撃墜されたパイロットの収容所からの脱出を描く、製作、監督、脚本ヴェルナー・ヘルツォーク、主演クリスチャン・ベール スティーヴ・ザーン ジェレミー・デイヴィス他共演によるベトナム戦争時の実録戦争ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク
製作
スティーヴ・マールトン
エルトン・ブランド
ハリー・ナップ
ヴェルナー・ヘルツォーク
脚本:ヴェルナー・ヘルツォーク
撮影:ペーター・ツァイトリンガー
編集:ジョー・ビニ
音楽:クラウス・バデルト
出演
ディーター・デングラー:クリスチャン・ベール
ドウェイン・マーティン:スティーヴ・ザーン
ジーン・デブルイン:ジェレミー・デイヴィス
分隊長:ザック・グルニエ
ウィロビー提督:マーシャル・ベル
スプーク:トビー・ハス
ファーカス:GQ
パイロット:エヴァン・ジョーンズ
アメリカ 映画
配給 MGM
2007年製作 125分
公開
北米:2007年7月4日
日本:未公開
製作費 $10,000,000
北米興行収入 $5,483,510
世界 $7,177,140
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1965年、ベトナム戦争下、南シナ海。
”航空母艦レンジャー”のウィロビー提督(マーシャル・ベル)は、ラオスへの極秘任務をパイロット達に告げる。
分隊長(ザック・グルニエ)は、初任務となるディーター・デングラー(クリスチャン・ベール)に、スプーク(トビー・ハス)のウィングマンを命ずる。
戦闘爆撃機”A-1 スカイレイダー”に搭乗したデングラーらは、”レンジャー”を飛び立ちラオスに向かう。
目標地点に到達した編隊は、爆撃を開始するのだが、デングラーの機は被弾してしまい、操縦不能となり不時着する。
ラオスの共産主義革命勢力”パテート・ラーオ”の目を逃れ、味方の捜索隊を待つデングラーだったが、ついに捕らえられてしまう。
司令部に連行されたデングラーは、アメリカの侵略を非難する書面にサインさせられそうになる。 それを拒否したデングラーは虐待され、やがてある収容施設に閉じ込められる。 デングラーはそこで、元アメリカ空軍兵士で”エア・アメリカ”のパイロット、ジーン・デブルイン(ジェレミー・デイヴィス)やドウェイン・マーティン(スティーヴ・ザーン)に出会う。 デブルインやマーティンは、自分達が解放されると思い込むが、その無気力感に反し、デングラーはすぐにでもその場を脱走しようと考える。 ドイツ生まれのデングラーは、金型職人の見習いをしていたことがあり、釘を調達して加工して手錠をいつでも外せるようにしていた。 マーティンは、次第にデングラーに同調し始めるが、デブルインは、未だに解放されると信じていた。 時は流れ、デングラーの誕生日を皆で祝い、彼らは看守達を人質に取る、収容所占拠計画を立てる。 収容所の食料は減り、デングラー達に与えられる食料も減らされ、絶望したマーティンは正気を失いかける。 やがて、食糧不足の看守達は、捕虜を始末して村に戻ることを考え始める。 それを知ったデングラーは計画を実行し、看守達の銃を奪い彼らを射殺する。 デブルインが、予定通りの行動を取らなかったために、デングラーとマーティンは靴が確保できないまま森林地帯に向い、二人はデブルインと別れる。 待っていた雨がようやく降り、川を見つけたデングラーとマーティンは、いかだを作りタイに入ろうとする。 持っていても無駄だと思い、銃を捨てた二人は廃村にたどり着くが、マーティンは衰弱してしまう。 焚き火で、味方のヘリコプターに合図を送ったデングラーだったが、敵と間違われて銃撃を受けてしまう。 ある村にたどり着いた二人は襲われてしまい、マーティンが足を傷つけられ、デングラーは独り森に逃げ込む。 そして、現れたヘリに救出されたデングラーは、所属部隊と確認コード”夜明けの救出”を告げる。 極秘任務についていたデングラーは、病院に送られて外部との接触を断たれ、CIAの監視下に置かれる。 しかし、デングラーの同僚スプークらが誕生祝だと言って現れ、彼を”レンジャー”に連れ帰ってしまう。 デングラーは、”レンジャー”のウィロビー提督や乗組員に英雄として歓迎される。 帰還後、ディーター・デングラーは退役し、民間のパイロットとなり、4度の墜落から生還した。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
1965年、ベトナム戦争下。
アメリカ空軍パイロット、ディーター・デングラーは、極秘の爆撃任務を受けるがラオス上空で撃墜される。
共産主義革命勢力の”パテート・ラーオ”に捕らえられたデングラーは、アメリカの侵略を非難する書面のサインを拒否したために虐待され、その後、他の収容施設に閉じ込められる。
そこでデングラーは、捕らえられていた”エア・アメリカ”のパイロット、ジーン・デブルインやドウェイン・マーティンに出会う。
脱走不可能と誰もが諦める中、デングラーは、密かにそのチャンスを窺うのだが・・・。
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原題の”Rescue Dawn”は、所属部隊の作戦確認コードを示している。
”ニュー・ジャーマン・シネマ”の鬼才ヴェルナー・ヘルツォークが、1997年に監督したドキュメンタリー映画”Little Dieter Needs to Fly”の映画化でもある。
虐待されながら拘束される、人権を無視した仕打ちに耐え、極限状態に達しながらも、必死に生き抜こうとする人間の姿を生々しく描いた作品で、衰弱した仲間を労わりながら生き延びた、主人公の精神力の強さがひしひしと伝わってくる。
同僚が、英雄である主人公を権力から引き離し、指揮官や仲間達の元に連れ戻すクライマックスは痛快でもある。
虐待や飢えに苦しみながら、希望を捨てない主人公を演ずるクリスチャン・ベールは、精悍な眼差しのパイロットから、発狂寸前のサバイバル生活までを、体当りの演技で熱演している。
収容所で知り合うアメリカ人、実在の人物ドウェイン・マーティンのスティーヴ・ザーン、ジーン・デブルインのジェレミー・デイヴィス、編隊長のザック・グルニエ、提督マーシャル・ベルなどが共演している。