夢の中でプロヴァンスとニューヨークの生活を行き交う女性の葛藤と恋を描く、監督アラン・ベルリネール、主演デミ・ムーア、ウィリアム・フィクナー、ステラン・スカルスガルド、シニード・キューザック他共演のドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アラン・ベルリネール
製作
トム・ローゼンバーグ
キャロル・スコッタ
脚本
ロナヅド・バス
デヴィッド・フィールド
撮影:エドゥアルド・セラ
編集:アン・V・コーツ
音楽:ランディ・エデルマン
出演
マーサ”マーティ”マリー・タルリッジ:デミ・ムーア
アーロン・ライリー:ウィリアム・フィクナー
ウィリアム・グランザー:ステラン・スカルスガルド
ジェシー:シニード・キューザック
ランガー医師:ジョス・アクランド
ピータース医師:ピーター・リーガート
キム:ジュリアンヌ・ニコルソン
エドワード”エド”ヤンガーマン:ゲリー・バマン
ジェニファー・タルリッジ:ルイズ・イオネット
サラ・タルリッジ:チャヤ・キューノット
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ヴァンテージ
2000年製作 105分
公開
北米:2000年5月26日
日本:2000年10月28日
製作費 $12,000,000
北米興行収入 $769,270
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
南スランス、プロヴァンス。
二年前に夫を亡くしたマーサ・マリー・タルリッジ(デミ・ムーア)は、”ニューヨーク・タイムズ”に書評を書きながら、娘のジェニファー(ルイズ・イオネット)とサラ(チャヤ・キューノット)と共に暮らしていた。
娘達を寝かしたマリーは、ベッドに入り眠る。
ニューヨーク。
目覚めたマーサ”マーティ”マリー・タルリッジ(デミ・ムーア)は、有能な文学エージェントとしての一日が始まる。
オフィスに向かい、アシスタントのキム(ジュリアンヌ・ニコルソン)と打ち合わせをしたマーティは、会計士のアーロン・ライリー(ウィリアム・フィクナー)の元に向かう。 作家のエドワード”エド”ヤンガーマン(ゲリー・バマン)が3年半同棲していたルーシーに慰謝料を払う件で意見したマーティだったが、アーロンはそれを聞き入れなかった。 帰宅したマーティは、ベッドに入り眠る。 目覚めたマリーは、いつものような一日が始まる。 訪ねて来た友人のジェシー(シニード・キューザック)と話したマリーは、ジェニファーが自分に助けを求めないことを気にする。 ジェシーから”ニューヨーク”の件を訊かれたマリーは、彼女が勧める精神科医ランガー医師(ジョス・アクランド)に会うことにする。 眠った直後に”マーティ”として別の生活をするというマリーは、ニューヨークの医師は、フランスの母親を夢見る有能な女性だと言われているとランガーに話す。 自分だけが現実であることは思い込みだと言うマリーだったが、ランガーは、現実は同時に二つ存在しない、片方は夢だと伝える。 区別がつかない理由を考えたランガーは、マリーから、どちらかが架空の出来事だと気づいたら夢は無意味になってしまい、それで満足は得られなくなると言われる。 両方とも現実だと信じるのかと訊かれたマリーは、苦しむことになると言われ、元に戻る方法が分からないとランガーに伝える。 目覚めたマーティは、精神科医のピーターズ医師(ピーター・リーガート)の元に向かい、プロヴァンスの医師から今の生活が夢だと言われたはずだと指摘される。 ランガーを空想の人物のように語るピーターズに、現実だと伝えたマーティはプロヴァンスのことを話す。 町に買い物に行ったマリーは、サラの姿が見えなくなったために捜し始め、彼女が見知らぬ男性ウィリアム・グランザー(ステラン・スカルスガルド)と話していることに気づく。 公園に行くためにウィリアムと別れたマリーだったが、その場でサラを遊ばせていると、彼の姿があった。 ウィリアムに懐くサラが彼を気に入ったことを知ったマリーは、ジェニファーを迎えに行くためにサラと共に学校に向かう。 アーロンとバスケットボールを楽しむエドに会ったマーティは、彼から、慰謝料を払うのをやめてルーシーと戦うことを決めたと言われる。 