1999年、ロンドンのウエストエンドで上演されたロナルド・ハーウッドの戯曲”Quartet”を基に製作された作品。 音楽家として名を残した人々が暮らすホームで施設の存続のためにカルテットを再結成させようとする姿を描く、監督ダスティン・ホフマン、出演マギー・スミス、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリーン・コリンズ、マイケル・ガンボン他共演のヒューマン・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダスティン・ホフマン
製作
フィノラ・ドワイヤー
スチュアート・マッキントン
製作総指揮
ダリオ・ズーター
マルク・シュミットハイニー
クリストフ・ダニエル
原作:ロナルド・ハーウッド”Quartet”
脚本:ロナルド・ハーウッド
撮影:ジョン・デ・ボーマン
編集:バーニー・ピリング
音楽:ダリオ・マリアネッリ
出演
ジーン・ホートン:マギー・スミス
レジナルド“レジー”パジェット:トム・コートネイ
ウィルフレッド“ウィルフ”ボンド:ビリー・コノリー
セシリー“シシー”ロブソン:ポーリーン・コリンズ
セドリック・リビングストン:マイケル・ガンボン
ルーシー・コーガン医師:シェリダン・スミス
ボビー・スワンソン:アンドリュー・サックス
アン・ラングレー:ギネス・ジョーンズ
イギリス 映画
配給
Momentum Pictures(イギリス)
ワインスタイン・カンパニー(北米)
2012年製作 98分
公開
イギリス:2013年1月1日
北米:2013年1月13日
日本:2013年4月19日
製作費 $11,000,000
北米興行収入 $18,390,120
世界 $59,520,300
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
イギリス。
引退した音楽家達が暮らす”ビーチャム・ハウス”は存続の危機にあり、援助資金を集めるためのコンサートを成功させようとして準備を進めていた。
そんな時、大スターであるジーン・ホートン(マギー・スミス)がホームに入居することになる。
ジーンは野心家のエゴイストであり、あることを気にし不安を抱えながらホームに着くが、入居者の歓迎を受けてひとまず安心する。
入居者のレジナルド“レジー”パジェット(トム・コートネイ)、ウィルフレッド“ウィルフ”ボンド(ビリー・コノリー)、セシリー“シシー”ロブソン(ポーリーン・コリンズ)の三人は、かつて自分達とカルテットを組んでいたジーンが新しい入居だということを知る。
レジーは、元妻でもあるジーンの件でルーシー・コーガン医師(シェリダン・スミス)に抗議して、他所のホームを探すことまで考える。 コーガンやウィルフはレジーのことを心配し、ジーンの部屋に向かった痴呆症が進むシシーは気軽に声をかける。 シシーは、若者に講義中のレジーの元にジーンを連れて行く。 レジーはジーンが現れたことで驚き、何の用だと心無い言葉をかけられた彼女はその場を立ち去る。 その後も、レジーに話しかけるジーンだったが、彼は言葉を交わそうとしない。 教会にいたレジーに、出ていけとまで言われたジーンは涙する。 ジーンに歩み寄ったレジーはハンカチを渡すが、許す気のないことを彼女に伝える。 それでも諦めないジーンは、翌日もレジーを散歩に誘い、彼はそれに応じて二人はわずかながら歩み寄る。 4人が揃ったことで、コンサートを企画しているセドリック・リビングストン(マイケル・ガンボン)は、”ヴェルディ”のオペラ”リゴレット”のカルテットを、彼らの出し物にすること考える。 セドリックは、それをレジー、ウィルフ、シシーに伝え、ジーンを説得するよう指示する。 レジーはそれを断るが、ウィルフとシシーに説得され、ジーンを食事に誘うことにする。 シシーはレジーの手紙をジーンに渡し、ウィルフはコーガンに食事の件を話して外出の許可を得る。 