人類滅亡の危機が迫り移住のため惑星タニスに向かったクルー達の恐怖体験を描く、主演デニス・クエイド、ベン・フォスター、キャム・ギガンデット、アンチュ・トラウェ他共演、監督クリスチャン・アルヴァートによるSFホイラー。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:クリスチャン・アルヴァート
製作
ポール・W・S・アンダーソン
ジェレミー・ボルト
ロバート・クルツァー
製作総指揮
マーティン・モスコウィック
デイヴ・モリソン
トラヴィス・ミロイ
脚本:トラヴィス・ミロイ
撮影:ウェディゴ・フォン・シュルツェンドーフ
編集
フィリップ・スタール
イヴォンヌ・ヴァルデス
音楽:ミヒル・ブリッチ
出演
ペイトン中尉/ギャロ伍長:デニス・クエイド
バウアー伍長:ベン・フォスター
ギャロ伍長:キャム・ギガンデット
ナディア:アンチュ・トラウェ
マン:カン・リー
リーランド:エディ・ローズ
シェパード:ノーマン・リーダス
ハンター・リーダー:アンドレ・ヘンニッケ
エヴァロン:フリーデリッケ・ケンプター
イーデン:ニルス・ブルーノ・シュミット
バウアーの母親:デルフィーヌ・シュイヨー
バウアーの父親:ヴォータン・ヴィルケ・メーリング
アメリカ/ドイツ 映画
配給
MGM(世界)
Overture Films(北米)
2009年製作 108分
公開
北米:2009年9月25日
日本:2010年10月1日
製作費 $33,000,000
北米興行収入 $10,330,900
世界 $20,645,330
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2174年。
人口約250億人となった地球の資源問題は最悪の状況となり、巨大宇宙船”エリジウム”が打ち上げられ、地球に似た環境の惑星タニスに向かう。
冷凍睡眠から目覚めたバウアー伍長(ベン・フォスター)は、カプセルから出た後、体調が安定するのを待つ。
目覚めた後では軽度の記憶障害が起きる場合があることを確認したバウアーは、上官のペイトン中尉(デニス・クエイド)を起こそうとするものの、カプセルは開かなかった。
暫くして目覚めたペイトンはカプセルから出るが、混乱してこの場がどこかも分からない。
目覚めて1時間経ったにも拘らず記憶が戻らないバウアーは、訓練は覚えているが目的地も分からないと、同じく何も思い出せないペイトンに伝える。 二人は他のクルーや前チームの生存を確認できず、装置を起動させることもできない。 補助電源で起動させたペイトンは、自分達がチーム5だとバウアーから知らされ、船内に誰かがいるかを確認する。 少尉がカプセルにいないことを確認し、現在の場所を離れることを考えたペイトンは、バウアーに上部の換気口を調べさせる。 原子炉を再起動させる必要があると考えるバウアーは、換気口を見つけられないまま先に進むものの前進できなくなる。 戻るように言われたバウアーは見動くできなくなり取り乱し、ペイトンはジョークを言って彼を落ち着かせる。 その場に人がいたと感じたバウアーは、縦穴に落下してしまう。 無事だったバウアーは吊るされた死体を確認して移動するが、無線が途絶えてしまう。 人影を見てそれを追ったバウアーは死体を発見し、何者かに襲われてしまう。 その相手ナディア(アンチュ・トラウェ)に叩きのめされたバウアーは、ある”もの”から身を守るため靴を脱ぐよう指示される。 ナディアは姿を消し、何かを感じたバウアーは、少尉の死体が奪い去られた後、おぞましい姿の化け物”ハンター”を目撃する。 身を潜めていたバウアーは、無線が復旧したために焦る。 襲われそうになったバウアーはその場から逃れるが、ハンターには気づかれなかった。 動揺するバウアーは、人間ではなかったハンターのことをペイトンに知らせ、ブリッジに行く必要があることを伝える。 困難な状況に置かれていることを話すペイトンは、この船が輸送船ではなく、6万人を乗せた移住が目的の船であることを伝える。 それがタニスであると気づいたバウアーは、子どもの頃、探査船が着陸した際の影像を両親(ヴォータン・ヴィルケ・メーリング/デルフィーヌ・シュイヨー)と共に見たことを思い出す。 エリジウムが移住民を乗せる船であり、地球に戻ることはないと知ったバウアーは、ハンターに船を破壊される前にブリッジに向い起動させるようペイトンに命ぜられる。 