愛する娘を誘拐された家族の苦悩と父親の無謀な行動を描く、監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ、主演ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ヴィオラ・デイヴィス、マリア・ベロ、テレンス・ハワード、メリッサ・レオ、ポール・ダノ他共演のミステリー・サスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作
ブロデリック・ジョンソン
キーラ・デイヴィス
アンドリュー・A・コソーヴ
アダム・コルブレナー
製作総指揮
エドワード・L・マクドネル
ジョン・H・スターク
ロビン・マイジンガー
マーク・ウォールバーグ
スティーヴン・レヴィンソン
脚本:アーロン・グジコウスキ
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集
ジョエル・コックス
ゲイリー・D・ローチ
音楽:ヨハン・ヨハンソン
出演
ケラー・ドーヴァー:ヒュー・ジャックマン
ロキ刑事:ジェイク・ギレンホール
ナンシー・バーチ:ヴィオラ・デイヴィス
グレイス・ドーヴァー:マリア・ベロ
フランクリン・バーチ:テレンス・ハワード
ホリー・ジョーンズ:メリッサ・レオ
アレックス・ジョーンズ:ポール・ダノ
ラルフ・ドーヴァー:ディラン・ミネット
イライザ・バーチ:ゾーイ・ソウル
アナ・ドーヴァー:エリン・ゲラシモヴィッチ
ジョイ・バーチ:カイラ=ドリュー・シモンズ
リチャード・オマリー警部:ウェイン・デュヴァル
パトリック・ダン神父:レン・キャリオー
ボブ・テイラー:デヴィッド・ダストマルチャン
ジョーンズ:デニス・クリストファー
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2013年製作 153分
公開
北米:2013年9月20日
日本:2014年5月3日
製作費 $46,000,000
北米興行収入 $61,002,300
世界 $122,126,690
■ アカデミー賞 ■
第86回アカデミー賞
・ノミネート
撮影賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ペンシルベニア州、感謝祭。
田舎町で工務店を営むケラー・ドーヴァー(ヒュー・ジャックマン)は、妻グレイス(マリア・ベロ)と息子のラルフ(ディラン・ミネット)、娘のアナ(エリン・ゲラシモヴィッチ)と共に平穏な日々を送っていた。
近所に住む友人のフランクリン・バーチ(テレンス・ハワード)と妻ナンシー(ヴィオラ・デイヴィス)の家のパーティーに招待されたドーヴァー一家は歓迎される。
ケラーとラルフが仕留めた鹿の肉を調理する間、ラルフとバーチ家の長女イライザ(ゾーイ・ソウル)は、妹のジョイ(カイラ=ドリュー・シモンズ)とアナと共に外で遊ぶ。
見慣れないRV車によじ登ろうとするアナとジョイに、知らない人の車だと注意したラルフとイライザは、妹達を連れて家に戻る。 その後、食事をして皆と楽しい時を過ごしたケラーは、アナとジョイの姿が見えなくなったことに気づき、娘がホイッスルを捜すと言っていたために家に向かい二人を捜す。 二人が見つからないために戻ったケラーは、RV車の周りで遊んでいたと言うラルフから、中に人がいたとことを知らされる。 雨の中、消えたRV車と娘達を捜したケラーらは、警察に通報する。 ダイナーで食事をして車に戻ったロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)は、事件に関する無線を聴き、RV車が発見されたことを知り現場に向かう。 パトカーも駆け付け、RV車に近づいたロキだったが、突然、車が動き出したので銃を構える。 RV車は木に激突して止まり、ロキらは、運転していたアレックス・ジョーンズ(ポール・ダノ)を逮捕して車から降ろし、少女達の行方を訊く。 