プロムの夜に起きる復讐劇を描く、監督ポール・リンチ、主演レスリー・ニールセン、ジェイミー・リー・カーティス、ケイシー・スティーヴンス、エディ・ベントン他共演のホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ポール・リンチ
製作:ピーター・R・シンプソン
原作:ロバート・グザJr.
脚本:ウィリアム・グレイ
撮影:ロバート・C・ニュー
編集:ブライアン・ラヴォック
音楽
カール・ジットラー
ポール・ザザ
出演
ハモンド校長:レスリー・ニールセン
キンバリー”キム”ハモンド:ジェイミー・リー・カーティス
ニック・マクブライド:ケイシー・スティーヴンス
ウェンディ・リチャーズ:エディ・ベントン
アレックス・ハモンド:マイケル・タフ
サイクス:ロバート・A・シルヴァーマン
ヴィッキー:ピタ・オリヴァー
ルー・ファーマー:デヴッド・ムッチ
ドルー・シニック:ジェフ・ウィンコット
ケリー・リンチ:メアリー・ベス・ルーベンス
ジュード・カニンガム:ジョイ・トンプソン
ルー・ファーマー:デヴィッド・ムーチー
マクブライド刑事:ジョージ・トゥリアトス
ハモンド夫人:アントワネット・バウアー
カナダ 映画
配給 AVCO Embassy Pictures
1980年製作 92分
公開
カナダ:1980年9月12日
北米:1980年7月18日
日本:1981年10月17日
製作費 $1,500,000
北米興行収入 $14,796,240
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1974年。
11歳のウェンディ・リチャーズ、ジュード・カニンガム、ケリー・リンチ、ニック・マクブライドは、廃校でかくれんぼをして遊んでいた。
通りがかったキンバリー”キム”ハモンドは、弟アレックスと双子の妹ロビンを連れて家に帰ろうとしていた。
校舎の外の壁にいたニックに気づいた三人は声をかける。
本を忘れたことに気づいたキムはそれを取りに行き、アレックスとロビンは帰ろうとする。
ニックらが何をしているか気になったロビンは、アレックスとは帰らずに廃校に入る。 かくれんぼを邪魔されたことで、ニックらは、ロビンに”殺人鬼”と言言いながら追い回す。 逃げるロビンは、誤って窓から落下してしまう。 ニックは大人に知らせようとするものの、事故に見せかけようとするウェンディは、誰にも話さないことを三人に誓わせる。 4人が逃げ去った後、ロビンの死体を何者かが見つける。 その夜、現場を調べたロビンの父親ハモンド(レスリー・ニールセン)は、変質者の仕業だと考える。 ハモンドは、駆け付けた妻(アントワネット・バウアー)や子供達と共に悲しむ。 6年後。 帰宅後にプロムの話をしたキムは、年上のジュードを誘うことをアレックスに提案する。 その気がないアレックスは、テープ係なのでそんな暇はないとキムに伝える。 アレキサンダー・ハミルトン高校。 車に乗るシーモア”スリック”クレインに声をかけられたジュードは、学校まで送ってもらう。 男からの電話を受けたケリー(メアリー・ベス・ルーベンス)は、”今夜は俺の番だ”と言われたために、直ぐに切ってしまう。 ボーイフレンドのドルー・シニック(ジェフ・ウィンコット)のいたずらだと思ったケリーは、彼が家の中にいたために驚き、怖い電話があったことを伝える。 からかわれたケリーは、ドルーと共に学校に向かう。 刑事である父(ジョージ・トゥリアトス)と共に部屋を出たニック(ケイシー・スティーヴンス)は、かかってきた電話に出なかった。 ニックは、プロムのことでウェンディ(エディ・ベントン)からの電話だろうと父に伝える。 ウェンディとは喧嘩をしていたニックは、今の相手はキムだと父に話ながらアパートを出る。 警察署に向かったマクブライドは、ロビン殺しの容疑者である、精神病院を脱走した男のことについて、当時の担当医フェアチャイルドに尋ねる。 戻ると思うか訊かれたフェアチャイルドは、容疑者が6年前に精神障害で病院に収容されたことしか知らないと話す。 そこに、容疑者が連れ去った看護師が廃校で発見されたという連絡が入り、マクブライドは容疑者が町に戻ったと考える。 