ライマン・フランク・ボームの児童文学”オズの魔法使い”を基に製作された作品。 竜巻でたどり着いた奇術師が”オズの国”で魔法使いに間違われながら悪い魔女を追い払い人々に幸せをもたらすまでを描く、監督サム・ライミ、主演ジェームズ・フランコ、ミシェル・ウィリアムズ、レイチェル・ワイズ、ミラ・キュニス他共演のファンタジー・アドベンチャー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:サム・ライミ
製作:ジョー・ロス
製作総指揮
グラント・カーティス
パラク・パテル
フィリップ・ステュアー
ジョシュア・ドーネン
脚本
ミッチェル・カプナー
デヴィッド・リンゼイ=アベアー
原作:ライマン・フランク・ボーム”オズの魔法使い”
撮影:ピーター・デミング
編集:ボブ・ムラウスキー
音楽:ダニー・エルフマン
出演
オスカー”オズ”ディグス:ジェームズ・フランコ
魔女セオドラ:ミラ・キュニス
魔女エヴァノラ:レイチェル・ワイズ
南の魔女グリンダ/アニー:ミシェル・ウィリアムズ
フィンリー(声)/フランク:ザック・ブラフ
陶器の少女(声)/車いすの少女:ジョーイ・キング
メイ:アビゲイル・スペンサー
ティンカー:ビル・コッブス
ナック:トニー・コックス
マジックを疑う観客:テッド・ライミ
ウィンキーの門番:ブルース・キャンベル
アメリカ 映画
配給 ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
2013年製作 130分
公開
北米:2013年3月8日
日本:2013年3月8日
製作費 $215,000,000
北米興行収入 $234,911,830
世界 $493,311,830
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1905年、カンザス。
巡業サーカスの一員である、しがない奇術師オスカー”オズ”ディグス(ジェームズ・フランコ)は、客の入りが少ないことを気にしながら、助手のフランク(ザック・ブラフ)とメイ(アビゲイル・スペンサー)と共にステージに上がる。
メイに催眠術をかけて空中に浮かべ消し去ったオスカーは、車いすの少女(ジョーイ・キング)から歩けるようにしてほしいと頼まれる。
戸惑うオスカーが今はできないと答えたため、彼は客から罵倒されステージを降りる。
楽屋に戻ったオスカーは、心を寄せるアニー(ミシェル・ウィリアムズ)が現れたため彼女を歓迎する。 アニーが求婚されたことを知ったオスカーは、彼女の幸せを願い、自分は偉大な人間になることを夢見ていると語り、平凡な人生は送れない考えを伝える。 その時、オスカーが妻に言い寄ったことを知った怪力男が彼に襲い掛かる。 オスカーは、気球に乗り込みロープを切り空中に舞い上がるのだが、迫る竜巻に吸い込まれてしまう。 死を覚悟したオスカーは意識を失い、目覚めた後で静まった空中を漂うものの川に落下する。 一面に広がる美しい光景に驚くオスカーは、現れた女性(ミラ・キュニス)から、この場が自分の名前と同じ”オズの国”だと知らされる。 女性は、国と同じ名前の魔法使いが空から現れ王になり、自分達を救うという予言が当たったことを喜ぶ。 宮殿や財宝が手に入ることを知ったオスカーは、女性に自分は魔法使いだと伝えるが、悪い魔女が殺しに来ると言われる。 魔女の手下に襲われそうになった二人はその場を逃れ、オスカーは、女性も魔女であり名前をセオドラということを知らされる。 セオドラの美しさに惹かれたオスカーは、女性を口説く際に使うオルゴールを贈り、メロディに合わせて踊る。 翌朝、セオドラの姉であるエヴァノラ(レイチェル・ワイズ)がいるエメラルド・シティに向かった二人は、途中で、罠にかかった翼のある猿フィンリー(ザック・ブラフ)を見つける。 オスカーがフィンリーを助けようとするが、ライオンが襲い掛かる。 ライオンをマジックで追い払ったオスカーは、フィンリーに感謝され、以後、仕えると言われる。 エメラルド・シティを目前にしたセオドラは、黄色いレンガの道を進む。 王妃になれることを喜ぶセオドラが、エメラルド・シティに向かうのを見守りながら、オスカーは、自分が魔法使いでないことをフィンリーに伝えて、それを秘密にするよう約束させる。 