パニック映画の傑作「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)のリメイク作品。 大津波で転覆した豪華客船の生存者の決死の脱出劇を描く、製作、監督ウォルフガング・ペーターゼン、主演カート・ラッセル、ジョシュ・ルーカス、リチャード・ドレイファス他共演のアクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ウォルフガング・ペーターゼン
製作
ウォルフガング・ペーターゼン
アキヴァ・ゴールズマン
ダンカン・ヘンダーソン
マイク・フレイス
製作総指揮
シーラ・アレン
ケヴィン・バーンズ
ジョン・ジャッシニ
ベン・ワイズブレン
原作:ポール・ギャリコ”The Poseidon Adventure”
脚本:マーク・プロトセヴィッチ
撮影:ジョン・シール
編集:ピーター・ホーネス
音楽:クラウス・バデルト
出演
ディラン・ジョーンズ:ジョシュ・ルーカス
ロバート・ラムジー:カート・ラッセル
マギー・ジェイムズ:ジャシンダ・バレット
リチャード・ネルソン:リチャード・ドレイファス
ジェニファー・ラムジー:エミー・ロッサム
エレナ・ゴンザレス:ミア・マエストロ
クリスチャン”クリス”サンダース:マイク・ヴォーゲル
コナー・ジェイムズ:ジミー・ベネット
マイケル・ブラッドフォード船長:アンドレ・ブラウアー
マルコ・バレンタイン:フレディ・ロドリゲス
ラッキー・ラリー:ケヴィン・ディロン
グロリア:ファーギー
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2006年製作 98分
公開
北米:2006年5月12日
日本:2006年6月3日
製作費 $160,000,000
北米興行収入 $60,674,820
世界 $181,674,820
■ アカデミー賞 ■
第79回アカデミー賞
・ノミネート
視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューイヤーズ・イヴ、大西洋上、豪華客船”ポセイドン”。
元ニューヨーク市長ロバート・ラムジー(カート・ラッセル)は、娘ジェニファー(エミー・ロッサム)と恋人クリスチャン”クリス”サンダース(マイク・ヴォーゲル)の交際を否定的に捕らえているのだが、彼女は当然それに従う気になれなかった。
ウェイターのマルコ・バレンタイン(フレディ・ロドリゲス)は、エレナ・ゴンザレス(ミア・マエストロ)を密航させていたため、厨房に現れた彼女にトラブルになると忠告し、部屋に戻るよう指示する。
ディナー・ショーが盛大に始まり、妻に捨てられたリチャード・ネルソン(リチャード・ドレイファス)は、その件について同席した者達に話す。
新年を迎えて船内は騒ぎとなるが、航海士は不吉な予感を感じる。 航海士は双眼鏡で巨大な津波を確認し、妻からの連絡がないため、船から飛び降りようとしていたネルソンもそれに気づく。 船は方向を変えようとするものの間に合いそうもなく、船内には警報が発せられる。 乗客はパニックとなり、津波の直撃を受けた船は横転して転覆する。 床と天井は逆さまになり、多数の死傷者を出した船内は混乱する。 ディスコにいたジェニファーは、足が挟まったクリスを見つけ、通りがったエレナに協力を求めて彼を助けようとする。 ラムジーは、息子のコナー(ジミー・ベネット)を捜すマギー・ジェイムズ(ジャシンダ・バレット)に、彼が、床に固定された頭上のピアノにいることを知らせる。 元消防士でもあったラムジーは、カーテンを使い、その上に飛び降りるようコナーに指示して彼を助ける。 船長のマイケル・ブラッドフォード(アンドレ・ブラウアー)は、ひとまず冷静さを取り戻した乗客達に、大津波により転覆した可能性を説明する。 ブラッドフォードは、事故発生と同時にGPS信号が発信されたはずで、数時間以内に救助が来ることも伝えて乗客を安心させる。 