クリント・イーストウッドの記念すべき初監督作品。 女性ストーカーに襲われる人気DJの恐怖体験を描く、ジェシカ・ウォルター、ドナ・ミルズ、ドン・シーゲル他共演のサスペンス・スリラー。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:クリント・イーストウッド
製作:ロバート・デイリー
脚本
ジョー・ヘイムズ
ディーン・リーズナー
撮影:ブルース・サーティース
編集:カール・パインジター
音楽
ディー・バートン
エロル・ガーナー”ミスティ”
出演
デイブ・ガーヴァー:クリント・イーストウッド
イヴリン・ドレイパー:ジェシカ・ウォルター
トビー・ウィリアムズ:ドナ・ミルズ
マッカラム巡査部長:ジョン・ラーチ
マッジ・ブレナー:アイリーン・ハーヴェイ
アル・モンテ:ジェームズ・マクイーチン
バーディー:クラリス・テイラー
マーフィー:ドン・シーゲル
フランク:ジャック・ギング
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1971年製作 102分
公開
北米:1971年11月3日
日本:1972年4月15日
製作費 $725,000
北米興行収入 $10,600,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
カリフォルニア州、カーメル・バイ・ザ・シー。
地元ラジオ局”KRML”の人気DJデイブ・ガーヴァー(クリント・イーストウッド)は、局に向かい同僚のアル・モンテ(ジェームズ・マクイーチン)と交替する。
そしてガーヴァーは、いつもの女性から、エロル・ガーナーの”ミスティ”のリクエストを受ける。
仕事を終えたガーヴァーは、マーフィー(ドン・シーゲル)のバーに立ち寄り、人を待っているという、魅力的な女性のイヴリン・ドレイパー(ジェシカ・ウォルター)に出会う。
イヴリンを家に送ったガーヴァーは、彼女が待ち合わせをしていたというのは嘘で、”ミスティ”をリクエストしていた女性だと知る。 結局はお互いが誘い合っていた二人は、ガーヴァーが恋人がいる身であったが、一夜だけの関係ということで納得し、愛し合ってしまう。 翌日、自宅に訪れた、アルの食事の誘いを断ったガーヴァーだったが、そこに予告もなしにイヴリンが現われる。 驚いたガーヴァーは、イヴリンに連絡くらいするようにと注意するものの、二人は食事をして愛し合う。 街角で、姿を消していた恋人トビー・ウィリアムズ(ドナ・ミルズ)らしき女性を見かけたガーヴァーは、彼女を追いかける。 トビーの服を着ていただけの同居人だという女性から、トビーの所在を聞いたガーヴァーは、彼女を連れて散歩に出かける。 ガーヴァーがプレイボーイだったために、嫉妬してしまい姿を消したことをことを伝えたトビーは、もう暫く考える時間が欲しいことを彼に告げる。 その後、マーフィーのバーで、イヴリンからの電話を拒んでしまったガーヴァーは、店の外の車で待つ彼女に気づき驚く。 イヴリンの行動を迷惑に思うガーヴァーは、あからさまに不快感を示し、彼女を置き去りにして局に向かう。 仕事を終え帰宅したガーヴァーは、再びイヴリンが現われたことでうんざりするが、彼女が家の入り口で全裸になったために、仕方なく家に入れて、結局、二人は愛し合う。 ある夜ガーヴァーは、放送中、約束したと言ってイヴリンに呼び出され、身勝手なことを言い続ける彼女を突き放し、その場を立ち去る。 帰宅後もイヴリンの電話を受けたガーヴァーは、謝罪する彼女が再会を求めるのを断り電話を切る。 その後イヴリンは、ガーヴァーとトビーがデートする現場を監視し、夜中に興奮して彼の元に現われる。 ベッドにトビーがいないことを確認したイヴリンは、落ち着きを取り戻すものの、その後、彼女は自殺未遂を起す。 知り合いの医師フランク(ジャック・ギング)にイヴリンの手当てをしてもらったガーヴァーは、一応、彼女を介抱するが、その夜はトビーと過ごすことになる。 しかし、ガーヴァーはイヴリンを独りにはできず、トビーとの約束を果たせなかった。 翌朝、部屋の掃除に来たメイドのバーディー(クラリス・テイラー)に、イヴリンとのことをからかわれたガーヴァーは、自分の録音テープを送ったプロデューサーのマッジ・ブレナー(アイリーン・ハーヴェイ)と食事をすることになる。 その頃、買い物に出かけていたイヴリンは、ガーヴァーの家の合鍵を作り戻る。 ガーヴァーが会食だと知ったイヴリンは、その場に姿を現しマッジを侮辱する。 