平凡な生活の中で起きた衝撃的な事件を誰にも伝えられない少年の苦悩を描く、監督、脚本、編集ガス・ヴァン・サント、出演ゲイブ・ネヴァンス他によるドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ガス・ヴァン・サント
製作:ニール・コップ
製作:デヴィッド・アレン・クレス
原作:ブレイク・ネルソン”Paranoid Park”
脚本:ガス・ヴァン・サント
撮影
クリストファー・ドイル
レイン・キャシー・リー
編集:ガス・ヴァン・サント
出演
アレックス・トレメイン:ゲイブ・ネヴァンス
リチャード・ルー刑事:ダニエル・リウ
ジェニファー:テイラー・モンセン
ジャレッド・フィッチ:ジェイク・ミラー
メイシー:ローレン・マッキニー
スクラッチ:スコット・パトリック・グリーン
フランス/アメリカ 映画
配給 IFC Films
2007年製作 85分
公開
フランス:2007年10月24日
北米:2008年3月7日
日本:2008年4月12日
北米興行収入 $486,020
世界 $4,545,750
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
オレゴン州、ポートランド。
スケードボードに夢中な16歳の少年アレックス・トレメイン(ゲイブ・ネヴァンス)は、ある日、年上のジャレッド・フィッチ(ジェイク・ミラー)に誘われて、スケーターの溜り場である”パラノイドパーク”に向う。
その後もそこに行ったアレックスは、ある日、学校で事業中、リチャード・ルー刑事(ダニエル・リウ)に呼び出される。
”パラノイドパーク”に通う者達に関連したとも思われる、鉄道線路での警備員の遺体発見事件についてなどをアレックスはルーに聞かれる。
目撃証言では、ボードを川に投げ捨てた者がいるとのことだった。
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父親と別居中の母親と弟と暮らしていたアレックスは、独りで”パラノイドパーク”に向う。 そこは不良達の集まる場所でもあり、アレックスも声をかけられる。 ガールフレンドのジェニファー(テイラー・モンセン)の存在が、少々鬱陶しくなってきたアレックスは、そのあたりのことを友人メイシー(ローレン・マッキニー)に伝える。 ある夜、アレックスは鉄道の警備員が、切断死体で見つかったニュースを知り動揺する。 翌日、学校内のスケートボードをする生徒達だけが、ルー刑事に呼ばれ、情報提供を求められる。 その無残な写真を見せられたアレックスは、ある嫌な思い出が甦る。 パラノイドパークで知り合ったスクラッチ(スコット・パトリック・グリーン)に、貨物列車に飛び乗ることを誘われたアレックスは、それに気づいた警備員が、棒で殴りかかってきたために追払おうとする。 バランスを崩し、線路上に倒れてしまった警備員は、列車が走行したため、胴体が切断されてしまう。 アレックスは、その場から逃げて橋の上からボードをを捨てて、ジャレッドの家に向かい、汚れた服を処分してシャワーを浴びる。 どうすることもできずに悩んだアレックスは、父親に連絡を取ろうとするがそれもできず、その場で朝まで眠り帰宅する。 その後、モールに向ったアレックスは、新聞で事件のことなどを確認し、現われたメイシーと簡単な会話を交わす。 ジェニファーらとスケートなどを楽しんだアレックスは、友達の家で彼女と愛し合うが、事件のことが頭から離れない。 父親に会ったアレックスだったが、離婚についての説明をされただけで、事件についてを伝えることはできなかった。 ジェニファーに会ったアレックスは、彼女と別れてしまい、それを聞いたジャレットらは、彼の気持が理解できない。 その後、メイシーと親しくなったアレックスは、彼女から、悩みを手紙にして友達に伝えること、それを自分に書くことを提案される。 そして、アレックスはメイシーに手紙を書くのだが、結局はそれを燃やしてしまう。 その後もアレックスは、平凡な生活を続ける。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
オレゴン州、ポートランド。
スケートボードに夢中な16歳の少年アレックス・トレメインは、不安を抱え、誰にもそれを話せない日々を送っていた・・・。
ある日アレックスは、年上の友人ジャレッドと共に、スケーター達が集まる”パラノイドパーク”に向う。
次回は独りでその場に向ったアレックスは、不良のスクラッチに声をかけられ、貨物列車に飛び乗ることに誘われる。
それに気づいた鉄道の警備員が、アレックスに棒で殴りかかってきたため、彼は抵抗する。
バランスを崩した警備員は、線路上に倒れて列車に轢かれ、死亡してしまう。
何もできずに、その場から逃げ去ったアレックスは、事件のことを誰にも話すことができず、刑事ルーからは情報提供を求められ、不安を抱える日々を送るようになったのだった・・・
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2006年に発表された、ブレイク・ネルソンの同名小説を基に製作された作品。
正当防衛による事故なのか・・・、それが判断できずに、誰にも相談することができない少年の苦悩・・・。
序盤は、事故があったことだけは知ることができるが、少年が、何を悩んでいるのかが不明な、過去と現在が入り混じる、複雑な場面構成になっている。
そのために、少年の苦悩がより強調され、それを叙情的に描いているガス・ヴァン・サントの演出が、なかなか凝っている異色の青春ドラマに仕上がっている。
ガス・ヴァン・サントは2007年カンヌ映画祭で、60周年記念賞を受賞した。
人生で最も楽しいはずの時期を、主人公はどう生きていくのか、その疑問が解決できないまま終わるラストも考えさせられる。
そして、殆ど笑顔を見せない苦悩する少年をゲイブ・ネヴァンスは好演している。
事件を追う刑事ダニエル・リウ、主人公のガールフレンド、テイラー・モンセン、友人ジェイク・ミラー、親しくなる少女ローレン・マッキニー、不良少年スコット・パトリック・グリーンなどが共演している。