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リオ・グランデの砦 Rio Grande (1950)

ジョン・フォードジョン・ウェインのコンビによる騎兵隊3部作の1作。
騎兵隊指揮官の妻や息子との関係と共に部隊員の活躍を描く西部劇の名作。
共演モーリン・オハラクロード・ジャーマンJr.ベン・ジョンソンハリー・ケリーJr.ヴィクター・マクラグレン

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

ジョン・フォード / John Ford 作品一覧
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ジョン・ウェイン / John Wayne/Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・フォード

製作
ジョン・フォード

メリアン・C・クーパー
原作:ジェームズ・ワーナー・ベラ”Mission With No Record”
脚本:ジェームズ・ケヴィン・マッギネス
撮影:バート・グレノン

編集:ジャック・マレー
音楽:ヴィクター・ヤング

出演
ジョン・ウェイン:カービー・ヨーク中佐
モーリン・オハラ:キャサリーン・ヨーク
クロード・ジャーマンJr.:ジェフ・ヨーク二等兵
ベン・ジョンソン:トラヴィス・タイリー二等兵
ハリー・ケリーJr.:ダニエル”サンディ”ブーン二等兵
ヴィクター・マクラグレン:ティモシー・クィンケノン曹長
チル・ウィルス:ウィルキンス軍医
J・キャロル・ネイシュフィリップ・シェリダン将軍
ピーター・ジュリアン・オルティス:St.ジャック大尉
スティーヴ・ペンドルトン:プレスコット大尉
グラント・ウィザース:連邦保安官補
ケン・カーティス:ドネリー
ジャック・ペニック:軍曹
クリフ・ライオンズ:騎兵
スタン・ジョーンズ:軍曹
サンズ・オブ・ザ・パイオニアーズ:連隊歌唱隊
パトリック・ウェイン:少年

アメリカ 映画
配給 リパブリック・ピクチャーズ
1950年製作 105分
公開
北米:1950年11月15日
日本:1951年12月7日
製作費 $1,214,899


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
テキサス
アパッチ討伐部隊の指揮官カービー・ヨーク中佐(ジョン・ウェイン)は、任務を終えてスターク砦に戻る。

司令官のフィリップ・シェリダン将軍(J・キャロル・ネイシュ)に、取り逃がしたアパッチメキシコに逃げ、手を出せない不満をぶつけるヨークだったが、 それは規則で仕方のないことだった。

ヨークは、将軍から息子のジェフ(クロード・ジャーマンJr.)が、数学の成績が悪く、士官学校(ウエストポイント)を退学したことも聞かされる。

その後ジェフが、一兵卒として、トラヴィス・タイリー(ベン・ジョンソン)やダニエル”サンディ”ブーン(ハリー・ケリーJr.)らと共に、砦に配属されてくる。

それを知ったヨークは、ジェフを呼び出し、特別扱いをしないことを告げ、彼もそのつもりのないことを父カービーに伝える。

ジェフの前では威厳を示したヨークだったが、大きく成長した息子を頼もしくも感じる。

ヨークは、別居中の妻キャサリーン(モーリン・オハラ)にジェフを託していたので、彼とは15年ぶりの再会だった。
...全てを見る(結末あり)

