1998年に発表された、マックス・アラン・コリンズ原案、リチャード・ピアース・レイナー作画のグラフィック・ノベル”Road to Perdition”を基に製作された作品。 組織に妻子を殺されたマフィアの殺し屋が生き残った息子と共に仇を討つまでを描く、製作、監督サム・メンデス、主演トム・ハンクス、ポール・ニューマン、ジュード・ロウ、ダニエル・クレイグ、スタンリー・トゥッチ共演の犯罪ドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:サム・メンデス
製作総指揮
ウォルター・F・パークス
ジョーン・ブラッドショウ
製作
サム・メンデス
ディーン・ザナック
リチャード・D・ザナック
原作
マックス・アラン・コリンズ
リチャード・ピアース・レイナー
”Road to Perdition”
脚本:デイヴィッド・セルフ
撮影:コンラッド・L・ホール
編集:ジル・ビルコック
美術・装置
デニス・ガスナー
ナンシー・ヘイ
音楽:トーマス・ニューマン
出演
マイケル・サリヴァン:トム・ハンクス
ジョン・ルーニー:ポール・ニューマン
ハーレン・マグワイア:ジュード・ロウ
コナー・ルーニー:ダニエル・クレイグ
フランク・ニッティ:スタンリー・トゥッチ
アニー・サリヴァン:ジェニファー・ジェイソン・リー
フィン・マクガヴァン:キアラン・ハインズ
マイケル・サリヴァンJr.:タイラー・ホークリン
ピーター・サリヴァン:リアム・エイケン
アレクサンダー・ランス:ディラン・ベイカー
アメリカ 映画
配給
20世紀FOX
ドリームワークス・ピクチャーズ
2002年製作 117分
公開
北米:2002年7月12日
日本:2002年10月5日
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $104,054,510
世界 $181,001,480
■ アカデミー賞 ■
第75回アカデミー賞
・受賞
撮影賞
・ノミネート
助演男優(ポール・ニューマン)
美術・録音・音響編集・作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1931年、冬、イリノイ州、ロックアイランド。
マイケル・サリヴァン(トム・ハンクス)は、妻アニー(ジェニファー・ジェイソン・リー)と子供達マイケル(タイラー・ホークリン)、ピーター(リアム・エイケン)と共に暮していた。
アイルランド系マフィアの殺し屋であるサリヴァンは、家族を連れて、組織のフィン・マクガヴァン(キアラン・ハインズ)の弟の葬儀に向う。
組織のボス、ジョン・ルーニー(ポール・ニューマン)の言葉に続き、フィンが参列者に挨拶をする。
その後、今回の件で弟が裏切り者扱いされ、不満を抱いているフィンが、騒ぎを起こしかねない状況となる。
それを察し、サリヴァンやルーニーの息子コナー(ダニエル・クレイグ)が、フィンをその場から連れ出す。 コナーは、父ルーニーが息子の自分よりも、腹心としてサリヴァンを信頼していることを妬ましく思う。 ある夜、仕事に出かけた父サリヴァンの車に忍び込んだマイケルは、弟を裏切り者と決めつけフィンを殺害したコナーと、父が手下を殺すところを目撃してしまう。 サリヴァンは、その場にマイケルがいたことに驚き、コナーと共に誰にも話さないことを約束させる。 帰宅したサリヴァンは、食べることにも困っていた自分達が、ルーニーのお陰で、まともな生活ができることをマイケルに話し、仕事を理解させる。 動揺するマイケルは、翌朝現われた、自分を可愛がってくれるルーニーとの信頼関係を確認される。 コナーの早まった行動を、厳しい口調で戒めるルーニーは、集まった組織幹部の前で息子に謝罪させる。 恥をかかされて立場もないコナーは、サリヴァンを罠にはめて、彼の妻アニーとピーターを殺害してしまう。 外出していたマイケルは、コナーが家から出て行った後に、母と弟が殺害されていることを確認する。 マイケルの危険を察知して家に戻ったサリヴァンも、妻子の死を知り絶叫する。 ルーニーは激怒してコナーを責めるが、血を分けた息子を抱きしめるしかなかった。 マイケルを連れて家を離れたサリヴァンは、ルーニーの屋敷に向かい忍び込む。 ルーニーから現金を預かった、伝言係に事情を聞いたサリヴァンだったが、彼はコナーが姿を消したことを知り、その男を殺して立ち去り、シカゴに向う。 サリヴァンは、”シカゴ・アウトフィット”の幹部フランク・ニッティ(スタンリー・トゥッチ)に会い、仕事をする代わりに、妻子の仇討ちには目をつぶってもらいたいことを伝える。 それを断られたサリバンは、ニッティが、既にルーニーと手を組んだことを察して、その場を立ち去る。 その話を、隣の部屋でコナーと聞いていたルーニーは、苦悩の末に、ニッティの助言を受けて、サリヴァンを殺す決断をする。 子供は殺すなと指示されたニッティは、殺し屋ハーレン・マグワイア(ジュード・ロウ)に、サリヴァン殺害と息子の存在も知らせる。 マグワイアはサリヴァンの移動先を追い、あるダイナーで彼を見つける。 サリヴァンに、気軽に声をかけて会話をしたマグワイアは、彼がトイレに行っている間、その場にいた警官が席を立つのを見て拳銃を取り出す。 