1975年に発表された、E・L・ドクトロウの小説”Ragtime”を基に製作された作品。 20世紀初頭のニューヨークを舞台に様々な人種の人々が繰り広げる人間模様を描く、製作ディノ・デ・ラウレンティス、監督ミロシュ・フォアマン、出演ジェームズ・キャグニー、ブラッド・ドゥーリフ、モーゼス・ガン、エリザベス・マクガヴァン、マンディ・パティンキン、ジェームズ・オルソン、メアリー・スティーンバージェン、デビー・アレン、ドナルド・オコーナー、ジェフ・ダニエルズ、ジャック・ニコルソン,サミュエル・L・ジャクソン他共演のドラマ。 |
・ドラマ
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ミロシュ・フォアマン
製作:ディノ・デ・ラウレンティス
製作総指揮
マイケル・ハウスマン
バーナード・ウィリアムス
原作:E・L・ドクトロウ”Ragtime”
脚本:マイケル・ウェラー
撮影:ミロスラフ・オンドリチェク
編集
アン・V・コーツ
アントニー・ギブス
スタンリー・ウォーナウ
衣装デザイン:アンナ・ヒル・ジョンストン
美術・装置
ジョン・グレイスマーク
パトリシア・フォン・ブランデンスタイン
トニー・リーディング
ジョージ・デティッタSr.
ジョージ・デチィッタJr.
ピーター・ヒューイット
音楽:ランディ・ニューマン
出演
ラインランダー・ウォルド:ジェームズ・キャグニー
弟:ブラッド・ドゥーリフ
ブッカー・T・ワシントン:モーゼス・ガン
エヴリン・ネスビット・ソウ:エリザベス・マクガヴァン
ウィリー・コンクリン消防団長:ケネス・マクミラン
デルマス:パット・オブライエン
エヴリンのダンス・インストラクター:ドナルド・オコーナー
父:ジェームズ・オルソン
ターテ:マンディ・パティンキン
コールハウス・ウォーカーJr.:ハワード・E・ロリンズJr.
母:メアリー・スティーンバージェン
サラ:デビー・アレン
ハリー・フーディーニ:ジェフリー・デマン
ハリー・ケンドール・ソウ:ロバート・ジョイ
スタンフォード・ホワイト:ノーマン・メイラー
祖父:エドウィン・クーパー
P・C・オドネル:ジェフ・ダニエルズ
マーメ:フラン・ドレシャー
ギャング:フランキー・フェイソン
判事:アラン・ギフォード
株式リポーター:リチャード・オールドフィールド
デルマスのアシスタント:リチャード・グリフィス
デルマスのアシスタント:ビリー・J・ミッチェル
バンドリーダー:ジョージ・ハリス
ギャング:サミュエル・L・ジャクソン
リポーター:マイケル・ジェッター
警官:アンドレアス・カツーラス
警官:ジョン・ラッツェンバーガー
ギャング:カルヴィン・レヴェルズ
ハリーの母親:ベッシー・ラヴ
警部:クリストファー・マルコム
名射手:スチュアート・ミリガン
マネージャー:ザック・ノーマン
警官:イーサン・フィリップス
舞台監督:バリー・デンネン
浜辺で海賊を演ずる役者:ジャック・ニコルソン
チャールズ・W・フェアバンクス副大統領:トーマス・A・カーリン
老人:ロバート・ヘンダーソン
弁護士:テッド・ロス
ミュラー医師:ロン・ウェヤンド
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1981年製作 155分
公開
北米:1981年11月20日
日本:1983年1月22日
製作費 $32,000,000
北米興行収入 $11,099,120
■ アカデミー賞 ■
第54回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(ハワード・E・ロリンズJr.)
