1990年に公開された、リュック・ベッソンによるフランス映画「ニキータ」のハリウッド版リメイク。 死刑囚の女性が政府の秘密組織の工作員として訓練され任務をこなしていく姿を描く、主演ブリジット・フォンダ、ガブリエル・バーン、アン・バンクロフト、ハーヴェイ・カイテル、ダーモット・マロニー、ミゲル・フェラー共演、監督ジョン・バダムによるサスペンス・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・バダム
製作:アート・リンソン
原案:リュック・ベッソン
脚本
ロバート・ゲッチェル
アレクサンドラ・セロス
撮影:マイケル・ワトキンス
編集:フランク・モリス
音楽:ハンス・ジマー
出演
マギー・ヘイワード/クローディア・アン・ドーラン/ニーナ:ブリジット・フォンダ
ボブ:ガブリエル・バーン
アマンダ:アン・バンクロフト
ヴィクター:ハーヴェイ・カイテル
J・P:ダーモット・マロニー
カウフマン:ミゲル・フェラー
アンジェラ:オリヴィア・ダボ
ドラッグストアー店主:ジェフリー・ルイス
ルーム・サービス・ウエイター:ジョン・バダム
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1993年製作 108分
公開
北米:1993年3月19日
日本:1993年6月
北米興行収入 $30,038,360
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ワシントンD.C.
警官殺しの罪で、死刑判決が下ったマギー・ヘイワード(ブリジット・フォンダ)を、政府秘密組織のボブ(ガブリエル・バーン)が目をつける。
その後、薬物投与でのマギーの刑は執行されるのだが彼女の命は救われる。
そしてマギーは死亡したことになり、身柄はボブの元に渡される。
ボブはマギーに、政府のために働く訓練を受けるか死を選ぶかを選択させる。
1時間の猶予を与えられたマギーは、戻ってきたボブに襲いかかり、銃を奪い彼を人質に逃げようとする。
しかし、マギーは包囲され、ボブに銃を奪われて観念し、仕方なく彼の提案を受け入れる。
そして、訓練を始めたマギーだったが、ヤク中だった彼女は情緒不安定で反抗的だった。
エチケットなどを含めた教育係アマンダ(アン・バンクロフト)の厳しい指導の下、マギーは何とか訓練についていくものの、結局は我慢の限界に達するとそれを投げ出してしまう。 長官カウフマン(ミゲル・フェラー)は、マギーに期待をかけるのを諦めかけるが、 ボブは彼女の素質を信じ訓練を続けさせようとする。 次にトラブルがあった場合、カウフマンにマギーを射殺することを告げられたボブは、彼女に優しく接して心を開かせる。 そして、マギーはアマンダに協力を求め、彼女は快くそれに応じる。 マギーは見事にレディーに変身し、叶わなかった外出をボブに許可されて、二人は食事をすることになる。 レストランの席に着いたマギーは、ロマンチックなムードを満喫しながら、用意してあったボブからのプレゼントを受け取る。 しかし、その中身は弾丸が装填済みの拳銃で、ボブは彼女に殺人を命じ席を立つ。 マギーは躊躇せずにターゲットの二人を射殺し、追っ手から逃れて指示された脱出口に向かう。 だが、そこは壁で塞がれていて、マギーは他の手段で建物を脱出し組織本部に戻る。 自分が最終テストをされたことを、ボスから知らされたマギーは憤慨するが、ボブは訓練が終了したことを彼女に告げる。 ほのかな愛情が芽生えた二人だったが、マギーは寄り添うボブを退ける。 翌日、マギーは名前を”クローディア・アン・ドーラン”に変え、コンピューターのセールスに成りすまして、暗号名を”ニーナ”として本部を出る。 カリフォルニア州、ヴェニス。 そんなある日、組織に呼び出されたマギーは、ホテルのメイドに扮し、ある部屋にルームサービスの品物を届け、その後、引き上げるよう指示される。 直後にその部屋は爆破され、自宅に戻ろうとしたマギーの元にボブが現れ、彼はJ・Pに会おうとする。 ボブを夕食に招いたJ・Pは、子供時代のことなどを語らないマギーに不信感を抱き、おじだと言う彼に探りを入れる。 