1953年に発表された、フィリップ・K・ディックの同名短編小説を基に製作された作品。 製作、監督ジョン・ウー、主演ベン・アフレック、アーロン・エッカート、ユマ・サーマン、ポール・ジアマッティ共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・ウー
製作
ジョン・デイヴィス
テレンス・チャン
ジョン・ウー
原作:フィリップ・K・ディック
脚本:ディーン・ジョーガリス
撮影:ジェフリー・L・ キンボール
編集
ケビン・スティット
クリストファー・ラウズ
音楽:ジョン・パウエル
出演
マイケル・ジェニングス:ベン・アフレック
ジェームズ・レスリック:アーロン・エッカート
レイチェル・ポーター:ユマ・サーマン
ショーティー:ポール・ジアマッティ
ジョン・ウルフ:コルム・フィオール
ドッジ捜査官:ジョー・モートン
クライン捜査官:マイケル・C・ホール
司法長官:ピーター・フリードマン
マヤ/レイチェル:イヴァナ・ミルセヴィッチ
リタ・デューン:キャサリン・モリス
アメリカ 映画
配給
パラマウント・ピクチャーズ(北米)
ドリームワークス(世界)
2003年製作 118分
公開
北米:2003年12月25日
日本:2004年3月13日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $53,789,310
世界 $96,269,810
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
近未来。
リバースエンジニアのマイケル・ジェニングス(ベン・アフレック)は、多くのハイテク企業のプロジェクトに参加していた。
しかし、ジェニングスは、高額な報酬を受ける条件として、毎回その記憶を友人のショーティー(ポール・ジアマッティ)に消されていた。
ある日、ジェニングスの元に、大学時代のルームメイトで、現在はオールコム社のCEOジェームズ・レスリック(アーロン・エッカート)からパーティーの招待状が届く。
ジェニングスは、ショーティーとそのパーティーに向かい、生物学者レイチェル・ポーター(ユマ・サーマン)に惹かれてしまう。 その後、レスリックに会ったジェニングスは、3年間の仕事となるが、数千万ドルの”ペイチェック”(報酬小切手)を約束する、巨大プロジェクトに誘われる。 それを受けることにしたジェニングスは、翌日、オールコムに向かい、レスリックの部下であるジョン・ウルフ(コルム・フィオール)に、記憶を消すためのチップを体内に埋め込まれる。 そして、そのプロジェクトは始まり、次の瞬間、ジェニングスの意識が戻った時には3年の月日が流れ、全てが終了していた。 自宅に戻ったジェニングスは、報酬9200万ドルを確認し、その受け渡しのため弁護士事務所に向う。 しかし、ジェニングスは、見覚えのない20個の日用品のような物が入った封筒だけを渡され、株券で受け取れるはずだった報酬の権利を、放棄した契約を結んでいたことを知らされる。 帰宅したジェニングスは、突然、FBI捜査官ドッジ(ジョー・モートン)とクライン捜査官(マイケル・C・ホール)に襲われ連行されてしまう。 ジェニングスは、ドッジらに身に覚えのない殺人などで尋問されるが、封筒を奪い隙を見て逃亡する。 追跡を逃れバスに乗車したジェニングスは、封筒の中身を確認していたところ、ある青年にその中にあった指輪を盗まれてしまう。 青年を追ったジェニングスは法律事務所に向かい、その封筒は自分が送った物だということを知る。 その頃、死んでいるはずのジェニングスを目撃したウルフは、それをレスリックに報告する。 安宿で封筒の中身をチェックするジェニングスは、何一つ思い出せずにショーティーと連絡を取る。 駅でショーティーに会い、封筒の中身を見せ意見を聞いていたジェニングスは、封筒の中に宝くじの当選番号が書いてある紙片を見つける。 そして、ジェニングスは封筒の中身の一つ一つが、未来を知るための逃亡の道具だということに気づく。 その後、何者かに襲われたジェニングスは、ショーティーを逃がし、現れたウルフに命を狙われながらも、封筒の中身の物を利用して逃亡する。 3年の間に、ジェニングスと付き合っていたレイチェルは、レスリックから彼の記憶を消したことを知らされる。 その後、ジェニングスは封筒の中のマッチで、自分がカフェに予約を入れている事に気づく。 レスリックは、レイチェルが姿を消し、カフェでジェニングスと待ち合わせをしていることを知り、彼女の替玉マヤ(イヴァナ・ミルセヴィッチ)をその場に向わせる。 レイチェル(マヤ)を思い出せないジェニングスは、封筒の中の、オールコムの研究所の通行パスを渡すよう彼女に言われそれに従う。 そしてマヤは、研究所に戻ろうとジェニングスにキスするが、その感覚がレイチェルでないことに気く。 そこにレイチェルが現れ、ジェニングスをウルフの狙撃から守る。 