助演女優(エリザベス・マクガヴァン)
脚色・美術・撮影・衣裳デザイン・作曲・歌曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
20世紀初頭、ニューヨーク。
ピアニストのコールハウス・ウォーカーJr.(ハワード・E・ロリンズJr.)は、社会の様子を伝えるサイレント映画の伴奏をする。
セオドア・ルーズベルト大統領は、著名な教育者であるブッカー・T・ワシントン(モーゼス・ガン)と会食をした。
大統領が黒人と会食するのは、これが初めてだった。
”脱出王”として知られる奇術師ハリー・フーディーニ(ジェフリー・デマン)は、全国ツアーに母親を同行させた。 マディソン・スクエア・タワー。 エヴリンの夫ハリー・ケンドール・ソウ(ロバート・ジョイ)は納得できず、像の設計者である建築家スタンフォード・ホワイト(ノーマン・メイラー)の屋敷に向かう。 パーティーを開いていたホワイトは騒ぎに気づき、会場のドアを破って押し入ってきたハリーから、踊り子を手玉に取ったことを非難される。 ハリーから、警察に全てを話すと言われたホワイトは、その場にいた警視総監のラインランダー・ウォルド(ジェームズ・キャグニー)がいることを知らせる。 ニューロシェル。 使用人が裏庭で叫び声を上げたため、夫らはその場に向かい、生まれたばかりの黒人の男の子を見つけて驚く。 ミュラー医師(ロン・ウェヤンド)やマクニール警部が家に呼ばれ、子供の健康が確認される。 そこに、付近に隠れていた黒人女性サラ(デビー・アレン)が警官に連れて来られ、マクニールに訊かれても何も話さない彼女は、ミュラー医師の診察を受けることになる。 サラは刑務所に入り子供は施設に預けられると言うマクニールは、ミューラー医師から、彼女に出産の痕跡があったことを知らされる。 子供と離されるサラを気の毒に思った妻は、彼女を預かれば状況が変わるかマクニールに質問する。 夫から論外な話だと言われた妻は、彼を説得する。 弁護士デルマス(パット・オブライエン)のアシスタント(リチャード・グリフィス/ビリー・J・ミッチェル)に相談したハリーは、ホワイトに恥をかかされたために激怒し、像を下ろす方法を考える。 マディソン・スクエア・ガーデン。 頭部を撃たれたホワイトは倒れてその場は騒然となり、ハリーは現れた警官に拳銃を渡す。 エヴリンは連行されるハリーを追い、劇場にいた弟は、その様子を見ていた。 国外にいたハリーの母親(ベッシー・ラヴ)は、息子が出廷するために帰国する。 弁護士のデルマスは、自分を鞭打ったことがあり異常だと言うエヴリンと、息子は正常だと言うハリーの母親の話を聞く。 デルマスは、ハリーが事件を引き起こした時には、心神喪失だったと伝える。 それを否定する母親にデルマスは、その場合は、ハリーは第一級殺人罪に問われると伝えて理解してもらおうとする。 結婚前にはハリーはまともであり、エヴリンだけが汚点だと決めつける母親は、エヴリンと二人だけで話したいとレルマスから言われたため席を外す。 自分達に協力すればそれなりの額を支払うとエヴリンに伝えたデルマスは、ハリーと離婚できることも知らせる。 離婚する気はなかったエヴリンだったが、提供額が100万ドルだと知らされて驚き納得する。 証言台に立ったエヴリンは、ハリーが自分を馬用の鞭で打ったことなどを話す。 傍聴席にいた弟は、法廷を出たエヴリンの後をつける。 ユダヤ人街で事故に遭遇して車を降りたエヴリンは、切り絵アーティストのターテ(マンディ・パティンキン)から声をかけられる。 モデルになったエヴリンは、ターテが娘を縄で自分とつないでいることを疑問に思い、浚われないようにしていると言われる。 ある男から妻のマーメ(フラン・ドレシャー)が浮気していることを知らされたターテは、エヴリンに娘を見ていてもらう。 浮気現場に向かい男を追い払ったターテは、娘を連れて家に向かい、マーメの衣類を窓から投げ捨ててしまう。 ターテを非難するマーメは路上で争いになり、その場にいた人々に制止される。 定職に就くことを考えたコールハウスは、バンドリーダー(ジョージ・ハリス)に認められてメンバーとなる。 娘と共にニューヨークを去ったターテは、あるおもちゃ店の店主に手作りの”フリップ・ブック”を見せて、それを販売してもらえることになる。 ターテの家を訪ねたエヴリンは彼が去ったことを知り、その場に現れた弟に気づき驚く。 