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ロンメル軍団を叩け Raid on Rommel (1971)

第二次大戦下の北アフリカ戦線エルヴィン・ロンメル率いるドイツ・アフリカ軍団に占領されたトブルクイギリス軍による沿岸砲破壊作戦を描く、監督ヘンリー・ハサウェイ、主演リチャード・バートンジョン・コリコスクリントン・グレインヴォルフガング・プライスカール=オットー・アルベルティダニエル・デ・メッツ他共演の戦争アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督:ヘンリー・ハサウェイ

製作:ハリー・テートルマン
脚本:リチャード・M・ブリュエル
撮影:アール・ラス
編集:ジーン・パーマー
音楽:ハル・ムーニー

出演
アレックス・フォスター大尉:リチャード・バートン
アラン・マッケンジー曹長:ジョン・コリコス
ヒュー・ターキントン少佐:クリントン・グレイン
エルヴィン・ロンメル元帥:ヴォルフガング・プライス
ハインツ・シュレーダー大尉:カール=オットー・アルベルティ
ヴィヴィアンヌ:ダニエル・デ・メッツ
ダン・ガース:ジョン・オーチャード
ジョー・ライリー:ブルック・ウィリアムズ
エド・ブラウン:グレッグ・マラヴィー
ビル・ウェンブリー:マイケル・サヴァリード
ピーター・メリヒュー:クリストファー・ケリー
提督:ベン・ライト

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1971年製作 98分
公開
北米:1971年2月12日
日本:1971年6月日12


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1943年、リビア
3年間に渡る激しい砂漠の戦いの末にロンメルドイツ・アフリカ軍団イギリス陸軍を追い込んだ。

イギリス陸軍情報部のアレックス・フォスター大尉(リチャード・バートン)は、襲撃されたように見せかけた半装軌車に乗り砂漠を進む。

第15野戦病院。
イギリス軍を降伏させたドイツ軍のハインツ・シュレーダー大尉(カール=オットー・アルベルティ)は、トブルクから到着した友軍機を迎える。

伝令を受け取ったシュレーダーは、捕虜であるイギリス陸軍の軍医ヒュー・ターキントン少佐(クリントン・グレイン)に、現地に向けて全員、出発することを伝えて準備をさせようとする。
...全てを見る(結末あり)

捕虜は安全地帯に移送するはずだと意見するターキントンに対し、トブルクは自軍が制圧したことを知らせたシュレーダーは、嫌なら置き去りだと伝える。

ターキントンは、仕方なく部下のピーター・メリヒュー(クリストファー・ケリー)に荷造りするよう指示する。

飛行機に乗せるようにと騒ぐイタリア軍司令官の女ヴィヴィアンヌ(ダニエル・デ・メッツ)を黙らせたシュレーダーは、彼女もトラックで移動させようとする。

その後シュレーダーは、部隊と捕虜を連れてトブルクに向けて出発する。

途中、イギリス軍半装軌車を発見したシュレーダーは、それを止めて、気を失っていたフォスターを車から降ろす。

フォスターを診たターキントンから、治療が必要だと言われたシュレーダーは、野営することを部下に伝える。

伍長の軍服を着るフォスターが仮病を使っていることに気づいたターキントンは、第53戦闘工兵隊の大尉だと言われる。

フォスターから第8陸軍情報部の所属だと言われたターキントンは、聞いたことがないと伝える。

自分がフォスターが捜しているファロー少佐ではなく、医療隊の軍医だと言って彼を納得させる。

ターキントンらが捜していた第5コマンド部隊でないことを知ったフォスターは戸惑う。

近づいたシュレーダーは、意識が戻り次第フォスターを尋問することをターキントンに伝える。

CBSロンドン支局からのエドワード・R・マローのラジオ放送を聴くターキントンらは、自軍の劣勢を知る。

シュレーダーの尋問に口を割らなかったフォスターは、ターキントンらと行動していた第5コマンド部隊のアラン・マッケンジー曹長(ジョン・コリコス)から、仲間を紹介される。