憤慨したガーヴァーは、イヴリンを無理矢理タクシーに乗せて追い払うが、既にマッジは姿を消していた。 トビーの元に向かったガーヴァーは、昨夜のことを謝罪し、そして正直にイヴリンのことを話す。 二人を監視していたイヴリンはそれを知り、ガーヴァーの家を荒らし、それに気づいたバーディーにナイフで襲い掛かる。 帰宅したガーヴァーは、バーディーが重傷を負ったことを知り、事件の担当マッカラム巡査部長(ジョン・ラーチ)から、連行されるイヴリンのことなどを聞かれるがまともに答えられない。 その後、イヴリンから解放されたガーヴァーは、トビーとの時を楽しむ。 トビーを伴い、アルと”モントレー・ジャズ・フェスティバル”を取材したガーヴァーは、その夜の放送中に、イヴリンから”ミスティ”のリクエストを受ける。 精神治療を受けて釈放されたイヴリンは、ハワイに旅立つということを伝え、ある詩を語る。 自宅で就寝中にイヴリンに襲われたガーヴァーは、現われたマッカラムに、姿を消した彼女のことなどを語る。 トビーに危険が及ぶことを避けたいガーヴァーは、彼女には暫く会わないことを告げる。 それでも心配なトビーを、マッカランが様子を見に行くことになり、ガーヴァーは彼女にその連絡を入れる。 トビーは、新しいルームメイト”アナベル”と過ごしていることをガーヴァーに伝える。 しかし、イヴリンが、”エドガー・アラン・ポー”の詩”アナベル・リー”から名前を取りトビーに近づいていた。 部屋にあったガーヴァーの絵の目が、本人と雰囲気が違うことを指摘した”アナベル”の言葉と手首の傷で、トビーは彼女がイヴリンだと気づく。 同じ頃ガーヴァーも、イヴリンが語っていた詩が、”アナベル・リー”だと知りトビーに電話を入れるのだが、それに出たのは、”二人で待っている”と言うイヴリンだった。 イヴリンはトビーを拘束し、現われたマッカラムを殺害する。 トビーの家に着いたガーヴァーは、マッカラムの死体を見つけ、彼女の無事は確認するものの、現われたイヴリンに襲われる。 ガーヴァーは、ナイフで傷つけられながらも、イヴリンを叩きのめし、彼女は崖下に転落する。 ガーヴァーはトビーを助け出し、その場にあったラジオからは、彼が曲でセットした録音テープが流れる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ラジオ局”KRML”の人気DJデイブ・ガーヴァーは、エロル・ガーナーの”ミスティ”のリクエストを、いつも同じ女性から受けていた。
ある日ガーヴァーは、馴染みのバーで魅力的な女性イヴリンに出会うが、”ミスティ”をリクエストするのが彼女だと知り、一度だけという約束で二人は愛し合う。
ガーヴァーは、プレイボーイの自分の前から姿を消したていた恋人トビーの所在を知るが、彼女は、もう少し時間が欲しいということを伝える。
やがて、予告なしに現われるイヴリンを迷惑に思うガーヴァーだったが、断りきれず何度か愛し合ってしまう。
その後イヴリンは、トビーと会うようになったいたガーヴァーに嫉妬し、自殺未遂を起し彼のメイドを傷つけ殺しかけてしまう。
精神治療のため療養所に入ったイヴリンから解放されたガーヴァーはトビーとの時を楽しむが、再びイヴリンから”ミスティ”のリクエストを受ける・・・。
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1ヵ月後に「ダーティハリー」(1971)公開を控えたクリント・イーストウッドの演出家としての原点がここにある、主演を兼ねた記念すべき初監督作品。
初監督ということもありイーストウッドの演出はやや単調にも感じるものの、随所でその才能の片鱗が窺える。
既にスターの風格を感じ、長身のため画面で見栄えのするイーストウッドと、殺人ストーカーを怪演するジェシカ・ウォルターの好演もあり、緊迫感ある作品には仕上がっている。
後にクリント・イーストウッドが市長を務めることにもなる(1985-1988)海岸地帯”カーメル”を舞台に、その風光明媚なロケーションを活かした、ブルース・サーティースの撮影も見所の一つだ。
そして「ダーティハリー」(1971)などの名コンビ、盟友のドン・シーゲルが、バーテンダー役で出演しているのも注目だ。
*巡査部長役のジョン・ラーチも、「ダーティハリー」で主人公の上司役を演じている。
主人公の恋人ドナ・ミルズ、同僚のDJジェームズ・マクイーチン、メイド役のクラリス・テイラー、音楽プロデューサーのアイリーン・ハーヴェイ、医師役ジャック・ギングなどが共演している。