ホールを離れることに反対するブラッドフォードだったが、ラムジーはジェニファーを捜そうとする。 ギャンブラーのディラン・ジョーンズ(ジョシュ・ルーカス)は、上部の船底に向かい、プロペラ穴から脱出することを考え、コナーは自分達も連れて行ってほしいことを彼に伝える。 そこにラムジーとネルソンも現れ、ディランは、行動を共にしようとする彼らの同行を拒むが、彼も船内に詳しいわけではなかった。 ジェニファーとクリスのいるディスコが、上部にあることをディランから知らされたラムジーは、乗務員バレンタインに声をかける。 年収の2倍払うことをバレンタインに伝えたラムジーは、彼に船内の案内役をさせようとする。 バレンタインに3倍の報酬で話をつけたラムジーは、案内役が見つかったことをディランに伝えて、ネルソンやマギーとコナーらと共にディスコに向かう。 ディランらは、エレベーター・シャフトから娯楽施設に向かおうとする。 しかし、ネルソンとバレンタインが宙吊りとなり、上部からエレベーターが落下しそうになる。 ディランは、足にしがみつくバレンタインを振り落とすよう指示し、ネルソンは仕方なくそれに従う。 ネルソンは寸前で引き上げられ、バレンタインは落下してエレベーターの下敷きになる。 直後にガス爆発が起き、ネルソンは仕方なかったとは言え、バレンタインを犠牲にして助かったことを後悔する。 ジェニファーは、その場でラッキー・ラリー(ケヴィン・ディロン)の力を借りてクリスを助け出す。 そこにラムジーらが現れ、ジェニファーは父の姿を見て安堵し、足を痛めたクリスは介抱される。 ネルソンは、病気の弟に会おうとしたが旅費が払えないために、知り合った船員(バレンタイン)の協力でエレナが密航したことを知る。 出口につながるドアを見つけたディランは、その向こう側が高温だということを確認するが、そこを通るしか助かる道はなかった。 ラムジーとディランはドアを開けて、火災が収まっていることを確認する。 エレナはラムジーの勇気ある行動を見て頼もしく思い、彼が元ニューヨーク市長だったことをジェニファーから知らされる。 その後、危険な場所を渡る必要があり、ラムジーらは順番にその場を進むが、ラリーが上部から落下した装置の下敷きになる。 ラムジーは、階下に降りて別のルートを探そうとするが、ディランはそれを拒む。 ジェニファーもクリスに求婚されたことをラムジーに知らせ、彼の元に向かいたいことを伝える。 ディランは、消火栓のホースを持って火の海の水面に飛び込み、反対側にホースを渡す。 ラムジーは、ジェニファーと共にホースを伝わりディランの元に向かい、彼の行動を認める。 その時、大量の海水が船内に侵入し、ブラッドフォード船長ら、ホールにいた者達は命を落とす。 ディランらも浸水の危機となり、ダクトを通ってその場を脱出しようとする。 ラムジーが先頭で先に進みむものの、出口を塞がれてしまい、コナーがネジを外そうとする。 閉所恐怖症のエレナは、迫る海水とネルソンの足が挟まり先を塞いだため取り乱す。 ディランに励まされたエレナは、ネルソンの足を押して移動させる。 コナーは、エレナのロザリオを使いネジを外すことに成功して、全員がダクトから出て上部のハッチからその場を脱出する。 バラスト・タンクにたどり着き、水圧で次のハッチが開くはずだというディランの言葉をラムジーは信じる。 その場に海水が注入され、ハッチは開き先へ進むものの、エレナが電線に絡みネルソンが彼女を助けようとする。 二人が戻らないために、ラムジーとディランが水に飛び込み彼らを連れて戻る。 しかし、エレナは息を吹き返すことなく、ラムジーらは彼女を残して階上に向かう。 船首が沈んでいることが分かり、プロペラ室も絶望となり、ラムジーらは他の出口を探そうとする。 ラムジーは失意のディランに対し、皆に希望を与えたと言って彼を励ます。 その直後、バラスト・タンクが満水となり船が傾き、船首の水が引く。 ラムジーらはプロペラ管に到達するが、ハッチに近づいたネルソンは、それが外れて強打される。 