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アメリカ交響楽 Rhapsody in Blue (1945)

ステイト・フェア”などで知られる、ソニア・レヴィンの原作の映画化。
若くしてこの世を去ったアメリカ音楽史にその名を残す天才作曲家ジョージ・ガーシュウィンの歩んだ人生を描く、主演ロバート・アルダジョーン・レスリーアレクシス・スミスチャールズ・コバーンオスカー・レヴァントアルバート・バッサーマンアル・ジョルスン他共演、監督アーヴィング・ラパーによるヒューマン・ドラマの名作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:アーヴィング・ラパー

製作:ジェシー・L・ラスキー
原作:ソニア・レヴィン
脚本
ハワード・コッチ

エリオット・ポール
クリフォード・オデッツ
撮影
メリット・B・ガースタッド

アーネスト・ハラー
ソル・ポリト
編集:フォルマー・ブラングステッド
作曲:マックス・スタイナー

音楽
レオ・F・フォーブステイン

レイ・ハインドーフ
ファーディ・グロフェ

出演
ロバート・アルダジョージ・ガーシュウィン
ジョーン・レスリー:ジュリー・アダムス
アレクシス・スミス:クリスティーン・ギルバート
チャールズ・コバーン:マックス・ドレイファス
オスカー・レヴァント:本人
アルバート・バッサーマン:フランク教授
ハーバート・ルドリーアイラ・ガーシュイン
ジュリー・ビショップ:リー・ガーシュイン
モリス・カーノフスキー:モリス・ガーシュウィン
ローズマリー・デキャンプ:ロース・ガーシュウィン
アル・ジョルスン:本人
ポール・ホワイトマン:本人
ヘイゼル・スコット:本人
アン・ブラウン:本人

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1945年製作 135分
公開
北米:1945年9月22日
日本:1947年3月25日


アカデミー賞 ■
第18回アカデミー賞

・ノミネート
作曲(ミュージカル)・録音賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨークブルックリン
音楽好きのジョージ・ガーシュウィン少年は、タバコ店を経営する両親(モリス・カーノフスキー/ローズマリー・デキャンプ)が、兄アイラのために買ったピアノを自在に操り、家族中を驚かせる。

成長したガーシュウィン(ロバート・アルダ)は、ピアノの指導を受けるフランク教授(アルバート・バッサーマン)に、自己流の編曲演奏ではなく、基礎を徹底的に学ぶよう指示される。

1919年。
ガーシュウィンは、楽譜の出版社にピアノ弾きとして雇われ、一日中、楽譜をお客に弾いて聞かせていた。

...全てを見る(結末あり)

そんなガーシュウィンは、自分の曲を演奏することを支配人に禁じられていたのだが、楽譜をもらいに来た歌手ジュリー・アダムス(ジョーン・レスリー)に、自作の”スワニー”を聞かせているのを見つかりクビになってしまう。

ある日、ガーシュウィンは、ハームズ音楽出版に曲を売り込みに行き、ピアニストのオスカー・レヴァントに出会う。

その後、ガーシュウィンは、社主のマックス・ドレイファス(チャールズ・コバーン)に”スワニー”が気に入られる。

ドレイファスは、ガーシュウィンがピアノで弾く”スワニー”を劇場のアル・ジョルスンに電話で聞かせる。

アル・ジョルスンも”スワニー”が気に入り、ブロードウェイでそれを歌って話題を呼び、ガーシュウィンの名は全米に知れ渡る。

フランク教授は、教え子ガーシュウィンの、類まれな才能を評価するものの、浮かれている彼に、先人を例に取り偉大なs音楽家になるための哲学を教え込む。

劇場で再会していたジュリーも、ガーシュウィンの曲を歌い、二人は親しくなっていく。

ミュージカルにも進出したガーシュウィンは、ヒット作を連発し、ジュリーもそれに出演する。

そんな時、指揮者ポール・ホワイトマンが、ガーシュウィンにジャズ・コンサート用のブルースの作曲を依頼する。

目を輝かせるガーシュウィンだったが、フランク教授は、商業主義からそろそろ足を洗い、大音楽家に成り得る才能を生かす方向を選ぶべきだと彼に助言する。

1924年2月12日、ニューヨークエオリアンホール
多くの著名な音楽家が集まる中、ガーシュウィンはついに、アメリカ音楽史に残る傑作”ラプソディ・イン・ブルー”を発表し、満場の拍手を受ける。

