ヒトラー率いるナチス・ドイツと考古学者によるモーゼの十戒を収めてあると言われるアーク(聖櫃)争奪戦を描く、製作総指揮ジョージ・ルーカス、監督スティーヴン・スピルバーグ、主演ハリソン・フォード、カレン・アレン、ジョン・リス=デイヴィス、デンホルム・エリオット共演によるアクション・アドベンチャー大作。 |
・スティーヴン・スピルバーグ / Steven Spielberg 作品一覧
・ジョージ・ルーカス / George Lucas 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作総指揮
ジョージ・ルーカス
ハワード・カザンジャン
製作:フランク・マーシャル
原案
ジョージ・ルーカス
フィリップ・カウフマン
脚本
ローレンス・カスダン
撮影:ダグラス・スローカム
編集:マイケル・カーン
美術:ノーマン・レイノルズ
視覚効果:リチャード・エドランド他
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演
インディアナ・ジョーンズ:ハリソン・フォード
マリオン・レヴンウッド:カレン・アレン
サラー:ジョン・リス=デイヴィス
マーカス・ブロディ:デンホルム・エリオット
ルネ・ベロック:ポール・フリーマン
ゴブラー:アンソニー・ヒギンズ
アーノルド・トート:ロナルド・レイシー
デートリッヒ大佐:ウォルフ・カーラー
バーランカ:ビック・タブリアン
マスグラブ大佐:ドン・フェローズ
イートン少佐:ウィリアム・フートキンズ
サティポ:アルフレッド・モリーナ
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1981年製作 115分
公開
北米:1981年6月12日
日本:1981年12月19日
製作費 $18,000,000
北米興行収入 $245,034,360
世界 $384,140,450
■ アカデミー賞 ■
第54回アカデミー賞
・受賞
編集・美術・録音・視覚効果・特別賞
・ノミネート
作品・監督・撮影・作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1936年、南米、ペルーのジャングル。
著名な古学者インディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は、ガイドのサティポ(アルフレッド・モリーナ)らと古代の寺院に侵入して黄金像を手に入れる。
その後、サティポはジョーンズを裏切ろうとして、遺跡の罠にはまり命を落とす。
しかし、宿敵の考古学者ルネ・ベロック(ポール・フリーマン)に像を奪われてしまい、ジョーンズは隙をみて逃亡する。
大学に戻ったジョーンズは、同僚マーカス・ブロディ(デンホルム・エリオット)に、陸軍情報局の局員が面会に来ていることを知らされる。 ヨーロッパで勢力を増しつつあるヒトラーは、オカルト好きが高じて、あるものを手に入れようとしていた。 それを保持できる者は、無敵の軍隊を持つことができるという、モーゼの十戒を収めてあると言われるアーク(聖櫃)が目的の品物だった。 ナチスのアーク発見を阻止すべく、ジョーンズは軍の資金援助を受けて、アークの眠る場所”タニス”発掘研究の第一人者レヴンウッドを捜しにネパールへと旅立つ。 ネパールに着いたジョーンズは、レヴンウッドが亡くなったことを、彼の娘で元恋人のマリオン(カレン・アレン)から知らされる。 そしてジョーンズは、タニス発見の鍵になる”メダアリオン”を彼女が手に入れたことを知る。 ナチス・ゲシュタポの情報員アーノルド・トート(ロナルド・レイシー)は、アメリカからジョーンズを追っていた。 マリオンの元に現れたトートは、メダリオンを奪おうとするものの、彼女はジョーンズに助けられて、二人はカイロに飛ぶ。 ジョーンズとマリオンは、カイロの友人サラー(ジョン・リス=デイヴィス)と合流して、ナチスが、ベロックを抱き込みタニスを発掘していることを知る。 アメリカ出発前に、ジョーンズはマーカスにも言われたのだが、サラーも、”アーク”は人が触れてはいけないものではないのかと警告する。 なおもナチスに追われるジョーンズだったが、マリオンが連れ去られて事故死してしまう。 失意のジョーンズは、ベロックの元に連れて行かれるがサラーに救われる。 ナチスが、情報不足で間違った場所を発掘していることを知ったジョーンズは、メダリオンの両面の文字を参考にして、アークがある正確な場所を突き止める。 発掘場所を特定したジョーンズとサラーは、死んだはずのマリオンが、ナチスに捕らえられていることを知る。 しかし、騒ぎを起こすのを避けて、マリオンをそのままにして、ジョーンズは発掘を始める。 ネパールで、トートが焼けたメダリオンを手にした時、その片面だけが手に焼印され、それを参考にナチスは作業を進めていたため、発掘場所を誤っていたのだ。 アークのある、神殿の入り口を掘り起こしたジョーンズは、彼の嫌いな蛇が、床一面にいることを知り悪戦苦闘する。 その頃、ベロックはマリオンに食事とドレスを与え、彼女を口説こうとする。 酒の強いマリオンは、ベロックを酔わせて逃げようとするが、トートが現れて彼女は逃亡を阻止される。 ジョーンズとサラーは、ついにアークを手に入れるが、それをベロックに気づかれてしまう。 そしてジョーンズは、マリオンと神殿に閉じ込められ、アークは奪われてしまう。 内部壁面に空洞があることに気づいたジョーンズは、彫像を倒して壁を壊し神殿から脱出する。 二人は、サラーの助けを借りてイギリスへの脱出を考え、ジョーンズは、ナチスが運び出したアークを追う。 ジョーンズは、アークを運ぶトラックに馬で追いつき、それを奪い、カイロ住民の協力でベロックらを振り切る。 