25年前の高校生時代にタイムスリップした女性の愛を再確認する不思議な体験を描く、監督フランシス・フォード・コッポラ、主演キャスリーン・ターナー、ニコラス・ケイジ、ジョアン・アレン、ジム・キャリー他共演のコメディ・ドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:フランシス・フォード・コッポラ
脚本
ジェリー・レイクトリング
アーレン・サーナー
製作:ポール・R・グリアン
製作総指揮:バリー・M・オズボーン
撮影:ジョーダン・クローネンウェス
編集:バリー・マルキン
衣装デザイン:シードラ・ヴァン・ランクル
音楽:ジョン・バリー
出演
ペギー・スー・ボーデル:キャスリーン・ターナー
チャーリー・ボーデル:ニコラス・ケイジ
リチャード・ノーヴィック:バリー・ミラー
キャロル・ヒース:キャサリン・ヒックス
マディ・ネイグル:ジョアン・アレン
マイケル・フィッツシモンズ:ケヴィン・J・オコナー
ウォルター・ゲッツ:ジム・キャリー
ドロレス・ダッジ:リサ・ジェーン・パースキー
ロザリー・テスタ:ルシンダ・ジェニー
アーサー・ネイグル:ウィル・シュライナー
イヴリン・ケルチャー:バーバラ・ハリス
ジャック・ケルチャー:ドン・マレー
ナンシー・ケルチャー:ソフィア・コッポラ
エリザベス・アルヴォーグ:モーリン・オサリヴァン
バーニー・アルヴォーグ:リオン・エイムズ
レオ:ジョン・キャラダイン
スコット・ボーデル:ランディ・ボーン
ベス・ボーデル:ヘレン・ハント
アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1986年製作 103分
公開
北米:1986年10月10日
日本:1987年4月18日
製作費 $18,000,000
北米興行収入 $41,382,840
■ アカデミー賞 ■
第59回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優(キャスリーン・ターナー)
撮影・衣装デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1985年。
ペギー・スー・ボーデル(キャスリーン・ターナー)は、電気店を経営する夫チャーリー(ニコラス・ケイジ)が浮気をしたため別居中だった。
娘のベス(ヘレン・ハント)から、そろそろ許してあげるようにと言われるものの、ペギーにその気はなかった。
1960年卒業の高校の同窓会にベスと共に出席したペギーは、入口で、同窓生のアーサー・ネイグル(ウィル・シュライナー)とマディ(ジョアン・アレン)に再会する。
マディと話したキャロル・ヒース(キャサリン・ヒックス)は、ウォルター・ゲッツ(ジム・キャリー)に気づく。 リチャード・ノーヴィック(バリー・ミラー)から妻シャロンを紹介されたペギーは、チャーリーのことを訊かれたために、離婚すると答える。 キャロルと話していたペギーは、車いすで現れたロザリー・テスタ(ルシンダ・ジェニー)に子供達の写真を見せて、若さを保っているとお世辞を言われる。 ウォルターは、キャロルとコカインを吸う。 人気者だったマイケル・フィッツシモンズ(ケヴィン・J・オコナー)が消息不明だと知ったペギーは、彼に惹かれていたことを皆に話す。 科学者として成功していたリチャードは、学生時代には皆が自分をバカにしていたとペギーに話し、今は有名人であり、美しい妻もいて幸せだろうと言われる。 そこにチャーリーが現れ、彼が来ないと思っていたペギーは動揺する。 ベスは父チャーリーの元に向い、会場では同窓会のキングとクイーンの選出が始まる。 リチャードがキングに選ばれてスピーチし、ペギーがクイーンに選ばれるものの、ステージに上がった彼女は倒れて意識を失う。 目覚めたペギーは、周囲にいるキャロルやマディに気づき、現れたチャーリーからキスされてしまう。 そこが献血会場だと知ったペギーは、ウォルターがふざけていることに気づき、自分は失神していたと言われる。 キャロルやマディ、ドロレス・ダッジ(リサ・ジェーン・パースキー)、そして車や町の様子から、1960年の高校時代に戻ってしまったことに気づいたペギーは、車で家に送ってもらう。 献血のことで連絡を受けていた母イヴリン(バーバラ・ハリス)から、部屋で休むようにと言われたペギーは、懐かしさで感激する。 妹のナンシー(ソフィア・コッポラ)を抱きしめたペギーは、いつもいじめていたことを謝罪する。 その後、ナンシーとテレビを見ていたペギーは、体は大人だと思い酒を飲んでしまう。 車を買って帰宅した父ジャック(ドン・マレー)から、酔っていることで叱られたペギーは、部屋に戻りベッドに入る。 翌朝、昨日のことで両親に謝罪したペギーは、良い娘になることを約束する。 