1992年に発表された、マイケル・クライトンの同名小説を基に製作された作品。 アメリカ企業を買収した日本の大企業で起きた殺人事件の裏に隠された陰謀を描く、監督、脚本フィリップ・カウフマン、製作総指揮、主演ショーン・コネリー、ウェズリー・スナイプス、ハーヴェイ・カイテル、マコ岩松他共演で描くサスペンス。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:フィリップ・カウフマン
製作総指揮:ショーン・コネリー
製作:ピーター・カウフマン
原作:マイケル・クライトン
脚本
マイケル・クライトン
フィリップ・カウフマン
マイケル・バックス
撮影:マイケル・チャップマン
編集
ステファン・A・ロッター
ウィリアム・S・シャーフ
音楽:武満徹
出演
ジョン・コナー:ショーン・コネリー
ウェップ・スミス:ウェズリー・スナイプス
トム・グレアム:ハーヴェイ・カイテル
エディ・サカムラ:ケイリー=ヒロユキ・タガワ
ボブ・リッチモンド:ケヴィン・アンダーソン
ヨシダ:マコ岩松
ジョン・モートン上院議員:レイ・ワイズ
イシハラ:スタン・エギ
フィリップス:スタン・ショー
ジンゴ・アサクマ:ティア・カレル
タナカ:クライド・クサツ
ウィリー”ザ・ウィーゼル”ウィルヘルム:スティーヴ・ブシェミ
シェリル・リン・オースティン:タチアナ・パティッツ
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1993年製作 130分
公開
北米:1993年7月30日
日本:1993年11月6日
製作費 $15,100,000
北米興行収入 $63,095,270
世界 $107,198,800
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
日本の大企業”ナカモト”が、アメリカの”マイクロコン”に買収を仕掛けていた。
ジョン・モートン上院議員(レイ・ワイズ)をはじめ議会は、”マイクロコン”が軍事開発企業だけに、売却に反対する意思を表明していた。
そんな中、”ナカモト”の超高層ビル落成記念パーティーが開かれる。
市長をはじめ名士が集まり、盛大なパーティーが開かれる中、シェリル・リン・オースティン(タチアナ・パティッツ)というコールガールが会議室で遺体で見つかる。
ロサンゼルス市警のトム・グレアム警部補(ハーヴェイ・カイテル)は、同僚のウェップ・スミス警部補(ウェズリー・スナイプス)をナカモト・ビルに呼び出す。
スミスはビルに向かう途中、日本通であるベテラン警部ジョン・コナー(ショーン・コネリー)を拾い現場に向かう。 コナーとスミスは、日本に対し偏見を持つグレアムに事件現場に案内される。 三人は、”ナカモト”のロサンゼルス支社のイシハラ(スタン・エギ)に挨拶し、まず令状を見せるよう求められる。 イシハラは、女の死は殺人ではなくドラッグによる死亡だと主張し、会社及びパーティーとは無関係だと言い張り捜査協力を拒む。 その後イシハラは、スミスやグレアムと口論となるのだが、おもむろに交渉を始めたコナーが名刺を渡す。 冷静さを取り戻したイシハラは、穏やかにコナーと話し始める。 しかし、尚も協力に応じようとしないイシハラを見たコナーは、突然、大声を張り上げ彼を脅し捜査協力を強要する。 コナーの威圧感に圧倒されたイシハラはたじろいでしまう。 イシハラは協力することを伝えるが、上司の前で彼の面子を保つため、コナーは、短気な”外人”を演じたことをスミスに伝える。 現場検証では、死んだシェリルが突然死だった可能性もでてくるが、コナーは警備室の監視カメラをチェックしようとする。 警備室のフィリップス(スタン・ショー)から情報を仕入れたコナーは、会議室の記録ディスクが紛失していることに気づき、それを提供するようイシハラに伝えビルを去ろうとする。 コナーは帰り際に、”ナカモト”と”マイクロコン”の仲介役の弁護士ボブ・リッチモンド(ケヴィン・アンダーソン)に声をかけられ、協力を約束される。 シェリルの部屋を調べたコナーとスミスは、日本系企業の”ダイマツ”の重役の息子エディ・サカムラ(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)が彼女と付き合っていたことを知る。 