家族の絆の危機に苦悩する警察官一家を描く、主演エドワード・ノートン、コリン・ファレル、ジョン・ヴォイト、ジェニファー・イーリー他共演、監督ギャヴィン・オコナーによる社会派犯罪ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ギャヴィン・オコナー
製作:グレゴリー・オコナー
脚本
ジョー・カーナハン
ギャヴィン・オコナー
撮影:デクラン・クイン
編集
リサ・ゼノ・チャージン
ジョン・ギロリー
音楽:マーク・アイシャム
出演
レイ・ティアニー:エドワード・ノートン
ジミー・イーガン:コリン・ファレル
フランシス・ティアニーSr.:ジョン・ヴォイト
フランシス・ティアニーJr.:ノア・エメリッヒ
アビー・ティアニー:ジェニファー・イーリー
ルーベン・サンティアゴ:ジョン・オーティス
エディ・カルボーン:フランク・グリロ
ケニー・デューガン:シェー・ウィガム
ミーガン・イーガン:レイク・ベル
エンジェル・テーゾ:ラモン・ロドリゲス
エラディオ・カサード:リック・ゴンザレス
ターシャ:カルメン・イジョゴ
アメリカ 映画
配給 ニュー・ライン・シネマ
2008年製作 130分
公開
北米:2008年10月24日
日本:未公開
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $15,709,390
世界 $31,148,330
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク市警の31分署長フランシス・ティアニーJr.(ノア・エメリッヒ)は、公共安全機関のフットボール対抗戦を観戦中、自軍の勝利直後に、警官4人が負傷したとの連絡を受ける。
同じ警官の弟のレイ(エドワード・ノートン)や、試合で活躍した義弟ジミー・イーガン(コリン・ファレル)も現場に急行する。
自分の部下を三人失ったことを知ったジミーは、大きなショックを受ける。
警察高官の父フランシスSr.(ジョン・ヴォイト)に状況を説明したフランシスJr.は、弟達の元に向かう。
病院に搬送された一人も死亡し、特別捜査班が組織されることになったことを父フランシス知らされたレイは、それに加わることを勧められる。 過去の失敗で、2年間も現場を離れていたレイはそれを断るが、父フランシスに励まされ任務を受けることにする。 翌日、現場検証を始めたレイは、付近の商店の息子が負傷した犯人らしき男を目撃したことを知る。 レイは、少年に容疑者エンジェル・テーゾ(ラモン・ロドリゲス)の顔写真を見せ、彼を目撃したという確認と白いタクシーに乗ったという情報を得る。 その後、その車を発見した、実は事件に関与していたジミー、ルーベン・サンティアゴ(ジョン・オーティス)、エディ・カルボーン(フランク・グリロ)、ケニー・デューガン(シェー・ウィガム)らは、特別捜査班に証拠を渡さないよう車を焼き払う。 離婚間近の妻ターシャ(カルメン・イジョゴ)にクリスマス・プレゼントを届けたレイは、まだ諦めきれない気持ちを彼女に伝える。 しかしターシャは、結局は同じことを繰り返してしまう二人の関係は終わらせるべきだとレイに伝える。 クリスマスで家族が集まったティアニー家では、食卓を囲み父フランシスが家族を称える。 テーゾのアジトで殺人事件が起き、駆けつけたレイは、彼の女から、警官”サンディ”がテーゾと通じていることを聞き出す。 それを兄フランシスに話したレイだったが、フランシスは犯人を挙げるよう助言するだけだった。 息子二人のことを知った父フランシスは、捜査のためとはいえ兄に言い寄ったレイを責め、臨機応変に事を運べないのかを確かめる。 そしてフランシスは、犯人逮捕以外で気になることは全て自分に直接報告するよう、厳しい口調でレイに言い渡す。 署に向かったフランシスJr.は、ルーベン(サンディ)を締め上げ、彼がテーゾとは幼馴染みで親戚だということを聞き出す。 そしてフランシスは、義弟ジミーが死んだ4人の警官に、テーゾを殺し金を盗むよう指示し、その後、別の麻薬の売人エラディオ・カサード(リック・ゴンザレス)と手を組む計画だったことを知らされる。 激怒したフランシスは、ルーベンを警察から追放する。 その後、ジミーはカサードに脅され、ケニーと共にテーゾの手下を脅し居場所を突き止める。 同じ頃、レイもテーゾの所在を知り現場に急行し、そこでジミーらと出くわす。 既に瀕死の状態のテーゾを、ジミーはレイの拳銃を奪って射殺してしまう。 