2005~2009年に発行されたリック・リオーダンのファンタジー小説の映画化。 海の神であるポセイドンと人間の間に生まれた“デミゴッド”の少年がゼウスの稲妻盗難事件を解決するまでを描く、製作、監督クリス・コロンバス、主演ローガン・ラーマン、ブランドン・T・ジャクソン、キャサリン・キーナー、ピアース・ブロスナン、ユマ・サーマン他共演のファンタジー・アドベンチャー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:クリス・コロンバス
製作総指揮
ガイ・オゼアリー
マーク・モーガン他
製作
クリス・コロンバス
マイケル・バーナサン他
原作:リック・リオーダン
脚本
クレイグ・ティトリー
ジョー・スティルマン
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
編集:ピーター・ホネス
音楽:クリストフ・ベック
出演
パーシー・ジャクソン:ローガン・ラーマン
グローヴァー・アンダーウッド:ブランドン・T・ジャクソン
アナベス・チェイス:アレクサンドラ・ダダリオ
ルーク・キャステラン:ジェイク・アベル
サリー・ジャクソン:キャサリン・キーナー
ゲイブ・ユグリアーノ:ジョー・パントリアーノ
ブルナー/ケイロン:ピアース・ブロスナン
ドッズ/エリニュス:マリア・オルセン
メデューサ:ユマ・サーマン
ヘルメス:ディラン・ニール
ペルセポネ:ロザリオ・ドーソン
ハデス:スティーヴ・ クーガン
アテナ:メリーナ・カナカレデス
ポセイドン:ケヴィン・マクキッド
ゼウス:ショーン・ビーン
カロン:ジュリアン・リッチングス
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2010年製作 118分
公開
北米:2010年2月12日
日本:2010年2月26日
製作費 $95,000,000
北米興行収入 $88,761,700
世界 $226,497,210
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
”オリンポスの十二神”のゼウス(ショーン・ビーン)とポセイドン(ケヴィン・マクキッド)は、”エンパイア・ステート・ビル”の展望台で待ち合わせる。
ゼウスは、自分の稲妻がポセイドンの子供に盗まれたと言い張り、14日後の夏至の夜中までに返すことを要求する。
なぜか、水の中だけが落ち着ける少年パーシー・ジャクソン(ローガン・ラーマン)は、学校から帰り、難読症が酷くなっていることを母サリー(キャサリン・キーナー)に伝える。
パーシーは、継父ゲイブ・ユグリアーノ(ジョー・パントリアーノ)との仲も最悪で、母サリーがなぜ彼と暮すのか理解できなかった。
ある日、課外授業でギリシャ・ローマ博物館に行ったパーシーは、教師ブルナー(ピアース・ブロスナン)から、神と人間の間に生まれた “デミゴッド”のことなどを聞かされる。
パーシーは、その”デミゴッド”の英雄”ペルセウス”に名前が似ていることなどもブルナーに指摘される。
その場でパーシーは、引率教師ドッズ(マリア・オルセン)に話があると言われ別の部屋に向かう。 ドッズは、女神エリニュスに変身しパーシーに襲い掛かるが、そこにブルナーが現れ彼女を追い払う。 パーシーが、エリニュスから”稲妻を盗んだ”と言われたことを知ったブルナーは、彼に訓練所に行かせようとする。 あるペンをパーシーに渡したブルナーは、彼を母親の元に帰すよう、その場にいた生徒グローヴァー・アンダーウッド(ブランドン・T・ジャクソン)に指示する。 自分の守護者だと言うグローヴァーと家に帰ったパーシーは、母サリーと三人で訓練所に向かうが、途中で妨害に遭い事故を起こす。 足の悪かったグローヴァーは、半人半獣(ヤギ)のサテュロスに姿を変え、パーシーらは林の中の訓練所に向かう。 