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夜の豹 Pal Joey (1957)

1940年に発表されたジョン・オハラの小説”Pal Joey”を基にした、リチャード・ロジャースロレンツ・ハートのミュージカル”Pal Joey”の映画化。
女好きのクラブ歌手と彼を取り巻く2人の女性との三角関係を描く、監督ジョージ・シドニー、主演リタ・ヘイワースフランク・シナトラキム・ノヴァク他共演のミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

キム・ノヴァク / Kim Novak / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ジョージ・シドニー

製作:フレッド・コールマー
原作
Pal Joey”(小説)ジョン・オハラ
Pal Joey”(ミュージカル)
脚本:ドロシー・キングスレイ
撮影:ハロルド・リップスタイン
編集
ヴァイオラ・ローレンス
ジェローム・トムズ
美術・装置
ウォルター・ホルシャー
ウィリアム・キアナン
ルイス・ディアージ
衣裳デザイン:ジーン・ルイス
音楽
リチャード・ロジャース(作曲)
ロレンツ・ハート(作詞)

出演
ヴェラ・プレンティス=シンプソン:リタ・ヘイワース
”パル”ジョーイ・エヴァンス:フランク・シナトラ
リンダ・イングリッシュ:キム・ノヴァク
グラディス:バーバラ・ニコルズ
ネッド・ギャルヴィン:ボビー・シェアウッド
マイク・ミギンズ:ハンク・ヘンリー
ケイシー夫人:エリザベス・パターソン
クラブの受付:ジュディ・ダン

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1957年製作 109分
公開
北米:1957年10月25日
日本:1958年1月10日
製作費 $3,000,000


アカデミー賞
第30回アカデミー賞

・ノミネート
編集・録音・美術・衣裳デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
クラブの芸人である女好きのジョーイ・エヴァンス(フランク・シナトラ)は、未成年だった市長の娘に手を出し、警官に町から追い出される。

サンフランシスコ
ジョーイは、クラブ”バーバリー・コースト”に出演している、バンド・リーダーで知人のネッド・ガルヴィン(ボビー・シェアウッド)を頼り仕事を探す。

ネッドの演奏でステージに登場したコーラスガールのリンダ・イングリッシュ(キム・ノヴァク)が気に入ったジョーイは、ネッドに彼女のことを尋ねる。

歌手志望の純情な子なので手を出すなと言われたジョーイは、ネッドが面倒を見ていることを知る。

クラブのオーナー、マイク・ミギンズ(ハンク・ヘンリー)が、司会者が遅れて困っていることを知ったジョーイは、勝手にステージに上がり進行役を始めてしまう。
...全てを見る(結末あり)

ジョーイが他のクラブでトラブルを起こしたことを知っていたマイクは、歌ってトークもできる彼が自分を売り込むために、客に手を出したら即クビだと警告して仕方なく雇う。

仕事が終りネッドと話したジョーイは、現われたリンダの前で興味がない振りをする。

ネッドが席を外した間にダンサーのグラディス(バーバラ・ニコルズ)から話しかけられたジョーイは、妹がもてあそばれて捨てられたと嫌味を言われたために、逆に彼女をからかう。

高級住宅街ノブヒルの社交パーティーで演奏することになったネッドは、それをバンドのメンバーに伝え、ジョーイも加わることになる。

チャリティー・オークションを兼ねたパーティーが始まり、歌い始めたジョーイは、主催者である未亡人である富豪のヴェラ・プレンティス=シンプソン(リタ・ヘイワース)に見覚えがあることに気づく。

