宇宙人の”ゾンビ増殖計画”に翻弄される人々を描く、製作、監督、原案、脚本、編集エドワード・D・ウッドJr.、主演グレゴリー・ウォルコット、デューク・ムーア、トム・キーン、トー・ジョンソン、メイラ・ヌルミ/ヴァンパイラ、ベラ・ルゴシ、クリズウェル他共演のSFホラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:エドワード・D・ウッドJr.
製作:エドワード・D・ウッドJr.
原案:エドワード・D・ウッドJr.
脚本:エドワード・D・ウッドJr.
撮影:ウィリアム・C・トンプソン
編集:エドワード・D・ウッドJr.
音楽:ゴードン・ザーラー
出演
ジェフ・トレント:グレゴリー・ウォルコット
ポーラ・トレント:モナ・マッキノン
ハーパー警部補:デューク・ムーア
トム・エドワーズ大佐:トム・キーン
ラリー巡査:カール・アンソニー
ケルトン巡査:ポール・マルコ
ダニエル・クレイ警部:トー・ジョンソン
宇宙人イロス:ダドリー・マンラブ
宇宙人タンナ:ジョアンナ・リー
宇宙人の支配者:ジョン・ブリッケンリッジ
ロバーツ将軍:ライル・タルボット
ダニー:デヴィッド・デメリング
イーディス:ノーマ・マッカーティ
大尉:ビル・アッシュ
クレイの葬儀の牧師:リン・レモン牧師
会葬者:ベン・フロマーとグロリア・ディア
ジェイミー巡査:コンラッド・ブルックス
女ゾンビ:メイラ・ヌルミ/ヴァンパイラ
老人:ベラ・ルゴシ
老人(代役):トム・メイソン
本人/ナレーター:クリズウェル
カルダー:カール・ジョンソン
新聞を見ている男性:エド・ウッド
墓掘り人:ヒュー・トーマス
アメリカ 映画
配給 Valiant Pictures
1959年製作 80分
公開
北米:1959年7月22日
日本:1995年8月19日
製作費 $60,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
超能力者クリズウェルは、ミステリアスな物語に興味がある人々に語りかけ、墓荒らしの恐ろしい出来事について話し始める・・・。
__________
妻を亡くした老人(ベラ・ルゴシ)は、悲しみの中で葬儀を済ませる。
バーバンクに向かう旅客機のパイロット、ジェフ・トレント(グレゴリー・ウォルコット)と副操縦士のダニー(デヴィッド・デメリング)は、光と大きな音に驚き、未確認飛行物体UFO/空飛ぶ円盤を目撃する。
その後UFOは、墓地の近くに着陸する。
作業を終えた墓掘り人(ヒュー・トーマス)は、ゾンビと化した女(メイラ・ヌルミ/ヴァンパイラ)に殺される。
妻のことを想う老人は生きる希望を失い、街道を走る車に飛び込み死亡する。
老人の葬儀が行われ、会葬者(ベン・フロマー/グロリア・ディア)は、墓掘り人二人の死体を発見する。
通報を受けたダニエル・クレイ警部(トー・ジョンソン)とハーパー警部補(デューク・ムーア)は墓地に急行し、ラリー巡査(カール・アンソニー)の報告で現場の状況を知り付近を調べる。 現場の近くの自宅で妻ポーラ(モナ・マッキノン)とくつろいでいたジェフは、サイレンの音を聞き、墓地の事件だと考える。 様子のおかしいジェフに話しを聞いたポーラは、フライトでUFOを目撃し、役人からその件を口止めされたことを知る。 その直後に強い光と衝撃が走り、上空にUFOが飛来する。 それに気づいたクレイは、生き返った老人(トム・メイソン/ベラ・ルゴシの代役)と女ゾンビに襲われる。 銃声を聴いたハーパーは、ラリーとケルトン巡査(ポール・マルコ)と共にその場に向かい、クレイが殺されていることを確認する。 UFOを目撃していたハーパーらは、それが関係していると考え、クレイに代わり捜査の指揮を執ることにする。 その後、ハーパーらも参列して、クレイの葬儀が行われる。 UFOはハリウッドなどで目撃され、ワシントンD.C.にも現れる。 出動した軍は、指揮官であるトム・エドワーズ大佐(トム・キーン)の命令でUFOを攻撃する。 UFOは姿を消し、エドワーズは、小さな町が全滅させられた極秘情報を部下に話す。 