見ず知らずの人の葬式に参列する趣味を持つ心を閉ざした少年が余命短い少女との愛を育てながら成長する姿を描く、製作ロン・ハワード、ブライアン・グレイザー、製作、監督ガス・ヴァン・サント、ヘンリー・ホッパー、ミア・ワシコウスカ、加瀬亮他共演のラブ・ロマンス。 |
・ミア・ワシコウスカ / Gregory Peck / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ガス・ヴァン・サント
製作総指揮
エリック・ブラック
フランク・マンキューソJr.
デヴィット・アレン・クレス
製作
ロン・ハワード
ブライアン・グレイザー
ブライス・ダラス・ハワード
ガス・ヴァン・サント
脚本:ジェイソン・リュウ
撮影:ハリス・サヴィデス
編集:エリオット・グレイアム
音楽:ダニー・エルフマン
出演
イーノック・ブレイ:ヘンリー・ホッパー
アナベル・コットン:ミア・ワシコウスカ
ヒロシ・タカハシ:加瀬亮
エリザベス・コットン:シュイラー・フィスク
メイベル・テル:ジェーン・アダムス
レイチェル・コットン:ルシア・ストラス
リー医師:チン・ハン
アメリカ/イギリス 映画
配給
コロンビア・ピクチャーズ
ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
2011年製作 91分
公開
北米:2011年9月16日
イギリス:2011年10月21日
日本:2011年12月23日
製作費 $8,000,000
北米興行収入 $163,140
世界 $163,270
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
見知らぬ人の葬儀に参列することを趣味としている少年イーノック・ブレイ(ヘンリー・ホッパー)は、以前も葬儀で顔を合わせた少女アナベル・コットン(ミア・ワシコウスカ)に出会う。
ある日イーノックは、葬儀場の係員に声をかけられて、遺族と関係があるのかを疑われてしまう。
しかし、現われたアナベルに救われ、二人は仲良くなる。
交通事故で両親を亡くしたイーノックは、叔母メイベル・テル(ジェーン・アダムス)と暮らしていたのだが、彼は心を閉ざし、高校にも通おうとしなかった。
そんなイーノックは、第二次世界大戦で戦死した日本兵の特攻隊員ヒロシ・タカハシ(加瀬亮)の幽霊が見えるようになっていた。
アナベルに会ったイーノックは、墓地に向かい、墓石の前で彼女に両親を紹介する。 母レイチェル(ルシア・ストラス)、姉エリザベス(シュイラー・フィスク)と暮すアナベルは、イーノックには、癌病棟働いていると言っていたのだが、実は余命三ヶ月を宣告された癌患者だった。 アナベルにヒロシのことを話したイーノックだったが、彼女は驚きもせずに、自分が癌患者で三ヶ月の命だと伝える。 イーノックも、それを冷静に受けとめ、”その時”のための準備に、手を貸すことを約束する。 その後、ヒロシも加わり三人は親交を深めるが、アナベルには彼が見えない。 アナベルを家に誘いに行ったイーノックは、姉エリザベスから、幽霊や学校に行っていないことを質問され、奇異な目で見られる。 病院の遺体安置所でデートしたイーノックとアナベルは、それを係員に見つかり、知り合いの子供の遺体を確認して、現われた警備員らの指示に従いその場を去る。 帰り道で二人はキスをして、アナベルは、イーノックの両親が亡くなった事故のことを尋ねる。 助かったイーノックはこん睡状態となり、臨死体験をきっかけにして、ヒロシが現われるようになったということだった。 ヒロシは、余命短いアナベルとの付き合いについてイーノックに意見するが、彼はそれを聞き入れない。 ハロウィンの夜、特攻隊員とその時代の日本女性に扮したイーノックとアナベルは、彼に恨みを持つ同級生を目撃し、その場から逃れて森に向う。 ある家を見つけたイーノックとアナベルは、そこに侵入し、そして二人は愛し合う。 ある日、アナベルの家を訪ねたイーノックは、彼女が倒れていることに気づく。 アナベルは息を引き取り、傍らで涙するイーノックは切腹しようとする。 