ネッドから、ヴェラが元ダンサーだったとことを知らされたジョーイは、彼女のことを思い出す。

小児病院への寄付のオークションが終り、総額が目標に足りなかったものの品物がなくなる。

ジョーイは、ダンサー時代のヴェラの話をしながら、彼女の余興に値段をつけ、5000ドルで落札される。

仕方なく歌い踊って見せたヴェラは、勝手なことをしたジョーイに苛立つ。

リンダをアパートに送ったジョーイは、ネッドから、わざと彼女を無視して手を出すつもりだったことを見抜かれる。

それを否定したジョーイは、ネッドの部屋に居候しようとするものの、それを拒まれ、ギャラの20ドルを渡される。

ネッドと別れたジョーイはリンダのアパートに戻り、家主のケイシー夫人(エリザベス・パターソン)から部屋を借りる。

リンダが隣りの部屋だと知ったジョーイは、彼女を驚かせる。

翌日ジョーイは、ペットショップの前で犬を見ていたリンダに声をかけ、以前、スナッフィという犬を飼っていたことを話す。

ジョーイからネッドの話をされたリンダは、恋人であることを否定して苛立つ。

ダンサーに手を出し始めたジョーイは、注意するマイクの話も聞かずに歌い始め、リンダをステージに上げて踊る。

翌日、リンダを食事に誘ったジョーイは、ペットショップに寄り、成り行きで犬を買うことになってしまう。

ジョーイに無理矢理、犬を買わせたリンダは、仲良くするようにと言って彼と別れる。

その後、ジョーイが犬の扱い方を知らないため、リンダは以前、飼っていたことがウソだと分かる。

ヴェラが店に来たことを知らされたジョーイは、ここを高級店にしてみせるとマイクに伝えて、意気揚々と彼女のテーブルに向かう。

2人の紳士を伴い席に着いていたヴェラに、見栄を張り高級シャンパンを振る舞ったジョーイは、店を持つ夢を彼女に話し”シェ・ジョーイ”という名前を提案される。

出番になりステージに向かおうとしたジョーイは、席を立ったヴェラから、庶民の生活を見たかっただけだと嫌味を言われ、彼女が先日の仕返しのために来たことを知る。

憤慨したマイクに解雇されたジョーイは、土曜までにヴェラが再び来店しない場合はギャラもいらないと言って、彼を納得させる。

翌日、ヴェラの屋敷に向かったジョーイは、興味があるのは金だけだと言って、彼女を牽制してその場を去る。

ヴェラを来させる自信がないジョーイは、リンダにはハリウッドに向かうと伝える。

リンダが自分のことを気にしていることを知ったジョーイは、彼女と食事をしようとする。

そこにヴェラが現れ、指名されたジョーイは、彼女の前で歌うことになる。

歌い終わったジョーイと踊ったヴェラは、彼を誘って港に向かい、停泊中の所有する船に乗る。

自分と組むことをヴェラに提案したジョーイは、彼女の心をつかむ。

ジョーイは、食事の約束を破ったことも気にしないリンダに、スナッフィと名付けた犬を譲ることにする。

ジョーイは、マイクやダンサーらを連れて店ごと引っ越し、ノブヒルで高級クラブを開き、ヴェラと共に経営することをリンダに話す。

これはビジネスだと言うジョーイは、苛立つリンダにスナッフィを渡してアパートを引っ越す。

ノブヒルの屋敷を借りて改装したヴェラとジョーイは、クラブ”シェ・ジョーイ”の開店準備を始める。

ヴェラは、ジョーイが船に引っ越す前に同じアパートに住んでいたリンダのことが気になる。

リンダを歌手としてステージに上げようと考えたジョーイだったが、それが気に入らないヴェラから、彼女をクビにするよう指示される。

ジョーイは、グラディスに歌わせ、彼女の代わりにストリップをさせることをリンダに伝える。

ヴェラの企みだと気づいたリンダは苛立ち、彼女の言いなりになっているジョーイを痛烈に非難する。

船にいたジョーイは、酔って現れたリンダからストリップをやると言われ、眠ってしまった彼女をベッドに寝かせる。

翌朝ジョーイは、二日酔いで目覚めたリンダが、本当にストリップをやることを確認し、ヴェラではなく自分が決めたことだと伝える。

リハーサルが始まり、様子を見に来たヴェラは、ストリップをするリンダを見つめるジョーイが気になる。

途中でやめさせたジョーイは、楽屋で涙するリンダを気遣い謝罪し、歌うよう指示する。