赤痢などで置き去りになったことをフォスターに伝えたマッケンジーは、他の隊員はチュニジアの収容所に送られたことを知りショックを受ける。

指揮官のファロー少佐から、捕虜としてトブルクに向かいドイツ軍から護送隊を奪うことを指示されたと言うマッケンジーは、海軍が接近できるように沿岸砲を破壊するのが任務だったとことをフォスターに確認する。

その通りだと言うフォスターは、自分達には関係ない話だと考えるターキントンに、明日の17時に戦闘機が護送隊を攻撃するため、混乱する隙にコマンド部隊が護送隊を乗っ取る計画を話す。

それを中止させるには護送隊を奪い無線連絡するしかないと言うフォスターは、その後、自軍陣営に戻ることを伝えるものの、ターキントンはあくまでも協力を拒む。

クエーカー教徒で良心的兵役拒否者だとフォスターに伝えたメリヒューもターキントンと同じ考えだった。

翌早朝、部隊は出発し、見張りのドイツ兵の様子を窺うフォスターは、戦闘機が近づいてきたことを確認する。

それに気づいたシュレーダーだったが、医療用具や工具を手にしたマッケンジーらが襲い掛かる。

エーテルで運転手を眠らせたフォスターらは、戦闘機を攻撃するドイツ兵を殺す。

反撃したドイツ兵は戦闘機を撃墜するが、フォスターが機関銃で威嚇して降伏させる。

無線機が壊れていることを知ったフォスターは、死者を埋葬するよう指示する。

トラックが一台を除き無事であることを確認したフォスターは、シュレーダーから通行証と身分証を奪い、マッケンジーと今後のことを考える。

日が暮れて火を燃やすことを指示したフォスターは、武器などが投下され、トブルクの沿岸砲を破壊する計画をターキントンに話す。

ヴィヴィアンヌは書類に記載されているので連れて行くが、置き去りにするシュレーダーら捕虜は生かしておくことを、フォスターはターキントン約束する。

ドイツ語を話すフォスターは敵兵に扮し、夜明けと共にシュレーダーらを残して出発する。

マッケンジーらに武器のチェックをさせたフォスターは、先を急ぎながら医療隊をコマンド部隊に鍛え上げようとする。

敵陣に着くまでにお荷物のヴィヴィアンヌを何とかしようとするフォスターは、彼女を手なずけるようターキントンに指示する。

その後、敵の2個敵機甲師団を確認したフォスターは検問ゲートに向かい、ドイツ語が話せるダン・ガース(ジョン・オーチャード)に通行証を渡して兵士がそれをチェックする。

