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猿の惑星:創世記(ジェネシス) Rise of the Planet of the Apes (2011)

SF映画の傑作「猿の惑星」(1968)をベースに製作された「Planet of the Apes」(2001)から10年、関連性を感じさせる新たなシリーズとして製作された作品。
ジェームズ・フランコアンディ・サーキスフリーダ・ピントージョン・リスゴーブライアン・コックス共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト ■
監督:ルパート・ワイアット

製作総指揮:トーマス・H・ハンメル
製作
アマンダ・シルヴァー
リック・ジャッファ
ピーター・チャーニン
ディラン・クラーク
脚本
アマンダ・シルヴァー
リック・ジャッファ
撮影:アンドリュー・レスニー
編集
コンラッド・バフ
マーク・ゴールドブラット
音楽:パトリック・ドイル

出演
ウィル・ロッドマン:ジェームズ・フランコ
シーザー:アンディ・サーキス
キャロライン・アランハ:フリーダ・ピントー
チャールズ・ロッドマン:ジョン・リスゴー
ジョン・ランドン:ブライアン・コックス
ドッジ・ランドン:トム・フェルトン
スティーヴン・ジェイコブス:デヴィッド・オイェロウォ
ロバート・フランクリン:タイラー・ラビーン
ロドニー:ジェイミー・ハリス
ダグラス・ハンシカー:デヴィッド・ヒューレット
ジョン・ハミル:タイ・オルソン
アリス・ハンシカー:マディソン・ベル
トッド・ハンシカー:ジョーイ・ロッチェ
モーリス:カリン・コノヴァル
ロケット:テリー・ノタリー
バック:リチャード・ライディングス
コバ:クリストファー・ゴードン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2011年製作 105分
公開
北米:2011年8月5日
日本:2011年10月7日
製作費 $93,000,000
北米興行収入 $176,740,700
世界 $468,969,480


アカデミー賞 ■
第84回アカデミー賞

・ノミネート
視覚効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
サンフランシスコ
バイオテクノロジー企業”ジェネシス”の研究員である科学者ウィル・ロッドマン(ジェームズ・フランコ)は、実験用のチンパンジーにアルツハイマー病の新薬を投与してその開発を進めていた。

同僚のロバート・フランクリン(タイラー・ラビーン)は、9番、通称”ブライト・アイズ”の、驚くべき知能の発達に気づき、それを知ったウィルは、上司のスティーヴン・ジェイコブス(デヴィッド・オイェロウォ)に報告する。

興奮するウィルは、ジェイコブスに臨床試験の許可を求めるが、莫大な開発費がかかっている研究に失敗は許されず、ことは慎重に進められる。

データを提出したウィルは、理事会でそれを発表して、アルツハイマーの特効薬が完成する日が近いことを伝える。
...全てを見る(結末あり)