スミスはエディが犯人だと見るが、コナーは犯人が捜査を遅らせるための罠だと指摘する。 その後、コナーとスミスは、モートン上院議員も出席するパーティーにエディを訪ねる。 シェリルの件でエディを尋問したコナーは、”ナカモト”で起きた事件で、敵対する”系列”の”ダイマツ”の関係者を連行すると面倒なことになると言われる。 エディのパスポートを預かったコナーは、今回は大人しくその場を立ち去る。 コナーはエディの父親に借りがあり、”ビジネス戦争”を生む日本の系列企業の実態をスミスに説明する。 署に戻ったスミスは、シャリルの検死の結果、犯人が日本人である可能性が高いことをグレアムから知らされる。 イシハラから届けられた監視カメラの映像を調べたコナーらは、シェリルが殺された映像にエディが映っていたことを確認する。 グレアムはエディが犯人と確信し、スミスを連れ彼を逮捕しに向かう。 しかし、グレアムとスミスはエディを取り逃がしてしまい、彼は逃亡途中に事故死してしまう。 帰宅して休んでいたスミスは、署からの連絡で、エディを逮捕しようとしていた時に、彼から紛失したディスクについて伝えたいことがあるという、伝言を受けていたことに気づく。 コナーは、”ナカモト”の社長ヨシダ(マコ岩松)とゴルフをしていたが、呼び出したスミスに、エディの件で日本側が報復に出ることを伝える。 その頃、”ロサンゼルス・タイムズ”の記者ウィリー”ザ・ウィーゼル”ウィルヘルム(スティーヴ・ブシェミ)が、周辺を嗅ぎ回っているという情報がスミスに入る。 ディスクにエディが映っていたことを疑わないスミスを連れ、コナーはディスクの映像分析を依頼していた大学生ジンゴ・アサクマ(ティア・カレル)の元に向かう。 コナーとスミスは、エディが犯人ではなく、彼が殺人の目撃者であり、ディスクが映像処理されたことを知らされる。 その後、日本人に追われたコナーらだったが、それを振り切り、ジンゴからディスクのコピーを受け取り署に戻る。 事故に遭ったエディの車を調べる日本人が、彼の家にもあった”ナカモト”の警備主任タナカ(クライド・クサツ)の車に乗っているのを、コナーとスミスは不審に思う。 ”ナカモト”の警備担当フィリップは沈黙し、ヨシダに会ったコナーらは、彼から今回の件に”ナカモト”が関与していないことを伝えられる。 一転、モートン上院議員は”ナカモト”の”マイクロコン”買収に賛成の意思を表明し、彼を訪ねたコナーは探りを入れる。 過去に汚職疑惑のあるスミスは、ウィリーの取材にコメントしなかったため、人種差別主義者扱いする記事を書かれ娘を離婚した妻に奪われてしまう。 疑惑をコナーに追及されたスミスは、かつてグレアムと組んでいた頃、事件をもみ消すために二人で現金を受け取ったことを告白する。 スミスの自宅に向かったコナーらだったが、そこには死んだはずのエディが待ち構えていた。 エディの車で死んだのは”ナカモト”の警備主任タナカで、彼はエディの父親の”系列”に移ることを望み情報を流していたのだった。 タナカに犯人に仕立て上げられたエディは、父に借りがあるコナーに助けを借りるため、”ナカモト”の事件現場に呼んだのだった。 そしてコナーは、タナカが、エディに渡そうとしていたオリジナルの監視ビデオのディスクを手に入れようとする。 そこにグレアムが現れ、スミスの妻が賄賂の件などを話し始めていることを彼に伝える。 グレアムはエディを匿っているスミスを脅すが、彼は真犯人逮捕のためエディを守ろうとする。 自分のために娘まで危険にさらそうとするスミスに対し、エディは借りが出来たことを伝える。 グレアムはイシハラに連絡を入れ、彼は警察に手を引かせ、雇ったヤクザに後始末を任せようとする。 エディからディスクを受け取ったコナーは部屋を脱出し、背後からヤクザを倒し、スミスらを部屋から救い出す。 スミスらを助けようとしたエディは、イシハラに襲い掛かろうとしてヤクザに殺されてしまう。 事件は解決したとみなされ、スミスは休暇を取らされるが、姿を消したコナーの居場所は言わなかった。 スミスは、オリジナル・ディスクをチェックするコナーの元に向かい、シェリルを殺したのがモートン上院議員だということが分かる。 ”ナカモト”は画像を使いモートンを脅迫し”マイクロコン”買収に賛成させたのだった。 