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帰らざる河 River of No Return (1954)

過去のある子連れの農夫と酒場の女との関係と恋を描く、監督オットー・プレミンジャー、主演ロバート・ミッチャムマリリン・モンローロリー・カルホーン他共演による西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

マリリン・モンロー / Marilyn Monro / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:オットー・プレミンジャー

製作:スタンリー・ルービン
原作:ルイ・ランツ
脚本:フランク・フェントン
撮影:ジョセフ・ラシェル
編集:ルイス・R・レフラー
音楽:シリル・J・モックリッジ

出演
マット・コールダー:ロバート・ミッチャム
ケイ・ウェストン:マリリン・モンロー
ハリー・ウェストン:ロリー・カルホーン
マーク・コールダー:トミー・レティグ
サム・ベンソン:ダグラス・スペンサー
デイヴ・コルビー:マーヴィン・ヴァイ
神父:アーサー・シールズ
酒場の男:ジョン・ドーセット

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1954年製作 91分
公開
北米:1954年4月30日
日本:1954年8月24日
製作費 $2,195,000
北米興行収入 $3,800,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1875年、アメリカ北西部
ゴールド・ラッシュに湧く町に、男やもめのマット・コールダー(ロバート・ミッチャム)が、9歳の息子マーク(トミー・レティグ)を捜して訪れる。

マットは、男達が群がる酒場の歌手ケイ(マリリン・モンロー)に目もくれずにマークを捜す。

ビールを運んでいたマークをからかう男を叩きのめしたマットは、自分が誰か分からない息子に、父親であることを伝える。

証拠である母親の写真を見せたマットは、マークを信用させる。

ケイに別れを告げると言うマークは、酒場の歌手の彼女は親友だとマットに伝える。
...全てを見る(結末あり)

マークから楽屋にいたケイを紹介されたマットは、金で礼をしようとするが、不自由していないと彼女から言われる。

マットとマークに別れを告げたケイは、酒場に向かい一曲歌い楽屋に戻る。

その場にいたフィアンセでギャンブラーのハリー・ウェストン(ロリー・カルホーン)から、稼いだ金で世界を旅しようと言われたケイは、賭けで金鉱を手に入れたことを知らされる。