セオドラから紋章官ナック(トニー・コックス)を紹介されたオスカーは、エメラルド・シティに到着する。 エヴァノラに迎えられたオスカーは、ナックに部屋に案内される。 しかし、エヴァノラはオスカーが魔法使いであることを疑い、それを信じるセオドラが、悪い魔女に寝返ったのではないかとも考える。 セオドラは平和を願っていることを伝え、エヴァノラは、オスカーが魔法使いである証拠を確かめようとする。 エヴァノラに黄金の部屋を見せられたオスカーは喜ぶが、彼女は、悪い魔女を退治した後で王になれることを彼に伝える。 オスカーは黄金のためにそれを承諾し、フィンリーと共にレンガの道を進み、陶器の町にたどり着く。 破壊された町の様子に驚くオスカーとフィンリーは、足が折れてしまった陶器の少女(ジョーイ・キング)に出会う。 気の毒に思ったオスカーは、鞄から接着剤を出して少女の足を直し、彼女を立たせてあげる。 少女に感謝されたオスカーは、彼女をエメラルド・シティに向かわせようとする。 しかし、少女は同行すると言い張り、オスカーは仕方なく彼女を連れてレンガの道を行く。 怪しい森に着いたオスカーらは、魔女と思われる者が置いた魔法の杖を奪おうとする。 何とか杖を奪ったオスカーはそれを折ろうとするが、その場に魔女グリンダ(ミシェル・ウィリアムズ)が現れる。 オスカーは魔法使いだと答えるが、南の良い魔女だというグリンダに会ったことがあるような気がする。 良い魔女はエヴァノラだと思っていたオスカーは、グリンダにそれを否定され、エヴァノラの悪事を知らされる。 グリンダは、陶器の少女の町も破壊されたことを知り悲しみ、フィンリーから杖を返される。 その様子を知ったエヴァノラは、オスカーからもらったというオルゴール手にする。 それを見たセオドラはショックを受け、オスカーが彼女にも同じことをしたことをエヴァノラは知る。 セオドラは自分の不幸を嘆き、エヴァノラは、オスカーらを倒すために兵を向かわせる。 予言を信じていたグリンダは、魔法使いが現れることを待っていたとオスカーに伝える。 オスカーは、襲い掛かってきた者達に魔法を使うようグリンダに指示されるが、それができないため、彼らはその場から逃げる。 崖で逃げ道を失ったオスカーらは、グリンダが飛び降りた後に続く。 グリンダの魔法でシャボン玉に運ばれ、彼女の国の城に着いたオスカーらは人々に歓迎される。 自分が魔法使いでないことをグリンダに伝えたオスカーは、それを承知しているという彼女に促され人々の前に立つ。 何も知らない人々に希望を与えるため、オスカーは黄金を手に入れることができることをグリンダに確認して、自分が魔法使いであることを伝える。 苦しむセオドラは、エヴァノラに魔法のリンゴを食べさせられ、忌まわしい姿の魔女となりオスカーに復讐を誓う。 エヴァノラを倒す策を考えるグリンダは、農民、ティンカー(ビル・コッブス)やマンチキン達をオスカーに紹介する。 オスカーは彼らが頼りになるかを疑問に思うが、その時、セオドラが現れて彼を痛めつける。 セオドラは、魔法使いと言っているオスカーが嘘つきで、必ず皆殺しにすると言ってグリンダを脅し、ほうきに乗って飛び去る。 グリンダは、その場から去ろうとするオスカーに、ここにいるのには理由があり、秘めた力を持つ可能性があることを伝える。 自分がペテン師だと言って、それを否定するオスカーだったが、陶器の少女をベッドに連れて行き願い事を聞こうとする。 両親を取り戻したいという少女の願いは叶えられないものの、オスカーは、あることが閃きグリンダの元に向かう。 オスカーは、魔術本をグリンダに見せて、マジックを使い対抗することを伝える。 何でも作るティンカーに空間投影機の作製を頼み、農民やマンチキンンの協力を得て、オスカーは、グリンダに励まされエメラルド・シティに馬車で向かう。 グリンダは、空飛ぶヒヒを、かかしでケシ畑に誘き寄せて眠らせてしまう。 しかし、エヴァノラはグリンダを捕え、魔法の杖を拾った陶器の少女はエメラルド・シティに向かう。 エメラルド・シティで地下組織と合流したオスカーは、作らせた気球が飛来したことを確認して、後をティンカーやナックに任せて黄金を奪い、その場から逃げ出そうとする。 民衆が怒りをぶつける中、エヴァノラはグリンダを痛めつける。 