大ヒットしたアクション・アドベンチャー大作「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの3作目。 監督ゴア・ヴァービンスキー、主演ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、チョウ・ユンファ、ジェフリー・ラッシュ、ビル・ナイ、トム・ホランダー、ステラン・スカルスガルド、ジョナサン・プライス他共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作総指揮
マイク・ステンソン
チャド・オーマン
エリック・マクロード
ブルース・ヘンドリックス
製作:ジェリー・ブラッカイマー
キャラクター原案
スチュアート・ビーティー
ジェイ・ウォルパート
テッド・エリオット
テリー・ロッシオ
脚本
テッド・エリオット
テリー・ロッシオ
撮影:ダリウス・ウォルスキー
編集
クレイグ・ウッド
スティーヴン・E・リフキン
美術・装置
リック・ハインリクス
シェリル・カラシク
音楽
ハンス・ジマー
クラウス・バデルト
出演
キャプテン・ジャック・スパロウ:ジョニー・デップ
ウィリアム”ウィル”ターナー:オーランド・ブルーム
エリザベス・スワン:キーラ・ナイトレイ
キャプテン・ヘクター・バルボッサ:ジェフリー・ラッシュ
サオ・フェン:チョウ・ユンファ
デイヴィ・ジョーンズ:ビル・ナイ
カトラー・ベケット卿:トム・ホランダー
ビル・ターナー:ステラン・スカルスガルド
ジェームズ・ノリントン:ジャック・ダヴェンポート
ウェザビー・スワン総督:ジョナサン・プライス
ジョシャミー・ギブス航海士:ケヴィン・マクナリー
ティア・ダルマ:ナオミ・ハリス
ピンテル:リー・アレンバーグ
ラゲッティ:マッケンジー・クルック
コットン:デイヴィッド・ベイリー
マーティ:マーティン・クレッバ
マーサー:デイヴィッド・スコフィールド
タイ・フアン:レジー・リー
ウィルJr.:ドミニク・スコット・ケイ
キャプテン・ティーグ・スパロウ:キース・リチャーズ
アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2007年製作 168分
公開
北米:2007年5月25日
日本:2007年5月25日
製作費 $300,000,000
北米興行収入 $309,404,150
世界 $960,996,490
■ アカデミー賞 ■
第80回アカデミー賞
・ノミネート
メイクアップ・視覚効果賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
イギリス国王の名代、東インド貿易会社のカトラー・ベケット卿(トム・ホランダー)は、地域一帯に、非常事態宣言を発令する。
シンガポール。
キャプテン・バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)とエリザベス・スワン(キーラ・ナイトレイ)は、東シナ海を支配する海賊サオ・フェン(チョウ・ユンファ)の元に向かう。
サオ・フェンは、世界の果ての海図を奪おうとしたウィリアム”ウィル”ターナー(オーランド・ブルーム)を捕らえていたが、バルボッサは白を切る。
そしてバルボッサは、9人の海賊長を招集する評議会への出席を、サオ・フェンに要請する。
海の墓場に葬られた、キャプテン・ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)を救う計画に賛同できないサオ・フェンだったが、そこにベケットの部下マーサー(デイヴィッド・スコフィールド)が兵士を伴い乱入する。 海賊船ブラックパールのジョシャミー・ギブス航海士(ケヴィン・マクナリー)ら乗組員も加わる混乱の中、サオ・ フェンを説得したウィルは海図を手に入れる。 その頃、デイヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)の心臓を、ベケットに渡して復権した提督ジェームズ・ノリントン(ジャック・ダヴェンポート)は、海賊達の動向を探るよう彼に命ぜられる。 そしてベケットは、幽霊船”フライング・ダッチマン”に乗船し、船を操るためにジョーンズに脅しをかける。 世界の果てに到達したバルボッサは、強引に船を進ませたために難破し、海の墓場に到着する。 そして、バルボッサら一行は、たどり着いた浜辺で、ブラックパールと共にジャックと再会する。 一行とジャックはひと悶着あるが、ブラックパールに乗船して航海に出る。 ウィルは、ブラックパールがクラーケンに襲われた際に、エリザベスがジャックを見捨てたと聞かされ、それを彼女に問い質す。 ジャックを愛しているのかと自分を疑うウィルを、エリザベスは突き放してしまう。 その後、一行は漂流する小船を見つけ、その中に、死亡したと思われたエリザベスの父ウェザビー・スワン総督(ジョナサン・プライス)がいた。 エリザベスは、必死に父を救おうとするが、占い師ティア・ダルマ(ナオミ・ハリス)は、死には逆らえないことを一行に伝える。 