一か所に留まることができない青年が様々な出会いで自分の生き方を探求する姿を描く、製作、監督、脚本、編集、音楽を兼ねる、ジム・ジャームッシュのデビュー作品。 クリス・パーカー、リーラ・ガスティル、ジョン・ルーリー他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジム・ジャームッシュ
製作:ジム・ジャームッシュ
脚本:ジム・ジャームッシュ
撮影
トム・ディチロ
ジェームズ・A・レボヴィッツ
編集:ジム・ジャームッシュ
音楽
ジョン・ルーリー
ジム・ジャームッシュ
出演
アロイシュス”アリー”パーカー:クリス・パーカー
リーラ:リーラ・ガスティル
サックス・プレーヤー:ジョン・ルーリー
看護師:サラ・ドライヴァー
母親:ルース・ボルトン
ロビーの男性:フランキー・フェイソン
車泥棒:エリック・ミッチェル
退役軍人:リチャード・ボーズ
ラテン系の少女:マリア・デュヴァル
ポップコーン売りの少女:リサ・ローセン
フランス人旅行者:クリス・ハメオン
アメリカ 映画
配給 Cinesthesia
1981年製作 75分
公開
北米:1981年3月6日
日本:1986年7月18日
製作費 $12,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
路地をさ迷い数日振りにアパートに戻ったアロイシュス”アリー”パーカー(クリス・パーカー)は、同居人のリーラ(リーラ・ガスティル)から何をしていたのかを訊かれる。
夜眠れないと言うアリーは歩いていたと答え、音楽をかけて躍り始める。
その後アリーは、ロートレアモン伯爵の”マルドロールの歌”をリーラに読んで聞かせる。
読み飽きたのであげると言われたリーラは、自分も読んだと伝える。
孤独に飽きたと言うリーラに、皆、孤独であり、自分は流れ歩き、漂流していれば孤独でないと思うことができるとアリーは話す。
おかしいと思われても、それが自分の生き方だと言うアリーは、窓の外を眺める。 路上のサックス・プレーヤー(ジョン・ルーリー)を見つめながら、アリーは、1年以上会っていない精神病院にいる母親の元に向かうことをリーラに伝える。 その前に生まれた家を訪ねてみたいと言うアリーは、家は戦争中に中国人に爆撃されたと、リーラに意味不明な話をする。 廃墟に向かったアリーは、その場で退役軍人(リチャード・ボーズ)に出会う。 軍人と話したアリーは、この場に住んでいると言う彼に、移った方がいいと助言する。 精神病院を訪ねたアリーは、老婦人と同室の母(ルース・ボルトン)に声をかけるものの、会話が成り立たない。 看護師(サラ・ドライヴァー)が薬の時間だと言って入ってきたため、アリーは外で待とうとする。 待つのを止めたアリーはその場を離れ、街をさ迷い、様子のおかしい歌うラテン系の少女(マリア・デュヴァル)に話しかける。 取り乱す少女は、アリーを追い払う。 映画館に入ったアリーは、上映中だった、アンソニー・クインの主演作”バレン”の感想を、ポップコーン売りの少女(リサ・ローセン)に尋ねる。 ロビーにいた男性(フランキー・フェイソン)から、”ドップラー効果”のことを聞いたアリーは、それが。アメリカ人ミュージシャンが、ヨーロッパで生活苦の末に自殺する話に発展する。 夜になり、通りを歩いていたアリーは、昼間、見かけたサックス・プレーヤーの演奏を聴く。 翌朝、アリーは建物の屋上で目覚め、その後、女性がポストに手紙を入れようとした隙に彼女の車を奪う。 車を男(エリック・ミッチェル)の元に運んだアリーは、それを800ドルで売る。 アパートに戻ったアリーは、リーラの姿が見えなかったため、身支度をしてパスポートを持参し、メモを残してその場を去る。 波止場にいたアリーは、その場でたたずむ青年(クリス・ハメオン)に話しかける。 フランスから来た年に、住んでいたパリのことを訊いたアリーは、行く気があるのなら、君にとって素晴らしい場所になると言われる。 船が来たために、アリーは青年と別れて乗船する。 自分は一か所に住めないというメモをリーラに残したアリーは、簡単には説明できないと考える。
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
数日間、路地をさ迷うアロイシュス”アリー”パーカーは、一か所に留まることができない。
そんな行動により孤独でないと思えるアリーだったが、同居するリーラは彼の考えが理解できない。
その後も、様々な人との出会いで、自分の生きる道を見定めようとするアリーだったが・・・。
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ジム・ジャームッシュが、ニューヨーク大学大学院映画学科の卒業作品として製作した彼のデビュー作。
16mmフィルムで撮影された本作は、アマチュアの自主製作映画の枠を超えていない内容なのだが、アメリカ、日本など数か国で劇場公開された。
淡々と進むドラマは不可思議なところもあるが、攻撃的且つ強烈な個性を感じさせながら、意外にも情緒的な一面を見せる、ジム・ジャームッシュらしい感性が窺える作品。
一つの場所にいることができない、孤独を紛らす行動をし続けるクリス・パーカー、彼と同居する女性のリーラ・ガスティル、音楽も担当するサックス・プレーヤー役のジョン・ルーリー、ジム・ジャームッシュとは実生活のパートナーでもある看護師役のサラ・ドライヴァー、主人公の母親ルース・ボルトン、映画館のロビーの男フランキー・フェイソン、ポップコーン売りのリサ・ローセン、主人公が盗んだ車を売る男エリック・ミッチェル、退役軍人のリチャード・ボーズ、ラテン系の少女マリア・デュヴァル、フランス人旅行者のクリス・ハメオンなどが共演している。