セオドラは、飛び立つ気球でオスカーが逃げることを民衆に伝え、それを墜落させる。 フィンリーはオスカーの死を悲しむが、兵士に扮した彼が現れて、トリックだったことを伝える。 オスカーの裏切りにショックを受けたグリンダは、エヴァノラとセオドラに殺されそうになる。 投影機を使い、”オズの魔法使い”が甦ったように見せかけたオスカーを見たエヴァノラはその場から逃げ去る。 陶器の少女は杖をグリンダに渡し、彼女は拘束を逃れ、仕方なくセオドラもその場を離れようとする。 オスカーは、本当は邪悪ではないセオドラに、善良な心が戻ればこの場に帰ってくることを許すと伝える。 しかしセオドラは、それはあり得ないと言い放ち飛び去る。 グリンダは、殺された父王の敵を討つためエヴァノラと対決する。 エヴァノラは醜い姿に姿を変え、エメラルド・シティから追放される。 その後グリンダは、”オズの魔法使い”からの手紙を読み、民衆にオズの国の永遠の自由を宣言する。 オスカーは、魔法使いが死んだことを信じる人々には今回の件を秘密にすることをグリンダらに約束させる。 皆に贈り物をするというオスカーは、何でも作るティンカーにはジャックナイフ、いつもしかめっ面のナックには笑顔のマスク、フィンリーにはトップハットを渡す。 陶器の少女には、この場にいる者達が皆家族だと伝えたオスカーは、グリンダを投影機の部屋に引き入れる。 グリンダに愛を語ろうとしたオスカーは、最初から善良な心があったと言われ彼女にキスする。 その時、グリンダがかかとを上げたため、スイッチの入った投影機は、二人がキスするシルエットを映し出す。 ティンカーはその姿を見て、ナックにファンファーレを吹くよう指示する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1905年、カンザス。
巡業サーカスの奇術師オスカー”オズ”ディグスは、気球で飛びったった後に竜巻に引き込まれある国にたどり着く。
魔女セオドラから、魔法使いが現れる予言通りになったと言われたオスカーは、宮殿や財宝が手に入ると知らされる。
魔法使いだと偽ったオスカーは、翼を持つ猿のフィンリーを助け、セオドラとエメラルド・シティに着き、彼女の姉エヴァノラに歓迎される。
悪い魔女を退治しなければ黄金が手に入らないことを知ったオスカーは、フィンリーと共に南の国に向かう。
途中オスカーは、陶器の町で家族を失った少女を助け、南の国の魔女グリンダに遭遇する。
グリンダが良い魔女で、エヴァノラの悪事を知ったオスカーは、ティンカーやマンチキン達と協力し合い対抗策を考えるのだが・・・。
__________
世界中の人々に愛される児童文学である、1900年に発表されたライマン・フランク・ボーム”オズの魔法使い”を基に製作された作品。
スパイダーマン・シリーズでコンビを組んだサム・ライミとジェームズ・フランコが、ディズニーとのジョイントで完成させた、製作費2億1500万ドルをかけた超豪華キャストによる超大作。
よく知られる、カンザスの農家の少女”ドロシー”が登場する物語ではなく、彼女が関わる占い師を奇術師に置き換えた、彼が主人公として”オズの魔法使い”となるストーリー。
1939年の傑作ミュージカル「オズの魔法使」の前日譚的な内容であり、それを意識したシーンが随所に挿入されオマージュとして凝った雰囲気に仕上がっている。
旧作では、家族や故郷の大切さを伝える描写が強調されていたが、本作は、夢を追い続けるしがない奇術師の心の成長を描いている。
北米興行収入は約2億3500万ドル、全世界では約4億9300万ドルのヒットとなった。
ロバート・ダウニーJr.やジョニー・デップも候補にあがった主人公を演ずるジェームズ・フランコは、人間味溢れる人物を魅力的に演じている。
初心で善良な心が傷つき、邪悪な魔女に変わってしまうミラ・キュニス、その姉レイチェル・ワイズ、良い魔女のミシェル・ウィリアムズ、主人公の助手と翼を持つ猿の声を担当するザック・ブラフ、陶器でできているところがどこか悲しげであり、冒頭で車いすの少女も演ずるジョーイ・キング、主人公のショーの助手のアビゲイル・スペンサー、南の国の住人で何でも作るビル・コッブス、紋章官のトニー・コックス、主人公を疑う客テッド・ライミ、ウィンキーの門番ブルース・キャンベルなどが共演している。