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パラダイスキャニオン Paradise Canyon (1935)

通貨を偽造する犯罪者を追う連邦捜査官の活躍を描く、監督カール・L・ピアソン、主演ジョン・ウェインマリオン・バーンズリード・ハウズアール・ホッジンズヤキマ・カナット他共演の西部劇。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


西部劇

ジョン・ウェイン / John Wayne 作品一覧
ジョン・ウェイン / John Wayne/Pinterest


スタッフ キャスト
監督:カール・L・ピアソン

製作:ポール・マルヴァーン
脚本
リンズリー・パーソンズ
ロバート・エメット
撮影 アーチー・スタウト
編集:ジェリー・ロバーツ
音楽:ビリー・バーバー(カラー・バージョン)

出演
ジョン・ワイアット:ジョン・ウェイン
リンダ・カーター/プリンセス・ナターシャ:マリオン・バーンズ
レッド:リード・ハウズ
ドク・カーター:アール・ホッジンズ
メキシコ警察の警部:ジノ・コラード
カーリー・ジョー・ゲイル:ヤキマ・カナット
マイク:ゴードン・クリフォード
アイク:ペリー・マードック
保安官:アール・ドワイヤー

アメリカ 映画
配給 Monogram Pictures
1935年製作 52分
公開
北米:1935年7月20日
日本:未公開


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
連邦捜査官のジョン・ワイアット(ジョン・ウェイン)は、メキシコ国境付近で頻発する偽造通貨事件を担当することになる。

前科のある薬売りの行商が国境に向かっているという情報を得たワイアットは、国境を越えてもいいというメキシコ側の許可を得ているために、その一座に加わることを考える。

ニューメキシコ州。
薬の行商を追うワイアットは、ある町で、保安官が行商を詐欺の疑いで追跡していることを知る。

次の町でワイアットは、薬売りが酔って騒ぎを起こして酒場を壊し、弁償せずに逃げたことを知り州境に向かう。

車で移動する薬の行商人ドク・カーター(アール・ホッジンズ)は、娘のリンダ(マリオン・バーンズ)と歌手のマイク(ゴードン・クリフォード)とアイク(ペリー・マードック)と共に旅を続けていた。

カーターは酒癖の悪いためにリンダに説教されるものの、気にしなかった。

現れたワイアットから、町の住人に追われていることを知らされたカーターは、早く州境を越した方がいいと言う彼に感謝する。

全速で走ったカーターだったが車が故障してしまい、ワイアットが馬で引っ張り、皆で押して何とか州境を越えてアリゾナ側に向かう。
...全てを見る(結末あり)

その直後に到着した保安官らは、カーターらが州を越えたために引き返す。

リンダとカーターはワイアットに感謝し、マイクとアイクを紹介する。

ワイアットが仕事を辞めたばかりだと知ったカーターは、彼をショーに誘う。

カーターは、射撃が得意なワイアットとリンダを組ませることを考え、ショーに加わりたかったと言う彼を歓迎する。

アイクは、仲間になったワイアットに懐中時計を渡す。

国境の町のメキシコ側に潜む通貨偽造団の一員レッド(リード・ハウズ)は、酒場の地下の隠し部屋に向かい、ボスのカーリー・ジョー・ゲイル(ヤキマ・カナット)から、かつての仲間カーターが来ることを心配する彼の話を聞く。

カーリーは、カーターが町に来ないようにすると言うレッドに、それを任せる。

リンダを相手にして射撃の腕を披露したワイアットは、町に向かうカーターと別れて、馬に水を飲ませるために川に向かう。

カーターの車を見つけたレッドらは、発砲して彼らを追う。

それに気づいたワイアットは、レッドらに追いつき2人を倒す。

レッドも叩きのめしたワイアットは、勘違いだったと言う彼に、二度と近づくなと警告して解放する。

町に着いたカーターは、アメリカ側の土地でショーを始める準備をする。

カーリーの元に戻ったレッドは、カーターの一座に手強い男がいることを伝える。

カーターを町から追い出すようレッドに指示したカーリーは、ワイアットと話をつけようとする。

レッドの案内で酒場に向かったワイアットはカーリーと話し、今日中にカーターの一座と去れば礼をするが、従わなければただでは済まないと脅されるものの、話を聞き入れずにその場を去る。

