辣腕青年実業家とコール・ガールの愛を描く、監督ゲイリー・マーシャル、主演リチャード・ギア、ジュリア・ロバーツ、ラルフ・ベラミー、ヘクター・エリゾンド他共演のラブ・ロマンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ゲイリー・マーシャル
製作総指揮:ローラ・ジスキン
脚本:J・F・ロートン
撮影:チャールズ・ミンスキー
編集
ラジャ・ゴズネル
プリシラ・ネッド・フレンドリー
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
主題曲:ロイ・オービソン”オー・プリティ・ウーマン”
出演
リチャード・ギア:エドワード・ルイス
ジュリア・ロバーツ:ヴィヴィアン・ワード
ラルフ・ベラミー:ジェームズ・モース
ジェイソン・アレクサンダー:フィリップ・スタッキー
ローラ・サン・ジャコモ:キット・デ・ルーカ
ヘクター・エリゾンド:バーニー・トンプソン
ハンク・アザリア:刑事
アメリカ 映画
配給 タッチストーン・ピクチャーズ
1990年製作 119分 (DC 125分)
公開
北米:1990年3月23日
日本:1990年12月15日
製作費 $14,000,000
北米興行収入 $178,406,270
世界 $463,406,270
■ アカデミー賞 ■
第63回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優賞(ジュリア・ロバーツ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
企業買収を繰り返す実業家エドワード・ルイス(リチャード・ギア)は、ハリウッドで催されていたパーティーで、恋人と電話で言い争い、そこを抜け出してビバリーヒルズへ向とかう。
コール・ガールのヴィヴィアン・ワード(ジュリア・ロバーツ)は、部屋代をドラッグに使ったルームメイトのキット・デ・ルーカ(ローラ・サン・ジャコモ)に足を洗うと言い出す。
弁護士フィリップ・スタッキー(ジェイソン・アレクサンダー)のロータス・エスプリの操作に手こずり、道に迷ってしまったエドワードにヴィヴィアンが近づき、10ドルで道案内を引き受ける。
ヴィヴィアンは、普段運転手のいるエドワードの酷い運転を見兼ねて、車に詳しい彼女が運転を代わる。
エドワードの宿泊先、”ビバリー・ウィルシャー・ホテル”に到着し、彼はヴィヴィアンが気になり部屋に誘う。
ゴージャスなロビーを通り、人目を気にしながら最上階のペントハウスに案内されたヴィヴィアンは驚いてしまう。 早速”仕事”を始めようとするヴィヴィアンに、エドワードは、最初は1時間100ドルが高いと言いながら、結局は、一晩300ドルで話をつけてしまう。 仕事に追われ、気忙しい毎日を送っていたエドワードは、奔放で子供っぽい無邪気さがあるヴィヴィアンが気に入ってしまう。 エドワードは、ヴィヴィアンを週末までパートナーとして雇うことにして3000ドルで手を打つ。 ヴィヴィアンは興奮し、それをキットに知らせ、エドワードの指示に従い、イブニングドレスを買いにロデオドライブに向かう。 しかし、ヴィヴィアンは行く先々で白い目で見られ、ショックを受けてホテルに戻る。 そこでヴィヴィアンは、支配人バーニー・トンプソン(ヘクター・エリゾンド)に呼び止められる。 ホテルを追い出されると思ったヴィヴィアンだったが、意外にもトンプソンは、落ち込んでいる彼女のために、ドレスを手に入れる手助けをする。 次の買収のターゲットである造船会社”モース社”が、海軍と取引したことを知ったエドワードは、その夜、モース社のジェームズ・モース(ラルフ・ベラミー)に会うことになる。 エドワードが、ヴィヴィアンをモースとの会食に連れて行くことにしたため、彼女はトンプソンにテーブルマナーを教えてもらうことにする。 ホテルにヴィヴィアンを迎えにいったエドワードは、ドレスを着こなした美しい彼女に驚いてしまう。 会食が始まり、買収を拒否するモースに対し、国費歳出委員会に手を回し、海軍との取引はなくなると言い切るエドワードとの意見は食い違い、モースは徹底抗戦を宣言して席を立つ。 翌日、ヴィヴィアンが人目を気にしていることに気づいたエドワードは、ロデオドライブのブティックの店員を買収し、彼女のご機嫌をとるよう指示を出す。 エドワードは仕事に向かい、ヴィヴィアンは好き勝手にショッピングを楽しみ、侮辱された店を見返してホテルに戻る。 モース社は、自社株を買い占めるために資金繰りに奔走するが、融資した銀行はエドワードの息がかかっていた。 そのため、エドワードが一報を入れれば、モース社は叩き潰されることになる。 しかしエドワードは、ヴィヴィアンと出会ってから、いつもの冷酷なまでのビジネス手法を貫けなくなってしまう。 ポロ見物に行ったエドワードとヴィヴィアンに会った弁護士のスタッキーは、エドワードの異変はヴィヴィアンのせいだと気づく。 