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Pan (2015)

1904年に上演された、J・M・バリーの戯曲”ピーター・パン”を基に製作された作品。
”ピーター・パン”の秘められた生い立ちを描く、監督ジョー・ライト、主演ヒュー・ジャックマンギャレット・ヘドランドルーニー・マーラリーヴァイ・ミラー他共演のファンタジー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ファンタジー


スタッフ キャスト
監督:ジョー・ライト

製作
グレッグ・バーランティ
サラ・シェクター
ポール・ウェブスター
製作総指揮:ティム・ルイス
原作:J・M・バリーピーター・パン
脚本:ジェイソン・フックス
撮影
シーマス・マッガーヴェイ
ジョン・マシソン
編集
ウィリアム・ホイ
ポール・トシル
音楽:ジョン・パウエル

出演
黒ひげ:ヒュー・ジャックマン
ジェームズ・フック:ギャレット・ヘドランド
タイガー・リリー:ルーニー・マーラ
ピーター・パン:リーヴァイ・ミラー
サム”スミー”スミーゲル:アディール・アクタル
ビショップ:ノンソー・アノジー
メアリー:アマンダ・サイフリッド
バーナバス院長:キャシー・バーク
ニブス:ルイス・マクドゥーガル
人魚:カーラ・デルヴィーニュ
クワフ:ナ・テジョー
グレート・リトル・パンサー族長:ジャック・チャールズ
中佐:エメラルド・フェネル
ステップス:ブロンソン・ウェッブ
マーレイ:カート・エジアイアワン
ムッティ・ブーシュ:ポール・ケイ

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2015年製作 111分
公開
北米:2015年10月9日
日本:2015年10月31日
製作費 $150,000,000
北米興行収入 $35,088,300
世界 $128,388,300


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ロンドン、ランベス孤児院。
息子ピーターに手紙を残して別れを告げたメアリー(アマンダ・サイフリッド)は、その場を去る。

12年後、第二次大戦中。
成長したピーター(リーヴァイ・ミラー)は、親友のニブス(ルイス・マクドゥーガル)と共に、意地の悪いバーナバス院長(キャシー・バーク)の仕打ちに耐える日々を行くっていた。

バーナバスが配給をくすねていることを知ったピーターとニブスは、空襲の夜に院長室に侵入し記録庫を見つける。

自分に残された母親からの手紙を見つけたピーターは、それをニブスに読んでもらう。

自分は特別であり、別の世界で必ず会えるという内容を確認したピーターは、ニブスと共にその場から逃げようとするものの、院長に見つかってしまう。

手紙を破かれたピーターはそれを奪い憤慨するが、ニブスと共に罰を受ける。

その頃、孤児院から子供たちが何人も姿を消していたのだが、院長が売っているという噂をピーターはニブスから聞く。

その夜、ピーターとニブス他子供たちは、院長の手引きで現れた海賊によって連れ去られる。
...全てを見る(結末あり)