迎えに来たチャーリーから、高校を卒業したら別の相手と付き合い、愛を確かめ合ってから結婚しようと言われたペギーは、それならば、今、別れると伝える。 高校生生活を楽しもうとするペギーは、文学を愛する単独行動をするマイケルが気になる存在となる。 ランチの際に、独りでいるリチャードに声をかけたペギーは、放課後に話があると言って彼を誘い、チャーリーはそれを気にする。 リチャードに会ったペギーは、タイムトラベルが可能かを尋ねる。 自分の理論では可能だと答えるリチャードに、秘密を守ることを約束させたペギーは、25年後の未来から来たことを彼に伝える。 それを信じないリチャードに証拠を見せると言うペギーは、盲目の祖父のために、彼が読書機械を発明して有名になると話す。 ペギーが祖父のことを知っていたために驚くリチャードは、試験管ベビーの心臓移植手術や、1969年7月20日には、ニール・アームストロングが月面を歩くと言われる。 一応それを信じたリチャードは、自分は死んだのだろうかとペギーから訊かれる。 リチャードは、それを確かめるためにペギーを走って来る消防車の前に立たせる。 死んでいれば体をすり抜けると言われたペギーは、轢かれる寸前で消防車を避ける。 帰宅したペギーは、祖母からの電話に出て動揺してしまう。 ペギーの様子を気にしたイヴリンは、チャーリーとのことを尋ねる。 その夜、ペギーを迎えに来たチャーリーと話をしたジャックは、最近娘の様子がおかしいと思わないかと訊かれる。 自分がペギーを好きなのは、他の子と少し違ったところだと答えるチャーリーは、将来の妻を育ててくれていることに感謝するが、ジャックは戸惑う。 マディのパーティーに行くため、チャーリーが迎えに来たことをイヴリンから知らされたペギーは、気が進まないことをに母に伝える。 人生を楽しむようにと言われたペギーは、チャーリーをうまく操縦するようイヴリンから助言される。 チャーリーも同じことをジャックから言われるが、手出しはするなと警告される。 パーティーを楽しんだペギーは、チャーリーの魅力を再確認し、”久し振り”に愛し合う気になり彼を求める。 迫られたチャーリーは動揺し、リードされたことで腹を立てて、ペギーを送ってその場を去る。 その後、ダイナーにいたマイケルと話したペギーは、詩を愛する知的な彼に惹かれてしまう。 ドロレスは、マイケルのバイクに乗るペギーを目撃する。 郊外に向かったペギーとマイケルは、マリファナを吸い語り合い、そして一夜を過ごす。 チャーリーの父親が経営する電機店に向かったペギーは、どんな困難があっても愛は増すとチャーリーから言われて、彼を抱きしめる。 その後、リチャードに会ったペギーは、将来、世の中を席巻する品物などを教えて、成功のヒントを与える。 下着店に向い、パンティストッキングがまだ存在しないことを知ったペギーは、家でその試作品を作る。 そこに現れたキャロルとマディから、マイケルのことを訊かれたペギーは、彼は、野性味の中に繊細さを感じさせる、詩人の心を持っていると話す。 チャーリーに知られても構わないと言うペギーは、彼を束縛する気はないと二人に話し、1度デートしただけのマイケルと結ばれることはあり得ないと伝える。 その夜、ペギーの部屋に忍び込み、話があると言って地下室に向かったチャーリーは、マイケルのことを彼女に問い、一緒にいたことを知り憤慨する。 別れる気のペギーは、25年後の自分の考えで、浮気相手のジャネットの名前を出し、これ以上は無理だと伝える。 チャーリーに失敗する人生を送らせたくないペギーだったが、彼はそれを理解できず、電機店の経営者で浮気者では終わらない、音楽で”フェビアン”の様になって見せると言ってその場を去る。 マイケルとバーで話したペギーは、5週間後の卒業後にユタで鶏を育てているリタの元に一緒に向い、自分が詩を作る間、養鶏をしているようにと彼から言われる。 それを断ったペギーは、自分達の心は遠く離れていると言って、思い出の一夜を小説にしてほしいとマイケルに伝える。 その場でチャーリーのグループのステージが始まり、ペギーは彼を見直すものの、マイケルと店を出る。 自信をもってエージェントと話したチャーリーだったが、レコーディングは無理だと言われる。 翌朝、チャーリーに会い昨夜のことを話したペギーは、彼のために書いた歌詞を渡す。 それを迷惑に思うチャーリーだったが、ペギーの気持ちを察して、人気者になるだけが人生ではないと伝える。 教室でドロレスに仕返ししたペギーは、リチャードに会って別れを告げる。 未来に戻り子供達に会いたいと言って、明日は誕生日であり、18歳で結婚したことをリチャードに伝えたペギーは、チャーリーと別居をしたのかと訊かれる。 それを確認したリチャードは、運命を変えると言って、自分と結婚することをペギーに提案する。 それを拒んだペギーは、”ペギー・スーは結婚したのだから”と伝える。 ペギーは、一緒に行くと言うリチャードに、卒業生総代の役目を果たすようにと伝えてその場を去る。 