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レイジング・ケイン Raising Cain (1992)

父親の実験台となり多重人格者として育てられた男性の異常な行動を描く、監督、脚本ブライアン・デ・パルマ、主演ジョン・リスゴーロリータ・ダヴィドヴィッチスティーヴン・バウアー他共演のサスペンス・ホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト ■
監督:ブライアン・デ・パルマ
製作:ゲイル・アン・ハード

脚本:ブライアン・デ・パルマ
撮影:スティーヴン・H・ブラム
編集
ポール・ハーシュ

ボニー・コーラー
ロバート・デルヴァ

音楽:ピノ・ドナッジオ

出演
ジョン・リスゴー:カーター・ニックス博士/ケイン/ジョッシュ/マーゴ
ロリータ・ダヴィドヴィッチ:ジェニー・カーター
スティーヴン・バウアー:ジャック・ダンテ
フランシス・スターンハーゲン:リン・ウォルドハイム博士
グレッグ・ヘンリー:テリー警部
トム・バウアー:ケリー巡査部長
バートン・ハイマン:マック
テリー・オースティン:カレン・ボーマン
アマンダ・ポンボ:エミー・カーター
ガブリエル・カーテリス:ナン

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1992年製作 91分
公開
北米:1992年8月7日
日本:1992年12月
製作費 $11,000,000
北米興行収入 $21,370,060
世界 $37,170,0560


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
子供の教育に異常なまでに熱心な発達心理学専門のカーター・ニックス博士(ジョン・リスゴー)は、友人であるカレン・ボーマン(テリー・オースティン)の子供を誘拐するために、彼女を麻酔で眠らせる。

そこに通行人が近づきカーターは取り乱してしまうが、刑務所から出所した双子の弟ケイン(ジョン・リスゴー)が突然、現れ兄の窮地を救う。

カーターはカレンを公園に戻そうとするが、ケインは彼女を殺すよう伝えて車を降りる。

モーテルにカレンの子供を連れて行ったケインは、父親ニックス博士(ジョン・リスゴー)に、後はカーターに任せろと言われて眠らされる。

カーターへの、バレンタインデーのプレゼントを買いに行った妻ジェニー(ロリータ・ダヴィドヴィッチ)は、かつての恋人ジャック・ダンテ(スティーヴン・バウアー)に偶然、出会う。
...全てを見る(結末あり)

ジャックが鍵を忘れていたのに気づいたジェニーは、プレゼントを彼のアパートに置いて来る。

その夜、カーターのプレゼントと間違えたことに気づいたジェニーは、ジャックの元に向かい、それをすり替えようとするが、二人はそのまま愛し合ってしまう。

帰宅したジェニーは、カーターのプレゼントを隠してベッドに入る。

しかし、公園でのジェニーとジャックの逢引を目撃していたカーターは、彼女を失神させる。

その時、公園にいたケインはジャックのコートに気づき、彼をカーターだと思い、安心したベビー・シッターのナン(ガブリエル・カーテリス)を殺す。

ケインは、ナンの死体をジャックの車のトランクに投げ込み、彼を陥れようとした。

カーターは、気を失ったジェニーを車に乗せ沼に沈める。

その後カーターは、警察に妻と娘の失踪の被害届けを出すが、彼の父親ニックスが、20年前に子供を買ったという容疑をかけられ、保釈後に、北欧へ逃亡したということを、その場に居合わせた、定年退職していた元刑事のマック(バートン・ハイマン)が思い出す。

担当刑事テリー警部(グレッグ・ヘンリー)とケリー巡査部長(トム・バウアー)は、ニックス博士の元同僚医師のリン・ウォルドハイム(フランシス・スターンハーゲン)を警察に呼び出す。