連れ込まれたのが空飛ぶ海賊船だと気づいたピーターは、飛び降りたニブスと離れ離れになる。

敵機だと思い攻撃したイギリス空軍の”スピットファイア”のパイロットは、海賊船であることを指令部の中佐(エメラルド・フェネル)に報告する。

追撃をかわす海賊船から落ちそうになったピーターは、海賊のビショップ(ノンソー・アノジー)に救われる。

スピットファイア”の追撃をかわすために一旦、上昇した海賊船は降下を始め、不思議な島”ネバーランド”に向かう。

そこでは、支配者黒ひげ(ヒュー・ジャックマン)によって、世界中から子供たちが集められていた。

子供たちは、妖精の粉”ピクサム”を探すために採掘作業をさせられ、その場をサム”スミー”スミーゲル(アディール・アクタル)が監督していた。

スミーからピクサムのことを知らされたたピーターは、黒ひげがそれを探す理由は知らないと言われる。

若者ジェームズ・フック(ギャレット・ヘドランド)と知り合ったピーターだったが、彼からもピクサムのことを教えてもらえなかった。

翌日、ピクサムを見つけたピーターは、それを奪われてしまう。

詐欺師と判断されたピーターは、見せしめに殺されることになり、空中に浮かぶ海賊船から黒ひげに突き落とされる。

ところが、ピーターは地上に落下する途中で体が空中に浮かぶことに気づく。

ピーターを部屋に連れて行った黒ひげは、妖精の国があった時代に先住民の予言のことを話し、以前も飛んだことがあるか尋ね、ないと言われる。

黒ひげは、ピーターが首にかけているネックスを確認して予言について話し始める。

妖精の王子と人間の女の間に生まれた少年は赤ん坊の時に姿を消し、成長後に戻り黒ひげに対して反乱を起こすという予言だった。

その少年は飛べると話す黒ひげは、自分を殺しに来たのかピーターに尋ねる。

おとぎ話は信じないと黒ひげに伝えたピーターは牢屋に入れられ、”別の世界でまた会える”と書かれた母の手紙の切れ端を見つめる。

隣りの牢屋に連れて来られたフックから、壁に爆破装置が仕掛けてあり爆発すると言われたピーターは、島にいるような気がする母を探すための協力を求める。

牢屋から出るのが先だと言われたピーターは、鉱山から出たいはずだとフックに伝えて協力を約束させる。

壁が爆破され、脱出したフックとピーターは、その場から逃げる。

スミーの手助けで鉱山を出たフックとピーターは、ケーブルカーで空中に浮かぶ”スカイポート”に向かう。

それを阻止されそうになり、ケーブルを切って海賊船に乗り移ったピーターら三人は、スカイポートから離れる。

逃げたピーターが先住民と組むことを阻止しようとする黒ひげは、彼らを捕まえることをビショップに命ずる。

フックが島を出ようとするため、ピーターは、母を探す約束をしたはずだと伝えるものの、船は森の中に墜落してしまう。

ピクサムを使い若返っていた黒ひげは、ピーターの乗った海賊船が森に墜落したことをビショップから知らされる。

ビショップは、ピーターが予言の少年とは思えないと黒ひげに伝えるものの相手にしてもらえない。

海賊船内で地図を見つけたピーターは、部族がある場所を確認し、少年が部族を率いるという予言をフックに伝えるものの信じてもらえない。

先住民が母のことを知っているかもしれないと考えたピーターは、フックを頼らないことにして部族の元に向かう。

部族がピーターを予言の少年だと信じれば褒美をくれるかもしれないと言うスミーは、彼らなら海賊船を奪えるとフックに伝える。

仕方なくピーターについて行ったフックは、自分も孤児であることを話す。

襲い掛かってきたネバーバードから逃げた三人は走り続けるが、スミーが捕らえられてしまう。

そこに先住民の族長の娘タイガー・リリー(ルーニー・マーラ)が現れ、捕らえられた三人は部族の村落に連れて行かれる。

タイガー・リリーに海賊と思われたフックは殺されそうになり、勇者と戦って勝てば帰れると言われる。

戦士クワフ(ナ・テジョー)と戦うフックを助けようとしたピーターは、拘束を逃れて加勢する。

ピーターが”パン”の印を着けていることに気づいた族長グレート・リトル・パンサー(ジャック・チャールズ)は、それを皆に伝える。

記憶の木を使い説明を始めたタイガー・リリーは、ピクサムを求める黒ひげに対し、族長と妖精王は立ち向かったことを話す。

