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仮面の人 Park Avenue Logger (1937)

木材伐採所の乗っ取り計画に巻き込まれる富豪御曹司の行動と恋を描く、 監督デヴィッド・ハワード、主演ジョージ・オブライエンビアトリス・ロバーツウィラード・ロバートソンウォード・ボンド他共演のロマンチック・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ロマンチック・コメディ


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・ハワード
製作:ジョージ・A・ヒルリマン
原作:ブルース・ハッチソン”Park Avenue Logger”
脚本
ダニエル・ジャレット
ユーイング・スコット
撮影:フランク・B・グッド
編集:ロバート・O・クランドール

出演
グラント・カラン:ジョージ・オブライエン
ペギー・オーシェイ:ビアトリス・ロバーツ
ベン・モートン:ウィラード・ロバートソン
ポール・サンガー:ウォード・ボンド
ニック:バート・ハンロン
マージー・マクレーン:ガートルード・ショート
マイク・カラン:ロイド・イングラハム
マット・オーシェイ:ジョージ・ローゼナー
巡査部長:ロバート・エメット・オコナー
レスラー:ブラザー・ジョナサン(ドン・デローン)

アメリカ 映画
配給 RKO
1937年製作 67分
公開
北米:1937年3月16日
日本:1937年


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク
木材業で財を成した富豪マイク・カラン(ロイド・イングラハム)は、友人である精神科医レナードを呼び寄せる。

科学とクラシック音楽しか興味を示さない息子グラント(ジョージ・オブライエン)が悩みの種だったカランは、帰宅した彼をレナードに紹介する。

グラントと話したレナードは、知的な好青年である彼の欠点を見つけられない。

レナードは、それが欠点だと言うカランが、野心もなく男らしくもない息子に不満を抱いていることを知る。

実はグラントは、謎の覆面レスラーとして活躍していた。

それを父に隠していたグラントは、学問と音楽にしか興味がないと思わせておくのが目的だった。

そんなグラントは、父から木材業を覚えるよう指示され、それに従おうとする。

カランは、自分の息子だと分かれば楽な仕事しか与えられないと考え、グラントは身分を隠してティンバーレイクに向かう。

現地に到着したグラントは、現場監督のベン・モートン(ウィラード・ロバートソン)を探す。

リクリエーション会場でペギー・オーシェイ(ビアトリス・ロバーツ)に出会ったグラントは、競技に参加する彼女の邪魔をしたために嫌われてしまう。

その後グラントは、組合を作るべきだという食堂のコック、ニック(バート・ハンロン)の演説を聞く。

オーシェイ側の現場監督ポール・サンガー(ウォード・ボンド)に追い払われたニックは、グラントと話す。
...全てを見る(結末あり)