イカサマを疑われる前に登記を済ませたいとハリーから言われたケイは、不安になる。

誰も馬を売ろうとしないために、筏を買ってカウンシル・シティに向かうと言うハリーは、ケイからそのための金を受け取る。

農業や狩りをして暮らそうとマークに話すマットは、先住民が町に現れたことを気にしながら、馬に乗り農場に向かう。

翌日からマークと農作業などを始めたマットは、将来の話をする。

マークに射撃を教えようとしたマットは、先住民ののろしにに気づき、攻めてきた場合は戦って土地を守ることを息子に伝える。

ケイとハリーの筏が流されていることを知ったマットとマークは、二人を助ける。

マットに感謝したハリーは新婚だと伝え、マークはケイとの再会を喜ぶ。

その後、筏を直したマークはケイと話し、彼女に歌ってもらう。

好んで農業をするマットの考えが理解できないハリーは、何か魂胆があるのではないかと思いながら、カウンシル・シティまでの筏での川下りについてマットの助言を受ける。

賭けで手に入れた金鉱の登記を早く済ませたいと言うハリーの言動を気にしながら、馬と銃を譲ってほしいと言われたマットはそれを断る。

マットに銃を向けたハリーは、馬を奪いカウンシル・シティに向おうとする。

数日で戻ると言うハリーの隙を見て襲い掛かったマットだったが、銃で殴られて意識を失う。

命の恩人であるマットを置いていけないと言うケイは残ることになり、ハリーは一人でその場を去る。

その様子を、戦いの準備をした先住民が監視していた。

意識が戻ったマットは山を下る先住民に気づき、筏に乗って逃げることをケイとマークに伝える。

荷物をまとめたマットらは、襲い掛かってきた先住民の襲撃を逃れ、筏で川を下る。

家に火を放たれあっため、それを見たマークは悲しむ。

激しい流れを過ぎたマットらは、筏を岸に付けて、魚や木苺を採り食料にしようとする。

ケイは木苺を摘み、小魚しか採れなかったマットは、彼女からハリーを殺す気かと訊かれて、そうだと答える。

川を下るのは自殺行為だとハリーに忠告したとケイから言われたマットは、自分なら大丈夫だと伝える。

マットは、自分達の暮らしを奪ったハリーを許せなかった。

翌朝、ケイがナイフで筏のロープを切ったことに気づいたマットは、別のロープを木に縛り付ける。

今度やったら殺すと言うマットは、筏なしでは先住民に殺されるとケイに伝える。

自分を犠牲にしてハリーのような男を助けたいのかと言われたケイは、女として扱ってくれたのは彼だけだと伝え、立場が違えば同じことをしたと答える。

子供や女は犠牲にしないと伝えたマットは、自分が殺人犯であることをハリーが知っているとケイから言われる。

相手を背後から撃って殺し刑務所に入れられていたと言うケイの話を、マークは聞いてしまう。

マークと話したマットは、友人を殺そうとした悪党を前と後ろから撃ったと正直に伝えて、彼に出発する支度をさせる。

筏を出したマットは、”帰らざる河”と言われる理由が分かると言って、激流に向かう。

何とか切り抜けたマットだったが、疲労困憊のケイが意識を失ったため、筏を岸につけて彼女を洞窟に運ぶ。

先住民を警戒して火は起こせないことをケイに伝えたマットは、濡れた服を脱ぎ毛布にくるまるよう指示する。

危険を覚悟して火を焚くことにしたマットは、マークに薪を集めさせ、震えるケイの体をマッサージする。

マットの優しさに触れたケイは、彼が悪人ではないことを理解して謝罪する。

翌日、筏を出したマットは、一晩中見張っていたために眠り、ケイとマークは話をする。

マットが人を殺した理由などを話していたケイとマークは、川を泳ぐ鹿を見つける。

それを知らされたマットは、ロープで鹿を捕えて岸に向かい、その肉を調理する。

マークからケイに冷たいと言われたマットは、普通に接しているだけだと答える。

馬を盗んだハリーのことを訊かれたマットは、彼を憎むのは、自分達を危険な目に遭わせたからだとマークに伝える。

水浴びから戻ったケイと話したマットは、心を許した彼女に迫るが、マークの呼び声を聴き、彼の元に戻る。

クーガーに襲われたマットだったが、現れたサム・ベンソン(ダグラス・スペンサー)とデイヴ・コルビー(マーヴィン・ヴァイ)に助けられる。

マットは、空腹だと言う二人に肉を与え、人を捜していると言う彼らは、、ハリーの女だったケイに気づく。

銃を持っていると言うコルビーは、ケイに同行するよう伝えるが、彼女はマットと行くと答える。

コルビーを追い払おうとしたマットは、襲い掛かって来た彼に反撃して銃を奪い、二人を解放して筏を出す。

暫くして岸で休んだマットは、眠れないと言うケイに、ベンソンやコルビーらは金に目がくらんでうるだけだと話す。

トラブルから逃げないケイに感心するマットは、ハリーを未だに信じる彼女から、実は結婚式はまだで、目的地で式を挙げることを知らされる。

コルビーに付いて行かなかった理由を訊かれたケイは、彼を軽蔑するものの、ハリーも同じような人間だとマットから言われる。

反論するケイは、まともな人間になろうと努力したハリーを擁護し、コルビーなどとは違うと伝える。

