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レイズ・ザ・タイタニック Raise the Titanic (1980)

1976年に発表された、クライブ・カッスラーの小説”Raise the Titanic!”を基に製作された作品。
最新防衛システムのエネルギー源となる特殊金属が積載されていることが分かった豪華客船”タイタニック”の引き上げ計画を描く、監督ジェリー・ジェームソン、主演ジェイソン・ロバーズリチャード・ジョーダンデヴィッド・セルビーアン・アーチャーアレック・ギネス他共演のアドベンチャー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督:ジェリー・ジェームソン
製作
マーティン・スターガー
ルー・グレード
ウィリアム・フライ
原作:クライブ・カッスラーRaise the Titanic!
脚本
アダム・ケネディ
エリック・ヒューズ
撮影:マシュー・F・レオネッティ
編集
J・テリー・ウィリアムス
ロバート・F・シュグリュー
音楽:ジョン・バリー

出演
ジェームス・サンデッカー提督:ジェイソン・ロバーズ
ダーク・ピット:リチャード・ジョーダン
ジーン・シーグラム博士:デヴィッド・セルビー
ダナ・アーチボルド:アン・アーチャー
ジョン・ビガロー:アレック・ギネス
アンドレ・ブレブノフ大尉:ボー・ブランディン
ヴィニー・ウォーカー兵曹長:M・エメット・ウォルシュ
ジョー・バーク大佐:J・D・キャノン
デイル・バスビー将軍:チャールズ・マコーレイ
ケンパー提督:ノーマン・バートールド
マルガニン:エリヤ・バスキン
マーカー:ダーク・ブロッカー
ウィリス:ロバート・ブロイルズ
ニコルソンCIA長官:ポール・カー
ボハノン:マイケル・C・グウィン
キール:ハーヴェイ・ルイス

アメリカ/イギリス 映画
配給 Associated Film Distributio
1980年製作 114分
公開
イギリス:1980年10月24日
北米:1980年8月1日
日本:1980年12月13日
製作費 $36,000,000
北米興行収入 $14,824,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ソ連北部、バレンツ海、スパルドロフ島。
古い坑道を発見したアメリカのスパイは、中に入り調べる。

1912年2月10日に凍死した、アメリカ陸軍のジェイク・ホバート軍曹の遺体も見つかる。

ワシントンD.C.
海洋研究機関”NUMA”のジェームス・サンデッカー提督(ジェイソン・ロバーズ)は、ソ連領の島でアメリカ人が行方不明になったことを、デイル・バスビー将軍(チャールズ・マコーレイ)とケンパー提督(ノーマン・バートールド)に知らせる。

最新のレーザーを使う究極の防衛システム”シシリー計画”について話した科学者のジーン・シーグラム博士(デヴィッド・セルビー)は、大きなエネルギー源となる特殊な金属元素”ビザニウム”が必要だと説明する。
...全てを見る(結末あり)

ビザニウムがその島にある可能性があることを知ったサンデッカーらは、ソ連側に捕らえられる前にスパイを救出することを考える。

アメリカ海軍将校で工作員のダーク・ピット(リチャード・ジョーダン)は、ソ連兵に見つかり銃撃されたスパイを救う。

ワシントンD.C.ソビエト大使館。
KGBの局長アンドレ・ブレブノフ大尉(ボー・ブランディン)は、シシリー計画の件を部下のマルガニン(エリヤ・バスキン)から知らされる。

帰国するピットをシーグラムと共に迎えたサンデッカーは、負傷者を病院に運ばせる。

ビザニウムが確認されたことをピットから知らされたサンデッカーは、ソ連側が掘り出したのではなく、アメリカの機材と1911年の新聞がその場にあったと言われる。

ピットは、1912年2月10日に凍死したアメリカ陸軍のジェイク・ホバート軍曹の死体があったことも話す。

サンデッカーは、70年前に兵士を送り込んでいたことを不思議に思う。

新聞記者である恋人のダナ・アーチボルド(アン・アーチャー)と共に週末を過ごしたシーグラムは、最初は否定していたピットのことを、彼女から知っていると言われる。

ピットが海軍情報部所属であることを知っていると話すダナに、隠していた理由を尋ねたシーグラムは、急に訊かれたので黙っていたと言われ、彼との関係を気にする。

近寄りがたい人物だと、ダナからピットの話を聞いたシーグラムは、サンデッカーに呼ばれる。

70年前にビザニウムを発見したブルースターと言う男が、それを陸軍に売り込み鉱石を持ち出し、追われながらサウサンプトンに運び、1912年4月10日に出航した”タイタニック”に積み込んだということを、ピットはサンデッカーとシーグラムに話す。