アレックスを警察署に連行したロキは尋問を始め、RV車は徹底的に調べられる。 少女達の話をしないアレックスから、伯母ホリー(メリッサ・レオ)の家で暮らしていたとだけ聞き出したロキは、彼女の家に向かう。 ホリーに会ったロキは、アレックスの部屋を見せてもらい、夫は5年前に家を出たと言われる。 ロキは、アレックスの両親が、彼が6歳の時に交通事故で死亡したことをホリーから知らされる。 署に戻ったロキは、RV車に証拠は残っていないことを知り、雑木林やホリーの家も調べるよう指示する。 ケラーらは捜索に加わるものの、娘達を見つけることはできなかった。 翌日、バーチ家を訪ねたロキは、ナンシーからジョイの写真を受け取る。 ドーヴァー家も訪ねたロキは、混乱するグレイスに、アナを必ず見つけることを約束する。 ケラーに挨拶したロキは、アナは姿を消す前に、赤いホイッスルを捜しに家に戻ったと言われる。 ラルフの供述通り、アレックスが娘達を車の中から見ていたことを確認したケラーは、車内や伯母の家に物的証拠はなかったことを知らされる。 ケラーは、アレックスの知能は10歳児並みだと話すロキから、昼間に少女二人を誘拐して、その痕跡を消すのは無理だと言われる。 アレックスが車を運転するのはライセンスを所持しているからで、逃げようとはしたものの、10時間尋問して何も聞き出せなかったこともロキは話す。 自分達も受けたうそ発見器のテストでも何も反応がなかったと言われたケラーは、10歳の知能ではRV車の運転は不可能だと考えて苛立つ。 全てを任せてほしいと言って帰ろうとしたロキは、アレックスの拘束を要求するケラーに、告発しなければ48時間で釈放されると伝える。 仕方なくアレックスの拘束を続けることを約束したロキは、署に戻り署長のリチャード・オマリー警部(ウェイン・デュヴァル)にその件を話す。 無理だと言われたロキは、少女を見つければ丸く収まると考え、聞き込みを始める。 性犯罪歴のある者から話を聞き、小児性愛者であるパトリック・ダン神父(レン・キャリオー)の家を訪ねたロキは、彼が酔い潰れていることに気づき、部屋の中を調べる。 冷蔵庫の裏にあった隠し扉を見つけたロキは、そこから地下室に下りて死体を見つける。 ダンを起こしたロキは死体が誰かを尋ねて、名前は知らないが、子供を16人殺した男だと話す。 その後も大規模な捜索は続き、ケラーは、アレックスが釈放されたことをグレイスから知らされる。 迎えに来たホリーと共に署を出たアレックスはマスコミに囲まれ、現れたケラーは、駐車場で彼に襲い掛かる。 自分といる間は泣かなかったと言われたケラーは取り乱し、ロキらに取り押さえられる。 ケラーの手錠を外したオマリーは、アレックスは州外に出さないことを約束し、今回の騒ぎは忘れることと、担当者のロキと話すようにと伝える。 約束を守らなかったロキに対し、娘といたことをアレックスが話したことを伝えたケラーは、それを確かめようとする彼に怒りをぶつけ、逮捕しろと言ってその場を去る。 アレックスに会ったロキは、駐車場で何も話していないと言われ、それを電話でケラーに伝える。 これ以上アレックスのことで時間は避けないと言うロキは、とにかく捜査は任せてほしいとケラーに伝えて電話を切る。 3日経っても戻ってこないアナのことを考えると悲しみがこみ上げるグレイスは、ケラーを頼るしかなかった。 ラルフにグレイスを任せたケラーは、強くなるようにと言って息子を励ます。 ある決心をしたケラーは、アレックスの家に向かい日が暮れるのを待つ。 犬の散歩のために家から出たアレックスに銃を向けたケラーは、アナが口ずさんでいた歌を彼が歌ったために、どこで聴いたのかを尋ねる。 翌日、フランクリンを迎えに行ったケラーは、廃墟となっている父親の家に向かい、アレックスを監禁していることを知らせる。 驚くフランクリンに、アレックスが”ジングルベル”の替え歌を歌っていたことを伝えるものの、警察に連絡した方がいいと言われる。 警察は頼りにならないと言うケラーは、アレックスが知恵遅れの振りをしているだけで、真相を吐かせるとフランクリンに伝える。 