サンガーのことを知ったグラントは、現れたモートンに挨拶して歓迎される。

グラントは、自分を見つめるペギーが気になる。

カランの伐採所の隣接地で、父に代わり伐採所を営むペギーは、木材列車が脱線し、誰かが細工したことを知り、今月2度目だったために、父には内緒にしようとする。

モートンとサンガーは手を組み、ペギーの事業の邪魔をしようとしていたのだった。

ペギーに惹かれていたサンガーは、彼女を騙すことに疑問を感じ始めていたが、モートンと共に計画を進めようとする。

グラントが気になるサンガーは、モートンから、カランの知り合いの彼を任されたという話を聞く。

仕事を始めたグラントは作業員にからかわれ、ニックだけが味方だった。

ニックから、土曜の夜のダンス・パーティーの話を聞いたグラントは、ペギーが来るか気になり、サンガーが彼女に夢中だということを知る。

ペギーがサンガーに惹かれているかは分からないために、グラントは彼女をダンスに誘おうとする。

ペギーの家にいた友人のマージー・マクレーン(ガートルード・ショート)は、グラントからの電話を受ける。

兄がいないにも拘らず、学友だと言っているグラントを相手にしようとしないペギーだったが、仕方なく電話を代わる。

マージーから、グラントを呼んでからかうことを提案されたペギーは、兄がいるような話をして彼を家に招く。

ペギーに歓迎されたグラントは、マージーと共に3人で話し、からかわれれていることに気づかかないまま、学友ピーターの話題で盛り上がる。

ペギーから父親のマット(ジョージ・ローゼナー)を紹介されたグラントは、ピーターという息子はいないと言われ、別のオーシェイ家だったのだろうと彼に伝える。

そこにサンガーが現れ、グラントは、マットから彼を紹介される。

サンガーは車椅子生活のマットを気遣い、混み入った話になったために、グラントは席を外してペギーがいるキッチンに向かう。

グラントは、兄のことでウソをついたことを、ペギーとマージーに謝罪する。

ペギーをダンスに誘うことがせきたグラントは、お詫びの印に皿洗いを手伝う。

ペギーは、気さくな好青年グラントに惹かれる。

サンガーから、手形を買われたことを知らされたマットは気落ちし、グラントは、それを父の指示だと考える。

マットを慰めたグラントは、マージーとペギーに感謝してサンガーと共に帰る。

その後グラントは、電報で父に手形の件を尋ねるものの、不在のため分からないという秘書リーバからの返事が届く。

サンガーと共にモートンと話をしたペギーは、人手を借りたいと伝えて承諾してもらい、その中にはグラントもいた。

カラン名義でオーシェイの手形を買い、ペギーを窮地に追い込む計画を進めていたモートンは、サンガーが彼女をグラントと奪い合っていることに気づき、迷いがあるなら別の者を探すと伝える。