レイを待っていた兄フランシスは、サンディのこと以外は何も知らなかったことを告げる。 フランシスは、ジミーのことは自分が後始末をつけることを約束するが、レイは納得しきれない。 その夜、重病の妻アビー(ジェニファー・イーリー)に、フランシスは苦しい胸の内を伝える。 警察を追放されたルーベンは、記者を呼び出し罪を告白し、その場で拳銃自殺してしまう。 警察側は緊急会見を開き、警察内部の不正を認め、フランシスSr.は、息子のフランシスJr.に関与したのかを問い質し、彼は大筋でそれを認める。 フランシスJr.はジミーに会い、口裏を合わせればレイが英雄にもなれると言いわれ金を渡される。 それを断ったフランシスJr.は、ジミーに今後は義弟と思わないことを告げその場を立ち去る。 その後、事件現場に関しての供述を拒否しているレイは内部調査局に呼び出され、テーゾが銃撃を否定し、それ以上の状況説明は拒絶する。 ジミーはその後呼び出され、レイがテーゾを撃ったと供述する。 それを知らされたフランシスSr.だったが、彼は息子レイがテーゾを殺していないことを信じて疑わなかった。 警察署の崩壊や家族の危機にも関わる問題を、何とか解決したい父フランシスと、全てを明らかにしようとするレイは激しい口論となる。 フランシスは、自分が考える筋書きに話を合わせるようレイを説得しようとする。 しかし、現れたフランシスJr.がそれを制止し、責任を感じ、自分が全てを終わらせることを告げ父を納得させる。 フランシスJr.とレイは、ジミーを逮捕しに向かうが、テーゾ殺害現場にいた謹慎中のエディが強盗を働き銃撃される。 それに同行していたケニーが市民を銃殺してしまい、周囲で暴動が起きる。 連絡を受けたフランシスJr.は現場で車を降り、彼がケニーを説得しようとする。 レイはジミーの元に向かい、二人は武器を捨て素手で決着をつけようとする。 ジミーはレイに叩きのめされて観念するが、彼に気づいた暴徒に襲われてしまう。 抵抗するのを止めたジミーは、妻ミーガン(レイク・ベル)を頼むとレイに伝え、リンチに遭い殺される。 そして、レイはそれを兄フランシスに知らせ、二人は帰宅する。 後日、正装したフランシスJr.とレイは、父フランシスに付き添われて裁判所に向かう。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
麻薬取引現場で、警察分署長フランシス直属の部下4人が殺される事件が起きる。
同僚の義弟ジミーはショックを受け、同じく警官の次男レイは、警察の幹部である父フランシスから、特別捜査班での現場復帰を勧められる。
その任務を受けたレイは、捜査を進める内に、事件に警察内部が関与し、しかも、それに兄や義弟までもが絡んでいる可能性を知る・・・。
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単なる警察の汚職事件を扱った作品ではなく、事件解決や捜査を円滑に進める上での”妥協”の度合いにもテーマを置き、重要な問題提起として描かれている。
過去の過ちを踏まえ、二度とそれを繰り返さないために正義を貫こうとする主人公、警察署全体の実績やキャリアにも拘る兄、家族の絆を重視する父、そして現実主義者として度を起こした行動をとってしまう義弟、それぞれの苦悩や葛藤がバランスよく描かれている、見応えある作品。
しかし、豪華キャスティングにも拘わらず興行的には低迷し、全世界トータルでも製作費の3000万ドルをようやく回収できた程度に終わってしまった作品。
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北米興行収入 $15,709,390
世界 $31,148,330
正義のため家族の保身には消極的態度を取る、知的であり逞しさも兼ね備える実力派のエドワード・ノートン、ワイルドでやんちゃな雰囲気がはまり役のコリン・ファレル、過去を引きずりながら、必死に家族を守る家長を熱演したジョン・ヴォイト、(オリジナル・キャストはニック・ノルティだったが、ひざの負傷で降板)、妻の重病を抱えながら、分署をまとめる辛さに苦悩する長男ノア・エメリッヒ、その妻ジェニファー・イーリー、悪徳警官ジョン・オーティス、フランク・グリロ、シェー・ウィガム、ジミー(C・ファレル)の妻レイク・ベル、麻薬の売ラモン・ロドリゲス、リック・ゴンザレス、レイ(E・ノートン)の妻役カルメン・イジョゴなどが共演している。