コナーの姿が見えなくなり、ディランとマギーは彼を捜して見つけ出す。 プロペラ・エンジンが稼働しているために、それを停止する必要があり、ラムジーが制御室に向かおうとするが、彼を制止してクリスがその場に向かおうとする。 しかし、ジェニファーのクリスへの愛を知ったラムジーは、水中に潜り制御室に向かい、エンジンを停止することはできないものの、窒息死寸前で取舵のスイッチを入れる。 浸水する部屋に閉じ込められていたコナーを、ディランが救い出してプロペラ管に向かう。 エンジンは一旦停止し、そこにディランらが戻り、ラムジーがいないことを知る。 プロペラは逆回転を始め、ディランはガスボンベを管の中に投げ込もうとするが、入り口で引っかかってしまう。 浸水が始り、ディランは管の中に吸い込まれそうになりながらも、ボンベをその場に投げ入れることに成功する。 爆発が起きてプロペラは停止し、ディランは、意識を取り戻したネルソンやマギーとコナーを連れて船体を離れ海に飛び込む。 父を諦めきれないジェニファーも、クリスに励まされてその場を離れる。 6人は、海面に浮かんでいたゴムボートに乗り、沈没する”ポセイドン”から離れる。 ディランは照明弾を発射し、間もなく救助隊のヘリコプターが現れる。
...全てを見る(結末あり)
燃料も流れだしてそれが引火し、ディランとラムジー、そしてジェニファーは取り残されてしまう。
参考:
・「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)
・「ポセイドン・アドベンチャー2」(1979)
・「ポセイドン」(2006)
*(簡略ストー リー)
ニューイヤーズ・イヴ、大西洋上。
豪華客船”ポセイドン”は、巨大な津波の直撃を受け転覆してしまう。
元ニューヨーク市長のロバート・ラムジーは、娘ジェニファーと恋人クリスの行方を捜そうとする。
ギャンブラーのディラン・ジョーンズは、単独で船底に向かおうと考えていたが、案内役の船員バレンタインを見つけたラムジーと行動を共にすることになる。
妻に捨てられたネルソンと、マギーや息子コナーを連れて、ラムジーは、ホールに留まるべきだという船長ブラッドフォードの意見に従わずに階上に向かいジェニファーらを捜す。
ディスコでジェニファーとクリス、ラリーと密航者のエレナと合流できたラムジーらは、犠牲者を出しながら船底に向かうのだが・・・。
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監督ウォルフガング・ペーターゼン、実力派カート・ラッセルら豪華キャスト競演の超大作。
時代と共に進化した最新技術を駆使した映像は、当然ながら、旧作を遥かに凌ぐ迫力映像などでスケールアップし、1億6000万ドルの巨費が投じられた。
ファースト・クレジットのジョシュ・ルーカスは、主演にはやや荷が重い感じが否めず、カート・ラッセルの存在感が強過ぎるために配役のバランスが悪い。
どうしても旧作のことが気になり、それと比較してしまうシーンの連続は、新鮮味を出そうとする努力は窺えるものの空振りというのが正直な感想だ。
北米興行収入は約6100万ドルに終わり、巨額の製作費の回収が危ぶまれたが、全世界では約1億8200万ドルのヒットとはなり、ようやく利益が出たということで、関係者は安堵したとか・・・。
第79回アカデミー賞では、視覚効果賞にノミネートされた。
無鉄砲ではあるが、ギャンブラーとしての勘を頼りながら、生存者達をリードするジョシュ・ルーカス、元ニューヨーク市長、勇気ある行動で危機に立ち向かうカート・ラッセル、その娘エミー・ロッサムと恋人マイク・ヴォーゲル、妻に見捨てられた初老の男性リチャード・ドレイファス、子持ち女性ジャシンダ・バレット、その息子ジミー・ベネット、船長アンドレ・ブラウアー、ウェイターのフレディ・ロドリゲス、乗客ケヴィン・ディロン、歌手役でファーギーなどが共演している。