通行パスを奪い返したジェニングスは、レイチェルと共に封筒のカギでバイクに乗り逃亡する。 FBIのドッジが、ヘリコプターでジェニングスらを追い保護しようとするが、彼らの逃亡を許してしまう。 ホテルに戻ったジェニングスは、封筒に20個あるはずの物が19個しかないことに疑問を持ち、貼られている切手もアイテムの一つだと気づく。 切手のアインシュタインの目に、予想された未来の戦争を阻止するための、別の戦争が考えられたというヒントをジェニングスは見つける。 ジェニングスは、自分が開発したその未来を見るマシーンを破壊するためオールコムに向うが、レスリックはそれを知り監視を続ける。 その頃、司法長官(ピーター・フリードマン)もジェニングスらの動きを察知し、彼を捕らえマシーンも手に入れようとする。 自分達をわざと侵入させたことに気づいたジェニングスは、マシーンを前に自分の未来を見てみようとする。 しかし、レスリックが改良を加えていたマシーンは起動せず、ジェニングスは、封筒のクロスワード・パズルを利用して作動させることに成功する。 そして、ジェニングスは夢に出てきた物と同じ、研究所内で自分が射殺される未来を見てしまう。 レスリックとウルフは研究室に向うが、ジェニングスはマシーンを破壊しようとする。 ジェニングスは、封筒の弾丸を利用して冷却装置に仕掛け、レイチェルと研究所を脱出する。 追っ手を倒したジェニングスだったが、レイチェルを残し自分の手でマシーンを破壊しに研究所に戻る。 レスリックと一騎打ちになったジェニングスは彼に叩きのめされ、オールコムに到着した司法長官は、敵の手に渡すわけにはいかない彼の抹殺を命ずる。 やがて、レイチェルも捕らえられ、ジェニングスの元に連れて来られる。 司法長官の命令で部下が放った弾丸をジェニングスは避けて、それがレスリックに命中して彼は死亡する。 ウルフが、マシーンで自分の未来を見ようとしていた時、ジェニングスが仕掛けた弾丸が冷却装置を貫き大爆発を起こす。 マシーンや書類など全てが破壊されてしまい、司法長官は呆然とするが、ドッジがジェニングスの腕時計を見つける。 その後、ショーティーが持ってきたレイチェルの鳥かごを見て、ジェニングスは何かを思い出そうとする。 そしてジェニングスは、封筒の中にあった言葉をヒントに、鳥かごの受け皿の新聞紙の下にあった、9000万ドルの宝くじの当たり券を見つける。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
リバースエンジニアのマイケル・ジェニングスは、学友のオールコム社CEOレスリックから、ある巨大プロジェクトに誘われる。
ジェニングスは巨額の報酬を提示され、そのプロジェクトに参加し、3年後に記憶を消され全てを終了させる。
そしてジェニングスは、その報酬を受け取りに行くのだが、覚えていない物が入った封筒だけを渡されて呆然としてしまう。
その後、ジェニングスは何者かに追われてしまい、その封筒が、未来を知るための逃亡の道具だということに気づくのだが・・・。
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「ブレードランナー」(1982)、「トータル・リコール」(1990)、「マイノリティ・リポート」(2002)など、数多くの作品が映画化されている人気SF作家のフィリップ・K・ディックの、1953年に発表された同名短編小説を基に製作された作品。
少々都合が良過ぎるこじつけ気味の物語は、近未来のSFということで大目に見るとして、いつもなら、派手に展開するジョン・ウーのアクションを期待していると、序盤はそれほど激しい展開で進行しないため、物足りないと見るか否かで評価も変わる。
主人公、そして、もちろん観客にも全く意味不明な”封筒の品物”が、次々と、逃亡や謎を解く小道具に変わっていく”トリック”はなかなか面白い。
しかし、魅力的なスタッフ、キャストで話題にはなったものの、北米では約5400万ドル、全世界トータルでも1億ドルには達しないやや寂しい結果に終わってしまった。
終盤はジョン・ウーらしいアクションの連続で大いに盛り上がるのだが、エンジニアと生物学者が、無敵のヒーローのような戦い振りを見せる姿はやや滑稽にも思える。
主人公を演ずるベン・アフレックは、ルックスはいいが、タフガイにも知的にも見えない、今一パンチの足りない役どころが気になる。
*同年の「デアデビル」(2003)や「ジーリ」の演技も”評価?”されて、ラジー賞を受賞してしまった。
主人公を利用する学友アーロン・エッカート、ヒロインとしての存在感も薄い生物学者ユマ・サーマン、中盤から姿を消してしまい、意外に出演場面が少なかったのが残念なポール・ジアマッティ、レスリック(A・エッカート)の部下コルム・フィオールとイヴァナ・ミルセヴィッチ、FBI捜査官のジョー・モートンとマイケル・C・ホール、司法長官役のピーター・フリードマン、弁護士キャサリン・モリスなどが共演している。