食事を楽しもうとした4人だったが、ジーンはガラコンサートでのカルテットの話を聞かされ、歌わないことに決めていると言って気分を害し席を外してしまう。 翌朝、食事をしている三人の元に向かったジーンは、再び不満を訴えてレジーらを罵倒する。 シシーはジーンに気を使うものの、追い払われて取り乱し倒れてしまう。 治療を受けたシシーは、ショックでレジーとウィリフのことを忘れかけてしまう。 後悔したジーンはシシーの様子を見に行き、彼女が眠っていたためにその場を去ろうとする。 ジーンは、静養していたかつて親交のあったフランクから、歌うべきだと説得される。 三人を部屋に呼び謝罪したジーンだったが、歌えないという考えは変わっていなかった。 ジーンは、入居しているライバルであったアン・ラングレー(ギネス・ジョーンズ)が、プッチーニ”プッチーニ”の”トスカ”を歌うと知らされ、それを許せず三人の要望を受け入れる。 その後ジーンはレッスンを始め、コンサートの準備は進み、そして当日を迎える。 コーガンは、”ヴェルディ”の生誕を記念するコンサートの開会挨拶をして企画したセドリックを紹介し、支援の結果、ホームが存続できることを来場者に伝え、希望を与えてくれた入居者に感謝する。 入居者による”ヴェルディ”の”椿姫”の”乾杯の歌”に続き、”プッチーニ”の”Vissi d’arte”(歌に生き、愛に生き)をアンが独唱する。 ジーンはアンの歌声を聴いてそれが気になり、ステージを覗き見る。 出演の直前に、シシーが家に帰ると言い出して動揺し、ジーンが彼女をなだめる。 杖を突いていたジーンは、ウィルフからレジーに支えてもらうことを提案され、彼が自分を愛していることを知らされる。 レジーの姿を見て素敵に思うジーンはそれを伝え、彼は、それならば結婚しようかとつぶやきステージに向かう。 レジーとウィルフは、シシーとジーンを迎えて、来場者から大きな拍手を受ける。 ジーンはレジーが本気なのかを確認し、その場で結婚を承諾して手を取り合う。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
イギリス。
引退した音楽家達が入居する施設“ビーチャム・ハウス”では、存続の危機から施設を救うため、ガラコンサートの企画が進められていた。
レジー、ウィルフ、シシーは、かつてカルテットを組んでいた大スター、ジーン・ホートンが入居したことを知る。
元妻で、野心家でありエゴイストのジーンに裏切られたレジーは、彼女を避けて言葉も交わそうとしない。
ジーンは根気よくレジーに歩み寄り、二人の溝は少しずつではあるが埋まっていく。
そんな時、コンサートを企画したセドリックは、歌うことを止めたジーンをレジーらに説得させて、かつてのカルテットを復活させることを考えるのだが・・・。
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名優ダスティン・ホフマンが、同世代のイギリスを代表する実力派のベテラン俳優を起用して描く作品。
老人達が主人公ではあるが、かつてその名を知られた才能豊かな人々の集う場が舞台ということで、人生に深みが感じられる各個性の描写などが非常に興味深い。
また、ホームの入居者達は実際に音楽家だった人々が演じているところも注目だ。
高齢者が主人公の物語のため、盛り上がりがあるわけでもなく、また感動のドラマというほどでもないが、人生経験豊富な人々の味わいある演技は、心地よい気分で観終わることができる。
プライドは高いものの、過去を悔いながら入居してくる大スターのマギー・スミス、彼女に裏切られたことを根に持つ元夫を好演するトム・コートネイ、女性を追い求める愛すべきキャラクターで、その友人役のビリー・コノリー、同じく友人で痴呆症が進むポーリーン・コリンズ、口うるさいコンサートの企画者マイケル・ガンボン、施設の責任者である医師のシェリダン・スミス、入居者のアンドリュー・サックス、高名なソプラノ歌手ギネス・ジョーンズも主人公のライバルとして入居者で出演している。