妖精王子が黒ひげの船に侵入し、彼の愛するメアリーと出会った。

夜ごと会う二人を見つけた黒ひげは激怒し、メアリーを守るために王子は人間の姿になり、数千年の命を捨てて一日限りの命を愛のために捧げた。

タイガー・リリーから、妖精の王子とメアリーの息子が自分だと知らされたピーターは、人間界に行った際に目印のネックレスを渡されたと言われる。

母が無事だと知ったピーターは会えると信じるが、族長から、メアリーの息子”救世主”であることの証明を求められる。

月が三回昇る前に空を飛ぶことを要求されたピーターは、自分でも救世主かは分からないために戸惑う。

練習をしても飛ぶことができないピーターは焦り気落ちするが、フックに励まされる。

追ってきた黒ひげに見つかり、ピーターの居場所を訊かれたスミーは教えてしまう。

殺されそうになったスミーは、滅びた妖精の国の情報を黒ひげに話す。

タイガー・リリーに惹かれたフックは彼女を口説き、妖精の国のことなども話すものの相手にされない。

その後、海賊の襲撃を受けてフックとタイガー・リリーは捕らえられてしまい、ピクサムが山のようにあるとスミーから聞いたたことを黒ひげは彼らに伝える。

ピーターの居場所と妖精の国の場所を教えることを拒んだ族長を射殺した黒ひげは、タイガー・リリーに銃を向ける。

妖精の国への地図があると話してしまったフックは、憤慨するタイガー・リリーに君を救うためだと伝える。

タイガー・リリーを殺そうとした黒ひげは、ネバーバードに乗って現れたピーターに発砲する。

その場が混乱する隙に、フックはタイガー・リリーと共に逃げる。

地上に落下したピーターは、黒ひげから、母メアリーはこの手で殺したので会えないと言われて剣を向けられるものの、フックとタイガー・リリーに救われる。

族長が殺されたのは自分の責任だと言うタイガー・リリーに責められたフックは、スミーのせいだと反論する。

ピーターから、母が死んだことを黙っていた嘘つきだと言われたタイガー・リリーは、彼を慰めることができない。

タイガー・リリーは、黒ひげが踏み込めない唯一つの場所”マーメイド・ラグーン”に向かおうとして、フックとピーターと共に筏で川を下る。

妖精の国への地図を見つけた黒ひげは、ピーターらより先に向かおうとする。

大切にしていた母の手紙の切れ端を川に捨てたピーターは、襲い掛かってきた巨大なワニに驚く。

ワニに川に引きずり込まれたピーターは、現れた人魚(カーラ・デルヴィーニュ)に救われる。

その後、難破船を見つけたフックは、その場に向かい調べようとする。

黒ひげが話したことがすべてではないと言うタイガー・リリーは、ピーターに母のことを教えようとして、人魚が水に移した記憶を見せる。

母が勇敢に戦った偉大な戦士だと知ったピーターは、タイガー・リリーから、彼女は自分の師匠だったと言われる。

予言を叶える自信がないピーターだったが、タイガー・リリーから、まずやって見るべきだと言われて励まされる。

戻ったフックはタイガー・リリーとピーターを連れて船に向かい、修理すれば動かせることを伝える。

島から脱出するつもりのフックは、タイガー・リリーに、故郷で一触に暮らす提案をする。

翌日、船を直したフックはタイガー・リリーとピーターを残して旅立つ。

自分は予言の救世主ではないとタイガー・リリーに伝えたピーターは、黒ひげが両親が守ろうとしたものを壊そうとするなら、最後まで戦うと伝える。

タイガー・リリーとある場所に着いたピーターは、壁に書かれている文字を読み、”鍵を持つ王子のみが通れる”ということを確認する。

その場で待ち構えていた黒ひげは、鍵は持っていないと言うピーターのネックレスを奪う。

それが鍵だったことを伝えた黒ひげは、扉を開けて妖精の隠れ家に向かい全滅させようとする。

妖精の”ティンカーベル”が現れ、タイガー・リリーは、彼女が会えて喜んでいるとピーターに伝える。

ピーターは、王国を守れなかったことをティンカーベルに謝罪する。

黒ひげは容赦なくその場を焼き尽くそうとするが、何でもすると言うピーターはそれを止めさせる。

戦士の息子で王子である自分は服従しないと言うピーターは、殺したければ殺せと黒ひげに伝える。

