不動産景気に沸くロンドンの裏社会を描く、製作、監督、脚本ガイ・リッチー、主演ジェラルド・バトラー、トム・ウィルキンソン、タンディ・ニュートン、マーク・ストロング、トム・ハーディ他共演によるコメディ・タッチのサスペンス犯罪アクション。 |
・マーク・ストロング / Mark Strong / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ガイ・リッチー
製作総指揮
スティーヴ・リチャーズ
ナヴィド・マッキルハージー
製作
ジョエル・シルバー
スーザン・ダウニー
スティーヴ・クラーク=ホール
ガイ・リッチー
脚本:ガイ・リッチー
撮影:デヴィッド・ヒッグス
編集:ジェームズ・ハーバート
音楽:スティーヴ・アイルズ
出演
ワンツー:ジェラルド・バトラー
レニー・コール:トム・ウィルキンソン
ステラ:タンディ・ニュートン
アーチボルド”アーチー”:マーク・ストロング
マンブルズ:イドリス・エルバ
ハンサム・ボブ:トム・ハーディ
ジョニー・クイド:トビー・ケベル
ユーリ・オモヴィッチ:カレル・ローデン
ビクター:ドラガン・ミカノヴィッチ
市議:ジミ・ミストリー
ローマン:ジェレミー・ピヴェン
ミッキー:クリス・ブリッジス
ジューン:ジェマ・アータートン
ロッカー:ジェイミー・キャンベル・バウアー
タンク:ノンソー・アノジー
イギリス 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2008年製作 114分
公開
イギリス:2008年9月5日
北米:2008年10月8日
日本:2009年2月21日
製作費 $18,000,000
北米興行収入 $5,694,400
世界 $25,739,020
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロンドン。
裏社会を牛耳るレニー・コール(トム・ウィルキンソン)は、経済成長を見込んだ不動産投資で、あくどい手を使い巨万の富を得ていた。
悪党のワンツー(ジェラルド・バトラー)と相棒のマンブルズ(イドリス・エルバ)も時流に乗ろうとする。
銀行から資金調達できないワンツーらは、レニーからの借金で投資に踏み切る。
しかし、ワンツーとマンブルズの投資は失敗し、レニーに多額の借金返済を迫られてしまう。
ワンツーから首尾よく土地を奪ったレニーは、彼らが取れなかった許可を賄賂を使って難なく手に入れてしまう。
レニーの右腕アーチー(マーク・ストロング)は、彼のやり方を厳し過ぎないかとも考えるが、それがレニーのやり方だった。 そんなレニーの元に、ロシアの富豪ユーリ・オモヴィッチ(カレル・ローデン)がコネを頼って接触してくる。 二人の交渉は成立し、レニーがユーリの絵”幸運の絵”を気に入ったために、彼はパートナーシップの証として、事が終わるまでその絵をレニーに預けることにする。 レニーはユーリも手玉に取ろうとするが、アーチーは警戒するようボスに忠告する。 ユーリも相手の手の内を探るために様子を見ることにするが、まずはやり手の会計士ステラ(タンディ・ニュートン)を雇う。 そのステラは、刺激を求めワンツーとマンブルズにうまい話を持ちかける。 二人の会計士が700万ユーロを運ぶ際、彼らの目にアザを作るというのがステラの要望だった。 予定通り市議(ジミ・ミストリー)を買収したレニーだったが、ユーリから預かった絵が何者かに盗まれてしまう。 レニーは慌てふためき、アーチーと手下を呼び寄せ絵とそれを盗んだ犯人を捜すように命ずる。 ワンツーとマンブルズは、会計士を傷つけずに現金を奪い、それをステラに渡す。 ユーリは、右腕のビクター(ドラガン・ミカノヴィッチ)から現金が奪われたことを知らされ、もう一度、現金を用意するよう指示を出す。 ワンツーは、アーチーに借金を返す連絡を入れて、それがレニーに知らされる。 レニーはユーリからの現金が届かず、市議はレニーに賄賂を迫る。 アーチーは、ダフ屋で街の様子に通じているタンク(ノンソー・アノジー)を見つけて、捜している絵の情報を入手しようとする。 ワンツーは現れたアーチーに借金を返し、溜まり場からの帰り道、悪党仲間で、密告により5年間も刑務所に入る予定のハンサム・ボブ(トム・ハーディ)から”愛”を告白される。 絵の犯人を捜そうと、チンピラを締め上げたレニーは、義理の息子ジョニー・クイド(トビー・ケベル)が、絵を盗んだことを突き止める。 ジョニーは、船から転落して死んだことになっていたのだが、マネージャーのローマン(ジェレミー・ピヴェン)とミッキー(クリス・ブリッジス)は、彼が死んでいないことを確信する。 15年前に母親が死に、ジョニーは義父レニーに嫌われ、虐待されて育った。 レニーは、ローマンとミッキーに会い、ジョニーを捜し出すようを脅す。 その頃ユーリ側では、ビクターが密かにステラを疑い、監視するよう手下に指示を出す。 