エディの父親の会社の”系列”も”マイクロコン”を欲しがっていたため、モートンにシェリルを提供したことも分かる。 しかし、モートンが現場を去った後、シェリルはまだ生きていて、彼女を殺害した犯人は他にいたのだ。 スミスは、モートンの家に証拠写真をファックスし、彼は約束が違うとイシハラに連絡を入れる。 しかし、それが家族にも知れたモートンは自殺する。 コナーは、スミス、ジンゴと共にナカモト・ビルのヨシダの元に向かい、イシハラが細工したディスクを渡されたことを伝える。 ディスクは会議中のその場で再生され、イシハラはヨシダに謝罪するが殺人は否定する。 その時、”ナカモト”と”マイクロコン”の仲介役リッチモンドが部屋から逃げ去る。 コナーとスミスはリッチモンドを追うものの、彼はエディの仲間に、ビル建設の土台のコンクリートの中に落とされ殺される。 スミスは、コナーに一連の教えに対しての感謝を述べ、彼はヨシダとのゴルフに向かう。 ジンゴを送ったスミスは、彼女がコナーと関係していることを知る。 そしてスミスは、ジンゴに惹かれている自分の気持ちを伝え彼女もそれを受け入れる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
アメリカ企業の買収に動いていた日本の大企業ナカモト社屋ビル完成披露のパーティーの夜、会議室で、コールガールの他殺体が見つかる。
日本に対して偏見を持つ現場担当の警部補グレアムは、同僚のスミスと日本通である警部ジョン・コナーとで捜査を始める。
しかし、ナカモト側は関与を否定し、コナーは、日本人の心を読みながら、冷静な捜査を始める。
やがて、日本の”系列”企業の対立が、事件の裏に隠されていることが分かるのだが・・・。
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前月に公開された「ジュラシック・パーク」(1993)に続き、翌年の「ディスクロージャー」(1994)と、マイケル・クライトン作品は立て続けに映画化され話題となった。
バブル時にアメリカ進出ラッシュとなった日本企業を皮肉ったのか、その実態を見事に描いた作品などと、公開前には評判になったのだが、内容を見た殆どの日本人は絶句したというほど、一部日系人及び企業からも猛烈な批判を浴びた作品でもある。
前評判ほどの興行成績は残せなかったものの、全世界トータルで1億ドルは突破した。
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北米興行収入 $63,095,270
世界 $107,198,800
まるで、エイリアンのように描写される日本人の性格や習慣、これだけ長きに渡り付き合っていても、この程度の認識しかされずに、それを、ハリウッドのメジャー作品として全世界に発信さされてしまうことを、情けなく感じたのは自分だけではないはずだ。
日本人スタッフが参加していないのかと思うほど、頭を傾げたくなる場面の連続で、日系企業名”ハマグリ”には呆れて言葉が出ない。
殺人に関る者も見当がついてしまう展開など、サスペンスとしての緊迫感も感じられない、フィリップ・カウフマンの演出にしては荒差が目立ち平凡な作品だ。
とは言うものの、その辺りはさて置き、”異文化交流”を推進する日本通の警部を演じたショーン・コネリーの円熟の演技は、期待程ではなかったものの、たどたどしい日本語も彼なら許せるとかいう、貫禄と渋さを見せてはくれる。
得意のアクションシーンも、やや抑え気味のウェズリー・スナイプスは、”先輩”警部の言動に感化されていく警部補を無難に演じてはいる。
彼にしては少々重みのない役柄で、終盤姿を消してしまうのが残念な警部補ハーヴェイ・カイテル、悪党でありながら、クライマックスで警官に仁義を果たす、日系企業の重役の息子ケイリー=ヒロユキ・タガワ、殺人犯である企業合併の仲介役の弁護士ケヴィン・アンダーソン、当時は日本人俳優と言えばこの人しかいなかった、日本企業社長のマコ岩松、その補佐役で、混乱を招くスタン・エギ、ビルの警備担当スタン・ショー、主任のクライド・クサツ、ディスクの解析をするティア・カレル、事件に巻き込まれる上院議員レイ・ワイズ、新聞記者スティーヴ・ブシェミ、そして被害者タチアナ・パティッツなどが共演している。