サリーは中には入れず、追ってきたミノタウロスに襲われて彼女は犠牲になり、パーシーはブルナーにもらったペンを剣に変える。 ミノタウロスを倒したパーシーは気を失ってしまい、訓練所内で目を覚ます。 グローヴァーの下半身を見たパーシーは驚き、自分が神と人間の間に生まれた”デミゴッド”だということを、改めて彼から知らされる。 そこでパーシーは、実は半人半馬ケイロンだったブルナーに会い、自分が海の神ポセイドンの息子で、最強の武器であるゼウスの稲妻を盗んだ疑いがかけられていると聞かされる。 さらにケイロンは、10日後までにそれを返さないと、戦争が始まることをパーシーに伝える。 そのためパーシーは、”オリンポス山”のゼウスに会い事情を説明することになる。 そしてパーシーは、ヘルメスの息子ルーク・キャステラン(ジェイク・アベル)らと共に実戦形式の訓練に入る。 敵味方に分かれた訓練で、パーシーは、女神アテナの娘アナベス・チェイス(アレクサンドラ・ダダリオ)と剣を交える。 アナベスに叩きのめされたパーシーだったが、川の水に手を触れた瞬間にとてつもないパワーを発揮し、彼女を屈服させてしまう。 英雄になったパーシーは、アナベスと心を通わせるようになるが、彼らの前に下界の神ハデスが現れる。 ハデスは、パーシーの母サリーが、ミノタウロスに浚われ冥界にいることを彼に伝え、稲妻を返すよう要求する。 冥界に行き、母サリーを救い出すことを考えたパーシーは、グローヴァーとアナベスと共にルークの助言を受ける。 三人は、冥界に行くことよりも、脱出するために必要な真珠を手に入れる必要があり、ルークから空の飛べる靴と盾を渡され、真珠を探す旅に出る。 ある石像の店に着いた三人は、見つめられると石化してしまう魔物メデューサ(ユマ・サーマン)に襲われるが、パーシーが彼女の首を刎ねて真珠を奪う。 その後、三人はメデューサの首を持参し、ナッシュビルにある”パルテノン神殿”の原寸大レプリカに向かう。 神殿に着いた三人は、アテナの像の真珠を確認し、夜まで内部に潜み、アナベスが警備員を麻酔矢で眠らせる。 ルークから渡された空が飛べる靴を履き、パーシーが真珠を手に入れるが、警備員達に扮していた怪物”ヒュドラ”が三人に襲い掛かる。 メデューサの首でヒュドラを石化した三人は、その後、神の怒りと思われる巨大な嵐が近づいていることを知り、次の目的地ラスベガスに向かう。 ロータス・カジノに向かった三人は、ロトスの花を食べさせられ感覚が麻痺し豪遊を始めるが、パーシーが正気に戻る。 パーシーは、ルーレットにあった三個目の真珠を手に入れ、三人は、賞品の車を奪い逃走する。 5日間もカジノで過ごしたことを知った三人は、翌日が期限だと気づき、次の目的地ハリウッドに急行する。 冥界の入り口に着いた三人は、渡し守カロン(ジュリアン・リッチングス)に金を渡し先に進む。 そして、冥界に着いた三人は、ハデス(スティーヴ・ クーガン)とその妻ペルセポネ(ロザリオ・ドーソン)に迎えられる。 ハデスは稲妻を渡すようパーシーに言い寄るが、彼はそれを盗んでいないことを伝え話し合おうとする。 憤慨したハデスだったが、サリーが姿を現した瞬間パーシーが投げ捨てた盾に、稲妻が隠されていたことに気づく。 稲妻を手に入れ、神の王になれることを確信したハデスは、パーシーらを始末しようとする。 しかし、ハデスを嫌っていたペルセポネは、稲妻を奪い彼を打ちのめし、それをパーシーに渡す。 外界に戻れる真珠は三個しかなかったため、ペルセポネに気に入られたグローヴァーが残ることになり、パーシーら三人は”エンパイア・ステート・ビル”の展望台に戻る。 嵐が近づき、その場に”オリンポス山”の入り口があることに気づいた三人の前にルークが現れる。 ルークは、自分達が世界支配を引き継ごうと、”オリンポスの十二神”を滅ぼすために稲妻を盗んだことを伝え、それを奪い去る。 