さらなる攻撃は続ける計画だったが、表向きにはUFOは噂に過ぎないということになっていた。 宇宙ステーション7に戻った宇宙人イロス(ダドリー・マンラブ)とタンナ(ジョアンナ・リー)は、支配者(ジョン・ブリッケンリッジ)に報告し、自分たちの存在を地球側が否定するため、”プラン9”を実行することを伝える。 イロスから、遠隔操作で死体を電気的に操れる”プラン9/ゾンビ攻撃作戦”のことを聞いた支配者は、二体をゾンビにしたことを知る。 UFOの修理を済ませえたイロスとタンナは、再び地球に向かう。 フライトに向かうジェフは、ポーラを実家に帰そうとするものの、彼女はそれを拒む。 フライトの最中ジェフはポーラのことが気になり、客室乗務員のイーディス(ノーマ・マッカーティ)は、墓地の近くに住んでいる彼の考えが理解できない。 甦った老人はジェフの家に向かい、寝室にいたポーラの前に現れる。 驚いたポーラは、叫び声をあげながら家を出て墓地に向かう。 老人はポーらを追い、女ゾンビが墓地を徘徊し、クレイが生き返る。 車で通りがかった農夫のカルダー(カール・ジョンソン)は、道路わきで倒れているポーラに気づき、彼女を助けて走り去る。 女ゾンビとクレイはUFOに向かい、イロスは電源を切るようタンナに指示する。 ポーラの件で報告を受けたハーパーは部下と墓地に向かい、その場を調べる。 ジェイミー巡査(コンラッド・ブルックス)と共に掘り返された墓を見つけたケルトンは、それをハーパーに知らせる。 ハーパーに指示されたケルトンは墓穴を調べ、それがクレイの墓であることを確認する。 ペンタゴン。 イロスが話す、侵略ではなく救いに来たにも拘らず、攻撃を仕掛けてきたことを非難する内容を聞いたエドワーズは、ロバーツから、カリフォルニアに向かい宇宙人とコンタクトをとる任務を命ぜられる。 戻ったイロスから報告を受けた支配者は、その内容に満足できない。 タンナが連れて来たゾンビのクレイはイロスに襲い掛かり、彼女が電子銃の電源を切り動きを止める。 クレイや老人のゾンビについて知らされた支配者は、さらにゾンビを増殖させて、自分たちの力を人類に分からせる計画をイロスに実行させる。 到着したエドワーズは、ハーパーと共にジェフとポーラにい会い、UFOを目撃した際の話を聞き、それが墓地に向かったことを知る。 パトカーで待機していたケルトンの前にゾンビの老人が現れ、ジェフらに近づき、光線が墓地から放たれる。 老人は光線により白骨化してしまう。 墓地に向かったエドワーズらは、車にポーラとケルトンを残して周囲を調べ、光りが放たれる場所に向かう。 イロスから指示を受けたクレイは車に向かい、ケルトンを殴り倒してポーラを連れ去る。 現れたエドワーズらを中に入れたイロスは、彼らを殺すことを考え、それをタンナに伝える。 エドワーズらと話したイロスは、ポーラを捕えたが危害は加えないこと伝える。 警戒して発砲したジェフを落ち着かせたイロスは、モニターを映しクレイがポーラを運ぶ姿を見せる。 友好的に救いを求めに来たと言うイロスは、地球人が自分たちの存在を認めなかったことを非難し、破壊を繰り返す愚かな行動が、やがて宇宙を滅ぼすと伝える。 太陽電池を利用したソーラー爆弾も開発するだろうと言うイロスは、興奮しながらエドワーズらを罵倒し、ジェフが彼を殴る。 ソーラー爆弾の説明を求められたイロスは、宇宙全体が爆発して消滅する仕組みを説明する。 それを止めに来たと伝えたイロスは、異常な考えだと言うエドワーズに反論するタンナを制止する。 意識が戻ったケルトンは、駆け付けたラリーに、クレイがゾンビ化したことを伝えるものの信じてもらえない。 ポーラのことを話したケルトンは、ラリーと共に捜しに行く。 ハーパーはイロスとタンナを連行しようとするが、外にポーラを抱くクレイがいることを知り、殺すこともできると言われ、ジェフも彼女を確認する。 クレイを見つけたラリーとケルトンは、背後から彼を殴り倒しポーラを助けてUFOに向かう。 ハーパーはその場から去ろうとするが、ジェフがイロスに襲い掛かり格闘になる。 