電話を受けたウェンディは、”またゲームをやるか?”と訊かれ、ルー・ファーマー(デヴッド・ムッチ)がいたずらしているのだと思いながら学校に向かう。 その後、ウェンディとキスしていたニックから、彼女とは別れたと言われたキムは、ジュードにからかわれる。 廃校で看護師の死体を確認したマクブライドは、同行したフェアチャイルドから、考えられるのは復讐だと言われる。 警察か町全体への復讐が考えられるために、この件は公表しない方がいいと、フェアチャイルドはマクブライドに助言する。 プロムの会場でダンスのことを考えていたキムは、そこに現れたウェンディから、ニックとは今夜までの仲になると言われる。 相手がいるのか訊かれたウェンディは、プロムでニックを取り戻すとキムに伝える。 ランチの時間に、キムに迫るルーに襲い掛かったアレックスは騒ぎを起こし、二人は校長室に連れて行かれる。 ニックを誘うものの断られたウェンディは、校長室に向かうルーに声をかける。 アレックスと共に現れたルーが、何度もトラブルを起こしていることを重く見たハモンドは、無期停学を言い渡して帰宅させる。 ハモンドは、アレックスを保健室に向かわせる。 犯人の心理を探るマクブライドは、次の殺人を犯す前に必ず逮捕しようと考える。 昼休みにニックと海岸に向かったキムは、妹ロビンの命日なので母のことが気になると話す。 生きていればロビンもプロムに出られたと言うキムの辛い思いを察するニックは、6年前の事件のことを思いだして苦悩する。 ルーを誘ってドライブインに向かったウェンディは、ハモンド一家を憎む彼とあることを企む。 キムと共にテニスの練習を終えたヴィッキー(ピタ・オリヴァー)は、サイクスをからかい教師に注意される。 ケリーとシャワーを浴びて更衣室にいたキムは、その場にいたウェンディが気になる。 ウェンディは、自分の写真がロッカーに貼ってあることに気づく。 キムとケリーは何かの音に気づき、鏡が割れていたために驚く。 キムは、割れた鏡の一部がなくなっていることを知り、廊下にいたサイクスを警戒しながら、プロムの準備に向かう。 プロムのキングとクイーンのニックとキムは、リハーサルを始める。 その後、校舎の中の物音が気になるキムは、怖くなりその場を去る。 ロッカーの中の自分の写真と鏡が割れた破片に気づいたジュードは、ケリーから、同じものがあったことを知らされる。 検問の設置を部下から知らされたマクブライドは、高校の周辺を特に警戒するようにと指示する。 妻と共に準備を整えたハモンドは、プロムの会場に向かう。 何者かが、ハモンドの家を監視する。 キムは、迎えに来たニックと出かけようとする。 ウェンディは、仲間と共に現れたルーの車で会場に向かう。 ニックとキムは会場に到着し、ジュードはシーモアと共に現れる。 マクブライドも、校舎内で監視を続ける。 父と踊っていたキムは、ウェンディがルーと共に現れたためにニックの元に向かう。 キムはニックと踊り始めて、皆の注目を集める。 ロッカールームでケリーに迫ったドルーは、拒まれたために、気分を害してその場を去る。 その後、何者かに襲われたケリーは、のどを切られて死亡する。 部下に電話をしたマクブライドは、必ず犯人を捕らえるよう指示する。 シーモアの車で愛し合ったジュードは、森に向かう。 車に戻りマリファナを吸った二人は、何者かに襲われる。 ジュードは刺殺され、車で逃げようとしたシーモアは抵抗するものの、崖から落下して車は大破炎上する。 トイレで化粧を直していたウェンディは、何者かに襲われるものの、その場から逃げて助けを求める。 追われたウェンディは倉庫に隠れるが、ケリーの死体に気づき叫び声をあげる。 その場から逃れようとしたウェンディは、斧で殺される。 80キロも離れた町で、犯人が逮捕されたことを部下から知らされたマクブライドは、安心してプロムの会場に向かう。 式が始まろうとしていたがハモンドの姿が見えず、キムは、マクブライドとニックが連れて来た酔ったサイクスから、殺し屋が逃げたと言われる。 マクブライドがサイクスを外に連れ出し、ニックとキムは式の準備をする。 ウェンディが現れないまま、ルーは仲間と共に計画を実行する。 