夫婦で繁殖能力テストを受けたことを思い出したバウアーは、自分達の妻が船内にいるはずだと指摘し、ハンターに見つかる前に救おうと考える。 巨大な船内では妻を見つけるのは不可能だと言うペイトンは、船を動かせば皆を救えるとバウアーに伝える。 武器庫で致死には至らない暴動鎮圧銃を手に入れたバウアーは、原子炉を動かすことをペイトンに伝え、その道順を知らされる。 人影を目撃したバウアーは身を隠し、手の震えを感じたため、”パンドラム”を経験したことがあるかをペイトンに問う。 宇宙船エデンの悲劇を語るペイトンは、精神疾患・軌道機能不全症候群パンドラムを発症した乗組員5000人が死んだ事件のことを話す。 ペイトンの指示で原子炉に向かうバウアーは、再び吊るされているクルーを見つける。 生きていたシェパード(ノーマン・リーダス)は取り乱し、バウアーは彼を落ち着かせて助ける。 シェパードがチーム6のクルーだったため、バウアーはそれをペイトンに知らせる。 恐ろしい体験をしてハンターを恐れるシェパードは、ペイトンの指示に従おうとせずにその場から退避する。 襲いかかってきたハンターから逃れるバウアーだったが、シェパードは捕らえられて殺される。 現れたマン(カン・リー)に救われたバウアーは、農業部門の彼が話す言葉が理解できないものの、原子炉に向かうことを説明する。 扉が開かずその場から出ることができないペイトンは、人の気配を感じて警戒する。 コンテナ室に着いたバウアーは再びナディアに襲われ、マンも交えて争いになる。 二人を制止したバウアーは協力し合うことを提案し、自分がエンジニアだとナディアに伝える。 原子炉に行くのを拒むナディアを説得するバウアーは、船を操縦できることを伝えて彼女に納得させる。 襲いかかってきたハンターから逃れたバウアーらは、生態系開発室に向い、科学者だったナディアから、5人の生存者とこの場で暮らしていたことを知らされる。 人類の起源とも言える無数の標本を見せられたバウアーは、3割が失われたそれがタニスまで持つか分からないとナディアに言われ、目的地までは123年かかることを思い出す。 船自体は後世までもつが自分達は眠り過ぎたと、バウアーはナディアに言われる。 現れたクルーだと言うギャロ伍長(キャム・ギガンデット)を助けたペイトンは、混乱しているブリッジから来た彼に質問するものの答えが得られない。 睡眠室に着いたバウアーは空のカプセルを確認し、皆ハンターに喰われたとナディアから知らされる。 その場から落下したバウアーとナディアは数百体の死体を発見し、ハンターが現れたため身を隠す。 ハンターに襲われたバウアーとナディアは、加勢したマンと共に敵を倒す。 姿を現して威嚇するハンター・リーダー(アンドレ・ヘンニッケ)らから逃れたバウアーは、冷凍睡眠が解除されカプセルから出ようとするクルーが喰われるのを目撃する。 バウアーと連絡がとれないペイトンは、落ち着いたギャロがチーム4のクルーだということを知る。 現在の位置はどこで何があったのかをギャロに聞くペイトンは、パンドラムが発症した仲間を彼が殺したと言われる。 倉庫でコックだと言うリーランド(エディ・ローズ)に出会ったバウワーは休息し、睡眠中の人間が突然変異してハンターになった可能性をナディアから指摘される。 かなり前に目覚めていたリーランドは、船内で起きたことをバウアーとナディアに話そうとする。 自分に鎮静剤を打とうとするペイトンに、ギャロはパンドラムの恐ろしさを語る。 三人のクルーだけが船を操縦していたのだが、指揮官と少尉が発症し、地球が消滅したという通信を受けて取り乱したため、ギャロが二人を殺害したのだった。 同じ話をするリーランドは、残った一人が船の支配者になり、目覚めた乗員に残虐なゲームをさせて、水からは睡眠カプセルに入り生きながらえたことを語る。 ギャロの話を聞いていたペイトンは、手の震えを感じる。 食べ物に薬を混ぜてバウアーらを眠らせて拘束したリーランドだったが、船が完全に停止したら全てが終りであり、再起動が必要だと言われる。 リーランドは3人を解放し、バウアーはペイトンと連絡をとり、船が停止するまでの時間が47分だと知らされ原子炉に向かう。 4人はその場を離れ、子供のハンターを目撃して彼らが繁殖していることを知る。 バウアーは、妻エヴァロン(フリーデリッケ・ケンプター)と別れたことがきっかけで任務に志願したことを思い出す。 全てを諦めかけたバウアーは、生きるのが使命であるとナディアに言われる。 ペイトンの妻の睡眠カプセルを見つけたバウアーは、全てを理解する。 