その場ではアーロンと何も話さなかったマーティは、オフィスに戻り電話で彼と話し、誘われる。 マリーの家を訪ねたウィリアムは、サラとジェニファーにプレゼントを渡す。 作家であるウィリアムは、酷評されたことをマリーに話す。 マリーは、帰ろうとするウィリアムから、町で自分のことを知ったのは、肉屋で名前を聞いたからだと言われる。 ジェシーにウィリアムのことを話したマリーは、彼との出会いが刺激となり、アーロンを創作したと言われるものの、それを否定する。 アーロンに会ったマーティは、彼に興味を持ち惹かれ合うようになる。 町に買い物に行ったマリーはウィリアムに出くわし、自分が来ることを肉屋から聞いて待っていたと言われ、デートに誘われたために、アーロンの場合と同じだと思う。 2年前に夫を亡くしたためにデートは久しぶりだと言うマリーに、自分を好きになってほしいとウィリアムは伝える。 ウィリアムが済む家に向かったマリーは、食事をしながら、書き終えた原稿を読んでほしいと言われる。 それはウソで、読まないで褒めてほしいと言うウィリアムは、そうすれば自分に興味を持つはずだとマリーに伝える。 家を訪ねたいと言われたマリーは、招待はしたいが今はまだダメだとウィリアムに伝える。 アーロンと親交を深めるマーティは、彼からプレゼントを受け取り、一人でいる時に開けてほしいと言われる。 帰宅してプレゼントを開けたマーティは、素敵なイヤリングだったために感激する。 マリーと子供達と共にピクニックに出かけたウィリアムは、ジェニファーから母は本を書いていると言われ、それに興味を持つ。 家に戻り、夜になり子供達を寝かせたマリーは、ウィリアムから、自分は人を信用しないと言われる。 ウィリアムに求められたマリーはそれを拒むものの、自分や子供達を失いたくないと言われ、彼を受け入れて愛し合う。 一旦帰り、朝戻ってほしいと言われたウィリアムは、誰かと一緒に朝を迎えると悪いことが起きると考えるマリーが、その件を話そうとしないために気になる。 マリーの気持ちを理解して帰ろうとしたウィリアムは、彼女にもう一度、求められて愛し合う。 もだえながら目覚めたマーティは、その後アーロンを呼び、フランスである男性に恋したことを話す。 昨夜フランスで男性と寝たと言う話が理解できないアーロンは、マーティから、そこに別の生活があると言われる。 二つの生活が同等に進行するため、どちらが現実か分からないと話すマーティは、あなたは現実なのかとアーロンに尋ねる。 現実だと答えるアーロンに、皆そう言うと伝えたマーティは、精神科医の治療を受けているので、友人がいれば助けてもらえるかと思ったと伝える。 協力すると伝えたアーロンは、マーティから、今日は自分といたいと思ったと言われ、オフィスに電話をして仕事を休むことにする。 マーティから感謝されたアーロンは、その場にあった粘土の像がフランスの自分だと言われる。 それには、アーロンが贈ったイヤリングがつけられていた。 イースト・リバーに向かった二人は、ブルックリン橋からマンハッタンを眺められる場所で話をして、マリーがアトランタ出張から帰った翌週に会う約束をする。 ピーターズに会ったマーティは、マリーとウィリアムの関係をアーロンに話した理由を訊かれる。 話したかったと言うマーティは、ウィリアムのことは夢の中だけにしまっておくべきだと、ピーターズに助言される。 帰宅したアーロンは、マーティが待っていたために驚き、自分の誕生日なのでアトランタには行かなかった彼女が、夕食を用意してあることを知る。 二人は食事をして楽しい時間を過ごし、アーロンは、タクシーで帰るマリーを見送る。 ウィリアムと旅行に出出かけることにしたマリーは、子供達のことを任せるジェシーから、アーロンにはなんて話したのか訊かれる。 すべてを話したことを知ったジェシーは、ウィリアムを怖がらせてはいけないので、アーロンのことは内緒にするようにとマリーに伝える。 ジェシーから、ウィリアムを愛せば夢は見ないようになると言われたマリーは、子供達に別れを告げて旅立つ。 パリ、ホテル”パヴィヨン・ドゥ・ラ・レーヌ”。 高級ホテル”パヴィヨン・ドゥ・ラ・レーヌ”の灰皿に気づいたアーロンは、マーティから、昨夜、盗んだと言われる。 二人は愛し合い、アーロンは、眠ろうとするマーティを気遣いその場を去る。 