バズビー将軍とケンパー提督を呼んだサンデッカーは、ビザニウムが水深3500mにあることを話し、ピットが、海底での作業は無理だが、タイタニックを引き揚げることを提案する。

驚くバズビーとケンパーに、海軍の協力と資金があれば可能であることを話したピットは、深海潜航艇と開発した新鋭艇を使えば、賭けに近いものの望みはあると伝える。

シーグラムから、成功すれば核兵器を無効にできると言われたバズビーとケンパーは、ピットが請け負えば自分が大統領に話す考えのサンデッカーの意見を聞く。

史上最大の計画を断れないと言うピットは、意欲を示す。

翌日、元恋人のダナを見かけて声をかけたピットは、彼女がシーグラムと付き合っていることを知る。

ピットとシーグラムは、サンデッカーからゴーサインが出たことを知らされる。

計画の準備を始めたピットは、旧知のジョー・バーク大佐(J・D・キャノン)とヴィニー・ウォーカー兵曹長(M・エメット・ウォルシュ)の元に向かう。

二人を紹介されたシーグラムは、ピットから、自分が独断で計画を実行するので、余計な口出しをするなと忠告される。

会議が開かれて計画の詳細な説明が行われ、サンデッカーは、本件を極秘で行うことを徹底させる。

タイタニックの貨物担当の3等航海士だった生存者ジョン・ビガロー(アレック・ギネス)に会うために、ピットはイギリスに向かう。

コーンウォール
ビガローに会ったピットは、ビザニウムがあった場所など知り、荷物を運び込んだブルースターのことを覚えている彼の話を聞く。

沈没を前にその場に残ったブルースターは、”サウスビーは助かった・・・”とつぶやいていたと話すビガローは、ピットと共にパブに向かう。

タイタニックと、その沈んだ様子のことを話したビガローは、船から持ち出した”ホワイト・スター・ライン”の旗をピットに渡し、引き上げたら元に戻してほしいと伝える。

その後、海軍の全面協力によりサルベージ計画は始まり、深海潜行艇”ディープ・クエスト”や”スターフィッシュ”などにより調査が行われる。

水深3600mでスターフィッシュが浸水し、通信が途絶えたためにタートルがその場に向かう。

しかし、沈降するスターフィッシュは水圧により圧潰してしまう。

5週間経っても船体を見つけられないピットは苛立つが、模型を使った沈没実験を繰り返したシーグラムは、現在地よりも16キロ離れた場所に向かうよう指示する。

その場の調査を行った潜航艇はトランペットを回収し、タイタニックの楽団員のものだということが確認される。

その頃ソ連側は、シシリー計画の全容をとビザニウムがタイタニックに積載されていることを知る。

ピットらは付近から電波が発信されていることを知るものの、計画の参加者にKGBのスパイがいることに気づかない。

その後、ウォーカーの潜航艇が金属反応をキャッチし、現場に向かったピットは、タイタニックの煙突を確認する。

そして、深い谷を調べたピットは、ついにタイタニックの船体を発見する。

シシリー計画の調査を進めていたブレブノフは、マスコミに情報を流すようマルガニンに指示する。

その件は大々的に報道され、ワシントンD.C.に戻ったシーグラムは、記事を書いたダナに、自分が情報源と思われると言って彼女を責める。

情報源をピットだと思うシーグラムが嫉妬していると考えたダナは、2年間、同棲していた彼と別れたことを後悔していると言ってしまう。

ダナはシーグラムに謝罪するものの、気分を害した彼はその場を去る。

記者会見を開いたサンデッカーは、タイタニック引き揚げ計画の詳細を説明する。

会見を終えたサンデッカーは、ビザニウムやシシリー計画については答えなかった。

現地に到着したサンデッカーは、経歴を偽るマーカー(ダーク・ブロッカー)がスパイであることをピットらに伝える。

シーグラムが乗り込んだボハノン(マイケル・C・グウィン)が操縦する潜航艇が、船体に引っ掛かった機材を動かそうとして窓にはまり込んでしまう。

傾いたために電池の酸が漏れてしまい、シーグラムらは、マスクをつけてランプを点灯し、ショートした電源を切る。

海上に戻ったピットは、ボハノンの艇の酸素が6時間しか持たないために、タイタニックごと浮上させることを考える。

シーグラムらは、酸素の消耗を考えて静かに救出を待つしかなかった。

爆薬が海底に投下されてセットが終わり、エアバッグに空気が注入される。

爆破は終了し、動き出した船体は浮上し始めて海面に姿を現す。

ピットとサンデッカー他、関係者は、タイタニックの雄姿を見て歓声を上げる。

船体から離れていたボハノンの艇も海面に浮上し、彼らは救出される。

タイタニックに向かったピットは、ビガローから預かったホワイト・スター・ラインの旗をデッキに掲げる。

ブレブノフは、付近で作業を監視しているソ連艦に到着する。

