サイトアイコン That's Movie Talk!

ファントム Phantom (2013)

米ソ冷戦下で起きたソ連原子力艦を利用した核戦争勃発を画策するKGBの陰謀を阻止しようとする艦長と乗組員の戦いを描く、主演エド・ハリスデイヴィッド・ドゥカヴニーウィリアム・フィクナーランス・ヘンリクセン他共演、監督トッド・ロビンソンによるサペンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■
監督:トッド・ロビンソン

製作
ジョン・ワトソン

ジュリアン・アダムス
ペン・デンシャム
製作総指揮
ヒカルド・コスタ・レイス
エリアド・ヨセフソン
トッド・ロビンソン

脚本:トッド・ロビンソン
撮影:バイロン・ワーナー
編集:テレル・ギブソン
音楽:ジェフ・ローナ

出演
デミトリー”デミ”ズボフ:エド・ハリス

ブルニー:デイヴィッド・ドゥカヴニー
アレックス・コズロフ:ウィリアム・フィクナー
マルコフ:ランス・ヘンリクセン
パヴロフ:ジョナサン・シェック
セマク軍医:ジェイソン・ベギー
ソフィー:ダグマーラ・ドミンスク
ティルトフ:ショーン・パトリック・フラナリー
サーシャ:ジェイソン・グレイ=スタンフォード
ソナー技師:ジョーダン・ブリッジス
ガーリン:デレク・マジャール

アメリカ 映画
配給 RCR Distribution
2013年製作 98分
公開
北米:2013年3月1日
日本:2013年10月12日
製作費 $18,000,000
北米興行収入 $1,177,590


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
米ソ冷戦下、ソ連ルイバチー原潜基地。
退役を控えるデミトリー”デミ”ズボフ(エド・ハリス)は、老朽艦の原子力潜水艦”B-67”での偵察航海を上官マルコフ(ランス・ヘンリクセン)から命ぜられる。

休暇中の副長アレックス・コズロフ(ウィリアム・フィクナー)らの元に向かったデミは、任務が命ぜられたことを伝える。

デミは出航を前に、自分が乗った最初の艦で任務を終えることなどをアレックスに語り乗艦しようとする。

そこに、特殊開発部の技術者であるブルニー(デイヴィッド・ドゥカヴニー)とガーリン(デレク・マジャール)が現れ、試作装置のテストのため同行することを知らされる。

デミは、政治将校パヴロフ(ジョナサン・シェック)に、かつて顔を合わせたことがあるというブルニーらの世話を任せる。
...全てを見る(結末あり)

海洋に出た際に開封する命令書を金庫にしまい、デミは艦を出航させる。

それを確認したマルコフは、拳銃で自決する。

ある事故の件が頭から離れないデミは、ブルニーがKGBの急進派”オズナ”で殺しのプロである可能性をアレックスから指摘される。

潜航して進む艦内で、デミは浸水訓練などを始めるが、海上の船を感知して、ブルニーはその下に向かうようデミに要求する。

船はパナマ船と確認され、デミはブルニーの指示に従い、危険を承知でそれに接近する。

その夜デミは発作を起こし、セマク軍医(ジェイソン・ベギー)が駆け付けて落ち着かせる。

一時的に艦長を代わったアレックスは、デミの病気を隠すことが危険を及ぼすとパヴロフに指摘される。

アメリカの原潜が確認されて、指揮に戻ったデミだったが、ブルニーは装置を試すためにエンジンで航行するするよう指示を出す。

デミはディーゼルエンジンを始動を命じ、ブルニーは試作装置”ファントム”を起動させる。

アメリカ艦に位置は知られてしまい、デミは魚雷発射の準備をさせる。

敵が元の進路に戻ったことを確認したデミは、ファントムが偽装装置であることを知る。

デミら士官達は、ブルニーらを含めて装置のテスト成功を喜ぶ。

しかし、ブルニーらが退席した後、デミらは、相手が探知不能ということは味方も欺けると指摘し、KGBがそれを悪用することもできる可能性をパヴロフに語る。

パヴロフは、KGBを敵に回す危険性を指摘して席を外す。

デミらは、軍の指示には従わないオズナが、任務遂行のために容赦なく自分達を殺すだろうということを覚悟しながら警戒する。

その後、暗号化された命令書を送信する指示を出すデミは、それを阻止しようとするブルニーに精神障害を指摘される。

かつて、マルコフの艦と本艦の激突事故を起こし脳神経を痛めたデミは、死者6名を含む36名の負傷者をだしたことなどをブルニーから追求され、部下らと共に監禁される。

デミは事故のことを部下達に話し、潜水艦隊を率いた司令官の父の名誉を汚すことができなかった苦しい胸の内を語る。

極東に左遷されたデミは、同じ立場のマルコフが秘密装置を自分に委ねるようなことを決してしないと話す。

ブルニーらの考えが、逃亡か核戦争かだと指摘したデミは、アレックスに連絡して、核弾頭に詳しいティルトフ(ショーン・パトリック・フラナリー)に指示しそれを無力にするよう命ずる。