ユーリは、”幸運の絵”が手元から離れて以来、運に見放されていることをレニーに伝え、絵の返還を彼に求める。 レニーは動揺して苛立ち、ユーリが自分達を見下していると意見したアーチーに、プライドを傷つけられて憤慨する。 ステラから、パーティー用にヤクの提供を頼まれたワンツーは、会場で、アーチーが手を回して刑務所行きを免れていたハンサム・ボブに出くわし、”愛”のことは秘密だと釘を刺す。 レニーは絵を渡せずに、ユーリは再び現金を奪われ、その金も手に入れたワンツーは、それをステラに渡す。 しかし、その際に、派手に立ち回ってしまったワンツーとマンブルズ、そしてハンサム・ボブは、ユーリ側に追われる羽目になってしまう。 その頃、レニーは市議に許可申請を迫り脅しをかける。 レニーを見限ったユーリは、金が手に入らずにわめき散らす彼を、ゴルフ場で痛めつけて絵を返すよう脅す。 ジョニーは絵を盗まれてしまい、それを知ったタンクはアーチーに連絡を入れる。 ワンツーを訪ねたステラは彼と愛し合い、プレゼントだと言ってある絵を見せられる。 アーチーは病院のレニーの元に向かい、金を奪ったのがワンツーら3人だということを知らせる。 ユーリの手下に襲われたワンツーだったが、そこにアーチーが現れ、彼を救いレニーに連絡を入れる。 その場にマンブルズとハンサム・ボブも現れ、好都合だと思っていたアーチーに、ジョニーも捕まえたというローマンからの連絡が入る。 ユーリは、ステラが怪しいと言うビクターの忠告を聞かずに、彼女の家を訪ねる。 そしてユーリは、ステラに宝石を渡して求婚するのだが、何とそこで、”幸運の絵”を目の当たりにしてビクターを呼び寄せる。 レニーは、アーチーが連れて来たジョニーを銃撃し、手下に止めをさすよう指示を出す。 その場のワンツーらも始末しようとしたレニーだったが、ボブが、密告屋が誰かがわかる”宣誓証書”をアーチーに見せる。 それがレニーだと知ったアーチーは、レニーを殴り罵る。 アーチーはワンツーらを解放し、ジョニーはローマンとミッキーの助けを借りて、レニーの手下を倒しワンツーらとその場から立ち去る。 その後レニーは、裏切り者としてアーチーに始末される。 ヤクを抜くために、療養所生活を送っていたジョニーを迎えたアーチーは、彼に”幸運の絵”を贈る。 アーチーは、絵を手に入れるためにロシア人の腕1本と、足1本が必要だったことをジョニーに告げる。 さらにアーチーは、曲がヒットしていることをジョニーに伝えるが、彼はそれは”ロックンローラ”時代の曲だと、言葉を返す。 今は何なんだと問い質すアーチーに、ジョニーは答える。 ”真のロックンローラだ”
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*(簡略ストー リー)
ロンドン。
東欧の資本が流入し、不動産バブルに沸く裏社会を牛耳る大物レニー・コールは、成長を続ける不動産業を、あらゆる手を使って支配しようとする。
小悪党のワンツーとマンブルズの二人組も、知恵の無いまま、レニーから借金をして不動産に手を出し、それに失敗して脅される身になってしまう。
やり手の会計士ステラ、彼女を雇うロシア人富豪ユーリ、そして、伝説のロックスターなどが絡み、一枚の”幸運の絵”を巡り、事態は思わぬ展開を見せる・・・。
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「シャーロック・ホーム」(2009)を大ヒットさせたガイ・リッチーが、その前年に発表した、製作、監督、脚本を兼ねた意欲作。
エンドロールで続編を予測させるクレジットが登場する。
イギリスの興行収入では、初登場1位を記録するものの、全世界のトータルで、結局は約2600万ドルに留まった。
各方面の人物と事件が、異なった方向で話が展開しながら、最終的には”一点”にまとまり解決するという群像劇は、イギリス版のソフトな「パルプ・フィクション」(1994)という雰囲気でもある。
無駄を省いた、ガイ・リッチーの軽快な演出、そして個性的な役者達の、メリハリの効いた演技が見所で、サスペンス・タッチの展開に加え、アクションさらにコミカルな演出も楽しめる。
突出した主役と言う感じでもないが、憎めない小悪党をユーモアもまじえて熱演するジェラルド・バトラー、髪の毛を剃り、極悪ギャングのボスを怪演するトム・ウィルキンソン、クールな会計士で、その後どうなったかが気になるタンディ・ニュートン、主役を食う好演を見せる、冷静沈着な大物悪党の右腕マーク・ストロング、小悪党仲間イドリス・エルバ、トム・ハーディ、ボスの義理の息子で、後半ドラマの鍵を握るロックスター、トビー・ケベル、ロシアンマフィアのボス、カレル・ローデン、その右腕ドラガン・ミカノヴィッチ、賄賂漬けの市議ジミ・ミストリー、ジョニー(T・ケベル)のマネージャーのジェレミー・ピヴェンとクリス・ブリッジス、情報屋ノンソー・アノジーなどが共演する。