空を飛べる靴でルークを追ったパーシーは、貯水タンクの水を利用して彼を倒し稲妻を奪い返す。 オリンポス山に向かったパーシーは、ゼウスに稲妻を返し、ヘルメス(ディラン・ニール)の息子ルークがそれを盗み、神達の内紛を起こそうとしたことを伝える。 それを理解したゼウスは、戦いを止めることをポセイドンらに伝え、その場にいたアテナ(メリーナ・カナカレデス)は、娘のアナベスを誇りに思う。 パーシーは、冥界にいるグローヴァーを助けてほしいことをゼウスに伝え、そして父ポセイドンと対面する。 ポセイドンは、パーシーを残して去ったことを謝罪し、ゼウスが人間の子供に会うことを禁じていたたことを伝える。 そしてポセイドンは、いつでも側にいて力になることを息子パーシーに伝え、二人は握手をして別れる。 サリーは、ゲイブと別れたことを息子パーシーに知らせ、彼を訓練所に送り届ける。 グローヴァーと再会したパーシーは、彼が上級守護者になり角が生え始めたことに気づく。 ケイロンにも迎えられたパーシーは、勇ましく訓練をするアナベスと剣を交える。 その後、サリーに追い出されることになったゲイブが、鍵のかかっていたパーシーの冷蔵庫を開けると、そこにはメデューサの首があった。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(2010)
・「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海」(2013)
*(簡略ストー リー)
水の中だけが落ち着ける気弱な少年パーシー・ジャクソンは、ゼウスの稲妻を盗んだと疑われ、自分が海の神ポセイドンと人間の間に生まれた半神“デミゴッド”だと知らされる。
パーシーは、母サリーを浚われてしまい、守護者だと言う友人のグローヴァーと訓練所に向かい、学校の教師に扮していた半神半馬ケイロンの下で鍛え上げられる。
その後パーシーは、母サリーが冥界に連れ去られていることを知り、グローヴァーと女神アテナの娘アナベスとで、母を救い出す旅に出る。
そして、冥界から脱出するために必要な真珠を探すパーシーらに、次々と魔の手が迫る・・・。
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ギリシア神話に登場する神々の争い、それにまつわる、神話と現代が融合した奇抜なアイデアで、子供から大人まで、アクション、ファンタジーどちらとしても楽しめる作品に仕上がっている。
ヒットメイカーのクリス・コロンバスの軽快で歯切れの良い演出も見所の作品で、主人公の少年達をサポートするキャラクターで登場する豪華な競演陣も嬉しい。
しかし、批評家の評価は低く、北米興行収入は約8900万ドルに留まる。
全世界では約2億2700万ドルのヒットとなった。
特撮などはそれほど目新しい感じはしないのだが、ひ弱に見える少年が逞しく成長していく姿や友情、親子愛などもきっちりと描かれている。
弱々しい外見が、普通の少年の活躍を描くドラマにマッチしている、体を張った熱演も印象的である主人公ローガン・ラーマン、彼の守護者で半人半獣(ヤギ)サテュロスのブランドン・T・ジャクソン、女神アテナの娘アレクサンドラ・ダダリオ、ヘルメスの息子で稲妻を奪った犯人ジェイク・アベル、主人公の母親キャサリン・キーナー、彼女の夫ジョー・パントリアーノ、教師に扮するケイロンのピアース・ブロスナン、教師に扮する女神エリニュス役のマリア・オルセン、メデューサ役のユマ・サーマン、ヘルメス役のディラン・ニール、アテナのメリーナ・カナカレデス、ハデス役のスティーヴ・ クーガン、その妻ペルセポネのロザリオ・ドーソン、冥界の渡し守カロン役のジュリアン・リッチングス、そして、ポセイドン役のケヴィン・マクキッドとゼウス役のショーン・ビーンなどが共演している。