ヴィヴィアンヌを確認しようとした兵士を呼び止めて、ムッソリーニ軍の将軍の女だと伝えたフォスターは、納得した彼から野営を許可される。

機甲師団が待機する理由を考えたフォスターは、燃料庫が近くにあることに気づく。

それを破壊しようとするフォスターは、吐き薬を何人かに飲ませてチフスだと思わせれば敵が混乱するとターキントンに伝えて、それを実行する。

二人に薬を飲ませたフォスターは、検問の兵士に捕虜が伝染病にかかったことを伝えて、野戦病院に向かう許可を得る。

病院に着いたフォスターとターキントンは、病気を装う二人の検査を依頼する。

そこにエルヴィン・ロンメル元帥(ヴォルフガング・プライス)が現れ、患者を連れて来たイギリス軍軍医のターキントンの協力に感謝する。

ターキントンから、切手収集の趣味が同じだと言われたロンメルは彼が気に入り、迎えに来させるので数時間話したいと伝える。

余計なことをしたと言ってターキントンを責めるフォスターは、自分がロンメルと話している間に燃料庫を探すようにと言われる。

鎮静剤を打って静かにさせたヴィヴィアンヌが再び騒ぎ始めたため、メリヒューは仕方なく彼女の相手をして黙らせる。

ロンメルとターキントンは話が盛り上がり、トブルクに遅れることを無電連絡したいフォスターは、ロンメルからその許可を得る。

無電を送ったフォスターは、その場にあった地図で燃料庫を確認し、ロンメルに部隊に戻ることを伝える。

楽しい時間を過ごしたロンメルはターキントンとの再会を約束し、その場を去る二人を見送る。

燃料庫の場所を知ったことを合図でターキントンに知らせたフォスターだったが、道を開けて路端に停車した車にシュレーダーが乗っていることに気づき焦る。

シュレーダーに気づかれないまま部隊に戻ったフォスターとターキントンは、直ちに出発する。

途中でターキントンらと別れたフォスターは、燃料庫に向かう。

ロンメルと話そうとしたシュレーダーだったが、身分証がないためにそれを認められず、イギリスの医療隊に護送隊と通行証を奪われたことを伝え、待機するよう指示される。

マッケンジーとジョー・ライリー(ブルック・ウィリアムズ)と共に燃料庫に向かったフォスターは、監視する戦車に近づき敵兵を油断させて殺す。

検問所に向かい医療隊のことを兵士から聞いたシュレーダーは、ロンメルの元に戻る。

戦車を奪い燃料庫に向かったフォスターらは、監視兵を倒して砲撃を始める。

給油機を攻撃したフォスターらは、燃料タンクも爆破する。

撤収しようとしたフォスターだったが、戦車は爆風で横転してしまいハッチが開かなくなる。

足で蹴ってハッチを開けたフォスターは、マッケンジーとライリーを助ける。

ターキントンらは爆破を確認し、ヴィヴィアンヌは喜ぶ。

シュレーダーから話を聞いていたロンメルは、彼を非難すると共にフォスターらの作戦に気づかなかった自分を責める。

フォスターを追い道路封鎖を命じたロンメルは、護送隊のことを知るシュレーダーを同行させてトブルクに向かう。

夜が明けて目的地に向かうフォスターは、21時迄に砲台を破壊しなければならないことをターキントンに伝える。

その頃、イギリス地中海艦隊リビア沖を航行し、司令官の提督(ベン・ライト)は、21時にトブルクに着くまでに第5コマンド部隊が砲台を破壊し、接近して攻撃を開始することを部下に伝える。