動揺しながら間違った考えだと伝えるフランクリンは、ケラーから、アレックスを痛めつけてでも吐かせないと娘達は死ぬと言われる。 アレックスを脅したケラーは、娘達の居場所を訊く。 ネットで調べた事件を基に、26年前に息子を誘拐された母親に会ったロキは、その犯人が二人の少女を連れ去ったのだろうと言われる。 息子もRV車の近くで遊んでいたと話す母親は、今回の事件も自分達と同じ結果になり、迷宮入りに終わるとロキに伝える。 署に戻ったロキは、死体の男のことを話す気になったというダン神父に会うが、情報は得られなかった。 いくら殴っても何も話さないアレックスに苛立つケラーだったが、それ以上、痛めつける気にもなれなかった。 ケラーに手を貸していたフランクリンは家族の元に戻り、町の人々が娘のために祈ってくれていることを知り、自分のしていることを考えながら動揺する。 その場にいたロキは、アナとジョイのためにろうそくを捧げる皆の中で、ぬいぐるみを置いた男ボブ・テイラー(デヴィッド・ダストマルチャン)の挙動が気になる。 その場から姿を消し逃げたテイラーを追ったロキは、彼を見失う。 翌日、そのことが報道され、テイラーが指名手配されたことを知ったフランクリンは、その男が犯人なので警察が追っていることをケラーに伝える。 その男とアレックスは共犯だと言うケラーは、フランクリンの話を聞こうとせずに廃墟の家に向かう。 アレックスが姿を消し、彼の愛犬は撥ねられて死んだことをオマリーに伝え、監視するはずだったことを確認したロキは、約束を守らない彼を非難する。 テイラーの目撃情報が入ったロキはショッピングセンターに向かい、子供服を買いに来るという彼が、マネキンにおかしな行為をすると言う店員に名刺を渡してその場を去る。 廃墟の家から戻ったフランクリンは、不審な行動をナンシーから追及される。 全てを知ったナンシーはケラーの元に向かい、どういうつもりなのかを尋ねる。 誰にも話していないことを確認したケラーは、アレックスに会いたいと言うナンシーを廃墟の家に連れて行く。 顔がはれ上がったアレックスの痛々しい姿に驚いたナンシーは、どうか助けてほしいと言って、娘のジョイの写真とぬいぐるみを見せる。 何か話そうとするアレックスの拘束を解いたナンシーだったが、彼に襲われる。 逃げようとしたアレックスはケラーとフランクリンに取り押さえられ、手にしたガラスの破片を捨てる。 部屋を改造して密閉し温水と冷水で拷問できるようにしたケラーは、その操作方法などをフランクリンとナンシーに説明する。 既に5日が経ち、あくまで強引な方法で解決しようとするケラーに対し、娘は取り戻したいが間違っているとフランクリンは伝える。 それならば助けるようにとケラーから言われたフランクリンは、アレックスをその場から出そうとする。 しかしフランクリンは、ジョイのためにやめてほしいと言うナンシーに説得される。 その間、バーチ家に男(テイラー)が侵入する。 自宅に戻ったナンシーは、ケラーには手を貸さないがやらせておくとフランクリンに伝える。 イライザの姿が見えないために彼女を捜したナンシーは、バスルームにいたために安堵する。 ドーヴァー家にも侵入したテイラーは、眠っていたグレイスが起きたために窓から逃げる。 グレイスはアナが戻ったと思い込み、ロキを呼んでそのことを話し、地下室などを調べる。 その場にあったアルカリ剤やケラーがいないことに気づいたロキは、グレイスから、夫は毎晩、警察と捜査をしていると言われたために不審に思う。 翌日、ケラーの車を追ったロキは、酒屋に車を置いてどこかに行こうとした彼に気づかれてしまう。 酒屋に寄って酒を買い車に近づいてきたケラーから、尾行する理由を訊かれたロキは、車に乗るよう指示する。 車を止めてどこに行く気だったのか訊かれたケラーは、9年半の間、酒を断っていたが、飲む気になったことを話す。 店が開くまで歩き回れば気が変わると思っていたところで尾行に気づいたため、酒を買ったことをケラーはロキに伝える。 