式は始まり、仲間がニックを叩きのめし奪った王冠を被ったルーは、ステージに向かう準備をする。 背後から襲われたルーは首を刎ねられ、それがステージに転がる。 電線がショートしたため、犯人は倒れ込む。 その場はパニックとなり、生徒達は叫び声をあげて逃げる。 ニックが無事であることを確認したキムは逃げようとするが、犯人に襲われる。 犯人とニックは格闘になり、キムは斧を奪う。 逃げようとする犯人はマクブライドに銃を向けられるが、撃たないでと言うキムが彼に駆け寄る。 アレックスのマスクを外したキムは、弟がロビンの復讐をしようとしたことを知る。 ロビンが落下死した際に、ニックらが去った後で現場にいたのはアレックスだった。 泣きながら息を引き取るアレックスを前に、キムは呆然とする。
...全てを見る(結末あり)
妻と達キム(ジェイミー・リー・カーティス)、アレックス(マイケル・タフ)と共に、命日だったロビンの墓参りをしたハモンドは、悲しみに耐えるしかなかった。
校長である父ハモンドとアレックスと共に登校したキムは、雑用係のサイクス(ロバート・A・シルヴァーマン)を気味悪く思うものの、父から、身元は確かだと言われる。
電話を受けたジュード(ジョイ・トンプソン)は、”プロムで会おう”と言う男からの電話を受けて家を出る。
振り下ろした斧で犯人を傷つけたキムは、マスクをしている相手の目で正体が分かる。
*(簡略ストー リー)
1974年、廃校でかくれんぼをして遊んでいた11歳のウェンディ、ジュード、ケリー、ニックは、現れたロビンに邪魔をされたために追いかける。
ロビンは窓から転落して死亡し、ウェンディは、誰にも話さないことを三人に誓わせる。
6年後、高校生のキムは、両親と弟のアレックスと共に、妹ロビンの命日に墓参りをする。
プロムの当日、ロビン殺害の容疑者が精神病院から脱走していたために警戒態勢が敷かれる中、ウェンディらは不審者からの電話を受ける。
キムにボーイフレンドのニックを奪われたウェンディは、不良少年のルーに協力してもらい二人の仲を裂こうとする。
プロムの準備が進む中で、何者かが電話の予告通り、6年前の事件の復讐を始めようとする・・・。
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プロムの夜に起きる、ある忌まわしい事件の犯人である4人の高校生に対する復讐劇を描くホラー。
”絶叫クイーン”と呼ばれるようになるジェイミー・リー・カーティスの、デビューして間もない作品でもある。
主演はレスリー・ニールセンということになっているのだが、彼の出演は少なく、少女を追い詰めて殺してしまった4人の高校生と、それを知らずに4人と関係するジェイミー・リー・カーティスが物語の主人公と言える。
上記のように”絶叫クイーン”と呼ばれるジェイミー・リー・カーティスの役柄が注目なのだが、彼女が襲われる設定にはなってない物語である。
ややちぐはぐな脚本、B級ホラー的な内容で恐怖感もよく言えば”控え目”なのだが、細かいことは抜きにして、犯人の正体が分かるクライマックスまで、オーソドックスなホラーの要素に加え、ユーモアやお色気なども適度に盛り込まれた、様々な工夫はなされている、その努力は認めてあげたい作品でもある。
幼い娘を失った悲しみの中で家族を支える高校の校長レスリー・ニールセン、その娘で、物語の主人公と言える高校生を魅力的に演ずるジェイミー・リー・カーティス、彼女と付き合う高校生のケイシー・スティーヴンス(主人公の妹を殺してしまった犯人)、彼を主人公に奪われたために復讐を企む、後のマイケル・クライトン夫人エディ・ベントン(主人公の妹を殺してしまった犯人)、主人公の弟で犯人だったマイケル・タフ、高校の雑用係ロバート・A・シルヴァーマン、主人公の親友ピタ・オリヴァー、主人公らを憎む不良少年のデヴッド・ムッチ、かつて主人公の妹を殺してしまった高校生メアリー・ベス・ルーベンス、そのボーイフレンドのジェフ・ウィンコット、主人公の友人ジョイ・トンプソン(主人公の妹を殺してしまった犯人)、ニック(ケイシー・スティーヴンス)の父親である刑事のジョージ・トゥリアトス、主人公の母親アントワネット・バウアーなどが共演している。