結婚するべきだと言われショックを受ける。

教会でパリスに出くわしたジュリエットは、木曜の結婚式を楽しみにしていると言われる。

ジュリエットは、苦しい胸の内をローレンス神父に伝えて助けを求める。

神父は、42時間仮死状態が続く薬をジュリエットに渡し、結婚式前夜に飲むよう伝える。

眠っている間にロミオに手紙を書き、彼をヴェローナに呼び寄せてジュリエットが目覚めるのを待ち、二人をマントヴァに向かわせるのが神父の考えだった。

屋敷に戻ったジュリエットは、両親に謝罪して意向に従うことを伝える。

ローレンス神父は、マントヴァのロミオへの手紙を修道士に届けさせる。

そして、ジュリエットは薬を飲み干し、翌朝、亡くなった彼女を乳母が発見する。

ジュリエットの葬儀は執り行われ、彼女は墓地に埋葬される。

ロミオの従者バルサザー(キース・スキナー)はマントヴァに向かい、ロミオにジュリエットの死を知らせる。

ロミオはヴェローナに向かい、途中、ローレンス神父の使いとすれ違うものの、彼の考えを知ることはなかった。

ジュリエットの亡骸と対面したロミオは、眠っているように美しいままの彼女に話しかける。

傍らに眠るティボルトに、恨みがないことを伝えたロミオは、自分も死を覚悟する。

ロミオは、ジュリエットに永遠の愛を誓い、毒を飲み息を引き取る。

墓地にバルサザーがいることに気づいたローレンス神父は、ロミオが戻ったことを知る。

神父はロミオが自ら命を絶ったことを知り悲しみ、目を覚ましたジュリエットを連れてその場を去ろうとする。

ジュリエットは、横たわるロミオに気づき、神父は恐ろしさのあまり、ここにはいられないと言って走り去ってしまう。

ロミオが毒を飲んで死んだことを知ったジュリエットは、自分も後に続こうとするものの瓶にはそれが残っていなかった。

口づけでも死ねないことが分かったジュリエットは、人が来る気配に気づき、短剣で胸を刺して命を絶つ。

その後、ヴェローナ公は両家の一族を呼び、憎しみ合ったことに対しての天罰であると語り、それを知っていた自分にも罪があることを認める。

全ての者が罰を受けたと言う、ヴェローナ公の言葉を聞いた両家は和解する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ヴェローナ
対立する名家モンタギュー家とキャピュレット家の争いは激化していた。
モンタギュー家の一人息子ロミオは、仮面舞踏会が行われているキャピュレット家に忍び込み、美しい少女ジュリエットに一目で惹かれてしまう。
二人はその場で愛を語り合うのだが、お互いが対立する立場であることを知る。
屋敷を離れたロミオだったが、ジュリエットのことが忘れられず、彼女の元に戻り愛を確かめ合い、二人は結婚を決めてしまう。
ロミオから協力を求められたローレンス神父は戸惑うが、二人の恋が両家の和解につながると考える。
そしてロミオとジュリエットは、神父に見守られながら結婚するのだが・・・。
__________

何度も映画化された物語ではあるが、主人公の二人を演じたレナード・ホワイティングオリヴィア・ハッセーの初々しさは、世界中のファンの心を捉え話題となった。

日本でも女性を中心にブームとなり、当時を知る方は、誰もがこの恋物語に感動し涙したことを懐かしく思うはずだ。

フランコ・ゼフィレッリは、若者の無謀とも言える恋に対する考えと純粋さを見事に映し出し、各方面で絶賛された。

心に残る名曲であるニーノ・ロータの音楽と主題曲も素晴らしい。

第41回アカデミー賞では撮影、衣装デザイン賞を受賞し、作品、監督賞にノミネートされた。

興行的にも成功した作品で、北米興行収入だけでも約3900万ドルの大ヒットとなった。

撮影当時10代もまだ半ばであったレナード・ホワイティングオリヴィア・ハッセーの、若者らしさをストレートに表現する演技は観る者を納得させる。
2人は揃って、ゴールデングローブ賞で新人賞を受賞した。

ジュリエットの従兄ティボルトのマイケル・ヨーク、ロミオの親友ジョン・マケナリー、ローレンス神父を好演するミロ・オーシャ、ジュリエットの乳母役のパット・ヘイウッドヴェローナ公役のロバート・スティーヴンス、ロミオの従兄ベンヴォーリオのブルース・ロビンソン、キャピュレット役のポール・ハードウィック、その妻役のナターシャ・パリー、モンタギュー役のアントニオ・ピエルフェデリチ、その妻エスメラルダ・ルスポーリ、ジュリエットの結婚相手パリス役のロベルト・ビサッコ、ロミオの従者バルサザーのキース・スキナー、そして、ナレーターはローレンス・オリヴィエが担当している。


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