地下室のアルカリ剤や毎晩警察と一緒だというグレイスの話のことを尋ねたロキは、ケラーから、アルカリ剤は犬の埋葬に使い、当てもなくあたりを走り回る口実に警察を利用したと言われる。 アレックスが姿を消したと伝えたロキは、容疑者扱いするのかと言うケラーから、監視する立場でありながら逃げられたことを非難される。 今が一番大切な時期だと言われたケラーは、日に日に生存の確率が低くなる現状と、娘が助けに来ることを待っているのと考えると休んでなどいられないと、興奮しながらロキに伝える。 娘を捜さないロキを非難するケラーは、歩いて帰ると言って車を降りる。 自宅に戻り眠ったケラーは、アナの夢を見て目覚める。 ネットでケラーに関係することを調べていたロキは、刑務所の看守だった彼の父親が、自宅で自殺したことを知り、それが酒屋付近にある廃墟となっている家だと分かる。 廃墟に向かいアレックスに熱湯をかけて拷問したケラーは、彼から、自分はアレックスではないと言われる。 待っていたけど彼は来なかったと言うアレックスは、遊びたかっただけだと伝える。 ロキが現れたことに気づいたケラーは、その場で酔い潰れているように見せかける。 グレイスに隠れてここで飲んでいると言うケラーは、父親からこの家を受け継いだことをロキに伝える。 この家のことを隠していた理由を訊かれたケラーは、事件とは関係ないと思ったと答える。 内部を調べたロキは、ショッピングセンターから男(テイラー)が来たという情報が入ったためにその場を去る。 気づかれずに済んだケラーは安堵する。 車のナンバーから割り出しテイラーを訪ねたロキは、質問を聞いて怯え逃げようとした彼に襲い掛かる。 テイラーに手錠をかけて内部を調べて応援を呼んだロキは、少女二人がいる可能性を署に伝える。 シンクには解体した豚の頭部があり、奥の部屋には鍵がかかった複数の大型ケースがあった。 テイラーを車に乗せて、工具でケースを開けたロキは、血だらけの衣服や蛇を見て驚く。 ”迷路を解いたら帰っていい”というメモが貼られた迷路の本を署に持ち帰ったロキは、衣服の写真などを呼び出したバーチ夫妻に見せる。 ナンシーは泣きながらフランクリンに付き添われてその場を去り、ケラーはグレイスは来ないとロキに伝える。 テイラーは容疑を認めたわけではなく、遺体も見つかっていなかったが、バーチ夫妻が衣服の2点をジェイのものと確認したことを、ロキはケラーに話す。 衣服の写真などを見せられたケラーは、血だらけのアナの靴下を確認してショックを受ける。 自分を尾行したことで時間を無駄にしたと言うケラーは、写真を指差し、責任はお前にあると伝えて席を立つ。 帰宅したケラーは、マスコミが駆け付けたことを確認して、アナが死んだ可能性があることで動揺するラルフに、グレイスには何も話すなと伝える。 アナを連れ戻すと言うケラーは、自分達を置いて酔っていたことをラルフから非難されるものの、息子を黙らせてその場を去る。 地図を描くと言ったテイラーが迷路を描き続けるために、ロキは苛立ち彼を脅す。 それを制止しようとして入ってきた警官の拳銃を奪ったテイラーは、自殺してしまう。 オマリーから、テイラーが描いた迷路について聞き出したのかと訊かれたロキは、何も分からなかったと言って謝罪する。 ロキは、オマリーから、被害者の親に謝れと言われる。 あくまでアレックスがアナとジョイの居場所を知っていると考えるケラーは、廃墟の家に向かい、彼から二人は迷路にいると言われる。 その場所を聞き出そうとしたケラーだったが、アレックスはそれ以上、何も話さなかった。 ホリーを訪ねたケラーは、アレックスを警察の駐車場で脅したことなどを含め、彼の失踪に責任を感じていることを伝える。 主人と共に信心深く暮らしていたホリーは、息子を癌で亡くしてアレックスを養子にしたものの、心は癒えなかったことを話す。 夫が飼っていたヘビを怖がったアレックスは、それ以来あまり喋らなくなったとホリーはロキに伝える。 テーブルの上にあった新聞を見たケラーは、逮捕された容疑者が自殺して、少女の遺体は不明のままだと記事に書かれていたために驚く。 