ギャロは、システムが全壊する前にカプセルで脱出するべきだとペイトンに提案する。 バウアーらを見殺しにしないと言うペイトンは、ギャロを黙らせる。 原子炉に着いたバウアーは、その場にハンターがいることに気づく。 通路から足を踏み外したバウアーは、ナディアに助けられるものの落下してしまう。 ペイトンに銃を向けて脱出しようとするギャロは、命令を聞かずに睡眠カプセルに入る。 ギャロを騙したペイトンは、彼をカプセルの中に閉じ込める。 無数のハンターがいる場所からナディアの元に向かったバウアーは、原子炉を再起動させる。 電力が回復し原子炉が再起動したことを確認したペイトンに、彼を”伍長”と呼ぶギャロは今に気づくと伝える。 マンはハンター・リーダーと一騎打ちになり、逃げるバウアーとナディアは、リーランドがドアを閉めたため閉じ込められる。 傷つけられながらもリーダーを倒したマンだったが、現れた子供のハンターに殺される。 カプセルから脱出したギャロに襲われ鎮静剤を打たれたペイトンは、全てが幻覚だったことに気く。 ペイトンは、現れたリーランドの目に鎮静剤を注射して殺す。 扉を開けたペイトンはブリッジに向う。 その場に逃げ込んだバウアーとナディアは、ハンターが追ってきたために扉を閉め、ペイトンが中尉ではなかったことを彼女に知らせる。 ブリッジに向かったバウアーとナディアは、その場にいたペイトンではなかったギャロ伍長に話しかける。 乗船時はバウアーよりも若かったと言うギャロは、地球からの最期の通信を聞いた後でクルーを殺したのは自分だと言われる。 現在位置が宇宙空間でないことに気づいたバウアーは混乱し、この場がどこなのかをギャロに問う。 任務開始から923年、タニスの海に不時着していたことを知ったバウアーとナディアは、半狂乱のギャロに抵抗する。 バウアーが放った暴動鎮圧銃がハッチを吹き飛ばし、それがガラスに直撃して破れ、船内は浸水する。 ナディアと共にその場から逃れたバウアーは、睡眠カプセルに入り宇宙船から脱出する。 海面に浮上した2人は、カプセルのハッチが開いたため、息ができるかを確認する。 その後、生存者のカプセルは次々と船体から発射される。 タニス元年、人口1213名。
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*(簡略ストー リー)
2174年。
人口増加により地球の資源問題は最悪の状況となり、巨大宇宙船”エリジウム”が打ち上げられ、地球に似た環境の惑星タニスに向かう。
冷凍睡眠から目覚めたペイトン中尉は、バウアー伍長に船内を調べさせる。
科学者ナディアらに出会いながら、再起動させるために原子炉に向かったバウアーは、おぞましい生物”ハンター”の存在を知る。
ナディアと農業担当者のマンと共に原子炉に向かうバウアーは、コックだと言うリーランドに出会い、船内で起きたあるクルーが支配者になった異常行動を知らされる。
一方、バウアーとの通信が途絶えたペイトンは、現れた前チームのギャロ伍長から、精神疾患・軌道機能不全症候群”パンドラム”を発症した上官を殺害したことを知らされる・・・。
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地球絶滅の危機が迫り、新世界を目指す壮大な移住計画に隠された秘密を描くSF映画であり、おぞましい生物”ハンター”の恐怖も描くホラーとしての要素を取り入れた作品に仕上がっている。
影像的にそれほど新鮮味がある訳でもなく、ハンターの造形も人間的であり、密室の恐怖感も今一物足りないというところだろうか。
6万人が乗船できる巨大宇宙船で起きる事件なのだが、行動範囲も限定され小ぢんまりとした雰囲気でありアクションも平凡だ。
興行収入は北米で約1000万ドル、全世界でも約2100万ドルに終わり、製作費の3300万ドルを回収することができなかった。
クルー・チームの指揮官を装う、船内で異常行動を起こした支配者を演ずるデニス・クエイド、船を救おうとする伍長を熱演するベン・フォスター、支配者の幻覚キャム・ギガンデット、バウアー(ベン・フォスター)と行動を共にする科学者アンチュ・トラウェ、農業担当者カン・リー、自称コックのエディ・ローズ、ハンターに殺されるクルーのノーマン・リーダス、ハンター・リーダーのアンドレ・ヘンニッケ、バウアーの妻フリーデリッケ・ケンプター、両親ヴォータン・ヴィルケ・メーリングとデルフィーヌ・シュイヨー、クルーのニルス・ブルーノ・シュミットなどが共演している。