ロック・ミュージシャン、エルトン・ジョンの半生を描く、監督デクスター・フレッチャー、主演タロン・エガートン、ジェイミー・ベル、リチャード・マッデン、ジェマ・ジョーンズ、ブライス・ダラス・ハワード、スティーヴン・グレアム他共演のミュージカル・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:デクスター・フレッチャー
製作
マシュー・ヴォーン
デヴィッド・ファーニシュ
アダム・ボーリング
デヴィッド・リード
製作総指揮
エルトン・ジョン
マイケル・グレイシー
ブライアン・オリヴァー
クローディア・シファー
スティーヴ・ハミルトン・ショウ
脚本:リー・ホール
撮影:ジョージ・リッチモンド
編集:クリス・ディケンズ
音楽:マシュー・マージェソン
出演
エルトン・ジョン/レジナルド・ケネス・ドワイト:タロン・エガートン
バーニー・トーピン:ジェイミー・ベル
ジョン・リード:リチャード・マッデン
アイヴィ:ジェマ・ジョーンズ
シーラ・ドワイト:ブライス・ダラス・ハワード
ディック・ジェームズ:スティーヴン・グレアム
スタンリー・ドワイト:スティーヴン・マッキントッシュ
ダグ・ウェストン:テイト・ドノヴァン
レイ・ウィリアムズ:チャーリー・ロウ
フレッド:トム・ベネット
ウィルソン:ジェイソン・ペニークック
イギリス/アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
2019年製作 121分
公開
イギリス:2019年5月22日
北米:2019年5月31日
日本:2019年8月23日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $96,368,160
世界 $195,179,300
■ アカデミー賞 ■
第92回アカデミー賞
・受賞
歌曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
派手な悪魔の衣装でリハビリの会に参加したエルトン・ジョン(タロン・エガートン)は、子供時代のことを訊かれ、当時のことを語り始める。
1950年代、イングランド、ミドルセックス、ピナー。
不仲の両親スタンリー・ドワイト(スティーヴン・マッキントッシュ)とシーラ(ブライス・ダラス・ハワード)、そして祖母のアイヴィ(ジェマ・ジョーンズ)と共に暮らす少年レジナルドは、父と過ごす時間がほとんどないため、愛されていないと思っていた。
そんなレジナルドはピアノを習い始め、音楽の才能を認められ、”王立音楽アカデミー”に奨学生として入学する。
シーラがフレッド(トム・ベネット)と浮気をしていることを知ったレジナルドはショックを受け、スタンリーは家を出る。
その後、ロックンロールと出会ったレジナルドは、地元のパブで演奏するようになりる。
数年後レジナルド(タロン・エガートン)は、バンド”ブルーソロジー”に加わり、アメリカのソウルバンド”アイズレー・ブラザーズ”と”Patti LaBelle and the Blue Belles”のツアーにバックバンドとして加わる。 アイズレー・ブラザーズのリード・シンガー、ロナルド・アイズリーは、レジナルドから成功する方法を訊かれ、曲を書き過去の自分を捨てろと助言する。 ”DJMレコード”のディック・ジェームズ(スティーヴン・グレアム)を訪ねたレジナルドは、対応したレイ・ウィリアムズ(チャーリー・ロウ)と話をする。 レイに気に入られたレジナルドは名前を訊かれ、バンド・メンバーのエルトン・ディーンの”エルトン”と、その場に飾られていた”ジョン・レノン”の写真を見て思いついき、”エルトン・ジョン”と答える。 そこにディックが現れ焦ったレイは、バーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)の詞をエルトン渡し、曲をつけてほしいと伝える。 カフェでバーニーに会ったエルトンは彼と意気投合し、その後、詞に曲をつけてディックとレイに売り込む。 レイほど曲を気に入らないレイは、エルトンとバーニーに同居して名曲を書けと指示する。 アパートを借りたエルトンは同性愛者であることを認めるが、バーニーは気にしなかった。 管理人のアナベラと付き合っていたエルトンは、ゲイだということを正直に話したがアパートを追い出され、仕方なく実家に向かう。 その後、バーニーの詞に曲をつけたエルトンは、”僕の歌は君の歌”を完成させる。 曲を傑作だと認めたディックは、ロサンゼルスのナイトクラブ”トルバドール”のオーナー、ダグ・ウェストン(テイト・ドノヴァン)に連絡しようとする。 超一流が集う場所に出演することで怖気づくエルトンに、レイも同行させるのでチャレンジしろと励ますディックは、エルトンを納得させる。 ウェスト・ハリウッド、トルバドール。 大物が着ていることを知ったエルトンは、緊張しながらステージに向かい、観客は彼のパフォーマンスに熱狂する。 成功を喜ぶエルトンは、バーニーとレイと共に、ダグに誘われてパーティーに向かう。 バーニーがヘザーと共に出かけてしまったため、エルトンは見捨てられた気分になる。 ミュージック・マネージャーのジョン・リード(リチャード・マッデン)に声をかけられたエルトンは、成功を確信するゲイの彼と愛し合う。 音楽会の話題をさらったエルトンは、アメリカのツアー後に帰国することになり、リードは、訪ねることを約束する。 ロンドン。 エルトンのマネージャーになったリードは、ディックと別れる決断をする。 レイとの関係を断ちたくないエルトンだったが、更なるステップアップを重視するリードの考えに従う。 