病床のベッドで、それをラジオで聴いていたフランク教授は、感涙しながら息を引き取る。

恩師の死を知ったガーシュウィンは落胆し、その後のショーをキャンセルし、教授の遺志に従い、音楽を極めるためパリに渡る。

その後ガーシュウィンは、アメリカ人女流画家クリスティーン・ギルバート(アレクシス・スミス)に出会い、彼女の魅力に惹かれていく。

帰国するガーシュウィンを歓迎するパーティが開かれるが、彼がクリスティーンと共に現れたため、ジュリーは大きなショックを受ける。

ガーシュウィンのリクエストでジュリーは歌い始めるものの、こみ上げてくるものがあり、彼女は姿を消してしまう。

ジュリーの様子を見たクリスティーンも、パリ滞在中から気にはしていたのだが、ガーシュウィンとの今後の付き合いに不安を感じる。

ガーシュウィンにその気持ちを伝えたクリスティーンは、音楽が命の、彼からの求婚を受け入れられず去っていく。

数日後、ガーシュウィンはジュリーに謝罪するが、彼女もクリスティーンと同じように、その才能を生かすために独りでいるべきだと判断し突き放してしまう。

そして、ガーシュウィンブロードウェイを去り、再びパリに渡り、”パリのアメリカ人”を発表する。

この曲を携えて帰国したガーシュウィンは、その後、白血病を隠しながら亡くなった、父モリスに対する悲しみも乗り越え、ラプソディ第2番”、”キューバ序曲”などを発表して、作曲に没頭する。

ドレイファスに、作曲以外の幸せをつかむよう助言されたガーシュウィンは、クラブ歌手になっていたジュリーにもう一度会ってみることにする。

しかし、ジュリーはガーシュウィンの負担になるのを嫌い、婚約したという嘘をついて彼を拒絶してしまう。

1935年。
ポーギーとべス”を発表し、全米公演が続いたある日、ガーシュウィンの体に異変が起きる。

作曲をし続けたガーシュウィンの体は限界に達し、頭に刺すような痛みを感じ静養が必要となる。

しかし、仕事をせずにはいられないことを、ガーシュウィンは兄アイラに伝え恐怖に怯える。

そんな時、ジュリーからの見舞いの報せでガーシュウィンは気力を取り戻すものの、彼はピアノ演奏中に倒れてしまう。

1937年7月11日。
オスカー・レヴァントのコンサートの最中、ガーシュウィン死亡の連絡が入る。

偉大な作曲家の、38歳の短い生涯が閉じられる。

そして、ガーシュウィンの功績を称えたコンサートで、家族、友人が見守る中、ピアノ、オスカー・レヴァント、指揮ポール・ホワイトマンにより、”ラプソディ・イン・ブルー”が演奏される。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
少年時代に音楽の才能を開花させていたジョージ・ガーシュウィンは、音楽関係の仕事と恩師フランク教授の指導に明け暮れていた。
そんな時、失業したガーシュウィンは、楽譜出版社社主ドレイファスに自作の曲”スワニー”が気に入られる。
その曲が、ブロードウェイの大スターであるアル・ジョルスンに歌われたことで、ガーシュウィンの名は全米に知れ渡る。
ガーシュウィンは、ミュージカルにも進出してヒット作を連発し、指揮者のポール・ホワイトマンからの依頼でジャズ・コンサート用のブルースを作曲する。
そしてガーシュウィンは、アメリカ音楽史に残る傑作”ラプソディ・ イン・ブルー”を発表し、ついに頂点を極める。
しかし、音楽が人生そのものとなったガーシュウィンは、作曲をし続けなくてはいけないという脅迫観念に駆られ、やがて、彼の体を病魔が蝕んでいく・・・。
__________

第18回アカデミー賞では、作曲(ミュージカル)、録音賞にノミネートされた。

丁寧な仕上がりのドラマ展開の中で、音楽担当はマックス・スタイナー他なのだが、随所にちりばめられた見事なガーシュインの名曲の数々、まるで、ミュージカル映画を見ているように思えるレビュー・シーンなど、2時間以上の上映時間に全く長さを感じない。
ガーシュインの曲は、日本のTV・CMなどでも度々使われるのでお馴染みのはずだ。

特にガーシュインが世に出るきっかけとなる、アル・ジョルスンが歌う”スワニー”のシーンは圧巻で、前半のハイライトでもある。

主人公を演ずるロバート・アルダの見事なピアノ演奏、そして演技は、実際のガーシュインを知らなくても、彼の人柄などが十分に伝わってくる。

ヒロインのジョーン・レスリーアレクシス・スミスも、全く違うタイプの役柄を好演し、ガーシュインの才能の邪魔をしないように、互いに距離を置く思慮深さなどを繊細に演じている。

ガーシュインを発掘する、楽譜出版社のドレイファス演じるチャールズ・コバーンの、主人公を甘やかし過ぎない後見人役もいい味を出している。

ガーシュインの才能を見抜き、彼を心理的に正しい方向に導こうとする恩師役アルバート・バッサーマンの存在感の大きさが特に象に残る。

ガーシュインの友人、オスカー・レヴァントが締めくくる、ラストの追悼コンサートのピアノ演奏なども忘れ難く涙を誘う。

主人公の兄で、20世紀を代表する作詞家アイラ・ガーシュイン役のハーバート・ルドリー、その妻役ジュリー・ビショップ、両親モリス・カーノフスキーローズマリー・デキャンプ、そして、本人役としてアル・ジョルスンポール・ホワイトマンヘイゼル・スコットアン・ブラウンなどのパフォーマンスの素晴らしさも注目だ。


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