ソウル・ミュージックの大御所レイ・チャールズの半生を描く、製作、脚本テイラー・ハックフォード、主演ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン、レジーナ・キング、テレンス・ハワード他共演によるヒューマン・ドラマの秀作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:テイラー・ハックフォード
製作
テイラー・ハックフォード
スチュアート・ベンジャミン
ハワード・ボールドウィン
脚本:ジェームズ・L・ホワイト
撮影:パヴェル・エデルマン
編集:ポール・ハーシュ
衣装デザイン:シャレン・デイヴィス
音楽
レイ・チャールズ
クレイグ・アームストロング
出演
ジェイミー・フォックス:レイ・チャールズ
ケリー・ワシントン:デラ・ビー・ロビンソン
レジーナ・キング:マージー・ヘンドリクス
クリフトン・パウエル:ジェフ・ブラウン
ハリー・J・レニックス:ジョー・アダムス
カーティス・アームストロング:アーメット・アーティガン
リチャード・シフ:ジェリー・ウェクスラー
シャロン・ウォーレン:アリサ・ウィリアムズ
アーンジャニュー・エリス メアリー・アン・フィッシャー
テレンス・ハワード:ゴッシー・マッキー
ラレズ・テイト:クインシー・ジョーンズ
ワーウィック・デイヴィス:オベロン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2004年製作 152分
公開
北米:2004年10月29日
日本:2005年1月29日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $75,306,000
世界 $124,731,530
■ アカデミー賞 ■
第77回アカデミー賞
・受賞
主演男優(ジェイミー・フォックス)
録音賞
・ノミネート
作品・監督・編集・衣装デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1948年。
レイ・チャールズ・ロビンソン(ジェイミー・フォックス)は、
音楽で独り立ちするため、17歳でフロリダからシアトルに向かう。
シアトルに着いたレイは、音楽の才能は認められるが、盲目の若造と、ベースのゴッシー・マッキー(テレンス・ハワード)らに見下され、単なるバンドの一員として利用されてしまう。
その後レイは、ボードビリアンのオベロン(ワーウィック・デイヴィス)から、ゴッシーらの悪巧みを聞かされる。
そのためレイは、シアトルで知り合ったミュージシャンのクインシー・ジョーンズ(ラレズ・テイト)と共に、ゴッシーらと手を切ることにする。
1950年。 レイは、幼い時に仲の良かった弟を亡くし、9ヵ月後に緑内障で失明して以降、弟を助けられなかった悪夢にうなされていた。 母親アリサ(シャロン・ウォーレン)は、レイが独りで生きていけるようにと厳しく躾け、やがて彼の音感は研ぎ澄まされていく。 1952年。 その後レイは、”アトランティック・レコード”の創設者であるアーメット・アーティガン(カーティス・アームストロング)に声をかけられ、翌年、新曲”メス・アラウンド”がヒットする。 レイは、ゴスペル・シンガーのデラ・ビー(ケリー・ワシントン)と知り合い、やがて結婚する。 R&Bとゴスペルを融合したレイの曲は受け、順調にキャリアを積んでいくが、麻薬を絶つことはできなかった。 さらにレイは、ゴスペルを編曲したことで、神を汚しているという批判を受ける。 やがて息子が生まれたレイは、バンドのバックコーラスの メアリー・アン・フィッシャー(アーンジャニュー・エリス)を愛人にして、彼女の曲まで作ってしまう。 1957年。 レイの音楽活動は順調に進むが、次第に麻薬依存症の兆候が現れ始める。 1959年。 世話になったアトランティックのアーメットとパートナーのジェリー・ウェクスラー(リチャード・シフ)に、レイは別れを告げる。 1960年。 レイは、その”怒り”を曲にして、続けざまにヒットを飛ばすが、人種差別に抗議して、南部ジョージアでの公演を中止してしまう。 さらに、レイは麻薬所持で逮捕され、妻デラに麻薬を止めるよう説得される。 ”暗闇の中で音楽を作るためには、助けが必要だ”と反論するレイに対し、デラはそれは甘えだと指摘する。 そんな事情とは裏腹に、会社が反対した、カントリーも取り入れた、レイの曲は軒並みチャートのトップを奪い世界を席巻する。 その後、ビバリーヒルズに新居を移したレイは、幸せな生活を満喫するが、マージーが麻薬で死亡する。 やがてレイとバンドメンバーとの間にも亀裂が生じ、兄弟同然に彼を支えてきた、バンドの世話係ジェフ・ブラウン(クリフトン・パウエル)も去っていく。 そしてレイは、公演からの帰りに、空港で麻薬所持の現行犯で逮捕され、家族や音楽のために、麻薬を止めるようデラに再び説得される。 レイは麻薬更生施設に入り、幻覚の中で母アリサの言葉に支えられ、また、悪夢の中の弟に許されることで、立ち直ることができる。 レイ・チャールズは、その後40年以上、数々のヒットを飛ばしてグラミー賞を獲得、最も愛されるエンターティナーになった。 1979年。 レイは完全に麻薬を断ち、黒人の大学に2000万ドル以上を寄付して障害者に支援もした。