同じ頃、突然、凶暴になった9番は、フランクリンらに襲い掛かり、研究室から脱出して社内で暴れ始める。

会議室に乱入した9番は、警備員に射殺されてしまい、会社に甚大な被害を与え、責任を追及されたウィルは、研究の中止をジェイコブスに言い渡される。

フランクリンは、実験用のチンパンジーの処分を命ぜられるが、メスの9番が産んだ子供を殺すことが出来ずにそれをウィルに渡す。

仕方なくウィルは、チンパンジーを家に連れ帰ることにして、アルツハイマーを患う、元音楽教師の父チャールズ(ジョン・リスゴー)にそれを見せる。

3年後。
チンパンジーは、シーザーと名付けられ、その高い知能は、人間の子供を凌ぐ認知能力を示し、明らかに母親からの遺伝を受け継いでいた。

その間、父チャールズの症状は悪化し、ウィルは、新薬”ALZ-112”を会社から盗み出して父に投与する。

翌朝、早くもその効き目が表れ、チャールズは、ピアノを完璧に弾き、病気が治ったと言って興奮し、ウィルと喜び合う。

シーザーは、隣人のダグラス・ハンシカー(デヴィッド・ヒューレット)の子供達が遊び回る様子に興味を持ち、彼の家に侵入してしまう。

それに気づいたウィルとチャールズは、ハンシカーに傷つけられそうになったシーザーを助けて連れ戻す。

シーザーが傷を負ったため、ウィルは、”サンフランシスコ動物園”の霊長類学者キャロライン・アランハ(フリーダ・ピントー)に診せる。

キャロラインは、ウィルに意思を伝えようとするシーザーに驚き、それ以来、二人は親交を深めていく。

ウィルの自宅に招かれたキャロラインは、屋根裏を改造したシーザーの部屋に案内されるが、チンパンジーの危険性なども彼女は指摘する。

ウィルは、キャロラインの助言もあり、チャールズを伴い、シーザーを”ミュアウッズ国定公園”に連れて行き自由に遊ばせる。

5年後。
成長したシーザーが、自分がペットでないことを意識したため、ウィルは、彼が産まれた会社”ジェネシス”前に連れて行く。

ウィルは、恋人となったキャロラインの前で、母親や父チャールズに投与した薬のせいで、シーザーの知能が発達していることを伝える。

戸惑うキャロラインにウィルは、自宅で続けていた研究の全てを伝える。

キャロラインは、それが危険なことだと指摘するが、ウィルは、新薬による奇跡が、希望を生み出していることを主張する。

その後、チャールズの体内では、”ALZ-112”に対して病気が反撃を始め、症状が元に戻り始める。

そんな時チャールズは、ハンシカーの車を自分のものと思い込み、運転して傷つけてしまう。

怒ったハンシカーはチャールズに言い寄るが、それを見ていたシーザーは、ハンシカーに襲い掛かり、彼を痛めつけてしまう。

シーザーは拘束されて、霊長類保護センターに収容されることになり、ウィルは、責任者のジョン・ランドン(ブライアン・コックス)に彼を預けることになる。

ウィルとキャロラインが帰った直後、シーザーは、ランドンの息子ドッジに、狭い檻に入れられてしまう。

シーザーがいなくなったこともあり、チャールズは病気が進行してしまい、父を助けようとしたウィルは、彼に”ALZ-112”を試し、効果があったことをジェイコブスに話す。

それに驚くジェイコブスは、更に強力な”ALZ”を完成させたことをウィルから知らされるが、新薬が承認されるはずもなく話を聞き流す。

しかしウィルは、”ALZ”が治療だけでなく、認知機能と記憶力を高める効果があることをジェイコブスに伝える。

それを聞いたジェイコブスは態度を一変し、チンパンジーで”ALZ”をテストするようウィルに指示し、全面的支援を約束する。

センターのシーザーは、劣悪な環境で虐げられた毎日を送り、ウィルや家を想いながら耐えていた。

ウィルの実験は始まり、選ばれた”ボノボ”のコバ(クリストファー・ゴードン)に”ALZ-113”が投与される。

しかし、フランクリンが、ガス状の”ALZ-113”れを誤って吸ってしまう。

その後コバは、ジェイコブスの名前を文字で書き、それを知った彼は驚き、実験は続けられる。

その頃シーザーは、オランウータンのモーリス(カリン・コノヴァル)が手話が出来ることを知り、人間いついての情報を得る。

シーザーと面会したウィルは、彼が虐待されていることを確認して、それをランドンに訴える。

しかし、ウィルは裁判所の命令にはさからえず、シーザーに必ず出すとだけ言ってその場を去る。

シーザーは、ウィルに裏切られたと思い込み塞ぎこむ。

その後シーザーは、ドッジの連れて来た友人に近づき、万能ナイフを奪い、それで檻の鍵を開けて脱出する。

シーザーは、”ニシローランドゴリラ”のバック(リチャード・ライディングス)を解放して仲間にする。

その場の支配者だったロケット(テリー・ノタリー)も解放したシーザーは、バックと共に彼を威圧して自分に従わせる。

チャールズは、自分に薬を投与しようとするウィルを制止し、そのまま息を引き取る。

”ALZ-113”に危険を感じ始めたウィルは、コバの成果を確認して興奮するジェイコブスに、それを伝えるが聞き入れられず辞職する。

発病したフランクリンはウィルの家に向かい、彼が留守だと分かるが、ハンシカーに接触してしまう。

ランドンに大金を払ったウィルは、シーザーを引き取ろうとするものの、彼は檻を出ることを拒む。

その後もシーザーは、人間に対抗するための勢力を確保するため、指導者として仲間達を統率していく。

ある夜、センターを脱出したシーザーは、ウィルの家に向かい”ALZ-113”を盗みだし、そのガスをセンター内で噴出させる。

翌日、異変に気づいたドッジは、係員のロドニー(ジェイミー・ハリス)を見張り台に向わせ、檻から出たシーザーを威嚇する。

シーザーは、襲い掛かってきたドッジの手を掴み、それを離せという彼に対して、”ノー!”と叫び叩きのめす。

仲間達を解放したシーザーは、彼らに痛めつけられていたロドニーが、自分達に友好的だったために救い檻に入れ、抵抗しようとしたドッジを殺す。

チンパンジーが”ジェネシス”に移送されていることを知ったシーザーは、仲間達と共にセンターを脱出する。

翌朝、シーザーの部屋に、誰かが入った形跡あったことから、ウィルはキャロラインと共にセンターに向う。

その場で、ドッジの死体と、”ALZ-113”の容器や檻の中のロドニーを見つけたウィルは、彼からシーザーが言葉を話したことを知らされる。

市民は、大量のチンパンジーなどが移動していることに気づき、センターに着いたランドンは、既に警察により警戒態勢が布かれていることと、監視カメラでの暴動の様子を見て驚く。

シーザーらは”ジェネシス”に乱入し、ジェイコブスには、フランクリンがウイルス感染で死亡したことが伝えられ、人間には、”ALZ-113”に対する免疫のないことが分かる。