父スタンリーに久しぶりに会ったエルトンは、”ショパール”の腕時計を贈る。 二人の義弟を紹介されたエルトンは、すべてを手に入れた自分にも関心がない様子の父を見て悲しくなる。 母シーラに電話をしたエルトンは、自分はゲイだと告白するものの、何年も前から知っていたと言われて驚く。 どうでもいいが、人には黙っていてほしいと言うシーラは、独りぼっちを選んだのだから、一生、愛されることはないとエルトンに伝える。 ショーに間に合わないことで、リードに非難され殴られたエルトンは、ド派手な衣装でステージに上がり、ファンを熱狂させる。 ロサンゼルス。 そこに、母シーラと祖母アイヴィが訪ねて来たために歓迎したエルトンは、豪邸内を案内する。 パーティーが開かれ、バーニーが現れても相手をしようとしないエルトンは、大量のドラッグと酒を飲み、自殺しようとしてプールに飛び込む。 救い出されたエルトンは、救急車で病院に運ばれる。 その後エルトンは、”ドジャー・スタジアム”のコンサートで”ロケット・マン”を熱唱する。 自分を見つめ直したいと言うバーニーは、暫く活動を休むことをエルトンに提案する。 バーニーに一人で帰国することを勧めたエルトンは、ツアーを続ける。 孤独から脱することができないエルトンは、レコード販売の不振を、自分を理解しないリードのせいにして苛立つ。 その後、コーディング・エンジニアであるドイツ人のレネーテ・ブリューエルと結婚したエルトンだったが、同性愛者である彼の結婚生活は長くは続かなかった。 母シーラとフレッドと食事をしたエルトンは、メノルカ島のヴィラに移り住むと言う二人から金を用意してほしいと言われ、外国に住む理由を尋ねる。 フレッドから、度重なる自分のスキャンダルのせいで心を痛めているシーラのためだと言われたエルトンは、母が自分に失望していることを知り悲しむ。 バーニーも去り、酒とドラッグのせいで心臓発作を起こしたエルトンは何とか回復する。 ”マディソン・スクエア・ガーデン”。 1970年代後半の日々を悔いたエルトンは、周囲の人々のサポートを必要としないことを認識する。 面会に来たバーニーと話したエルトンは、曲をつけてほしいと言う彼から詞を渡され、二人は友情を確認する。 酒やドラッグ抜きで曲が作れるか不安だったエルトンだったが、”I’m Still Standing”を完成させて復帰する。 エルトンは28年間断酒を続けるものの、買い物依存症は治っていない。 リハビリを終えたエルトンはエイズ基金を設立し、4億5000万ドル以上を世界中に寄付している。 エルトンとバーニーは共作を続け、50年間、喧嘩をしたことがない。 25年前に夫のデヴィッド・ファーニッシュと出会ったエルトンは、本物の愛を知る。 二人は、息子ザカリーとイライジャの子育てに専念するために、ツアーを引退する予定。
...全てを見る(結末あり)
ダグに迎られたエルトンらは、その夜のショーに備える。
スーパースターとなったエルトンは、レコーディング中に訪ねて来たリードとスタジオ内で愛し合う。
若い男性秘書に手を出すリードの、精神的な虐待に我慢の限界を感じたエルトンは、関係を断ち切ることも考える。
悪魔の衣装を着たエルトンはステージに向かわず、タクシーに乗りリハビリ施設に向かい、集会に参加する。
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*(簡略ストー リー)
1950年代、イングランド、ミドルセックス、ピナー。
不仲の両親に愛されずに育った少年レジナルド・ケネス・ドワイトは、音楽の才能を認められ、やがてバンドに参加するようになる。
”DJMレコード”のディック・ジェームズに自分を売り込んだレジナルドは、”エルトン・ジョン”の芸名で活動を始め、バーニー・トーピンと意気投合して曲を作る。
同性愛者のエルトンは、それを気にしないバーニーと共に”僕の歌は君の歌”を完成させ、アメリカに進出してブレイクするのだが・・・。
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ロック・ミュージシャンのスーパースター、エルトン・ジョンの半生を描くミュージカル・ドラマ。
平凡な家庭に育ち音楽の神童と言われた少年が、いかにして世界の頂点に立ち、孤独から酒やドラグに溺れ身を滅ぼしそうになりながらも再起するまでを描く、人間ドラマとしても見応えある作品。
誰もが知るカリスマ的な人気を誇るスーパースターの物語であるため、知られざる人物像を描く・・・という内容でもなく、すべてを手に入れた者の、お決まりの酒とドラッグに溺れる描写はやや月並みではあるが、苦悩するエルトン・ジョンの人生の節目節目に、数々のヒット曲を挿入する盛り上がる演出などは、ファンを大いに楽しませてくれる。
第92回アカデミー賞では、歌曲賞を受賞した。
エルトン・ジョンを演ずる主演のタロン・エガートンは、すべてを手に入れながら孤独に苦しむ主人公を熱演している。
主人公と友情を深めながら彼を支え続ける作詞家バーニー・トーピンを好演するジェイミー・ベル、主人公と愛し合うものの、厳しいビジネスの世界では妥協を許さないミュージック・マネージャー、ジョン・リードのリチャード・マッデン、主人公を愛する祖母ジェマ・ジョーンズ、自分の人生を優先する主人公の母ブライス・ダラス・ハワード、主人公に愛情を注がない父親スティーヴン・マッキントッシュ、主人公の才能を認め世に出す”DJMレコード”のディック・ジェームズ役スティーヴン・グレアム、その部下で音楽プロデューサーのレイ・ウィリアムズ役チャーリー・ロウ、ロサンゼルスのナイトクラブ”トルバドール”のオーナー、ダグ・ウェストンのテイト・ドノヴァン、主人公の母の恋人トム・ベネットなどが共演している。