翌日、川を下るマットは、先住民が追って来ることをケイに知らせて、連れているのはコルビーの馬だと伝える。

複数の先住民を確認したマットは、矢を放たれたために銃で反撃する。

川に下りて来た先住民を銃撃するマットだったが弾がなくなり、泳いで筏に上がった敵を倒す。

筏は激流に流され、ケイはマークをロープで縛るものの、マットは川に落ちて櫂にしがみつく。

何んとか切り抜けたマットは筏に上がり、やがて、三人はカウンシル・シティに到着する。

マットがハリーへの復讐を諦めていないことを知ったケイは、先に話をさせてほしいと伝える。

ハリーに反省させたいと言うケイに、無駄だろうと伝えたマットだったが、彼女の頼みを聞き入れる。

町に着いたケイは、マークへの愛が不可能を可能にしたことをマットに伝えて、そんな愛を羨ましく思う。。

自分の馬を見つけたマットは、ハリーが酒場にいることを知る。

直ぐに戻ると言っていたハリーがまだ町にいたために動揺するケイは、マットに促されて酒場に向かおうとする。

話せばわかるとマットに伝えて酒場に向かったケイは、カードをしていたハリーに話しかけて、なぜすぐ戻らなかったのかを問う。

着いたばかりだと言われたケイはマットのことを訊かれ、雑貨屋で待っていることを伝える。

迷惑をかけたことでマットに謝罪するべきだとケイから言われたハリーは、登記は済んだので優雅に暮らすことを彼女に提案する。

やっと手に入れたチャンスを、馬泥棒程度の話で手放す気はないと言うハリーは、話をつけるために雑貨店に向かおうとする。

銃を手にしながら用心のためだと言うハリーは、ケイのことを気にして、その場にそれを置いていく。

コーヒーを飲んで主人と話していたマットは、商品のライフルを見ているマークに、ほしいなら買ってあげると伝える。

雑貨店に向かったハリーは、出てきたマットに向かて隠し持っていた銃を発砲する。

阻止しようとするケイを振り払いマットに銃を向けたハリーだったが、背後からマークに射殺される。

仕方なかったと言って涙するマークを落ち着かせたケイは、撃つしかなかったと伝える。

マットは、歩み寄るマークを抱きしめる。

その後、ケイは酒場の歌手に戻る。

酒場に現れたマットは、何も語らずにケイを担ぎ上げ、マークの待つ馬車に乗せる。

どこに行くのかケイに訊かれたマットは、家だと答えて馬車を出す。

マットとマークと暮らすことを決めたケイは、靴をその場に脱ぎ捨てる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1875年、アメリカ北西部
ゴールド・ラッシュに湧く町に現れた男やもめのマット・コールダーは、9歳の息子マークを捜す。
訳があり預けていたマークを見つけたマットは、息子が世話になっていた酒場の歌手ケイに感謝して農場に向かう。
ギャンブラーであるフィアンセのハリーが賭けで金鉱を手に入れたため、ケイは、彼と共に筏でカウンシル・シティに向かうことになる。
川を下るものの、筏を制御できなくなったハリーとケイは、マットに助けられる。
金鉱の登記を急ごうとするハリーは、マットを叩きのめして銃と馬を奪い、カウンシル・シティに向かう。
その直後、先住民の襲撃に気づいたマットは、農場を捨てて、ケイとマークと共に筏で川を下りハリーを追うのだが・・・。
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オットー・プレミンジャーの演出、ロバート・ミッチャムマリリン・モンローロリー・カルホーン他、当時の期待の中堅、若手スター豪華競演などが注目の作品。

西部劇の醍醐味に加えた筏での川下りのアクション、厳しい自然環境や先住民の脅威の中で生きる人々の逞しさを描く、オットー・プレミンジャーの力強い演出は見ものだ。

正統派西部劇の面白みを十分に楽しめる内容と、見所である筏での川下りの冒険的映像は迫力満点であり、過去を持つ男と酒場の女のロマンス、そして、先住民との戦いのシーンなども盛り込まれた見応えある娯楽作品。

既にキャリアを積んでいたロバート・ミッチャムは、30代半ばにして貫録十分で、辛い過去を持つやや影のある人物を見事に演じ、誇りある男としての生き方を息子に教え込む逞しい父親を熱演している。

前年(1953)、「ナイアガラ」、「紳士は金髪がお好き」、「百万長者と結婚する方法」に立て続けに出演して一気にブレイクしたマリリン・モンローの、異次元の美しささえ感じる魅力は一言では言い尽くせない。
演技力も見せながら、歌などもふんだんに披露してくれる彼女のパフォーマンスも見所の一つで、特にクライマックスでの、哀愁漂う主題歌を歌う彼女の姿に誰もが見とれるだろう。

ヒロインのフィアンセであるギャンブラーのロリー・カルホーン、主人公の息子トミー・レティグ、主人公らが出会う男達ダグラス・スペンサーマーヴィン・ヴァイ、主人公が町で話す神父アーサー・シールズ、酒場の男役でジョン・ドーセットも端役出演している。


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