現れたチャーリーは、ペギーのために詩に曲を付けて歌い、誕生日にはフランス料理で食事をすることを提案する。 それを断ったペギーは、祖父の家に行くと伝えて立ち去る。 祖父バーニー(リオン・エイムズ)にバス停まで迎えに来てもらい、祖母エリザベス(モーリン・オサリヴァン)に歓迎されたペギーは、二人が未来について興味があることを知り、自分が体験していることを話す。 自分の話を疑いもせずに聞いてくれた二人と心和む時間を過ごしたペギーは、バーニーが向かう会合に付き添う。 会場に向かったペギーは歓迎され、それがタイム・トラベラーが創設した会合であり、出席者から、無事に送り返すと約束してもらえる。 奇妙な儀式が始り、レオ(ジョン・キャラダイン)が呪文を唱え、雷が鳴り響いた瞬間、ペギーは姿を消す。 ペギーを連れ出したのはチャーリーで、バーニーやレオらは、儀式が成功したと考える。 雨の中、ペギーを温室に連れて行ったチャーリーは、父親が店の売り上げから資金を提供してくることを約束してくれたため、養っていけると伝える。 プロポーズしたチャーリーは、自分と子供を捨てた男と2度も結婚できないと言うペギーの話が理解できない。 ペギーを抱きしめるチャーリーは、ペンダントを渡す。 それがなくしたペンダントで、中の写真が息子のスコットとベスだと伝えたペギーは、母イヴリンがくれた自分達二人の写真だとチャーリーに言われる。 チャーリーの愛を確認したペギーは、彼を抱きしめる。 歌声で目覚めたペギーは、目の前のチャーリーが疲れて老けていることを気にする。 誤解していたと言うペギーに、心から謝りたい、君なしでは生きられないとチャーリーは伝える。 チャーリーがジャネットと別れたことを知ったペギーは、同級生の皆が花を贈ってくれたと言われる。 自分に捧げた本をマイケルが送ってくれたと言われ、それを受け取ったペギーは、それほどの仲ではなかったとチャーリーに伝える。 高校時代に戻り二人でデートする不思議な体験をしたことを話すペギーは、自分が突き放しても決して諦めなかったと言って、チャーリーをの手を握りしめる。 やり直せるのなら何でもすると言うチャーリーに、もう少し時間が欲しいと伝えたペギーは、去ろうとする彼を日曜の食事に誘う。 子供達と共にと言うペギーを、チャーリーは抱きしめる。 両親の仲睦まじい姿を見たヘレンは、二人に微笑む。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1985年。
ペギー・スー・ボーデルは、電機店を営む夫チャーリーが浮気をしたため別居中だった。
1960年卒業の同窓会に出席したペギーは、同級生と再会して楽しい時を過ごすが、来ないはずのチャーリーが現れたために動揺する。
その後、クイーンに選ばれたペギーは感激するものの、意識を失い倒れてしまう。
目覚めたペギーは、25年前の高校時代に戻ってしまったことに気づく・・・。
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青春映画なども手掛け路線変更も感じさせていた頃の、フランシス・フォード・コッポラの愛すべき一作に上げたい作品。
1980年代が青春だった者にとっては忘れ難い作品で、当時を想い起しながら今観ると更に味わい深く感じる、郷愁を誘うノスタルジックな雰囲気に浸れる作品でもある。
第59回アカデミー賞では、主演女優(キャスリーン・ターナー)、撮影、衣装デザイン賞にノミネートされた。
また、戦前からのハリウッドの全盛期を支えた名優達、モーリン・オサリヴァン、リオン・エイムズ、ジョン・キャラダインの出演はファンにとっては涙ものであり、その功績に敬意を表する、フランシス・フォード・コッポラの映画への愛が感じられる。
主人公の両親役のドン・マレーとバーバラ・ハリスの出演も嬉しい。
主人公を演ずる、1980年代を代表するトップ女優キャスリーン・ターナーは、タイムスリップにより、信頼関係を失っていた夫との愛を再確認する女性を、キャリア最高とも言える演技で熱演している。
既にキャリアは積んでいたものの、初々しいことこの上ない、撮影当時21歳のニコラス・ケイジの軽妙な演技も見逃せない。
その高校時代の友人役で登場するジム・キャリーも存在感を示し、主人公の娘役で出演のヘレン・ハントも注目だ。
主人公が過去で頼りにする秀才バリー・ミラー、同じく親友の同級生キャサリン・ヒックス、ジョアン・アレン、主人公が過去で憧れるアウトロー的文学青年のケヴィン・J・オコナー、意地の悪い同級生のリサ・ジェーン・パースキー、同級生ルシンダ・ジェニー、ウィル・シュライナー、主人公の両親ドン・マレーとバーバラ・ハリス、その娘ソフィア・コッポラ、主人公の祖父母リオン・エイムズとモーリン・オサリヴァン、タイムトラベルの会の老人ジョン・キャラダイン、主人公の息子ランディ・ボーンなどが共演している。