ウォルドハイムは、ニックス博士が子供を誘拐し、多重人格者にして観察する実験を、繰り返していことを知らせる。

テリーとケリー両刑事は、公園でジェニーを待つジャックを見つけ、警察に同行させようとするが、彼のトランクからナンの死体が見つかる。

ジャックは、殺人と誘拐の罪で送検され、幼児誘拐の疑いもかけられる。

カーターは、娘エミー(アマンダ・ポンボ)を監視するカメラに映ったジェニーを幻覚かと思うが、沼から脱出していた彼女は、夫に襲い掛かり警察に突き出す。

ジャックの疑いは晴れるが、娘エイミーの消息は分からず、カーターは、精神異常を理由に無罪になる可能性が出てくる。

ウォルドハイムの診断の結果、カーターは父やケインなどの多重人格者として、父の実験台にされ育っていたことが分かる。

催眠術を使い、子供達の居場所をカーターから聞き出そうとしたウォルドハイムだったが、カーターは、彼女を気絶させて変装し、警察を脱出する。

それをウォルドハイムだと思ったジェニーは後をつけて、モーテルについたところで警察に電話を入れ、彼女がカーターだということを知る。

ジェニーは、エレベーターにカーターと同乗して、隠し持っていたナイフを構える。

しかし、18年前に自殺したはずのニックス博士が現れ、エミーを人質ににジェニーを脅す。

カーターは、ジェニーの落としたナイフを拾い、エレベーターを階下に下げる。

警察に連れられたジャックも到着し、ジェニーが博士に襲われかけていることに気づく。

その瞬間、背後から迫ったカーターが博士を刺し、反動で彼はエミーを通路から落としてしまう。

それをジャックが受け止め、カーターは姿を消す。

普通の生活に戻ったジェニーは、不安を抱えながらも、支えが必要なカーターの身を案じていた。

そしてある日、公園でエミーを遊ばせていたジェニーの背後に、マーゴに支配されたカーターが女装して迫る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
子供の教育に、異常なまでに熱心な発達心理学専門のカーター・ニックス博士は、友人であるカレンの子供を誘拐しようとする。
通行人が近づいたためにカーターは焦るが、刑務所から出所した双子の弟ケインが現れ、兄の窮地を救う。
その後、モーテルにカレンの子供を連れて行ったケインは、父親のニックス博士に後を任せる。
カーターの妻ジェニーは、元恋人のジャックに偶然出会い愛し合ってしまう。
2人の逢引を目撃していたカーターは、その夜ジェニーを失神させ、車ごと沼に沈めてしまう。
カーターは、警察に妻の失踪届けを出すのだが、退職した元刑事マックが、ある事実を知っていた・・・。
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当時、平凡なドラマのような作品が続いていたブライアン・デ・パルマが、久し振りに彼らしい演出や映像手法を発揮した作品。

興行的には、全世界で3700万ドルと、成功したとは言い難いが、4年後のアクション巨編、大ヒット作「ミッション:インポッシブル」(1996)につながる、ブライアン・デ・パルマの復活の兆しを喜んだファンは多かったはずだ。

物語の辻褄合わせのためか、腑に落ちない場面や難解な部分もあるが、主人公ジョン・リスゴーは、顔は温和だが、長身の彼は、画面上で、異常者としてかなり迫力があり、クライマックスの女装姿も不気味であり、熱演を見せてくれる。

彼は、「ガープの世界」(1982)でのゲイの元フットボーラー役の女装が印象に残り、意外に違和感はない。

呆気なく殺されたと思いきや、ドラマの後半では主役に迫る活躍を見せる、主人公の妻役ロリータ・ダヴィドヴィッチ、 その元愛人であり、主人公の罠にはまるスティーヴン・バウアー、都合よく、かつらを被っているのがどうも気になっていたが、終盤にその演出が理解出来るフランシス・スターンハーゲン、担当刑事役のグレッグ・ヘンリートム・バウアー、犠牲者のテリー・オースティンガブリエル・カーテリス、2歳の娘アマンダ・ポンボなどが共演している。


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