作業を始めたグラントは危険な仕事を任され、ペギーが彼のことを心配するために、サンガーはそれが気になる。

おかしな詮索をされたペギーは、自分は雇い主だと言って気分を害する。

思っていた以上に仕事をこなすグラントが気に入らないサンガーは、ペギーの手前、手だしすることができず、モートンから、人を雇い痛めつけることを提案される。

ダンスホールでペギーと踊っていたグラントは、サンガーが雇った3人の男に邪魔される。

その様子を見て満足したサンガーは、雑誌に掲載されていたグラントがマイク・カランの息子だということを知る。

ペギーは自分と踊ろうとしなかったグラントに腹を立て、現れた彼を相手にしない。

男たちに言いがかりをつけられたグラントは、マージーと踊っていたニックにペギーのことを任せる。

グラントは、外で待伏せしていた3人に町を出ろと言われて脅される。

グラントが男たちを叩きのめす様子を見て驚いたペギーは、彼を見直して車に向かう。

ペギーにキスしたグラントは、木に衝突しそうになるものの回避する。

男たちは手を引き、モートンから、グラントを材木の下敷きにするようにと言われたサンガーは、それを断る。

モートンは、グラントに材木列車を任せて、それに細工するようサンガーに指示する。

翌日、暴走した材木列車が崖下に転落する。

その連絡を受けたサンガーはオーシェイ家に向かい、マットに気を遣いながら、ペギーと外で話す。

事故のことをペギーに話したサンガーは、列車の担当がグラントだったことを伝えるものの、彼は信頼できると言われたために、雑誌の写真を見せる。

グラントがカランの息子だと知ったペギーは、父親の差し金だと言うサンガーの言葉を信じることができない。

仕事中のグラントと話したペギーは、彼に雑誌の写真を見せる。

偽名を使った理由を訊かれたグラントは、父と約束したと答える。

グラントは、土地を奪うための秘密工作だったと言い張るペギーに追い払われる。

話をしようとしたグラントは、スパイだと言うペギーに頬を叩かれてしまう。

ニックに会いに行ったグラントは、食堂でサンガーとモートンが仲良く話していることを知り、それに加わる。

サンガーに出て行けと言われたグラントは、彼を殴り倒す。

グラントは、オーシェイの手形を買うことを父に伝える電報を送る。

何の話か分からないという返事を受けたグラントは、不正の可能性があるモートンを調べるようにという内容で、再び電報を送る。

伐採所の乗っ取り計画が発覚し、モートンを拘留し、二重帳簿をつけていることも分かったと、グラントは父に伝える。

モートンを信頼するカランは、飛行機で現地に向かう。

ペギーと話がしたいグラントは、マージーに協力を求め、彼女がサンガーと結婚することを知りショックを受ける。

2人が治安判事の元に向かったことを知ったグラントは、時間が迫っていたためにニックと共に町に急行する。

その頃ペギーは、結婚証明書にサインしてしまう。

町に着いたグラントは、ペギーのためにブーケを買いに行くサンガーに話しかける。

トラブルを避けるグラントは、ニックの懐中時計をサンガーの上着のポケットに入れる。

グラントから、サンガーが時計を盗んだことを知らされたニックは、通りにいた警官にそのことを伝える。

サンガーのポケットにあった時計を確認した警官は、サンガーを連行し、グラントとニックも同行させる。

警察署に着いたカランは、モートンの告訴を取り下げることを巡査部長(ロバート・エメット・オコナー)に伝えて、保釈の手続きをする。

サンガーも警察署に連行され、判事に電話をかけてペギーと話し、逮捕されたことを伝える。

時計はあったので穏便に済ませようとしたグラントは、サンガーを一晩留置することを巡査部長に提案する。

そこにカランが現れ、勝手な行動をしたグラントを批判する。

サンガーから、息子に酷い目に遭わされたと言われたカランは、彼を黙らせようとする。

ペギーも現れグラントから父親を紹介され、本当の罪人である彼を逮捕するべきだと巡査部長に伝える。

ペギーは、自分を破産に追い込むために、息子を偽名で送り込みスパイをさせたカランを責める。

巡査部長は、グラントがモートンを告訴し、カランが保釈させようとして、時計の窃盗や破産の陰謀だと話す彼らに、精神病院に行くことを勧める。

ペギーは伐採所の所有者で、手形を買ったのが自分だと彼女が思っていることをグラントから知らされたカランは、それを否定する。

そこにモートンが連れて来られ、オーシェイの手形を買ったのは誰かとグラントに追及された彼は、サンガーだと伝える。

サンガーはそれを否定し、モートンは手形を買ったことを認める。

グラントは、手形の購入資金は、モートンが10年もの間、会社の金を横領していたことを父に伝える。

保釈を取り下げたカランはモートンの拘留を求め、ペギー親子に償うよう指示する。

開き直ったモートンは、サンガーを道連れにしようとしたために、彼に殴られる。

観念したモートンとサンガーは拘留される。

保釈金を返してもらおうとしたカランは、グラントの行いを褒めようとする。

誤解が解けたグラントはペギーにキスしようとするが、父から何をする気だと訊かれる。

ペギーと結婚すると答えたグラントは、彼女を抱きしめてキスする。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク

木材業で財を成した富豪カランの御曹司グラントは、科学や音楽にしか興味がないように見せかけて、覆面レスラーとして活躍していた。
それを知らないカランは男らしい後継者を望み、グラントを偽名で伐採所に向かわせ、事業を覚えさせようとする。
下働きから始めることになったグラントは、隣接する伐採所の経営者ペギーに惹かれてしまう。
双方の現場監督モートンとサンガーは手を組み、ペギーの伐採所を乗っ取るための計画にグラントを利用しようとするのだが・・・。
__________

木材伐採所の乗っ取り計画に巻き込まれる、富豪御曹司の行動と恋を描くロマンチック・コメディ。

1932年から26作でコンビを組んだ、監督デヴィッド・ハワード、主演ジョージ・オブライエンによる作品。

冒頭で、主人公である大富豪の御曹司が、科学と音楽にしか興味がないように見せかけて、父に内緒で覆面プロレスラーとして活躍しているという設定が面白い。

その体力を活かして、主人公が屈強な男たちに立ち向かう格闘シーンや、大木の伐採、列車の暴走など、スケール感がある迫力映像も見応えある。

伐採所乗っ取り計画が進行する中で、ユーモアをまじえた恋の行方も描かれ、上記のようにアクションも楽しめる見どころの多い作品。

主演のジョージ・オブライエンは、伐採所乗っ取り計画に巻き込まれながら、正義感を発揮して悪に立ち向かい、恋も手に入れる主人公を熱演している。

病気の父に代わり伐採所を経営し、御曹司と対立しながらも惹かれ合う仲になるビアトリス・ロバーツ、伐採所乗っ取り計画を進めて主人公を利用する現場監督のウィラード・ロバートソン、彼と手を組むヒロインの伐採所の現場監督ウォード・ボンド、主人公と親交を深める食堂のコック役バート・ハンロン、ヒロインの友人ガートルード・ショート、主人公の父親ロイド・イングラハム、ヒロインの父親ジョージ・ローゼナー、巡査部長のロバート・エメット・オコナー、レスラーのブラザー・ジョナサン(ドン・デローン)などが共演している。


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