救援活動のために護衛艦が現場を離れ、ピットは、嵐が近づくこととソ連側の動きを気にする。

護衛艦のことを知ったブレブノフは、嵐の際の救援活動などについて話し合うために、タイタニックに向かいサンデッカーらに会う。

アメリカ側を牽制するブレブノフは、ビザニウムはロシア領の産出物だと言って引き渡しを要求し、応じなければタイタニックを沈没させると警告する。

シシリー計画のことも知っていると伝えたブレブノフだったが、ソ連側の動きは予想していたと言うサンデッカーは、原子力潜水艦と戦闘機で護衛していることを知らせる。

納得するしかないブレブノフは、仕方なく船に戻る。

その後タイタニックは、ニューヨークに曳航される。

貨物室を開けたピットはブルースターの白骨死体を発見し、彼が守った箱を調べるものの、シーグラムが、中身はただの砂利であることを確認する。

納得いかないシーグラムに、失敗することもあると言い聞かせるサンデッカーは、ビザニウムを手に入れたとしても、防衛目的だけに使用されるかは疑問だと伝える。

ビザニウム爆弾の開発が進んでいることも話したサンデッカーは、驚くシーグラムから、それを知りながら自分達に協力した理由を訊かれる。

爆弾になるなら自分が手に入れたいと思ったと伝えたサンデッカーは、その場を去る。

馬鹿げた計画に協力させられたと言うシーグラムに、気持ちは分かるがまだ手伝ってもらうと伝えたピットは、船内で見つけたバッグに入っていたブルースターのハガキを見せる。

ハガキがハンプシャーのサウスビー村の教会から送られことを確認したシーグラムは、ピットから、サウサンプトンから30キロの距離だと知らされる。

ビガローから”サウスビーは助かった”と言われたのが、人名ではなく地名だったとシーグラムに伝えたピットは、彼と共に現地に向かう。

サウスビー。
墓地に向かい”ジェイク・ホバート”の墓を調べたシーグラムは、金属反応を確認する。

管理者に墓を掘るか訊かれたピットは、それをシーグラムに決めさせる。

名のもせずにその場を去るシーグラムに、ピットは元恋人の話をする。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ワシントンD.C.
海洋研究機関”NUMA”のジェームス・サンデッカー提督は、最新のレーザーを使う究極の防衛システム”シシリー計画”のエネルギー源となる特殊金属”ビザニウム”が、約70年前に沈没した豪華客船”タイタニック”に積載された可能性を知る。
海軍将校である工作員のダーク・ピットは、ソ連領でビザニウムの情報を入手したスパイを救出して帰国する。
科学者であるシーグラム博士と共にピットを迎えたサンデッカーは、ビザニウムを手に入れるために、タイタニックを引き上げる計画を極秘で進めるのだが・・・。
__________

本作の主要登場人物である”ダーク・ピット”を主人公としたシリーズで知られるクライブ・カッスラーの小説”Raise the Titanic!”を原作に、テレビ界なのでも活躍していたジェリー・ジェームソンが監督し、ジェイソン・ロバーズリチャード・ジョーダンらが共演したアドベンチャー作品。

3500万ドルの製作費をかけた大作であり、処女航海で沈没した豪華巨大客船”タイタニック”の引き上げ計画を描いたことで話題となった。

しかし、作品は酷評され、ラジー賞の作品賞にもノミネートされてしまった。

上記のように、巨費を投じたタイタニックの引き上げ映像や船体の再現は見応えあるが、原作に描かれている米ソ冷戦下のスパイ戦は触れられている程度であり、単なる海洋アドベンチャー映画に終わってしまっているのが残念だ。
*実際のタイタニックは船体が真っ二つに折れて沈没したため、本作のような浮上計画はあり得ない。

海洋研究機関”NUMA”のトップである提督のジェイソン・ロバーズ、物語の主人公と言える、元海軍将校でタイタニック引き揚げ計画の責任者でもある”ダーク・ピット”を演ずるリチャード・ジョーダン、彼に協力する科学者のデヴィッド・セルビー、彼の恋人でピットの元恋人でもある新聞記者のアン・アーチャータイタニックの生存者アレック・ギネス、ビザニウムを奪おうとするKGBの局長ボー・ブランディンタイタニック引き揚げ作業を行う兵曹長のM・エメット・ウォルシュ、同じく大佐のJ・D・キャノン陸軍の将軍チャールズ・マコーレイ海軍の提督ノーマン・バートールド、ソビエト大使館員のエリヤ・バスキン、引き揚げ計画に潜入するソ連側のスパイ、ダーク・ブロッカー、作業員、ロバート・ブロイルズマイケル・C・グウィンCIA長官のポール・カーなどが共演している。


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