入り口を開けたエドワーズらはその場から離れ、ジェフはイロスを叩きのめして脱出する。 火災が発生し、タンナは意識を失ったイロスのことを気にしながら飛び立つ。 その様子を見つめるジェフらは、クレイが白骨化したことを知る。 炎上しながら飛行するUFOは、しばらくして爆発する。 すべて事実だと話すクリズウェルは、否定できるかを皆に問う。 暗闇で出会った者が誰か・・・それは宇宙からの訪問者かもしれない。 科学者の多くは宇宙人の存在を認めている。 我々はかつて、飛行機、電話、ラジオ、テレビ、すべてがありえないと考え、今は宇宙人も存在しないと言って笑う。 神よ、人類の未来にご加護あれ・・・。
...全てを見る(結末あり)
エドワードを呼んだロバーツ将軍(ライル・タルボット)は、宇宙人のメッセージを受信したことを知らせ、その内容を聴かせる。
__________
*(簡略ストー リー)
UFO/空飛ぶ円盤が飛来して墓地付近に着陸し、死者がゾンビ化して甦り殺人を犯す事件が起きる。
捜査を始めたクレイ警部は老人と女ゾンビに殺され、付近の住人であるパイロットのジェフ・トレントと妻ポーラは警戒する。
その後、UFOはハリウッドやワシントンD.C.も飛来し、指揮官のエドワーズ大佐は攻撃を仕掛ける。
友好的に接しようとする宇宙人側はメッセージを送り、自分たちを認めない人類に対し、ゾンビ増殖計画”プラン9”を実行するのだが・・・。
__________
製作映画のすべてが失敗に終わり、”最低の監督”と言われたエド・ウッド(エドワード・D・ウッドJr.)の作品なのだが、ティム・バートンが演出しジョニー・デップが主演した「エド・ウッド」(1994)が話題になったために、一躍注目された作品でもある。
”史上最低の映画”と言えるかは別として、構成、演出、編集など、すべてにおいて平均以下であることは疑いようのない作品。
しかし、冷戦下の当時の社会情勢などもふまえた軍拡への警鐘や、現在でも通用する、ゾンビ/アンデッドが登場するエピソードや役者の熱演など、それなりに見どころはある。
また、ファンには嬉しい、往年の怪奇スター、ベラ・ルゴシを無理矢理に出演させ、彼が撮影中に亡くなったために(遺作)代役を使ったこじつけ的なシーンなどはどう見ても不自然なのだが、どこか憎めない作品でもある。
*本作の公開は1959年だが、撮影は1956年。
エド・ウッドには気の毒だが、ティム・バートン作品の中でも評価の高い「エド・ウッド」のための参考と考えれば、実に興味深く鑑賞できる。
主演のグレゴリー・ウォルコットは、宇宙人が拠点にする墓地の付近に住み、UFOを目撃して事件に関わるパイロット役を演じている。
クリント・イーストウッドの盟友として知られ、彼の作品の多くに脇役として出演したウォルコットなのだが、出演者の中でまともな演技者に見えるところが、本作の”質の悪さ”を物語っている。
主人公の妻モナ・マッキノン、事件を捜査する警部補のデューク・ムーア、UFO攻撃部隊の指揮官で宇宙人との接触を試みる大佐トム・キーン、事件捜査に加わる巡査のカール・アンソニー、ポール・マルコ、コンラッド・ブルックス、事件の責任者であるものの、ゾンビに殺されて自身もゾンビ化する警部トー・ジョンソン、”プラン9”を実行する宇宙人のダドリー・マンラブとジョアンナ・リー、二人に指示を与える支配者のジョン・ブリッケンリッジ、UFO対策の責任者である将軍ライル・タルボット、主人公の同僚である副操縦士デヴィッド・デメリング、客室乗務員のノーマ・マッカーティ、クレイ警部(トー・ジョンソン)の葬儀の牧師リン・レモン牧師、老人の葬儀の会葬者ベン・フロマーとグロリア・ディア、女ゾンビのメイラ・ヌルミ/ヴァンパイラ、撮影中に亡くなったために遺作となった老人役のベラ・ルゴシ、その代役トム・メイソン、冒頭とエンディングに登場しナレーターも担当する超能力者のクリズウェル、主人公の妻を助ける農夫カール・ジョンソン、新聞を見ている男性エド・ウッド、墓掘り人ヒュー・トーマスなどが共演している。