出社したジェイコブスは、チンパンジーに囲まれながらも脱出して、駆けつけていた警官に、チンパンジーを殺さなければ、大変な事態になることを伝える。

シーザーらは街の中心地を制圧し、市民はパニックとなりその場を離れ、”ゴールデンゲート・ブリッジ”は渋滞してしまう。

そこにシーザーらが現れ、警官隊は彼らを皆殺しにしようとする。

ウィルとキャロラインもその場に着き、彼は、抵抗しながら橋を渡ろうとするシーザーの元に向おうとする。

武器を持った警官隊に襲い掛かり、撃退したシーザーらは、ジェイコブスの乗ったヘリコプターからの攻撃を受けてしまう。

その場にウィルも現われるが、シーザーはチェーンを使いヘリに攻撃を加える。

シーザーが銃撃されそうになったため、バックがヘリに飛び乗り橋に墜落させる。

銃弾を受けたバックは、シーザーに助け出されるが、彼に見守られながら息を引き取る。

ヘリの中で助けを求めるジェイコブスを無視し、シーザーは、実験に使われたコバにその場を任せる。

コバはヘリを蹴落とし、ジェイコブスは落下死する。

シーザーは、仲間達を引き連れて”ミュアウッズ国定公園”に向かい、ウィルもパトカーでそれを追う。

森の中でシーザーに会ったウィルは、謝罪して家に連れ帰ろうと彼を説得する。

しかし、シーザーは、ここが家だと言ってウィルに別れを告げて、杉の大木に登り対岸の街を見つめる。

その後、今回の事件が暴徒による犯行だと発表される中、パイロットのハンシカーは、フライトのために空港に向うが、ターミナルで鼻血が出たことに気づく。

ハンシカーの搭乗する便は、ニューヨーク行きだった。


解説 評価 感想 ■

参考:
・「猿の惑星」(1968)
・「続・猿の惑星」(1970)
・「新・猿の惑星」(1971)
・「猿の惑星・征服」(1972)
・「最後の猿の惑星」(1973)
————————-
・「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(2001)
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・「猿の惑星:創世記」(2011)
・「猿の惑星:新世紀」(2014)
・「War of the Planet of the Apes」(2017)

*(簡略ストー リー)
サンフランシスコ
バイオテクノロジー企業”ジェネシス”の科学者ウィル・ロッドマンは、チンパンジーを使う実験で、アルツハイマー病の新薬を開発していた。
薬を投与されたチンパンジーの、驚くべき知能の発達に気づいたウィルは、上司ジェイコブスにそれを伝え、臨床試験の許可を得ようとする。
理事会にかけられたこの件だったが、薬を投与されたチンパンジーが突如として凶暴になり、研究室を脱出して暴れ回り、ウィルらの目の前で射殺される。
研究は中止命令が出てしまい、ウィルは、そのチンパンジーに産まれたばかりの子供がいることを知り、自宅に連れて行き観察を続ける。
3年後、シーザーと名づけられたチンパンジーの、驚くべき知能の発達を確認したウィルは、アルツハイマーを患う父チャールズに、新薬を投与し、その成果を確認する。
ウィルは、自分がペットではないことを自覚するシーザーと、恋人の霊長類学者のキャロラインの前で、彼の出生と高い知能の秘密である研究の全てを伝える。
それが危険なことだと指摘するキャロラインの予想通り、シーザーは隣人を傷つけてしまう。
そして、シーザーは保護施設に収容され、自分に危害を加える人間に敵意を抱き始める・・・。
__________

最新のVFXを駆使した斬新な映像は迫力満点であり、先端技術と自然界の見事なマッチング、その視覚的な素晴らしさは目を見張る。

動物が、短時間で人間の知能を上回ってしまうという設定だけに、そのリーダーとなるシーザーが、凶暴になるだけでなく、思慮深さや指揮官としての統率力を、少しずつ発揮していく描写など、大抜擢された、ルパート・ワイアットの丁寧な演出も注目だ。

着ぐるみとメイクではない、オールCGのチンパンジー達はよく出来てはいるが、やはり、作り物に見えてしまうのは致し方ないところだろうか。

しかし、あれだけのスピード感とスリルを表現する映像を見れば、それも納得できる。

第84回アカデミー賞では、視覚効果賞にノミネートされた。

北米興行収入は約1億7700万ドル、全世界では約4億6900万ドルの大ヒットとなった。
製作費 $93,000,000

ラストで、ウィルスが世界中に蔓延していくことが暗示れる。
10年前も続編の製作を確信していたが、本作の続編は早くも待ち遠しい、それほど大いに期待できる終わり方だ。

終盤の主役シーザー達の活躍を邪魔することなく、それを見守る若き科学者ジェームズ・フランコと、その恋人で霊長類学者のフリーダ・ピントーは、抑え気味な演技ながら好演している。

この手の作品の第一人者とも言える、シーザーを演ずるアンディ・サーキス、主人公の父親ジョン・リスゴー、霊長類保護センターの責任者ブライアン・コックス、その息子でチンパンジーを虐待するトム・フェルトン、主人公の上司デヴィッド・オイェロウォ、同僚タイラー・ラビーン、センターの飼育員ジェイミー・ハリス、主人公の隣人デヴィッド・ヒューレット、警官タイ・オルソン、オランウータンのカリン・コノヴァル、センターの前支配者テリー・ノタリー、ゴリラのリチャード・ライディングス、新薬を投与されるクリストファー・ゴードンなどが共演している。


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