警戒するエヴリンに、ビジネスマンであり花火のデザイナーだと伝えた弟は、義兄の会社を継ぐことを伝えて名刺を渡す。 時間があれば誘いたいと言うわれたエヴリンは、それを承諾して弟と出かけることになる。 3日も家を空けて職場にも来ない弟のことを気にしながら食卓に着いた夫は、妻から心配いらないと言われる。 訪ねて来たコールハウスから、サラがいると聞いたと言われた夫は、彼女に言伝を伝えるので裏口で待つようにと指示する。 サラにコールハウスのことを伝えた夫だったが、話したくないと言われる。 家に入って子供を抱いていたコールハウスに驚く夫は、自分の子だと言われて驚き、サラは話したくないようだと伝える。 とりあえず、その日は帰ることにしたコールハウスは、また来るとサラに伝えてほしいと言ってその場を去る。 判決は下され、陪審員は、被告のハリーは心神喪失状態にあり第一級殺人には相当しないと判断する。 判事(アラン・ギフォード)は、精神医療施設での治療義務をハリーに言い渡し、自分は正常だと訴える彼の意見を聞き入れずに閉廷する。 時の人となったエヴリンを芸人として売り出そうとしたマネージャー(ザック・ノーマン)は、彼女にダンスのインストラクター(ドナルド・オコーナー)とエージェントを紹介する。 帰宅したエヴリンは、惹かれ合うようになっていた弟を部屋に招き入れ、彼から、マネージャーらを警戒するようにと言われる。 全裸になったエヴリンは弟に抱きつき、その場に現れたデルマスのアシスタントは、彼女に書類を渡してサインを求める。 ハリーとの離婚の報酬が2万5000ドルだったために驚いたエヴリンは、100万ドルの約束であったことを確認する。 不倫をしている状況では事情も変わり、ハリーの母親が訴えれば不利になるため、2万5000ドルで手を打つべきだと言われたエヴリンは納得できない。 断れば全てを失うと言われたエヴリンは、仕方なくサインして現金を受け取る。 対抗すべきだと言う弟は、義兄に紹介するのでディナーに招待するとエヴリンに伝える。 結局エヴリンは現れず、食卓に着いた家族は食事を始めようとする。 そこにコールハウスが現れ、客間に通された彼が勝手にピアノを弾いたために、演奏をやめさた夫は話をする。 サラを呼びに行った妻は、コールハウスに会おうとしない彼女から、調子のいいだけで口ばかりの男だと言われる。 サラと結婚する気はあるが、できる状態ではなかったと話すコールハウスは、弟からピアノの演奏を聴いてみたいと言われたために、別の機会にと伝える。 夫から楽譜が読めないのではないかと言われたコールハウスが、読めるが白人は信じないと答えたため、弟は思わず笑ってしまう。 見事なピアノの演奏を始めたコールハウスに、夫と妻そして弟は感心する。 サラの元に向かったコールハウスは、彼女と抱き合う。 食卓に戻ったコールハウスは、週末の結婚式に招待したいことを皆に伝え、喜びで感激しながらその場を去る。 ダンスのレッスンを始めたエヴリンの元に向かった弟は、引っ越したことも知らせず招待も無視した彼女を責める。 マネージャーとエージェントに呼ばれたエヴリンはレッスンを再開し、弟は追い払われる。 ”T型フォード”の新車に乗り町を走るコールハウスは、消防団の詰め所の前で団員に道を塞がれ、消防署長のウィリー・コンクリン(ケネス・マクミラン)らに嫌がらせを受ける。 通りにいた警官のP・C・オドネル(ジェフ・ダニエルズ)に話しをして戻ったコールハウスは、道は空けてあったが、車の運転席に糞があることに気づく。 それをオドネルに伝えたコールハウスは、コンクリンらに掃除をさせようとする。 オドネルに説明を求められたコンクリンは、コールハウスが車を停めたのが悪いと言い張る。 それを否定するコールハウスに言い寄るコンクリンは団員に制止され、オドネルは事態を鎮めようとする。 オドネルから、たいした話でもないので、妥協して自分で掃除し引き揚げるようにと言われたコールハウスだったが、納得できない。 コールハウスは逮捕されてしまい、その連絡を受けた夫は警察署に向かい、保釈金を払って彼を釈放させる。 詰め所まで送ったもらったコールハウスは、車が壊されていたために驚き、夫の話も聞かずに、仕事があると伝えてその場を去る。 弁護士(テッド・ロス)に相談したコールハウスは、白人との揉め事に関わるなと忠告される。 その後も様々な人物に合い、あらゆる法的手段を考えて対抗しようとしたコールハウスだったが、解決策は見つからなかった。 