そして、ジェフら新兵は、教育係ティモシー・クィンケノン曹長(ヴィクター・マクラグレン)の指導の下で、早速、訓練を開始する。

馬の扱いには慣れているタイリーとブーンは、立ち乗りなどを難なくこなしていた。

しかし、連邦保安官補(グラント・ウィザース)が、殺人事件の容疑者として追われている、タイリーを捜しに現れる。

クィンケノンは保安官補を追い払い、志願したジェフに立ち乗り乗馬をさせるが、彼は落馬してしまう。

それを見ていたヨークは、さすがに息子の身を案ずるが、幸いジェフは無傷だった。

その夜ジェフは、父親のヨークを侮辱されたのがきっかけで、古参兵と喧嘩になる。

クィンケノンが間に入り、軍人らしく”クインズベリー・ルール”に従い、二人に決着を付けさせようとする。

騒ぎを知ったヨークが現れるが、クィンケノンは兵士の戦いだと答える。

それを聞いたヨークは、そのまま闘いを続けさせるが、ジェフらのわだかまりは消え争いは終わる。

翌朝、傷を負ったジェフの姿を、ヨークは頼もしく思う。

その後、キャサリーンが砦に現れ、それをヨークが出迎えるのだが、彼女は彼に付き添っていたクィンケノンを”放火魔”だと言って冷たい視線で見つめる。

当然のごとく、キャサリーンはジェフを連れ戻しに砦にやって来たのだが、ヨークはそれを承知で、息子の意思を無視した行動をさせないようにする。

キャサリーンは、ヨークとの食事や、連隊歌唱隊(サンズ・オブ・ザ・パイオニアーズ)とドネリー(ケン・カーティス)の、自分に捧げる歌などで安らかなひと時を過ごす。

その後、ヨークは幌馬車で眠り、クィンケノンに案内されたキャサリーンは、ジェフの元に向う。

母親キャサリーンの説得に、ジェフは自分の意思で部隊に止まることを告げる。

そんな時、砦をアパッチが奇襲し、ジェフは母親キャサリーンを守ろうとする。

アパッチを撃退したヨークは、三種族が集結したことを知り、部下のSt.ジャック大尉(ピーター・ジュリアン・オルティス)に出撃準備を命じ、部隊は出発する。

その後、砦に残っていたタイリーは、連邦保安官補に逮捕されてしまう。

それを見ていたキャサリーンは、タイリーのような好青年が逮捕されたのを黙認できず、弁護士を探そうとする。

キャサリーンは、好青年を逮捕し”放火魔”を野放しにする役人に憤慨し、クィンケノンに皮肉を言う。

”放火魔”の意味がわからないクィンケノンは、軍医のウィルキンス(チル・ウィルス)にその意味を尋ねる。

それが、利益や趣味で建物などに火をつける者だとはわかったクィンケノンは、安心し高笑いをする。

南北戦争時、”シェナンドー渓谷の戦い”で、軍(北軍)、そしてヨークの命令により、仕方なくキャサリーンの農園を焼き払ったことから、 クィンケノンは彼女に恨まれていたのだ。

ヨークは、メキシコに逃げようとするアパッチを追撃しようとするが、現地人の協力を得られず、それを諦めて砦に戻る。

その後、保安官補はヨークの許可を得て、タイリーを連行しようとする。

しかし、部隊員やキャサリーンに慕われているタイリーは、クィンケノンらの手助けで、ヨークの馬を盗み逃亡してしまう。

アパッチや弱腰のアメリカ政府に対して、我慢の限界を感じたシェリダン将軍は、ヨークに、リオ・グランデ川を渡り、アパッチを撃滅するよう命令を下す。

これは政治問題に発展する可能性があり、失敗するとヨークは軍法会議にかけられる恐れがあった。

出撃が近づく中、農園放火事件が、ヨークとキャサリーンの不仲の原因だったのだが、息子に対する二人の愛情は、彼ら自身の愛情を再燃させることになる。

シェリダン将軍は、戦いを前に女と子供をブリス砦に避難させようとして、それにジェフらが護衛部隊として同行する。

途中、逃亡したタイリーに出合ったジェフとブーンは、彼に水と食料を与え、水場にアパッチが寄った形跡があったことを知らされる。

その直後、部隊はアパッチの襲撃に遭い、子供達がさらわれてしまう。

砦に救援を呼びに行ったジェフはアパッチに追われるが、タイリーに救われて砦に戻り、ヨークの部隊を呼び寄せることに成功する。

子供達の居場所をヨークに報告したタイリーは、ジェフそしてブーン を連れて、アパッチのいる村に侵入しようとする。

その後ヨークの部隊は、ついにリオ・グランデ川を渡りメキシコに入る。

村の教会に囚われていた、子供達を見つけたタイリー達の合図で、ヨークの隊は村に突撃する。

部隊はアパッチを撃退して、無事に子供達を救出するが、ヨークは敵の矢を受けてしまう。

一命を取り留めたヨークは、ジェフに矢を抜かせ、彼に支えられて砦に向う。

砦に戻り、キャサリーンに迎えられたヨークは、自分達の息子ジェフが、立派に務めを果たしたことを伝える。

家族の愛を取り戻したヨークとキャサリーンは、今回の作戦の武勲を称える式典で、タイリーやブーンらと共に、名前を呼ばれたジェフを誇らし気に見つめる。


解説 評価 感想 ■

騎兵隊3部作の第3作。
ジェームズ・ワーナー・ベラの”Mission With No Record”を基に製作された作品。

参考:
騎兵隊3部作他の2作
・「アパッチ砦」(1948)
・「黄色いリボン」(1949)