スタッキーは、モースの孫と会話をするヴィヴィアンの様子を見て、彼女がモースのスパイだとエドワードに忠告する。 エドワードは、ヴィヴィアンがコール・ガールだとスタッキーに知らせる。 しかし、スタッキーは、ヴィヴィアンを厄介払いするために彼女を侮辱してしまう。 ショックを受けたヴィヴィアンは、ホテルに戻りスタッキーに自分の素性を知らせたエドワードと口論になり、報酬も受け取らずに立ち去ろうとする。 エドワードはヴィヴィアンの後を追い、素直に謝り和解する。 翌日エドワードは、ヴィヴィアンを自家用機に乗せてサンフランシスコに向かい、オペラ”椿姫”を観劇する。 その後もエドワードは仕事を休み、ヴィヴィアンとの時を過ごすのだが、ニューヨークに戻るために彼女との別れの時を迎える。 ヴィヴィアンのために、アパートと車を用意したエドワードは、再会を約束して仕事に向かう。 ホテルに現れたキットは、ヴィヴィアンの様子を見て彼女がエドワードに恋していることを察する。 交渉を申し出てきたモースに対し、エドワードが買収を止め提携を提案したためモースは彼に感謝する。 スタッキーは、大金が転がり込むはずの商談をふいにされた腹いせに、ヴィヴィアンの体を奪おうとする。 しかし、部屋に戻ったエドワードがそれを制止し、スタッキーを追い出してしまう。 エドワードの優しさに触れたヴィヴィアンだったが、生きる世界の違いを悟り彼に別れを告げる。 ヴィヴィアンは、親切にしてくれた支配人トンプソンとの別れを惜しみながらホテルを去る。 アパートに戻ったヴィヴィアンは、サンフランシスコに引っ越すために荷造りを始め、キットに別れを告げる。 ホテルをチェックアウトし、空港に向かったエドワードだったが、途中で花束を買いヴィヴィアンのアパートに向かう。 ヴィヴィアンは、”椿姫”のメロディでエドワードに気づき、アパートの非常階段で彼と固く抱き合う。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
企業買収を繰り返す実業家エドワード・ルイスは、コール・ガールのヴィヴィアン・ワードと出会う。
ヴィヴィアンに、10ドルでビバリーヒルズの道案内を頼んだエドワードは、宿泊先の”ビバリー・ウィルシャー・ホテル”に向かう。
エドワードは、ヴィヴィアンを部屋に誘い、彼女が気に入り、週末までのパートナーをすることで合意し3000ドルで手を打つ。
ヴィヴィアンは、早速、イブニングドレスを買いにロデオドライブに向かうのだが、彼女は行く先々で白い目で見られてしまう。
ショックを受けたヴィヴィアンに、ホテルの支配人トンプソンは、意外にも同情し彼女の手助けをする。
トンプソンの協力もあり、美しいレディに変身したヴィヴィアン、そして彼女との出会いにより、ビジネスで、強引な手法を使えなくなってしまったエドワード、2人には、愛という心の変化が生まれるのだが・・・。
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世界中で400万枚を売り上げる大ヒットとなった、ロイ・オービソンの1964年のヒット曲”オー・プリティ・ウーマン”のメロディに乗り、新鋭ジュリア・ロバーツが、正にドラマ同様に、ハリウッドのサクセス・ストーリーを掴むきっかけになった作品で、1400万ドルの製作費ながら、全世界で約4億3300万ドルの大ヒットとなった作品。
そのジュリア・ロバーツは、受賞は逃すものの、第63回アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞では、コメディ・ミュージカル部門の主演女優賞を見事に受賞した。
筋立てや展開は、よく題材に使われるパターンのため目新しさはないが、シンデレラガールとなるジュリア・ロバーツの魅力と、物腰は柔らかいがビジネスでは冷酷なリチャード・ギアが、純真な女性の心に触れて変化する姿に、拍手喝采のロマンチック・コメディでもある。
見事に着飾ってしまうと、スーパー・モデルのようなジュリア・ロバーツだが、上流社会にはそぐわない、度々見せる、肩をすくめるぎこちない仕草など、冷や冷やさせてくれながらも心和ませてくれる、愛すべきキャラクターを好演している。
本作をきっかけにして、日本では彼の作品には”プリティ”が付けられてしまうことが多く、やや安っぽく思われるのが気の毒な、ゲイリー・マーシャルの切れ味のいい演出も光る。
歌劇”椿姫”を効果的に使った音楽はジェームズ・ニュートン・ハワードが担当した。
翌年に亡くなり、これが遺作となった名優で主人公のターゲットとなる実業家のラルフ・ベラミー、金に執着する主人公の顧問弁護士ジェイソン・アレクサンダー、ヴィヴィアン(J・バーツ)のルームメイト、ローラ・サン・ジャコモ、そして強面ではあるが、人情味のあるホテル支配人ヘクター・エリゾンドが抜群の雰囲気を醸し出し、ハンク・アザリアも刑事役として端役で登場する。