コールハウスを助ける法的手段がないため、サラに彼を説得してほしいと伝えた夫だったが、弟から、時間や費用はかかるが手段がないわけではないと言われる。 弟の話を聞く気はない夫は、バカげたことはやめて結婚すれば、車の修繕費は払うとコールハウスに伝えるようサラに指示する。 コールハウスは絶対に納得しないと伝えたサラは、夫から、それならば自分の責任で解決しろと言われる。 遊説で訪れたチャールズ・W・フェアバンクス副大統領(トーマス・A・カーリン)に直訴しようとしたサラは、民衆の中で彼に話しかけようとして、警官に殴られてしまう。 家に運ばれてミュラー医師の診察を受けた重傷のサラは、現れたコールハウスに、自分の声を大統領に届けたことを伝える。 陳情はできなかったと言うサラは、コールハウスに手紙を書いてほしいと伝えて、結婚式のことを話す。 サラは息を引き取り、悲しみの中で、コールハウスは彼女の葬儀を行う。 その後、ギャングを雇ったコールハウスは、消防署を襲撃して団員の何人かを殺害しコンクリンを捜す。 マクニール警部はコールハウスからの手紙を受け取り、コンクリンを裁き、車を元の状態に戻し、要求をのむなら新聞に告示するようにという内容だった。 更に、要求を拒むなら別の詰め所を襲い消防団員を殺すと書かれていたことを知ったコンクリンは、コールハウスと面識はあることを認め、車の糞と壊された事実があると警察側から言われる。 コールハウスが行ったことは犯罪であるため、捕らえる義務があるマクニールは、コンクリンをおとりにしようとする。 子供を預かる夫と妻と話したマクニールは、コールハウスが現れる可能性があるため、家を警護することを伝える。 そのことを彼に知らせようとした弟は、コールハウスを捜そうとする。 ハーレムからの通報でコールハウスを捜す者がいたことを知った夫は、弟を追求する。 弟がそれを認めたため、事の重要さが分かっていないと伝えた夫は、二度としないことを約束させる。 コールハウスの隠れ家に向かった弟は、息子は我が家にいて警察が監視していることを知らせる。 花火師の弟が爆弾を作れることを知ったコールハウスは、それに興味を示す。 その後、爆弾を使った襲撃事件が起き、騒ぎが拡大する中、夫は家を離れることを妻に提案する。 準備を整えたコールハウスらは、”モルガン・ライブラリー”を占拠する。 アトランティック・シティ。 その場にいた息子を連れて行こうとした妻は、ターテから声をかけられて挨拶し夫を紹介する。 撮影の後で行われるパーティーに誘われた夫妻は、エヴリンを紹介される。 ”モルガン・ライブラリー”。 メガホンで犯人に話しかけたウォルドは、何かを投げられたために警官が警戒する。 17世紀の酒杯だと館長から知らされたウォルドは、それを回収させる。 その中に入っていたのが館長の内線番号だったために、ウォルドはそこに電話をかける。 犯人と話したウォルドは、要求は車を元に戻し、死んだサラへの償いを消防団長のコンクリンにさせることだと言われ、相手がコールハウスだと分かる。 猶予は48時間で、図書館全体に爆弾を仕掛けてあると言われて電話を切られたウォルドは、ニューロシェルの署長とライブラリーの図面を用意し、民兵の派遣を要請するよう指示する。 更にウォルドは、交渉に備えて黒人の大物とコンクリンを呼ぶよう命ずる。 現れたワシントンに交渉を頼んだウォルドは、ライブラリーに向かう彼を見守る ワシントンを迎え入れたコールハウスは、尊敬していることを伝え、仕方がなくしたことだと話す。 今回の行為は、黒人の歩みを後退させたと嘆くワシントンは、コールハウスから、あらゆる法的手段をとりながら侮辱され続け、息子を産んでくれた女性は死んだと言われる。 コールハウスは、投降することを提案するワシントンに、建物の前まで自分の車を届けさせ、コンクリンを裁かせるのなら、それに従うことを伝える。 報復で解決できるという考えは間違っていると伝えたワシントンは、更なる報復を招くだけであり、自分は尊厳と愛で立ち向かうと言ってコールハウスを説得する。 思わず笑ってしまったコールハウスは、サラにその言葉を聞かせたかったと言いながら、自分達はまだ生きていると伝える。 説得できなかったワシントンは、地獄を見ることになるとコールハウスに伝えてその場を去る。 夜になり、梯子を使った警官隊は建物の屋上から侵入を試みるが、爆発が起きる。 アトランティック・シティ。 現れた警官から、コールハウスの息子を警察が預かりたいと言われた夫は、妻にそのことを伝える。 