ヴェラに呼ばれたジョーイは、辞めていないリンダのことを訊かれ、追い出さなければ店をオープンしないと伝える。

マイクと話したヴェラは、ダンサーやスタッフにギャラを払い帰らせ、看板も降ろすようにと指示してその場を去る。

そのことを皆に伝えたジョーイは部屋に閉じこもり、心配するリンダとも話す気にはなれなかった。

ヴェラを訪ねたリンダは、ジョーイとは深い関係ではないことを伝え、店を開店させてほしいと言って、彼は悪人ではないと伝える。

自分がいなければ開店するつもりがあることをヴェラに確認したリンダは、その場を去る。

ジョーイと話したヴェラは、街を去ろうとする彼に開店することを伝る。

ヴェラは、自分の気持ちを証明するために結婚するとジョーイに伝える。

そんな気になれないジョーイは、自分のような男にまともな暮らしはできないと言って、ヴェラに別れを告げる。

リンダのせいか尋ねたヴェラは、そうかもしれないと答えたジョーイに、確かめるべきだと言い残してその場を去る。

店に向かったジョーイは、女には未練がないと思いながら、ヴェラとリンダのことを考える。

ジョーイとリンダの互いの気持ちを理解したヴェラは、リンダと共に店に向かう。

ジョーイが店から出て来たため、ヴェラは、リンダを彼の元に向かわせる。

スナッフィを連れてジョーイの元に向かったリンダは、自分も一緒に行くことを伝える。

サクラメントに向かうつもりのジョーイに、一度、州都に行ってみたかったと伝えたリンダは、気まぐれな男に付き合うのはやめた方がいいと言われるものの、諦めようとしない。

リンダにキスしたジョーイは、パートナーを探していたと言って、スナッフィを抱き抱える。

ジョーイは、コンビの名前は”ジョーイ・エヴァンス一座”にすると言って、リンダと共に旅立つ。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
サンフランシスコ
女好きのクラブ芸人ジョーイ・エヴァンスは、旧知のバンド・リーダー、ネッドを頼り仕事を得る。
そのクラブのコーラスガールであるリンダが気に入ったジョーイは、彼女に気がない振りをする。
リンダは、他のダンサーと同じく、魅力的なジョーイに惹かれてしまう。
元ダンサーで未亡人である富豪ヴェラと再会したジョーイは、彼女の心をつかみ、高級クラブの経営を任されるのだが・・・。
__________

多くの名作ミュージカルを手掛け若くして成功したジョージ・シドニーが、一世を風靡したスター、リタ・ヘイワースフランク・シナトラ、そしてキム・ノヴァクという豪華な顔ぶれで監督した作品。

女好きのクラブ歌手と、彼を取り巻く2人の女性との三角関係を描くミュージカル。

リチャード・ロジャースロレンツ・ハートブロードウェイ・ミュージカルの映画化であり、数々の名曲が挿入されファンを大いに楽しませてくれる。

ブロードウェイの舞台の初演(1940年)ではジーン・ケリーが主人公を演じたが、本作のフランク・シナトラは、ジーン・ケリーとは違う個性を活かし、その演技と歌唱力は高く評価された。

また、リタ・ヘイワースキム・ノヴァクの歌は、ジョー・アン・グリアとトゥルーディ・アーウィンがそれぞれ吹き替えを担当している。

第30回アカデミー賞では、編集・録音・美術・衣裳デザインにノミネートされた。

主演のリタ・ヘイワースは、元ダンサーの富豪である未亡人を魅力的に演じている。

ファーストクレジットはリタ・ヘイワースに譲るものの、主人公である自分本位な女好きのクラブ芸人を、雰囲気ある演技で熱演するフランク・シナトラリタ・ヘイワースとはまったく違う役柄でありながら、彼女に引けを取らない画面に映える美しさが印象的な、キム・ノヴァクの好演も見逃せない。

主人公を嫌うコーラスガールのバーバラ・ニコルズ、主人公とは旧知の仲のバンド・リーダー、ボビー・シェアウッド、主人公を雇うクラブのオーナー、ハンク・ヘンリー、主人公が部屋を借りるアパートの女主人エリザベス・パターソン、クラブの受付嬢ジュディ・ダンなどが共演している。


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