目覚めたマリーはウィリアムを起こし、散歩に出かける。 夢の話を聞いた後から、その男のことが気になり頭から離れないと言うウィリアムは、存在しない男に嫉妬しているとマリーに伝える。 それでも、自分のために戦うと言ってくれたウィリアムとマリーは愛を確かめる。 アーロンとの愛も深めるマーティは、自分だけなら今のままでもやっていけるが、子供は犠牲にできないと言われる。 ジェニファーから小説の原稿を渡されていたウィリアムは、読んではいないが、夢のことを彼女が教えてくれたとマリーに伝える。 マーティはなんでも望みを叶えるキャリアウーマンであり、隠し事などはしないと言うウィリアムは、ニューヨークのすべてが想像物であると伝えてマリーを動揺させる。 ジェシーから、現実である男と別れれば、残ったのが夢だと分かると言われたマリーは苦悩する。 マーティは混乱し、無理矢理眠りプロヴァンスに行こうとする理由をアーロンから問われる。 子供達がいるからだと言うマーティは眠り、その様子を見守っていたアーロンは、目覚めた彼女に朝食を用意する。 棚にあったという箱を見せられたマーティは、その中身が母のものだと気づき、5歳と11歳くらいの自分の写真を確認する。(写真はジェニファーとサラ) 仕事に向かうマーティは、アーロンと共に家を出て、彼から、母親は11歳の時にフランスで亡くなったと言われる。 苦しめる恋人ではなく親友になりたかったと言うアーロンは、それでも逃げたいのなら止めないとマーティに伝える。 マリーを起こそうとしたジェニファーは、母が目覚めないために動揺する。 現実と夢の区別がつかなくなったマリーは混乱し、現れたウィリアムに、もう一度会って別れを言いたかったと伝える。 ジェシーに別れを告げたマリーは、子供達にも、いつもそばにいることを伝える。 フランスから持ってきた小説をアーロンに渡したマーティは、もう戻らないと言って、それを読んでほしいと彼に伝えて、互いの愛を確かめる。
...全てを見る(結末あり)
楽しい時間を過ごしたウィリアムは、マリーを気遣い別の部屋で眠る。
*(簡略ストー リー)
南スランス、プロヴァンス。
二年前に夫を亡くしたマーサ・マリー・タルリッジは、”ニューヨーク・タイムズ”に書評を書きながら、娘のジェニファーとサラと共に暮らしていた。
マリーは、夜、眠る度にニューヨークでのマーティとしての生活が始まり、有能な文学エージェントとして精力的に働いていた。
現実と夢かの区別がつかなくなったマリーとマーティは、それぞれの場所で精神科医に相談する。
そんな時マリーとマーティは、作家のウィリアムと会計士のアーロンと出会い愛し合うようになるものの、現実ではないどちらかとは別れなくてはならなくなり混乱する・・・。
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「ぼくのバラ色の人生」(1997)で注目されたベルギー人のアラン・ベルリネールが監督し、ハリウッドのトップ女優デミ・ムーアが主演した話題作。
夢の中でプロヴァンスとニューヨークの二重生活をする女性の葛藤と、それぞれの場所で出会う男性との恋を描くドラマ。
主人公が、プロヴァンスとニューヨークを夢の中で頻繁に行き来する内容は混乱しそうに思えるのだが、田舎と大都会の雰囲気の違いなどで、それを避ける工夫などはされている。
主人公がどちらの生活を選ぶのか、その結末が気になる展開の中で、パリのホテル”パヴィヨン・ドゥ・ラ・レーヌ”の灰皿がどちらの生活にも存在している描写で、終盤で分かる”秘密”につながる細かい演出などにも注目したい。
主人公のデミ・ムーアは、夢の中でプロヴァンスとニューヨークを行き来する女性を謎めいた雰囲気で演じているもののラジー賞にノミネートされ、批評家の評価も低く、拡大公開もされずに興行的にも失敗に終わった作品。
主人公のニューヨークの恋人ウィリアム・フィクナー、主人公のプロヴァンスの恋人ステラン・スカルスガルド、プロヴァンスの主人公の友人シニード・キューザック、プロヴァンスの精神科医ジョス・アクランド、ニューヨークの精神科医ピーター・リーガート、ニューヨークの主人公のアシスタント、ジュリアンヌ・ニコルソン、ニューヨークの作家ゲリー・バマン、プロヴァンスの主人公の娘ルイズ・イオネットとチャヤ・キューノットなどが共演している。