現実の世界に戻れた一行だったが、ベケットと手を組んだサオ・フェンに捕らえられる。 ジャックはベケットの元に連れて行かれ、9枚の銀貨の役割などを、評議会やメンバーに聞かれる。 バルボッサはブラックパールを奪い逃走して、ジャックもベケットの手を逃れる。 ベケットは、フライング・ダッチマンにサオ・フェンを追わせ、自らはブラックパールを追跡する。 ブラックパールを与える交換条件に、エリザベスを手に入れたサオ・フェンだったが、ベケットの差し向けたフライング・ダッチマンの襲撃に遭う。 砲弾で重傷を負ったサオ・フェンは、エリザベスに船を託して息絶える。 乗り込んできたノリントンと再会したエリザベスは、彼が父の死を知らなかったと聞かされるが、ジョーンズに監禁されてしまう。 船内でウィルの父ビル・ターナー(ステラン・スカルスガルド)に会ったエリザベスは、ウィルが彼を救おうとしていることを伝える。 しかしターナーは、ジョーンズを殺して自分を救い出すことは、フライング・ダッチマンの船長を引き継ぐことになり、それがエリザベスを捨てることになることを彼女に告げる。 その後、ノリントンがエリザベスを逃がすものの、ターナーが彼を刺し殺し、ジョーンズがフライング・ダッチマンの船長に復帰しようとする。 フライング・ダッチマンにたどり着いていたウィルは、父ターナーとエリザベスを解放するようジョーンズに求める。 ジョーンズは、見返りに異教の女神カリプソの命を要求する。 ベケットから、評議会が開かれる”難破船入江”に行く方法を尋ねられたウィルは、ジャックから預かった”欲する物がある所を指すコンパス” をベケットに見せる。 ”難破船入江”に着いたバルボッサは、早速、評議会を開き、メンバーの証である銀貨の提示を求める。 そこに、サオ・フェンに海賊長の権利を託されたエリザベスが姿を現し、ベケットとジョーンズに、この場所が知れていることを伝える。 エリザベスは、敵と戦うことを提案するが、難攻不落の入江を出て戦う必要があるのかと、海賊長らは彼女を嘲り笑い、評議会で封じ込めたカリプソの解放を、バルボッサが主張する。 そこで、ジャックが、”カリプソを解放してベケットと戦い、そして逃げる”ことを提案する。 海賊の掟では、戦いの前に宣戦布告することが必要だというバルボッサは、その掟の番人で、ジャックの父親であるキャプテン・ティーグ・スパロウ(キース・リチャーズ)を呼び寄せる。 それに、異議を唱える者を射殺したティーグは、徐に掟書を開きバルボッサの主張が正しいことを確認する。 その場で海賊王を選ぶことになり、ジャックの投票でエリザベスが王となる。 そしてエリザベスは、戦いの準備を始めるよう出席者に告げる。 バルボッサ、エリザベス、ジャック、対するベケット、ウィル、ジョーンズは、ベケットに評議会の場所を教えたジャックとウィルを交換する。 そして、エリザベスはベケットに宣戦布告し、両者はその場を離れる。 ブラックパールの戦場で、バルボッサが、ダルマの肉体からカリプソを解き放つ儀式を始める。 ウィルは、封印する方法を海賊達に教えたのがジョーンズだとダルマに教える。 ダルマは巨大化してカリプソは解放され、バルボッサはその見返りを求めるが、彼女は大量の蟹に姿を変えて海に戻ってしまう。 敵の大艦隊を前に、勝ち目がなくなったと嘆くバルボッサだったが、エリザベスは船員達を前に戦う意思を伝える。 各海賊船は一斉に帆を上げ、ベケットはジョーンズに情け無用という指令を出し、ついに決戦は始まる。 壮絶な戦いの中、牢屋から脱出したジャックは、ジョーンズの心臓の入った”デッドマンズ・チェスト”奪う。 ジャックはジョーンズに見つかり、マストの上で剣を交え、フライング・ダッチマンに乗り移ったウィルとエリザベスは、その場で結婚しようとする。 そして二人は、バルボッサの元で戦いながら結婚の誓いを立てる。 ジョーンズは、ジャックから箱を奪うものの甲板に落としてしまい、それをウィルが拾う。 ウィルは、父ターナーに襲われて箱を手放してしまい、ジャックは、ジョーンズがエリザベスとウィルに相対している隙に、箱を開けて心臓を取り出す。 ジョーンズの剣がウィルの胸を突き刺し、それを見たターナーがジョーンズに襲い掛かる。 しかし、瀕死のウィルがジョーンズの心臓をジャックの折れた剣で突き刺し、ジョーンズは渦巻く海面に落下して吸い込まれてしまう。 ウィルは息絶え、ジャックはエリザベスを連れて脱出する。 ターナーは、ウィルがフライング・ダッチマンの船長だと叫びながら、彼の心臓を抉り出して、船は海に吸い込まれていく。 ジャックとエリザベスはブラックパールに救助されるが、ベケットのエンデバーが迫る。 そこに、生き返ったウィルが率いる、フライング・ダッチマンが海中から現れる。 ブラックパールとフライング・ダッチマンはエンデバーを挟み撃ちにしようとするのだが、ベケットは、ジョーンズが死に、ウィルが船長になったことを知らずにいた。 一斉に砲撃を始めたブラックパールとフライング・ダッチマンに、ベケットは呆然としながら、”損のない取引を・・・”とつぶやき、撃破されたエンデバーと共に海の藻屑と消える。 