正当な理由がないためにそれを拒む妻を説得できない夫は、ニューロシェルに戻ることを伝えるが、自分を独りにしないでほしいと言われる。 翌朝、逮捕されてウォルドの元に連れて行かれたコンクリンは、コールハウスを説得するよう命ぜられる。 失敗すれば殺されるだろうとコンクリンに伝えたウォルドは、コールハウスに電話をして、コンクリンと話をさせる。 コンクリンのバカげた話を聞く気になれないコールハウスは、ウォルドと電話を代わり、彼を来させるようにと伝える。 嫌がるコンクリンを連れて行かせたウォルドは、現れた夫にコールハウスと話をさせて、二人は会うことになる。 電話を切ったコールハウスは、その場にいた弟に義兄だったと伝える。 コールハウスに会った夫は、義兄からの連絡があったかを尋ね、それが用件だったのかと訊かれ、ある意味ではそうだと答える。 弟には会っていないが、ウォルドには決心したと伝えてほしいと言うコールハウスは、仲間の自由と引き換えに交渉に応じる考えがあることを話す。 自分の車をライブラリーの正面につけさせて、暗くいなり次第、仲間が脱出し、尾行もなく安全が確保されたら投降するとコールハウスは夫に伝える。 それをウォルドに伝えることを約束した夫は、その場を去る。 仲間達から見捨てないと言われたコールハウスだったが、別の手があることを匂わせる。 死を選ぶと思われるコールハウスの要求をのむ気はないウォルドは、彼を信用する夫は、話に裏は感じられなかったと伝えるものの、意見は聞き入れられない。 自分が向かい、コールハウスが投降するまでその場にいれば、彼が約束を守ることが分かると言う夫は、ウォルドから、そこまで信用する理由を問われる。 行動は責任感に欠けているが一貫したものがあり、高潔さも感じると言う夫は、コールハウスが望んでいることは世に知らしめることで、死んでしまえば意味がないと伝える。 法廷に持ち込むのが目的でないかと言われたウォルドは、コールハウスに電話をして、条件はのむが、投降まで付添をつけると伝えて納得させる。 ウォルドは、民兵を下げて待機させ、同型の新車を用意するよう命ずる。 妻に電話をした夫は、今朝ホテルを発ったことを知る。 夜になり、車は用意されて、夫はライブラリーに向かう。 自分を置き去りのできないと言う仲間達を説得したコールハウスは、彼らを車に向かわせる。 男達を乗せた車は走り去り、ウォルドらはその様子を見守る。 現状を考えると絶望的だとコールハウスに伝えた夫は、自分を生かして返すつもりがあるのかを尋ねる。 車は仲間達を降ろした弟が運転していたために怪しまれず、警察はその車だと気づかなかったため、見失ったことがウォルドに知らされる。 仲間達からの連絡を受けたコールハウスは、尾行がないことを確認し、自分は大丈夫なので用心するようにと伝える。 投降するべきではないかと言われたコールハウスは、後から行くので先に向かうようにと夫に伝え、彼がそれを拒むために怒鳴って追い払う。 考えた末に建物から出たコールハウスは、配備されていた狙撃手に射殺される。 その後、夫は、息子やコールハウスの子供と共にターテと暮らすために家を出る妻を見守る。 ハリーは、精神医療施設を退院する。
...全てを見る(結末あり)
裸婦像の除幕式が行われ、エヴリン・ネスビット・ソウ(エリザベス・マクガヴァン)は、像のモデルであることを否定する。
郊外に住む工場の経営者である夫(ジェームズ・オルソン)と共に平穏に暮らす妻(メアリー・スティーンバージェン)は、工場の共同経営者である彼女の弟(ブラッド・ドゥーリフ)、祖父(エドウィン・クーパー)そして息子と共に食卓に着いていた。
ショー(演ずるのはドナルド・オコーナー)を観ていたエヴリンとハリーは、ホワイトが現れたことに気づく。
映画監督になっていたターテは、海岸でエヴリンの撮影を行っていた。
建物を包囲したことを知らされた警視総監のウォルドは、損害を気にするエリオット館長に、犯人と交渉するよう指示するものの、それを拒まれる。
同じ頃、クランクアップを祝うパーティーが盛大に開かれ、挨拶を終えたターテは、妻を誘ってダンスをする。
■ 解説 評価 感想 ■
(簡略ストー リー)
20世紀初頭、ニューヨーク
妻エヴリン・ネスビット・ソウが”マディソン・スクエア・タワー”の裸婦像のモデルにされたために激怒した夫のハリーは、設計者である著名な建築家スタンフォード・ホワイトを殺害してしまう。
ハリーの心神喪失状態を証言すれば、離婚と共に100万ドルの報酬を提供すると言われたエヴリンは弁護士の指示に従い、夫は無罪となり精神医療施設に入れられる。