町の人々を集めたカーターは、マイクとアイクの歌でショーを始め、次の出し物の前に薬の宣伝をする。

カーターは、プリンセス・ナターシャ(リンダ)とワイアットを紹介し、2人は見事な射撃ショーを披露する。

再び薬を売り込むカーターに続き、ワイアットは、鏡を使った後ろ向きの射撃を成功させて人々を驚かせる。

カーターを確認したカーリーは、彼らを町から追い出すようレッドらに命ずる。

レッドらは、カーターの商売の邪魔をして騒ぎを起こす。

騒ぎを鎮めたカーターは、薬が痛みにも効くと言って売り込む。

その頃、アメリカ政府からの要請を受けたメキシコ警察の警部(ジノ・コラード)は、偽札作りの一味のアジトの調査を開始する。

カーリーの手下は、カーターの車の寝床に偽札を隠す。

レッドからそれを知らされたカーリーは、偽札がカーターに見つかれば出所が知られてしまうために手を打とうとする。

ワイアットと話をしていたリンダは、車に戻ったカーターが、殆どアルコールの薬を飲もうとしていると考える。

戸棚の鍵を枕の下に隠してあるリンダは、ワィアットにそれを取ってきてもらおうとする。

車に向かったワイアットは、鍵を捜しているカーターに、リンダが川の近くにいることを伝える。

カーターは去り、枕の下にあった偽札に気づいたワイアットは、戻って来たマイクとアイクと話をする。

リンダを見つけたカーリーは、ドラッグストアに商品のサンプルを持って行きたいと伝える。

現れた男たちに銃を向けられたカーターは、リンダと共に連れて行かれる。

レッドは、ショーの間に一座に時計を盗まれたことを保安官に話し、車を調べてもらう。

ワイアットは、カーターが元相棒に裏切られ、濡れ衣を着せられて刑務所に入れられたため、相棒を見つけたら殺すと言っているというアイクの話を聞く。

その相棒の人相を聞いたワイアットは、それがカーリーだと確信する。

そこに現れた保安官(アール・ドワイヤー)は、車の中を調べて時計を見つけ、自分のだと言うワイアットを連行しようとする。

抵抗したワイアットは、レッドを殴り倒して馬で逃げ去る。

保安官らをまいたワイアットはメキシコ側に向かい、警部にアメリカ政府の捜査官であることを伝え、上官から連絡を受けていることを知る。

偽札作りのボスを見つけたと言うワイアットは、酒場を経営しているカーリーだと伝えて、警部から協力を約束してもらう。

警部に銃を借りたワイアットは酒場に向かい、カーリーにバッジを見せて逮捕しようとする。

抵抗するカーリーを殴り格闘になったワイアットは、事情を知らないメキシコの警官に逮捕されてしまう。

酒場の地下室を見つけた警官は、それに気づいたカーリーに殴られて意識を失う。

警部の元に連れて行かれたワイアットは、釈放されて酒場に向かい、その場にいた警官から、カーリーはパラダイスキャニオンの隠れ家に向かったはずだと言われ、彼の馬を借りて追跡する。

それを知った警部も、部下と共にパラダイスキャニオンに向かう。

ワイアットはカーリーに追いつくものの、発砲されて落馬する。

パラダイスキャニオンに着いたカーリーは、ワイアットが連邦捜査官だということをレッドに知らせて、射殺したと伝える。

ワイアットの死体を隠すようレッドに指示したカーリーは、カーターとリンダが採掘場の地下にいることを知る。

拘束されていたカーターは、カーリーが現れたために驚く。

レッドは、メキシコ警察が来たことに気づきその場から逃げる。

採掘場に向かったワイアットは、カーターを殺そうとするカーリーに襲いかかり、彼を叩きのめしてカーターとリンダを助ける。

警部らは、レッドらを追い詰めて逮捕する。

カーリーを拘束したワイアットは、現れた警部から、引き渡せば銃殺刑にすると言われるものの、連行しろという命令だと伝える。

その後、リンダとの結婚を決めたワイアットは、判事を呼びに行ったカーターを待つ。

判事に”薬”を飲ませていたカーターは、酔いながらそれを売り込む。

泥酔する判事は意識を失う。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
連邦捜査官のジョン・ワイアットは、メキシコ国境付近で頻発する偽造通貨事件を担当する。
前科がある薬の行商人カーターが国境に向かっていることを知ったワイアットは、車で移動する彼らに追いつき保安官の追跡から救う。
カーターと娘のリンダに感謝され、予定通り一座に加わったワイアットは、国境の町に向かう。
通貨を偽造する犯罪者のカーリーは、かつての仲間カーターが町に来ることを知り、先手を打とうとする。
カーターを襲ったカーリーの手下レッドを叩きのめしたワイアットは、ボスの元に案内され探りを入れるのだが・・・。
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まだ20代の若きジョン・ウェイン主演で1933年から16作製作された、”Lone Star Western”の16作目。

通貨を偽造する犯罪者を追う、連邦捜査官の活躍を描く西部劇。

薬の行商一座が車で移動するという設定になっているため、20世紀初頭を描く物語。

また、アメリカとメキシコにまたがる国境の町が舞台であり、両国が協力し合い悪党を捕らえようとする内容が興味深い。

当時の作品のアクション・シーンの特徴と言える、オーバーな殴り合いや、馬に乗った追跡が度々、登場するのも注目だ。

何と言っても、撮影当時27歳のジョン・ウェインの、活き活きとした演技と雄姿はファン必見だ。
ウェインは同年8作の西部劇に出演し、内6作が”Lone Star Western”だった。
まだ線は細いものの、際立つ長身で腕っぷしが強い、乗馬と射撃の名手でもある連邦捜査官を熱演している。

ジョン・ウェインの盟友であり、スタントマンとして知られるヤキマ・カナットが通貨偽造団のボス役で登場し、ウェインとの派手な殴り合いのシーンなどもあり、ファンを楽しませてくれる。

主人公が潜入捜査する薬の行商人一座のリーダー役アール・ホッジンズは、飲んだくれの役柄なのだが、その”妙薬”を売り込む場面の熱弁は見ものだ。

薬の行商人の娘で、主人公と組んで射撃ショーを披露するマリオン・バーンズ、悪党一味のリード・ハウズメキシコ警察の警部ジノ・コラード、薬の行商一座の歌手のコンビ役ゴードン・クリフォードとペリー・マードック、保安官のアール・ドワイヤーなどが共演している。


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