マギーはそれを嫌いJ・Pに言い寄るが、ボブは彼女の少女時代の思い出を語り彼を納得させる。 ボブに、ニューオリンズ旅行をプレゼントされたマギーとJ・Pは、カーニバルを見た後で暴漢に襲われるが、彼女が相手を叩きのめしてしまう。 ホテルに帰ったマギーは、組織からの指令の電話を受け取り浴室に向かう。 用意されていた銃を取り出したマギーは、J・Pからドア越しにプロポーズされ動揺する気持ちを抑えて、ターゲットを狙撃する。 組織の本部に向かったマギーは、ボブに足を洗いたいと伝えるが、彼はそれを受け入れず次の任務を与える。 アマンダの元に向かったマギーは、組織から抜け出すことが不可能だと知り、任務の資料を捨て本部を立ち去る。 しかし、ボブが、その任務に成功後に力になることを約束し、マギーは仕方なくそれに従う。 アラブに、核の情報を流そうとしていたターゲットの愛人アンジェラ(オリヴィア・ダボ)に接触したマギーは、予定外の死者を出してしまう。 そして、組織から”掃除屋”ヴィクター(ハーヴェイ・カイテル)が派遣され後始末をする。 本部では、任務完了後に、マギーがヴィクターによって始末されることを、カウフマンはボブに告げる。 アンジェラに扮したマギーは、富豪の屋敷に向かい、ターゲットに銃を向け、コンピューターから情報を抜き取り破壊して彼を殺そうとする。 一瞬、躊躇したマギーは襲われ、何とか屋敷から抜け出しヴィクターの車で逃走する。 ヴィクターが、自分を殺そうとするのに気づいたマギーは抵抗して、彼は車ごと崖から転落する。 その後、マギーが姿を消したことをJ・Pから知らされたボブは、ターゲットの情報ディスクを受け取る。 そしてボブは、立ち去るマギーの後姿を見ながら、彼女がヴィクターと共に死んだことをカウフマンに報告する。
...全てを見る(結末あり)
ビーチ沿いの、荒れ果てた部屋を借りたマギーは、写真家のJ・P(ダーモット・マロニー)とスーパーで出会い意気投合し、そして二人は愛し合うようになる。
*(簡略ストー リー)
警官を殺害し死刑判決を受けた囚人マギー・ヘイワードは、政府の秘密組織の工作員にスカウトされる。
担当官ボブは、マギーの素質を見抜き”暗殺者”に育てる訓練を受けさせるが、情緒不安定で反抗的な彼女は排除されそうになる。
ボブは根気よく彼女に接し、やがて心を開いたマギーは訓練を終了し、身分を変えて社会に出て行く。
マギーは、恋人J・Pとの同棲生活を始めて、同時に任務も遂行する中で、次第に平凡な女性に戻りたいという思いが芽生える・・・。
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リュック・ベッソンのオリジナル作の評価が高かっただけに、何かと比較されてしまうが、舞台がアメリカに移ってはいるものの、内容的にはほぼ同じ展開で進行する。
ヤク中の犯罪者として、荒れた雰囲気で登場するブリジット・フォンダの、スタイリッシュな暗殺者への変貌ぶりなどはなかなか興味深い。
しかし、厳しい目で見ると、政府組織の秘密工作員としての技量がある”暗殺者”を、完璧に演じていたかというと疑問が残る。
銃器の扱いや、格闘の身のこなしなどがややぎこちなく、その辺りを気にするか否かで本作が楽しめるか、その度合いも変わってくるかもしれない。
ジョン・バダムは、そんな過酷な任務をこなす主人公よりも、使命と死との選択を強いられた若い女性の、揺れ動く心をテーマに描きたかったはずだ。
満たされない主人公の心を表現する、もの悲しいハンス・ジマーのテーマ曲も印象に残る。
情緒不安定で反抗的な犯罪者から、女心に芽生える闇の暗殺者を熱演するブリジット・フォンダ、任務に徹しながらも、主人公を支える担当官ガブリエル・バーン、同じく教育係のアン・バンクロフト、彼としては今一物足りない出演が残念であった、組織の”掃除屋”ハーヴェイ・カイテル、主人公の恋人役ダーモット・マロニー、秘密組織長官ミゲル・フェラー、ターゲットの愛人オリヴィア・ダボ、冒頭で殺される店主役のジェフリー・ルイス、そして、監督のジョン・バダムが、ホテルのウエイターで登場する。