海賊船団の乗組員は勝利の雄叫びを上げ、フライング・ダッチマンの呪縛の解けたターナーは自由の身となり、息子ウィルと行動を共にすることを伝える。 その後、ウィルは10年間陸には戻れないため、残された1日をエリザベスと過ごし、”デッドマンズ・チェスト”を彼女に渡して船に戻る。 自由港トルトゥーガで羽目を外していたジャックは、その隙にブラックパールをバルボッサに奪われてしまう。 バルボッサは、ジャックを置き去りにして気が咎める船員達に、サオ・フェンの海図を見せて安心させようとする。 しかし、海図の中心は刳り貫かれていた。 小船に海賊旗を掲げたジャックは海図を広げ、アクア・ヴィータ”生命の水”を目指しフロリダに向かう。 10年後。 その後、閃光を確認して微笑むエリザベスと息子の目には、フライング・ダッチマンの船上のウィルの姿が見える。
...全てを見る(結末あり)
エリザベスは、息子(ドミニク・スコット・ケイ)と沈む夕陽を見つめていた。
参考:
・「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」(2003)
・「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(2006)
・「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(2007)
・「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」(2011)
*(簡略ストー リー)
怪物クラーケンに飲み込まれ、海の墓場へと消えたキャプテン・ジャック・スパロウを救うため、キャプテン・バルボッサと共に海賊サオ・フェンの元に向かったウィルやエリザベスは、彼から世界の果てに向かうための海図を手に入れる。
海の墓場にたどり着いて、ジャックと再会し、海賊船ブラックパールを取り戻した一行は、東インド貿易会社のベケットに対抗するため、海賊長評議会を開こうと、目的地の”難破船入江”に向かう。
ベケットは、提督のノリントンからデイヴィ・ジョーンズの心臓を受け取り、フライング・ダッチマンを操り海賊絶滅を目指す。
しかし、殺されたサオ・フェンに代わり評議会に参加して、海賊王に任命されたエリザベスは、戦いに消極的な海賊長らの意見を退け、ベケットらに敢然と立ち向かう決意を示す・・・。
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2作目の興行収入が、全世界でついに10億ドルを突破するという、スーパー・ヒット・シリーズになり、なんと本作では3億ドルの製作費が投入された。
北米で約3億1000万ドル弱、全世界で約9億6100万ドルのメガヒットを記録したものの、北米で前作より1億ドル以上の収入減となったのが響き、シリーズの記録を更新することはできなかった。
第80回アカデミー賞では、メイクアップ、視覚効果賞にノミネートされた。
スタッフ・キャストは、ほぼ前作と同じであり、チョウ・ユンファが大物海賊として登場して存在感を示している。
今回もかなり大掛かりではあるが、斬新な映像と思えるシーンが影を潜め、前作でやり残した”宿題”を解決しつつ、次回作に期待を持たせるという無難な仕上がりになっている。
見応えある展開が続きはするが、3時間に迫る上映時間は、いささか長過ぎる感じもする。
更に、本作では、ジョニー・デップの活躍がやや押さえられているようにも思え、前作以上に各キャラクターの役割が分散されている。
そこを、ジョニー・デップ・ファンは物足りないと見るか、または他の役者の個性を楽しむかで評価は分かれるところだろう。
因みに批評家の評価は、3作の中ではダントツに悪い結果となっている。
7分半ものエンドロール終了後の、お決まりのエピローグを見逃してしまった方も多いと思うが、前作のようなお遊び程度の映像ではなく、今回はきっちりとした締めくくりとなっている。
史上最高の5600万ドルのギャラの割には、活躍はするもののややサポート役的な主人公ジョニー・デップ、目的を果たし、父を解放して命を落とすものの、海賊として復活するオーランド・ブルーム、益々勇ましくなる、本作の主役に近いキーラ・ナイトレイ、豪放磊落な復活したキャプテン・バルボッサを演ずるジェフリー・ラッシュ、東シナ海を支配する海賊チョウ・ユンファ、海底の藻屑として消える悪霊デイヴィ・ジョーンズのビル・ナイ、呪縛から介抱されるステラン・スカルスガルド、ついに冷静な判断を誤り命を落とす東インド貿易会社の使者トム・ホランダー、復権するも利用され死亡する提督ジャック・ダヴェンポート、同じく罠にはまり暗殺される総督ジョナサン・プライス、ブラックパールの航海士ケヴィン・マクナリー、今回は出演場面の多い占い師役のナオミ・ハリス、船員リー・アレンバーグとマッケンジー・クルック、そして、主人公の父で海賊の掟の番人キース・リチャーズなどが共演している。