そこにフックの船が現れ、ピーターはそれに飛び移り、妖精の隠れ家を守ろうとするタイガー・リリーは黒ひげと剣を交える。

飛び移ってきたビショップと戦ったフックは、制御不能になった船が傾いたためにしがみつく。

ビショップは甲板から転落し、力尽きたフックも落下する。

飛び降りたピーターは、フックを捉えて空を飛ぶ。

タイガー・リリーは捕らえられ、フックを救ったピーターが飛んでいることを確認した彼女は黒ひげに対抗する。

フックを安全な場所に降ろしたピーターは、妖精たちのパワーを結集して黒ひげに立ち向かい、彼を叩きのめす。

黒ひげは、岸壁に衝突した船と共に落下する。

妖精が母メアリーに姿を変えたことに気づいたピーターは、愛していることを伝える。

この島で家族のような仲間と幸せに暮らしていると言われたピーターは、離れたくないと母に伝える。

自分はこの島の一部なので離れないと伝えたメアリーは、あなたの一部でもある、愛している”ピーター・パン”と伝えて姿を消す。

その後、孤児院に戻ったピーターは眠っていたニブスを起こし、子供たちを救い出してフックの船に乗せる。

故郷に帰るのはやめたと言うフックは、ここが我が家だとタイガー・リリーに伝える。

ピーターは、”フック船長”に行き先を任せる。

2番目の星に進路をとると伝えたフックの海賊船”ジョリー・ロジャー”は、空高く飛び立つ。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ロンドン、ランベス孤児院。
意地の悪いバーナバス院長の仕打ちに耐えていたピーターは、子供たちが度々、姿を消していることを気にしていた。
空襲の夜、記録室で母の手紙を見つけたピーターは、親友のニブスと共に現れた海賊に連れ去られる。
ニブスは空飛ぶ海賊船から脱出するものの、ピーターはネバーランドに連れて行かれる。
冷酷な支配者の黒ひげの命令で、永遠の命を得られる妖精の粉”ピクサム”を鉱山で探す作業をさせられたピーターは、若者フックと出会う。
そんなピーターは、自分は特別だという母の手紙の通り、空中を飛べることに気づき、黒ひげは警戒する。
その後ピーターは、鉱山の監督である海賊スミーの協力を得て、フックと共に船を奪い脱出する。
黒ひげと対立する部族の元に向かったピーターらは、部族長の娘タイガー・リリーに出会い自分の宿命を知るのだが・・・。
__________

J・M・バリーが創作した”ピーター・パン”の秘められた生い立ちと、フック船長やタイガー・リリーとの出会いなどを描く、ジョー・ライトが監督したファンタジー超大作。

ディズニー作品で知られる人気キャラクター”ピーター・パン”の誕生までを描く作品であり、人間のピーターが、先住民の予言通りに救世主になる宿命を知り、苦悩しながら成長していく姿が描かれている。

夢の世界をテンポよくスリリングに描くジョー・ライトは、深い演出を必要としない物語であるため楽しんでいる様子が窺えるが、あまりにも有名な児童文学の前日譚としてはやや平凡でパンチに欠けている内容は残念。

ヒュー・ジャックマン他、大物スターが出演し、製作費に1億5000万ドルかけた大作なのだが、批評家からは酷評され、北米興行収入は約3500万ドルに留まり、全世界でも1億2800万ドルという結果に終わり、製作費を回収できない大失敗作となってしまった。

よく言えば”怪演”だが、あまり適役とは思えない黒ひげを演ずるヒュー・ジャックマン、ピーターと知り合い協力し合うジェームズ・フックのギャレット・ヘドランド、先住民であるはずのタイガー・リリーを白人として演じたことで問題になったルーニー・マーラ、孤児の少年ピーターからピーター・パンとなるリーヴァイ・ミラー、彼らに協力したり裏切ったりもする海賊サム”スミー”スミーゲルのアディール・アクタル、黒ひげの補佐である巨漢の海賊ノンソー・アノジー、ピーターの母親メアリーのアマンダ・サイフリッド、孤児院の院長キャシー・バーク、ピーターの友人ニブスのルイス・マクドゥーガル、人魚のカーラ・デルヴィーニュ、先住民の戦士ナ・テジョー、部族長のジャック・チャールズイギリス空軍中佐のエメラルド・フェネルなどが共演している。


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