失意のロキは、オマリーに励まされながらも、テイラーが描いた迷路の意味を考え、謎が解けないために苛立つ。 ダン神父の家の死体の写真に写るペンダントが、テイラーの迷路と同じであることに気づいたロキは、テイラーの家で、顔が潰された子供のマネキンが見つかったことを知らされる。 採取された血液は全て豚の血で、少女二人の所持品もあったものの、服は商品タグが付いていた。 迷路や子供の誘拐犯の本などもあり、テイラーも子供時代に誘拐され、3週間後に逃げだしたが、薬で記憶がなく犯人は捕まらなかったことをロキは同僚に話す。 本の犯人の真似をしただけだったテイラーの迷路と、神父の家の死体のペンダントが同じだったことを話すロキは、全て模倣犯の仕業である可能性があると言われる。 テイラーが誘拐犯ではなく少女二人も生きていると言うなら、どうやって彼女らの服を手に入れたのか、ロキは疑問に思う。 グレイスに呼ばれた際、家の窓が開いていたと言われたメモを思い出したロキは、ドーヴァー家の窓の下の裏庭でアナの靴下を発見する。 アナは不明だがジョイが保護されたことを知ったグレイスは、帰宅したケラーにそれを伝えて病院に向かう。 ナンシーとフランクリンに付き添われるジョイは、ケラーとグレイスからアナのことを知りたいと言われ、監禁され、”迷路を全部、解いたら帰っていい”というメモが貼られた迷路の本や逃げたことなどを思い出す。 街道まで出たジョイは女性に助けられたのだが、監禁されていた場所にケラーがいて、口にテープを貼りつけられたとジョイは話す。 何の話か理解できないケラーはその場から走り去り、ロキの制止を振り切り車に乗って逃走する。 廃墟の家に向かったロキは、何者かの声を確認する。 ホリーを訪ねたケラーは、罪滅ぼしだと言って、修繕など手伝うことがあったらやらせてほしいと伝える。 痛めつける気はないと言うケラーは、二人はここにいたはずだと伝えるものの、ホリーに銃を向けられる。 引き出しの手錠をはめるようにと言われ、冷蔵庫から出した液体を飲むことを強要されたケラーは、それを拒む。 飲まなければこの場で射殺し、娘に血を拭かせると伝えたホリーは、飲めば娘に会わせると言って従わせる。 液体を飲んだケラーは、かかってきた電話をシンクに入れて車のキーをテーブルに置くよう指示され、ホリーから、庭にある”トランザム”の場所まで行くようにと言われる。 夫と共に浚った最初の子供がアレックスで、テイラーのことは新聞で思い出したことをホリーは話す。 ケラーを車に乗せたホリーは、子供を消し去るのは神に対する戦いだと言って、人々に信仰心を失わせて、被害者の家族などを悪魔にするために戦い続けたと話す。 エンジンをかけてバックさせたホリーは、車を降りたケラーに、アレックスは二人に指一本触れていないことを伝える。 RV車でドライブに行っただけで、自分が帰さなかったと言うホリーは、地面の扉の下の穴に娘がいることを知らせる。 穴の中を覗くケラーに、警察が来た時は二人はその中にいたが、一人で寂しソウなので出したことを話す。 中に入るよう指示されたケラーは、それを拒んだために脚を撃たれ、仕方なくそれに従う。 止血すれば24時間は生きていられると言うホリーは、娘の死体を入れるまで無事でいるようにとケラーに伝えて、扉を閉めて車をその上に戻す。 廃墟の家でアレックスを見つけたロキは、その場の捜査が行われる中、オマリーから、甥のことをホリーに知らせるようにと指示される。 痛みを堪えるケラーは、その場でアナのホイッスルを見つけて娘の無事を祈る。 ホリーの家に向かったロキは、返事がないために中に入り、彼女の夫(デニス・クリストファー)の写真に注目する。 その服装や迷路のペンダントから、ダン神父の家の死体がホリーの夫だと気づいたロキは、警戒しながら内部を調べる。 アナに注射をしようとしていたホリーに銃を向けたロキは、棺で埋められたくないので火葬にしてほしいと言いながら発砲したホリーを射殺する。 