黒人ピアニストのコールハウスはバンドメンバーとなり、定職に就けたことで恋人のサラを捜す。
生まれた子供と共にニューロシェルの一家に世話になっていたサラと再会したコールハウスは、彼女との結婚を決意する。
ところが、消防団員の嫌がらせを受けたコールハウスは、自分に対する白人の理不尽な対応に納得できず、あらゆる法的手段で対抗しようとしたため、結婚どころではなくなってしまう。
周囲の説得を聞かないコールハウスは、遊説中のフェアバンクス副大統領に直談判しようとしたサラが傷つけられて死亡したため、ギャングと共に強硬手段に出る。
消防団の詰め所を襲ったコールハウスらは、爆弾を用意して”モルガン・ライブラリー”を占拠し、事件の指揮を執る警視総監のラインランダー・ウォルドは、彼らと交渉を始めるのだが・・・。
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製作はディノ・デ・ラウレンティスで、「カッコーの巣の上で」(1975)でアカデミー賞の主要部門を独占して世界的な評価を得たミロシュ・フォアマンが、「ヘアー」(1979)に続き監督した話題作。
20世紀初頭の激動の時代のニューヨークを舞台に、様々な人種が繰り広げる人間模様を描く、ミロシュ・フォアマンの骨太な演出が見どころの作品。
ジェームズ・キャグニーをはじめ、ハリウッドの全盛期を支えた大物スターの出演などもファンには嬉しい作品であり、事実などを基にしてノスタルジックな雰囲気で展開する興味深い作品に仕上がっている。
第54回アカデミー賞では8部門に、ゴールデングローブ賞でも7部門にノミネートされた。
*第54回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(ハワード・E・ロリンズJr.)
助演女優(エリザベス・マクガヴァン)
脚色・美術・撮影・衣裳デザイン・作曲・歌曲賞
主演が特定されている作品ではないが、ドラマの内容からすると、悲運のピアニストを演じたハワード・E・ロリンズJr.が全編を通した主人公と言っていい存在で、彼と共にアカデミー助演賞候補になった、エヴリン・ネスビット・ソウ役のエリザベス・マクガヴァンや、ニューロシェルの一家の弟役のブラッド・ドゥーリフの好演が光る。
20世紀を代表する大スターである、警視総監のラインランダー・ウォルドを演ずるジェームズ・キャグニーは、”モルガン・ライブラリー”占拠事件の指揮を執る役で、終盤、圧倒的な存在感を示している。
*実は、ラインランダー・ウォルドは警視総監時代はまだ30代だった。
ジェームズ・キャグニーと弁護士役のパット・オブライエンは、本作が遺作となった。
友情出演とも言えるジャック・ニコルソンが、浜辺で海賊を演ずる役者役で登場するのに気づいた方は、かなりの映画通だ。
著名な教育者であるブッカー・T・ワシントンのモーゼス・ガン、黒人を差別する消防団長のケネス・マクミラン、エヴリンのダンス・インストラクターのドナルド・オコーナー、ニューロシェルの一家の主人ジェームズ・オルソン、その妻メアリー・スティーンバージェン、祖父エドウィン・クーパー、一家に世話になる黒人女性デビー・アレン、路上の切り絵アーティストから映画監督になるマンディ・パティンキン、その妻フラン・ドレシャー、ハリー・フーディーニのジェフリー・デマン、著名な建築家スタンフォード・ホワイト(ノーマン・メイラー)を殺害するハリー・ケンドール・ソウのロバート・ジョイ、その母親ベッシー・ラヴ、警官のジェフ・ダニエルズ、ギャングのフランキー・フェイソン、サミュエル・L・ジャクソン、カルヴィン・レヴェルズ、判事のアラン・ギフォード、株式リポーターのリチャード・オールドフィールド、弁護士(パット・オブライエン)のアシスタント、リチャード・グリフィスとビリー・J・ミッチェル、バンドリーダーのジョージ・ハリス、リポーターのマイケル・ジェッター、警官のアンドレアス・カツーラスとジョン・ラッツェンバーガー、警部のクリストファー・マルコム、名射手のスチュアート・ミリガン、エヴリンのマネージャー、ザック・ノーマン、ニューロシェルの一家を警護する警官イーサン・フィリップス、舞台監督バリー・デンネン、チャールズ・W・フェアバンクス副大統領のトーマス・A・カーリン、黒人の弁護士テッド・ロス、ニューロシェルの一家の主治医ロン・ウェヤンドなどが共演している。