アークを奪い返したジョーンズは、マリオンと貨物船でイギリスに向かうためサラーに別れを告げる。 しかし、貨物船はナチスのUボートに発見され、アークは再び奪われてしまう。 マリオンはベロックらに連れ去られ、貨物船に隠れていたジョーンズは、Uボートに潜んで東南アジアの孤島へと向かう。 ベロックは、中を調べずにアークをこのままヒトラーの元に運ぶわけにはいかないと主張し、ユダヤの儀式に則り、アークの内部を調べる準備を始める。 その後ジョーンズは、ロケット弾でアークを狙いマリオンを助けようとするが、考古学者の心理をついた、ベロックの言葉に負けて捕らえられてしまう。 そして、夜となり儀式が始まり、アークの蓋は開けられたが、中はただの砂だった。 その瞬間、閃光が走り、アークから幽体が出現し、それを目撃していたベロックらは、一瞬にして炎に包まれてしまう。 拘束されて、目を閉じていたジョーンズとマリオンは難を逃れる。 帰国したジョーンズは、マーカスと共に、アークの行方を陸軍情報局に尋ねるが局側は白を切る。 その後、アークの解明を果たせなかったジョーンズは、不満をぶつけるもののマリオンに励まされる。 そして、アークは極秘物件として、政府の巨大倉庫に保管されてしまう。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981)
・インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984)
・インディ・ジョーンズ/最後の聖戦(1989)
・インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008)
*(簡略ストー リー)
世界支配を考えるナチス・ドイツを率いるヒトラーが、モーゼの十戒を収めてあると言われるアーク<聖櫃>を手に入れようとしていた。
それを阻止することを、陸軍情報局から依頼された考古学者インディアナ・ジョーンズは、アークの眠る場所である、”タニス”発掘の手がかりを求めてネパールに向う。
アークの場所を示すメダリオンを見つけていた、元恋人マリオンと再会したジョーンズは、その後、ナチスの襲撃を逃れてカイロに向う。
しかし、マリオンはナチスに捕らえられて死亡し、失意のジョーンズは、現地の協力者サラーの手助けでアークを見つける。
後一歩のところでジョーンズは、アークの発掘を、ナチスの協力者でライバルの考古学者ベロックに見つかってしまう。
そして、アークをベロックに奪われたジョーンズは、生きていたマリオンと共に神殿に閉じ込められてしまう・・・。
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スティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカスの黄金コンビ作品として公開され、全世界で約3億8400万ドルの大ヒットを記録した、アドベンチャー映画の傑作。
シリーズ化されることになる記念すべき第1作。
ノンストップで繰り広げられるアクション、ヒトラーのオカルト好きをヒントに入念に練り上げられた見応えあるストーリー展開、ハリウッドに、新たなスタイルを登場させた、スピルバーグとルーカスの才能は、映画史上に残る傑作を完成させた。
多少ご都合主義的ところはあるが、そのあたりも、往年の冒険活劇を思い起こし、気にはならない。
第54回アカデミー賞では、編集、美術、録音、視覚効果、特別賞(音響編集)を受賞した。
・ノミネート
作品・監督・撮影・作曲賞
1999年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
「スター・ウォーズ」(1977)などの出演で、トップ・スターの道を歩み始めていたハリソン・フォードは、たまたま回ってきたこの役をきっかけに、ハリウッドを代表するスターの仲間入りを果たし、人間味溢れる主人公を好演している。
ヒロインを演じるカレン・アレンの、見かけは華奢だが、主人公をも圧倒する豪快な演技見ものだ。
大学の同僚デンホルム・エリオットやカイロの協力者ジョン・リス=デイヴィスも、ドラマにアクセントを与える重要な役で登場し、両者共に愛嬌がありいい味を出している。
主人公のライバルで強かな考古学者ポール・フリーマン、ナチスの情報員ロナルド・レイシー、同じく大佐ウォルフ・カーラー、などが共演している。
本作がデビュー作となる、今では名脇役として大活躍するアルフレッド・モリーナは、出番は少ないが、当時、妙に印象に残ったことを思い出す。
次回作「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」(1984)で視覚効果を担当するデニス・ミューレンが、主人公ジョーンズを追う、ナチスの情報員として飛行艇に乗るシーンで登場する。
スピルバーグとルーカスの作品と言えばこの人、音楽担当ジョン・ウィリアムズの、力強くテンポの良い主題曲も素晴しい。
本作には様々な裏話があり、一歩間違えたら駄作に終わっていたかもしれない。
「スター・ウォーズ」(1977)の失敗を恐れ、ハワイに逃れていたルーカスが、「未知との遭遇」(1977)の撮影を終えて休暇滞在中のスピルバーグと練った企画が本作となったのだが、お互い次回作の予定があり、先延ばしになってしまった。
当初の主役はトム・セレックが予定されていたのだが、当時の人気TVドラマ「マグナムP.I.」が放映開始されて彼に断られ、何人かの候補を経てハリソン・フォードに決まった。
マリオン役はデブラ・ウィンガーが候補にあがるが、演技派のプライドから彼女に断られ、当時のスピルバーグの交際相手エイミー・アーヴィングも候補だった。