バンドのピアニストとして巡業が続くレイだったが、盲目の彼は、いつも仲間達からお荷物扱いされ、麻薬を覚えて、次第にそれに溺れるようになる。
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...全てを見る(結末あり)
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ギャラをごまかされ、憤慨したレイは、バンドを辞めて単身でニューヨークに向かう。
レイは、雇い入れた女性ヴォーカル・トリオ”レイレッツ”のマージー・ヘンドリクス(レジーナ・キング)を愛人にすると、メアリーが、レイに愛想を尽かし去っていく。
レイには二人目の子供が生まれ、一家はロサンゼルスに移り、”アトランティック”との契約切れを期に、破格の条件を提示した”ABCレコード”に移ることを決める。
レイは、”我が心のジョージア”でミリオンセラーを記録するが、私生活は乱れ、愛人のマージーは妊娠し、満たされない怒りを彼にぶつける。
かつて、人種差別に抗議して追放になった、レイの生まれ 故郷のジョージア州は、レイに謝罪して、”我が心のジョージア”を州歌に定める。
*(簡略ストー リー)
1948年。
レイ・チャールズ・ロビンソンは、音楽で独り立ちするため17歳でシアトルに向かう。
盲目のレイは、仲間に裏切られながらも、バンドのピアニストとして巡業に参加するようになる。
しかし、メンバーからお荷物扱いされるレイは、麻薬を覚え、やがて、それに溺れるようになる。
幼い頃、弟を亡くし、緑内障で失明したレイは、弟を助けられなかった悪夢にうなされていた。
独りで生きていけるよう、母親に厳しく躾けられたレイの音感は、研ぎ澄まされていったのだ。
ギャラをごまかされ、バンドを辞めたレイは単身でニューヨークに向かい、”アトランティック・レコード”のアーメット・アーティガンと知り合い、新曲”メス・アラウンド”をヒッさせる。
その後レイは、ゴスペル・シンガーのデラと愛し合うようになり結婚する。
R&Bとゴスペルを融合したレイの曲は受け、順調に音楽活動を続けるのだが、彼は麻薬を絶つことはできなかった・・・。
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本作の公開される4ヶ月前にレイ・チャールズ自身は亡くなり、追悼作品にもなった。
第77回アカデミー賞では、作品賞をはじめ6部門にノミネートされ、ジェイミー・フォックスの主演男優と録音賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督・編集・衣装デザイン賞
「愛と青春の旅だち」(1982)や「黙秘」(1995)などのテイラー・ハックフォード久々の快心作で、音楽の才能以上に、波乱の人生を歩んだレイ・チャールズの人間味のある人物像を、シャープな演出で描き切っている。
母親や弟の幻覚に怯えるレイの姿、その少年時代もフラッシュバックとして丁寧に描かれ、一つのドラマとして見応えあるものになっている。
レイ・チャールズに成り切った演技で、見事にアカデミー主演賞を受賞したジェイミー・フォックスは、歌声こそ本人レイ・チャールズの吹替えだが、3歳から習い始めたピアノの腕を生かし、その仕草や、あごを引いた、本人独特の表情など細かな表現も絶妙で、ファンにはたまらない名演を見せてくれる。
献身的ではあるが、レイを甘やかさない妻役のケリー・ワシントン、対照的に愛人として満たされず、麻薬に溺れ命を落とすマージー・ヘンドリクス役のレジーナ・キング、友情で結ばれる、レイの世話係クリフトン・パウエル、レイの才能に目を付けて売り出すアトランティック・レコードのアーメット・アーティガンを演ずるカーティス・アームストロング、音楽評論家ジェリー・ウェクスラーのリチャード・シフ、レイのためを思い彼を厳しく育てる母親役のシャロン・ウォーレン、愛人アーンジャニュー・エリス、レイを利用するバンドマン、テレンス・ハワードなどが共演している。