その後、上陸用舟艇でコマンド部隊を救出することも話す提督は、失敗は考えずに部隊が任務を果たすことを祈る。

敵の野戦憲兵隊が現れ、怪しまれなかったフォスターらは、それに随行して検問を通過する。

検問からの連絡を受けたシュレーダーは、医療隊に野戦憲兵がついていないことを伝える。

電話を代わったロンメルは野戦憲兵と話す。

海岸に近づいたフォスターはヴィヴィアンヌを降ろし、メリヒューは彼女に別れを告げる。

トブルク港に着いたフォスターは、自軍の標的である停泊する船団を確認する。

イギリス艦隊トブルクに接近しているという報告を受けたロンメルは、フォスターらの目的が沿岸砲の破壊だと気づく。

野戦憲兵隊に連絡して、破壊工作の可能性を伝えようとしたロンメルだったが電話が切れてしまい、第3機甲旅団に無線で連絡する。

敵の戦車が巡察していることを部下に伝えたロンメルは、それを阻止することを命じてシュレーダーに任せる。

沿岸砲を監視するフォスターは、マッケンジーから電話線を切断したという報告を受けて、準備は整ったことを確認する。

イタリア軍の沿岸砲の前にトーチカの破壊を考えるフォスターは、海岸で合流することをマッケンジーに伝える。

沿岸砲の砲撃が始まり、ロープで崖を下りて海岸に向かったマッケンジーらは、犠牲者を出しながらトーチカを破壊する。

イギリス艦隊トブルクに接近し、提督は距離を保つ。

敵が現れたために、フォスターらは迫撃砲で攻撃する。

海岸での戦闘の報告を受けた提督は、上陸用舟艇を出動させる。

激しい戦いが続く中、火炎放射器を使ったフォスターは敵を次々と倒す。

マッケンジーに爆破隊を送り出すことを指示したフォスターは、戦車が近づいたために全員を逃がす。

戦車の下にもぐり込み爆薬を仕掛けたフォスターは、爆破に成功するものの脚を負傷する。

治療しようとしたメリヒューを撃ったシュレーダーを、フォスターは射殺する。

砲撃を受けた艦隊は甚大な被害を受け、提督は全艦隊の後退を命ずる。

砲台に押し入ったマッケンジーらは爆破に成功し、フォスターはそれを見守る。

沿岸砲の爆破を確認した提督は、前進する命令を出して海岸に近づく。

提督は全艦隊に砲撃開始を命じ、港は爆破される。

ロンメルは、撤退する部隊を見つめていることしかできなかった。

上陸用舟艇が海岸に到着し、フォスターは、隊員が救出される様子を見守る。

残っていたターキントンはフォスターの脚を治療し、早く舟艇に乗るようにと言われるものの、自分は軍医なので殺されるまで手当ては続けると伝える。

切手収集家なので、ロンメルは自分達を殺さないかもしれないと言うフォスターとターキントンは冗談を言い合うが、敵兵が迫る。

CBSエドワード・R・マローは、エジプトの戦況は優勢であり、ジブラルタル連合軍が集結する模様だと伝える。

イギリス国民は戦況を状況を注意深く見守る。

司令部は今回の戦闘に自信を持ち、ロンメルの援軍は間に合わず、イギリス軍の勝利を予想する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1943年、リビア
ロンメルドイツ・アフリカ軍団イギリス陸軍を追い込みトブルクを占領していた。
イギリス陸軍情報部のアレックス・フォスター大尉は、地中海艦隊の反撃作戦のために、トブルクの沿岸砲破壊の任務を受けて第5コマンド部隊を捜す。
野戦病院を占拠していたドイツ軍のシュレーダー大尉は、捕虜である軍医ターキントン少佐らイギリスの医療隊と患者をトブルクに移送する指示を受けて出発する。
途中、負傷者を装うフォスターを発見したシュレーダーは、隙を見て襲い掛かった敵に指揮権を奪われて置き去りにされる。
患者の中にコマンド部隊のマッケンジー曹長らがいることを知ったフォスターは、トブルクの沿岸砲破壊作戦のことを話し、現地に向かおうとするのだが・・・。
__________

エルヴィン・ロンメル率いるドイツ・アフリカ軍団に占領されたトブルクを奪い返すため、イギリス地中海艦隊の反撃に備えた沿岸砲破壊作戦を描く作品。

多くの名作を残したヘンリー・ハサウェイの晩年の作品であり、既に70歳を過ぎていた彼の力強い演出が見所の戦争映画。

選び抜かれた精鋭が計画を進めるコマンド作戦ではなく、医療隊と患者だったコマンド部隊員を指揮するイギリス情報部の士官らの命懸けの戦いを描く内容に面白味がある。

ユーモアを交えたヘンリー・ハサウェイの演出は軽快で、アクションシーンを含め全く衰えを感じさせない、すさまじい迫力で展開する。

アリゾナのロケが、いかにもアメリカ的なロケーションなのだが、砂漠と海岸線(メキシコ)など、なかなかいい雰囲気を出している。

当然とも言えるが、エルヴィン・ロンメルがドラマに大きく絡んでくる内容は注目で、切手収集家のエピソードなど、英雄として愛された彼の人間性を描く描写も見逃せない。

また、多くのシーンは同じユニバーサル作品の「トブルク戦線」(1967)から流用され、ストーリーも似ている。

主演のリチャード・バートンは、トブルクの沿岸砲破壊作戦の任務を受け、命を懸けて戦うイギリス情報部の大尉を熱演している。

主人公の副官的な存在となり戦いに挑むコマンド部隊の曹長ジョン・コリコス、軍医であるために主人公への協力を拒む堅物のような人物だったが、意外にもユーモアを含めた演技で楽しませてくれるクリントン・グレインエルヴィン・ロンメルを雰囲気ある演技で演じ、いつもながらドイツ軍人が似合うヴォルフガング・プライス、同じくドイツ軍役者として知られる、移送部隊の指揮官カール=オットー・アルベルティイタリア軍司令官の女という役柄の紅一点ダニエル・デ・メッツ、コマンド部隊員ジョン・オーチャードブルック・ウィリアムズグレッグ・マラヴィー、マイケル・サヴァリード、クエーカー教徒であるために戦闘を拒む医療隊員クリストファー・ケリー、イギリス地中海艦隊の司令官ベン・ライトなどが共演している。


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