額を銃弾がかすり負傷しながら、瀕死のアナを救い出したロキは病院に急行する。 その後、バリー、別名アレックスは26年ぶりに家族の元に戻り、ケラーは依然として行方不明だった。 治療を受けたロキは、グレイスに付き添われて車いすで現れたアナに感謝される。 ロキと二人で話したグレイスは、アナが持っていたホイッスルのことを訊かれ、誘拐される前に見つけたと言っているが娘の思い違いで、買ったものだと答える。 ケラーからは連絡がないことを伝えたグレイスは、信じてほしいとロキに伝える。 信じると言うロキは、ケラーを見つけたら投獄するかと訊かれて、たぶんそうなると答える。 ケラーがしたことはアナを見つけるためだと言って涙するグレイスは、自分は彼の行為に感謝しているとロキに伝える。 夫は善人だと言うグレイスは、その場を去る。 その夜、捜査が続くホリーの家に向かったロキは、どこからか聴こえるホイッスルを吹く音に気づく。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ペンシルベニア州、感謝祭。
田舎町で工務店を営むケラー・ドーヴァーは、妻グレイスと息子ラルフ、娘のアナと共に、近所に住む友人フランクリンとナンシーの家のパーティーに招待される。
食事を済ませて楽しい時間を過ごした両家だったが、アナとバーチ家の次女ジョイが姿を消す。
二人が不審なRV車のそばで遊んでいたということしかわからないケラーらは、必死で娘を捜す。
その後、今回の件は、ロキ刑事が担当する少女誘拐事件に発展し、RV車を運転していた青年アレックスが逮捕されるが、彼は10歳程度の知能しかなかった。
捜査が進まないロキに不満を感じるケラーは、アレックスが証拠不十分で釈放されてしまったために納得いかない。
何も情報を得られず時間だけが過ぎることで、ケラーは苛立つ。
無謀な行為に出たケラーは、アレックスを拉致して監禁し、拷問して娘達の居場所を聞き出そうとするのだが・・・。
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カナダ映画界だけでなく、世界的な注目を集める映画人となったドゥニ・ヴィルヌーヴの力作であり、豪華キャストも注目のミステリー・サスペンスの秀作。
ドゥニ・ヴィルヌーヴと準主役を務めるジェイク・ギレンホールは、同年製作で、本作より前に撮影された「複製された男」(2013)に続くコンビとなる。
謎の失踪事件の捜査に行き詰る人々の苦悩を切実に描きながら進行する物語は、終盤で謎が解けていくと共に、全編に散りばめられたヒントが見事に生かされるという、悶々とした雰囲気の中で”痛快”さえ感じる、ドゥニ・ヴィルヌーヴの繊細且つシャープな演出が見どころの作品。
平穏な田舎町で起きる異常な事件を、臨場感あふれる映像で映し出す、第86回アカデミー賞で撮影賞にノミネートされたロジャー・ディーキンスの撮影も素晴らしい。
北米興行収入は約6100万ドル、全世界では約1億2200万ドルのヒットとなった。
ハリウッドを代表する役者の、その実力を生かし、それぞれの役柄を見事に演ずる出演者の演技も見応えがある。
犯人の思惑通り、愛するものを奪われて暴走して、悪魔のような行動に走る主人公を熱演するヒュー・ジャックマン、その妻で、娘を案じて体調を崩すマリア・ベロ、必死の捜査を続ける事件の担当刑事ジェイク・ギレンホール、主人公の友人夫妻ヴィオラ・デイヴィスとテレンス・ハワード、数十年来の誘拐犯だったメリッサ・レオ、その甥ということにされて犯人に疑われる青年で、少年時代に彼女に浚われたポール・ダノ、主人公の息子ディラン・ミネット、バーチ家の長女ゾーイ・ソウル、誘拐される主人公の娘エリン・ゲラシモヴィッチ、彼女と共に誘拐されるバーチ家の次女カイラ=ドリュー・シモンズ、警察署長ウェイン・デュヴァル、小児性愛者の神父レン・キャリオー、犯人に疑われる誘拐の模倣犯デヴィッド・ダストマルチャン、神父の家で発見されるホリー(メリッサ・レオ)の夫デニス・クリストファーなどが共演している。