アメリカと味方、双方から攻撃を受ける危険性を覚悟しながら、デミは部下に作らせた発信機を艦内から放出させる。

何かの工作に気づいたブルニーは、味方が近づいていることを知り、核戦争を仕掛けると伝えデミに指揮を任せる。

その間、アレックスらは武器を確保し、ティルトフはサーシャ(ジェイソン・グレイ=スタンフォード)と共に核ミサイル発射を妨害しようとする。

原潜から魚雷が発射され、デミはそれを回避しようと囮と音響弾の発射準備をする。

ブルニーは、アメリカの高性能弾道迎撃システムについてをデミに話し、先制攻撃を受けた場合は、地上ミサイルが全滅するため、それを潜水艦から迎撃する”ダーク・スター”が配備されていることを知らせる。

魚雷を回避したデミは、原潜に向かって魚雷を発射して爆破し航行不能にして浮上させる。

デミは、ブルニーの狙いが、指導者が勝利する条件を整え、ファントムを使い中国艦を装い、ターゲットであるアメリカ太平洋艦隊に向けて核攻撃を仕掛け、報復させることだと語る。

ソ連は、両国の核戦争を傍観して最強国となることが目的だった。

そこに現れたアレックスに銃を向けられたブルニーだったが、デミの部下を既に仲間に引き入れていたため銃を奪う。

ブルニーは、核弾頭を制御しようとしていたティルトフを殺し、弾倉のハッチは閉められて、中にいたサーシャは閉じ込められる。

デミらの持つ発射キーを奪ったブルニーは、燃料注入と発射準備を始める。

発射コードが変えられていたため、ブルニーは別のコードがあるはずの金庫を開けるようデミらに迫る。

ブルニーは、パヴロフとセマクを射殺してデミに金庫を開けさせる。

原潜が迫り、ブルニーはファントムを起動させて発射コードを入力する。

ミサイルは発射されるが、デミらは抵抗してその場を制圧し、原潜から発射された魚雷の被害を受け艦は海底に沈む。

ブルニーは、自分がこの艦で部下だったことをデミに伝え、事故の際に仲間を閉じ込めるよう指示されたことを話す。

有毒ガスの被害や浸水が始まり、デミは生存者を救えるアレックスに脱出するよう命ずる。

核戦争が始まっていた場合、全てをアメリカ側に話すことを指示したデミは、妻ソフィー(ダグマーラ・ドミンスク)への手紙と娘に渡すロザリオをアレックスに託す。

その後、艦は引き上げられて帰港し、アレックスはソフィーと娘と共にそれを迎える。

亡くなったデミらは収容され、ソフィーと娘は花を手向ける。

アレックスは、デッキに向かい敬礼してその場を離れる。
__________

冷戦時、核弾頭を搭載したソ連の潜水艦が南太平洋で行方不明になり、引き上げ後、その行動目的は米ソ間で秘密にされた。

ミサイルは、不発のままアメリカ側が回収したと言われている。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
米ソ冷戦下。
ソ連の旧型原子力潜水艦B-67で偵察航海を命ぜられた引退を控えるデミトリー”デミ”ズボフは、休暇中の部下を従えて出航の準備を始める。
そこに特殊開発部の技術者ブルニーらが現れ、試作装置”ファントム”のテストのため同行することになる。
艦は出航し潜航して海洋に向かうのだが、副長アレックスは、ブルニーらがKGB急進派”オズナ”である可能性をデミに指摘して警戒させる。
やがて船舶に接近したデミは、それに近づくようブルニーに指示され、テストされたファントムが、敵を欺く偽装装置であることを知るのだが・・・。
__________

冷戦下に実際に起きた、ソ連原子力潜水艦行方不明事件を基にした、KGB急進派が企む核戦争勃発の危機の緊迫した状況を描いたドラマ。

原潜の行方不明と、結局は核攻撃が回避されたということは事実で、その後は米ソ両国により調査の結果は秘密にされたという注釈が入る。

似たような内容のドラマはあるためそれほど驚かない内容と、密室の緊迫感もまずまずと言ったところで、評価も低く商業的にも成功した作品とは言えない。

アメリカ人のみならず、外国の軍人役や制服が良く似合うエド・ハリスの深い演技は見ものであり、辛い過去を持つ原潜のベテラン艦長を好演している。

核戦争を仕掛けようとするKGBデイヴィッド・ドゥカヴニー、原潜の副長ウィリアム・フィクナー、主人公の上官ランス・ヘンリクセン、政治将校のジョナサン・シェック、軍医のジェイソン・ベギー、主人公の妻ダグマーラ・ドミンスク、原潜の乗組員ショーン・パトリック・フラナリージェイソン・グレイ=スタンフォードジョーダン・ブリッジスKGBデレク・マジャールなどが共演している。


モバイルバージョンを終了