しかし、それは二人が演じていた物語で、その死に方で意見が合わず、二人は仲違いしてしまう。 再び葬儀に参列し始めたイーノックだが、アナベルのことが気になり動揺してしまう。 アナベルの主治医リー(チン・ハン)の元に向ったイーノックは、彼女を治して欲しいと頼み込む。 それが不可能なことを伝えられたイーノックは興奮し、警備員に取り押さえられてしまう。 イーノックを迎えに行ったメイベルは、手助けしたい自分の気持を伝え、心を開こうとしない彼に苛立つ。 しかし、それを理解しないイーノックは家を飛び出し、自分を置き去りにした両親を恨み墓石を壊す。 その頃、発作を起こしたアナベルは病院に運ばれ、それを知っていたヒロシは、イーノックに、彼女が危篤だと伝える。 イーノックは、特攻隊員として自分の意思で死を選んだヒロシを侮辱するが、彼に死を体験したいのかを問われ、首を絞められて意識を失う。 翌朝、病院のベッドで目覚めたイーノックは、その場にいたメイベルと、様子を見に来たリー医師に謝罪し、彼にアナベルから預かった本を渡される。 現われたヒロシとも謝罪し合ったイーノックは、彼から、恋人に宛てた手紙を見せられ、アナベルに会うよう促される。 本に書かれた病室のメモを見たイーノックは、アナベルの元に向かい、二人は多くを語らずに愛を確かめ合う。 自宅に戻ったイーノックは、メイベルと寄り添って食事し、ヒロシが二度と現われることがないことに気づく。 イーノックは、アナベルに何かしてあげたいと考えるが、彼女は今のままでいいと答え、死が近いことを伝える。 居たたまれなくなり、その場を外したイーノックは独り涙する。 アナベルに呼ばれたイーノックは、現われたヒロシが、彼女を迎えに来たことを知り一礼する。 その後、葬儀に参列したイーノックは、アナベルとの思い出を語ろうとする。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
両親を事故で失い、叔母と共に暮す心を閉ざした少年イーノック・ブレイは、姿を現す日本兵の特攻隊員ヒロシの幽霊だけに心を許していた。
事故で臨死体験をしたイーノックは、常に死を見つめ、見ず知らずの人の葬儀に参列することが趣味だった。
そんなイーノックは、以前にも葬儀で会ったことがある少女アナベルと出会い親交を深める。
イーノックは、両親を事故で失ったことを語り、アナベルは、癌患者の自分が余命三ヶ月であることを伝え、お互いは動揺することもなく、自然に愛し合うようになる。
しかし、イーノックは、アナベルとの接し方についてヒロシに意見され、彼女の主治医にも治る見込みのないことを指摘され、現実に迫る死を前に混乱してしまう・・・。
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ガス・ヴァン・サント製作、監督の小作ではあるが、製作には、ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード、その娘のブライス・ダラス・ハワード、超大物が名を連ねている。
さらには、エンドロールにあるように、前年亡くなった、デニス・ホッパーに捧げられた作品でもある。
そのデニス・ホッパーが溺愛した、息子ヘンリー・ホッパーの主演作というところも注目だ。
全編がガス・ヴァン・サントらしい、やわらかな映像表現や演出が印象的であり、死を見つめる孤独な少年の心の動きを、いつもながらに繊細なタッチで描いている。
ダニー・エルフマンの、多作とイメージの違う音楽も心に残る。
主演のヘンリー・ホッパーは、それに応えて好演するが、父親の面影に、個人的には、そればかりが気になってしまった。
ややうつむき加減で、眉間にシワを寄せた表情などは、父デニス・ホッパーにそっくりだ。
日本人俳優加瀬亮が、インパクトのある役を演じているが、超一流の演出家の下で、なかなか自然な演技を見せてくれる。
余命三ヶ月の少女ミア・ワシコウスカ、特攻隊員の幽霊加瀬亮、ヒロインの姉シュイラー・フィスク、母ルシア・ストラス、主人公の叔母ジェーン・アダムス、ヒロインの主治医チン・ハンなどが共演している。