*(簡略ストー リー)
アパッチ討伐部隊の指令官カービー・ヨーク中佐は、メキシコに逃げ込む敵に対し、容易に手を出せない不満を、司令官のシェリダン将軍に訴える。
そんな時ヨークは、士官学校を退学処分にな息子のジェフが砦に一兵卒として配属されてきたことを知る。
別居中の妻キャサリーンに預けていたジェフとは、15年振りの再会ではあるものの、特別扱いしないことをヨークは息子に告げる。
ジェフも同じ気持ちだということを父ヨークに伝えるが、そこにキャサリーンが、息子を連れ戻しに現れる。
その後、砦がアパッチの襲撃を受けたヨークは、家族絆の亀裂に頭を悩ませながらも、決死の討伐作戦をシェリダン将軍から命じられ部隊を率い出撃する・・・。
__________

黄色いリボン」(1949)では登場しない「アパッチ砦」(1948)には登場する、冒頭での騎馬上のラッパ手のシーンが印象的だ。

3部作中で、他の2作とやや雰囲気が違うのは、砦の指揮官である主人公の家族の問題をテーマにしたところだ。

連隊指揮官として様々な苦難を乗り越えていく過程で、壊れかけていた夫婦仲や親子の愛を再び取り戻すというストーリーを、情緒豊かな作品として、すんなりと西部劇にできるところがいかにもジョン・フォードらしい。

また、音楽担当が前2作のリチャード・ヘイグマンからヴィクター・ヤングに代わったことも、作品イメージが変わった要因だろう。

その主題曲は、アイルランド他民謡の編曲を多様した、軽快かつ勇ましかった前2作とは違い、あたかもリオ・グランデ川の流れのような優雅で美しい曲に仕上がっている。

サンズ・オブ・ザ・パイオニアーズが登場する、フォードの娘婿ケン・カーティスらの美しい歌声のシーンなども、しみじみとした雰囲気で哀愁も漂う素晴らしい演出だ。

原野の行軍の際、ヨーク(ウェイン)が彼らの歌を催促する場面があるが、その時の”歌は渇きを忘れる・・・”
というセリフもなかなか洒落ている。

主演のジョン・ウェインは、3部作で有能な指揮官を見事に演じ、圧倒的な存在感と共に黄金の1950年代を迎えることになる。

意地は張るが、妻や特に息子に捧げる愛情を感じさせる柔和な表情が実にいい。

真打ち登場という感じのモーリン・オハラは、ウェインに引けを取らないほどの存在感で、30歳にして母親としての逞しさも感じる女性を好演している。

本作がウェインとの初共演には思えないほど、2人の息は合っている。
そして、今後この二人は、夫婦役で多くの名作を残すことになる。

4年前のデビュー作「仔鹿物語」(1946)では、背丈がグレゴリー・ペックの2/3くらいしかなかったクロード・ジャーマンJr.だが、ウェインに近づく長身になったのは驚くばかりだ。

馬の達人ベン・ジョンソンハリー・ケリーJr.らと張り合っての好演は見ていて清々しい。

いつも見惚れるベン・ジョンソンの手綱さばきは見事だが、同僚ハリー・ケリーJr.も「黄色いリボン」(1949)のエリート士官より、本作のやや外れた一兵卒役の方が適役だ。

その新兵達に手こずる、命令で仕方なく放った火で”放火魔”呼ばわりされる、3部作の全てに出演したヴィクター・マクラグレンの、子供達に好かれる勇敢な曹長役はフォード作品に欠かせないキャラクターだ。

黄色いリボン」(1949)に続き、フォード一家の出演が少ないのが残念なのだが、2年後の「静かなる男」(1952)に相通ずるようなシーンも登場するところなどがファンにはたまらなく嬉しい。

愉快な軍医のチル・ウィルスシェリダン将軍役のJ・キャロル・ネイシュ、部隊士官のピーター・ジュリアン・オルティススティーヴ・ペンドルトン、お馴染みフォード一家ジャック・ペニッククリフ・ライオンズグラント・ウィザース、その一員ではないが、フォード作品などに曲を提供するソングライター、スタン・ジョーンズ、そしてジョン・ウェインの息子パトリック・ウェインも砦の少年役で登場する。


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