しかし、マグワイアが殺し屋だと気づいたサリヴァンは、店の裏から逃亡する。 タイヤをパンクさせられたマグワイアは、サリヴァンの車を銃撃し、声をかけてきた警官を射殺する。 車を止めたサリヴァンは、マイケルに自分の指示通りの行動をするようにと釘を刺し、アル・カポネを利用して、生き延びる方法を考える。 マイケルに運転を教えたサリバンは、銀行を次々と襲い、カポネの預金を奪っていく。 報告を受けたニッティは、銀行の預金を引き出すよう指示し、身動きがとれずに苛立つ、匿っているコナーに手を焼く。 会計士のアレクサンダー・ランス(ディラン・ベイカー)が、金を引き出したことを知ったサリヴァンは、彼の滞在するホテルに向い、帳簿を奪おうとする。 それを予測して、向かいのホテルで見張っていたマグワイアは、サリヴァンに気づき部屋に向う。 ランスは時間を稼ぎ、サリヴァンは、現われたマグワイアと銃撃戦になり、彼に傷を負わせて、出納台帳を奪いその場から逃走する。 サリヴァンは、マグワイアが部屋から放った銃弾を腕に受けながら、マイケルの運転する車で走り去る。 気を失ってしまったサリヴァンは、民家の老夫婦に介抱されて回復し、奪った資料を調べ、コナーがルーニーの金を着服していることに気づく。 サリヴァンは、老夫婦に感謝して大金を残し、教会にいたルーニーの前に現われる。 地下室に向ったサリヴァンは、ルーニーに、コナーの件を伝え、彼が、フィンらまで利用した裏切り者だということを告げる。 その全てを承知していたルーニーは、息子コナーを自分の手で始末することはできないことを伝え、サリヴァンに国を出るよう忠告して立ち去る。 サリヴァンは、マイケルに手紙を残して、ルーニーとその部下を、愛用の”トンプソン・サブマシンガン”で射殺する。 カポネの許可を得て、コナー殺害で全てを終わらせることを承知したニッティは、それをサリヴァンに伝える。 サリヴァンは、邪魔されることなく、コナーの部屋に向かい、バスルームにいた彼を射殺する。 ミシガン湖。 マグワイアは、瀕死のサリヴァンの写真を撮るが、現われたマイケルに銃を向けられる。 その銃を奪おうとするマグワイアを、サリヴァンが射殺する。 サリヴァンは、寄り添うマイケルに謝罪しながら息を引き取る。 水辺にたたずむマイケルは、父が何より恐れていたことは、自分が同じ道を歩むことだったことを悟る。 そして、老夫婦の元に戻ったマイケルは思う。 父がよい男だったのか、そうでなかったのか、答えは簡単に出せる。 ”マイケル・サリヴァンは僕の父親だっだ”と・・・。
...全てを見る(結末あり)
サリヴァンは、湖畔の義姉の家をマイケルと訪ねるが、潜んでいたマグワイアに銃撃される。
*(簡略ストー リー)
1931年、冬、イリノイ州。
アイルランド系マフィアの殺し屋であるマイケル・サリヴァンは、ボスのルーニーの右腕として信頼が厚かった。
ある日、ルーニーの指示で組織内の揉め事を解決する際、彼の息子コナーが、裏切りを疑われている幹部フィンを射殺してしまう。
同行したサリヴァンもフィンの部下を殺すのだが、それを息子のマイケルに見られてしまう。
サリヴァンは、家族を支えるための自分の仕事をマイケルに理解させる。
父が、息子である自分よりも信頼するサリヴァンを妬むコナーは、彼を罠にはめて、妻子を殺害してしまう。
絶望したサリヴァンは復讐を誓い、ルーニーは、シカゴの大物フランク・ニッティの意見を聞き入れ、仕方なく、息子のように思っていたサリヴァン殺害の指示を出す。
ニッティは、殺し屋マグワイアを差し向けるのだが、サリヴァンはそれをかわしながら、組織を混乱させるために、シカゴの支配者アル・カポネの預金を奪うことを考え、銀行を襲い始める・・・。
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デビュー作「アメリカン・ビューティー」(1999)が絶賛され、いきなりアカデミー監督賞を受賞したサム・メンデスの繊細な人物描写、または、見事な美術セットや撮影にこだわりを見せた、重厚なドラマに仕上がっている。
なんと言っても、それまであまり犯罪に絡む血生臭い役柄の経験がなかった、主演のトム・ハンクスをはじめ、名だたるスターの大胆な配役が注目でもある。
第75回アカデミー賞では、撮影賞を受賞した。
・ノミネート
助演男優(ポール・ニューマン)
美術・録音・音響編集・作曲賞
8000万ドルをかけた超大作でもあり、北米興行収入は約1億ドル、全世界では約1億8100万ドルのヒットとなった。
すっかり貫禄も出たトム・ハンクスは、組織の固い絆と、家族の愛情との狭間で、死に直面しながら息子を守る父親を、抑えた演技で好演している。
遺作ではないが、本作が、キャリア最後の劇場作品となるポール・ニューマンは、親子以上の信頼で結ばれた男を殺さなくてはならない、苦悩するマフィアのボスを熱演している。
風変わりな暗殺者でありながら、執念でターゲットを追うジュード・ロウ、公開当時はそれほど気にならない存在であった、マフィアのボスの不肖の息子ダニエル・クレイグ、シカゴの大物フランク・ニッティのスタンリー・トゥッチ、主人公の妻ジェニファー・ジェイソン・リー、組織の幹部キアラン・ハインズ、主人公の長男タイラー・ホークリン、次男リアム・エイケン、組織の会計士ディラン・ベイカーなどが共演している。